白川方明の発言 (経済産業委員会)

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○参考人(白川方明君) お答えいたします。
 近藤先生御指摘のとおり、日本銀行は、一昨日、臨時の金融政策決定会合を開きまして、米国等による対イラク武力行使の開始など、経済金融情勢を取り巻く不透明感が強い下で危機の未然防止の観点から取り得る措置はないか、それから、やや長い目で見た場合に現在の金融緩和の枠組みを見直す余地がないかといった点について、極力早期に点検し、必要な対応を決定するというために開催したわけでございます。
 会合で決定しました内容につきましては、今、近藤先生から御指摘のあったとおりでございます。
 今回の決定した内容のうち、大きく分けまして二つございますけれども、一つは期末あるいはイラクとの武力行使、こういう情勢を踏まえまして、流動性確保に万全を期すということも改めて確認いたしました。この措置は、金融市場の安定を確保するということを通じてデフレスパイラルに陥るということを防ぐ、そういう意味では大きな効果があるというふうに思っておりますけれども、そうしたことも改めて確認をしたということでございます。
 それから、やや長い目で見た場合の金融政策の枠組みということでございます。
 先生御案内のとおり、日本銀行は二年前に量的緩和を採用いたしまして、以来、日本銀行による資金供給を大幅に増やしてまいりました。現在、当時から比べますと、マネタリーベースの伸び率は四割以上増えておるわけでございますけれども、しかし、これが景気、物価を刺激するにはなかなか至らないということでございます。
 その背景を考えてみますと、幾つかの要因がございますけれども、一つは金融システムの機能が必ずしも万全ではないということで、金融システムを強化していく必要があるというふうに考えております。この点では、不良債権処理あるいは金融機関自身の収益力向上の努力が必要でございます。
 それから、魅力的な投資機会がもっともっと増えていくということが大事で、この点につきましては、もう言い尽くされたことではございますけれども、規制改革あるいは税制改革が必要であるというふうに考えております。
 潤沢に供給しています量が本当に生きていくために、日本銀行だけでできるということは限られているかもしれませんけれども、しかし日本銀行という面でできることは何だろうかということを改めて点検してみようということでございます。
 これまでも、中小企業向けの売り掛け債権等を担保とします、裏付け資産としますABCPを担保に受け入れるということを通じてこのマーケットを大きくしていこうと、それを通じて中小企業にももっとお金が回るような仕組みを作っていこうということで努力しておりますけれども、そうしたことも含めまして、今後どういうことができるかということをしっかり検討していこうというふうに思っております。
 それから、財務の健全性でございます。
 日本銀行、量的緩和を現在いたしておりまして、その結果、日本銀行のバランスシートの規模、これは大幅に拡大していることは先生御指摘のとおりでございます。日本銀行は、こうした量的緩和政策の遂行に当たりまして、財務の健全性確保という点にも常に、を念頭に置きながら対応してきております。
 例えば、これは金融政策という位置付けではございません、金融システムという面での位置付けでございますけれども、株式の購入を取ってみますと、金融機関が保有する株式を購入する際、格付の高い株、銘柄に限定して買い入れておりますほか、含み損が発生した場合にはこれは引当金を計上するということを行っております。
 それから、資産サイドで最も大きなウエートをしております、ウエートを持っております国債につきましても、価格変動に備えましてリスクに見合って十分な引き当てをするということも行っております。
 いずれにせよ、日本銀行としまして、財務の健全性を維持するということは政策遂行能力を確保する、あるいは通貨に対する信認を維持することは非常に大事だというふうに思っておりますので、今後とも、資産保有に伴う様々なリスクを適切に把握しまして、その上で財務の健全性確保にも努めてまいりたいというふうに思っております。
 それから、国債バブルという点の御質問でございます。
 現在、日本銀行は長期国債を買い入れておりますけれども、その際、長期国債の買入れというものを銀行券の残高、これを上限としますよということを二年前に発表をしております。これは、先ほど先生の御質問の、日本銀行の財務の健全性等も含めまして、通貨あるいはその財政に対する信認を確保するという意味でも、大きな意味を果たしているというふうに思います。
 そうしたものに対する疑念がいささかなりとも生じますと、それでその市場が不安定になってくるということが懸念される。そうなりますと、デフレの克服ということ自体がまた危うくなってまいります。その辺も十分に意識して政策運営に努めてまいりたいというふうに思っております。

発言情報

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発言者: 白川方明

speaker_id: 24444

日付: 2003-03-27

院: 参議院

会議名: 経済産業委員会