吉村剛太郎の発言 (共生社会に関する調査会)
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○副大臣(吉村剛太郎君) お手元に国交省が出しております資料がございますが、御参照願いたいと思います。
バリアフリー社会の実現に向けた国土交通省の取組について御説明を申し上げます。
まず、資料の一ページをごらんいただきたいと思いますが、まず基本的な考え方ですが、障害のある人が自立して社会生活を送っていく上で快適で生活しやすい生活環境の整備が重要な課題だと考えております。このため、国土交通省におきましては、障害者を始めとするすべての人が安全に安心して生活し社会参加ができるよう、住宅、建築物、公共交通機関、歩行空間などのバリアフリー化に取り組んでおります。
この場合、単に施設ごとのバリアフリー化を個別に行うのではなく、自宅から交通機関、町中まで連続したバリアフリー環境となるよう、ハード、ソフトの両面にわたり総合的な取組を推進していくことが重要と考えております。
さらに、広く国民の視点に立って障害者、高齢者、妊婦、子ども連れ等すべての人が快適に生活できるよう、ユニバーサルデザインの概念を導入してバリアフリー化を推進してまいりたいと考えております。
特に、平成十三年一月の省庁再編により、道路、住宅、建築等の分野を担当する建設省と、交通等の分野を担当する運輸省等の四省庁が国土交通省として一つに統合され、バリアフリー施策の一体的な推進を図っているところでございます。
また、バリアフリー化に積極的に取り組んでいくため、具体的な数値目標も設定しつつ、補助、融資、税制、規制など各種の施策を総合的に推進していくことが重要となってきております。このため、障害者基本法に基づく障害者基本計画の重点施策を実施するため、平成十五年度を初年度とする五か年計画として、昨年十二月二十四日に決定しました新しい障害者プランでは、後ほど説明いたします数値目標を始めとする各分野の目標を設定いたしました。
このように、だれもが快適に生活できるバリアフリー社会の実現に向け、施策の一層の推進を図ってまいりたいと考えているところでございます。
次に、二ページをごらんいただきたいと思います。
主要施策でございますが、公共交通機関については、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律、いわゆる交通バリアフリー法を平成十二年五月に公布し、同年十一月に施行いたしました。
資料の十一ページ、十二ページに参考として交通バリアフリー法の概要を添付しておりますが、交通バリアフリー法では、駅などの旅客施設を新たに建設する場合や、バスなどの車両を新たに導入する場合にバリアフリー化を義務付けております。この交通バリアフリー法やガイドラインなどにより、障害者等が公共交通機関を安全かつ円滑に利用できるよう、エレベーターやエスカレーター等の設置、バリアフリー化されたバス車両の導入などの公共交通機関のバリアフリー化を推進しております。
一日当たりの利用者数が五千人以上の鉄軌道駅で段差の解消がなされたものの割合は、平成十三年度で三三%ですが、これを平成十七年度には六〇%、平成二十二年には一〇〇%にする、また、バス車両のうち低床バスの割合は、平成十三年度では一〇%ですが、これを平成十七年度には三〇%、平成二十二年から二十七年までには一〇〇%にするなどの目標を掲げております。
続いて、三ページをごらんください。
歩行空間については、道路の移動円滑化に関するガイドラインを策定し、市街地の駅、商店街、病院などの主要ルートにおいて、障害者を始めとするだれもが安心して通行できるよう、幅の広い歩道の整備、歩道の段差、勾配の改善などを推進しております。
特に、利用者の多い駅周辺などにおいては、交通バリアフリー法に基づき、公共交通機関等との緊密な連携の下、バリアフリー化された歩行空間ネットワークの整備を積極的に推進しており、主要な鉄道駅等周辺における主な道路のバリアフリー化率は現在一七%ですが、これを平成十九年度には五三%にするという目標を掲げております。
続いて、四ページをごらんいただきたいと思います。
住宅については、既に、新設されるすべての公共賃貸住宅についてはバリアフリーを標準仕様としていますが、特に、障害者の特性やニーズに対応するため、障害者が使いやすい流し台、介助しやすい浴室など、特段の配慮を行った仕様を有する障害者向けの公共賃貸住宅の供給を推進しているところであります。
また、住宅ストック全体についても、手すりの設置、広い廊下幅の確保、段差の解消などのバリアフリー化を推進しており、バリアフリー化された住宅ストックの割合は、平成十年度では三%ですが、これを平成二十七年度には二〇%にするという目標を掲げております。
続いて、五ページをごらんください。
建築物については、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律、いわゆるハートビル法を平成六年に公布、施行しております。また、資料の九ページ、十ページに参考としてハートビル法改正の概要を添付しておりますが、昨年七月、ハートビル法を改正し、バリアフリー対応を推進すべき特定建築物の範囲を共同住宅等多数の者が利用する建築物にも拡大、一定規模以上のデパート等の特別特定建築物についてはバリアフリー対応の義務付けの創設、容積率の緩和等の認定建築物に対する支援措置の拡大などの措置を講じたところであり、本年四月一日に施行いたします。
このハートビル法や設計者向けのガイドラインの作成、周知などにより、障害者等が円滑に建築物を利用できるよう、建築物のバリアフリー化を推進しており、ハートビル法の利用円滑化基準に適合する特別特定建築物の割合は、平成十一年度では六八%でしたが、平成十五年四月に義務化されたことに伴い、以降建築される二千平米以上の特別特定建築物についてはすべて利用円滑化基準に適合することになっております。
続いて、六ページをごらんください。
これまで説明しました各種の施設のバリアフリー化を総合的に推進する観点から、駅などの旅客施設を中心とした重点整備地区につきましては、交通バリアフリー法に基づき、市町村が駅及び駅前広場、周辺の主な道路や施設等のバリアフリー化を推進していくための基本構想を作成し、その構想に基づき、各種事業を重点的かつ一体的に実施することとしております。ここでは、千葉県船橋市の基本構想の例を示しております。
基本構想の作成状況につきましては、七ページにありますとおり、現在、五十一市町村で作成済みで、その他約六十市町村で作成中、約四百五十市町村で作成の予定となっております。
国土交通省としては、こうした市町村による基本構想の作成を関係省庁とも連携を取りながら一層推進してまいりたいと考えております。
続いて、八ページをごらんください。
バリアフリー社会の実現には、ハード面のバリアフリーだけではなく、情報提供や普及・啓発などのソフト面の施策を併せて実施することが必要と考えております。このため、バリアフリー情報の提供や障害特性に配慮した情報提供を推進するとともに、普及・啓発活動を展開しております。
例えば、インターネットにおいて、情報提供システム「らくらくおでかけネット」を構築し、駅構内のバリアフリー施設の配置や乗換え案内等のバリアフリー情報を提供したり、広く国民の皆さんが身体障害者等に対する介助体験、疑似体験等を通じてバリアフリーについての理解を深めるとともに、ボランティアに関する意識を醸成するため全国で交通バリアフリー教室を開催するといった取組を行っているところであります。
今後とも、ハード面の施策と併せソフト面の施策を実施し、障害者を始めとするすべての人が生活の様々な場で快適に過ごすことができるよう、広く国民の皆様へ理解の浸透を図っていきたいと考えております。
以上で、バリアフリー社会の実現に向けた国土交通省の取組についての説明を終わります。