島聡の発言 (憲法調査会)
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○島委員 今会長の方から、会計検査院及び参議院のあり方も含めてということでありましたので、参議院のあり方についての私の意見を述べたいと思っております。
まず、現行議院内閣制で小選挙区比例代表並立制が導入されて、政権交代可能な政治というものが目指されたわけでありますが、御存じのように、憲法五十九条第二項で、法律に関しましては、参議院と衆議院が違った議決をした場合、衆議院に戻ってきて三分の二以上の多数で再び可決しなくちゃならないことになっております。これにおきますと、参議院に要するに実質上の拒否権が持たれるということになっていますので、これは、五十九条の二項は削除も含めて再検討すべきだろうと私は思っています。
せんだっても申し上げましたが、参議院の位置づけということから考えれば、会計検査院を参議院に置くというのは、これは議院内閣制下でぎりぎり私は可能であるというふうに思っていますので、そういう形で会計検査院は進めるべきではないかと思っています。
それから、同じく、例えばアメリカの上院のように、外交権を参議院にきちんと持たせるという話になりますと、憲法六十一条が問題になってきまして、条約の締結に必要な国会の承認は、これは現行では、いわゆる参議院で衆議院と異なった議決をした場合には、参議院が三十日以内に議決しないときには国会の議決とするということになっておるわけでありますが、これを参議院の強化の形にするように、例えば六十一条を、条約の方は参議院の方が優先権を持つというような形にしていくのがいいのではなかろうかというように考えている次第でございます。
それから、今この話をすると、そんなことは非現実的だという話がありますが、私が学生時代に、財政の問題においてブキャナンとかいう財政理論学者がいました。それが、例えば、憲法に財政均衡主義をうたうべきだという議論をしたことがあります。つまり、民主主義においては必ず財政というのは肥大化するものでありますから、もちろん赤字国債等々が財政法で制約されているのは存じ上げておりますけれども、本当にこれから先の財政、ケインズ以来どんどん膨大な赤字を出しても普通であるというのが一般的になっておりますけれども、ひとつ財政において本当に財政均衡主義ということを憲法にうたうべきだというような議論すらあるわけですので、それも含めて総体的に財政の問題については考えていくべきではないかと思います。
本当に、ローマ帝国なんかは、道路は全部公のものでつくった。ほとんどがいわゆる税金でつくったものでありまして、あのローマのアッピア街道は全部そういうのでできているんだそうであります。これはもう単純な議論でありまして、お金が入ってきた、入るをはかって出るを制するで、入ってきた分だけつくる、そういうことであれをつくったんだそうであります。
そういう意味で、私たち、どうしても財政というのは、まあ今でも四十数兆の税収で八十兆近い歳出があって当然だというような発想をしておりますが、憲法というのは根本的に、長期的に、総合的に考えるものだと思っていますので、そういうことも含めて議論をしていくべきではなかろうかということを問題提起として申し上げます。
以上です。