黄川田徹の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○黄川田徹君 自由党の黄川田徹であります。
 私は、自由党を代表して、政府提出の個人情報の保護に関する法律案、行政機関における個人情報の保護に関する法律案等五法案に反対の立場、並びに、民主党、自由党、共産党、社会民主党共同提案の個人情報の保護に関する法律案、行政機関における個人情報の保護に関する法律案等四法案に賛成の立場から討論をいたします。(拍手)
 さて、一昨年三月末に提出された旧政府案は、表現の自由、報道の自由等を制限するなど、個人情報保護の法制度としても欠陥が多かったため、我々野党四党を初め、マスコミや市民団体等からの激しい反対を受け、昨年末、廃案となりました。
 これを受け、政府は、旧法案から、利用目的の制限などの基本五原則の廃止や適用除外対象の追加等の大幅な修正を行った個人情報保護法案や、個人情報を取り扱う行政機関の職員に対して新たに罰則規定を設けた行政機関における個人情報保護法案等を提出いたしました。しかしながら、政府案の本質的な問題点は変わっておりません。
 まず、政府提案の個人情報保護法案に反対の理由を順次述べたいと思います。
 反対の第一の理由は、自己コントロール権について一切触れていないことであります。
 政府案では、個人情報の取り扱いに関して、政府が基本理念と基本方針を定め、国、地方公共団体の責務を明確にするとともに、個人情報を取り扱う事業者の遵守すべき義務を定めることとなっておりますが、これだけでは、個人情報の保護という本来の目的に反して、むしろ、政府・与党がジャーナリズムや表現活動に新たな制約を加えるおそれがあり、いわば官が情報をコントロールするだけの法案になってしまう懸念が非常に強くあります。
 したがって、少なくとも、法案の「目的」に、個人情報の取得、利用、第三者に対する提供等に関し本人が関与することや、個人の権利権益を保護すること等の自己情報のコントロール権を明確に位置づけるとともに、個人情報の収集、利用、第三者に対する提供に係る本人の権利権益を保護することも明記すべきであります。
 第二の理由は、センシティブ情報の無原則な収集を許さないための、取り扱いについての基本理念や具体的な事項がないなど、極めて重要な点について一切触れられていないことであります。
 個人情報の中でも、思想、信条や医療に関する事項、福祉に係る給付事項、犯罪歴に関する事項、人種、民族、社会的身分、出生地や本籍に関する事項については、特に慎重に取り扱う必要があります。
 センシティブ情報の無原則な収集を許すことは、そのこと自体が個人のプライバシーを侵すことになるのは明白であり、本来であれば、センシティブ情報の特に慎重な取り扱いを個人情報取扱事業者に義務づけるとともに、具体的な項目や例外規定についての項目を明記するべきであります。
 第三の理由は、公権力による表現、報道の自由への不当介入を招くおそれがあるからであります。
 政府案では、個人情報を取り扱う事業者の事業内容によって主務大臣を置くこととしているため、所管大臣ごとに異なる取り扱いがされるなどの事態が生じる可能性があります。また、主務大臣が報道機関などに個人情報を提供する行為については、その権限を行使しないと規定されましたが、報道かどうかの判断については主務大臣が行うことになっているため、公平な判断がなされないおそれがあります。
 したがって、所管ごとの主務大臣の関与はやめ、統一的な個人情報保護の第三者機関として個人情報保護委員会を独立した委員会として設置するべきであります。
 次に、政府提案の行政機関が保有する個人情報保護法案の問題点を述べたいと思います。
 政府案では、センシティブ情報の慎重な取り扱いのための具体的内容については一切触れられておりません。また、自己コントロール権についても、法案の目的としていないばかりか、具体的な点についても抜け道が多いものとなっております。
 例えば、個人情報ファイル簿の作成、公表についても、公表しなくてもよい場合が多く、説明責任を果たせないものとなっており、さらに、開示の例外規定についても、行政機関の長が認めることに相当の理由がある場合などとするなど、拡大解釈のおそれがあるものとなっております。
 また、本人の同意・提供以外の目的外利用については第三者的機関がチェックするシステムがないなど、極めて問題の多い内容となっております。
 以上、政府提案の五法案は問題点が極めて多く、到底容認できる内容ではありません。これに対し、民主党、自由党、共産党、社会民主党提案の四法案は、政府案に見られる問題点は解消され、真に国民生活に必要な内容となっていると思われます。
 よって、自由党は、政府提案の五法案に反対、民主党、自由党、共産党、社会民主党提案の四法案に賛成することを表明して、私の討論を終わります。(拍手)

発言情報

speech_id: 115605254X02620030506_010

発言者: 黄川田徹

speaker_id: 30174

日付: 2003-05-06

院: 衆議院

会議名: 本会議