松田岩夫の発言 (憲法調査会)
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○松田岩夫君 お三方の先生、本当に今日はありがとうございました。三人の碩学に、たかだか一時間ということで誠に恐縮でございました。二十分時間をいただきましたので、少しだけ御質問させていただきます。
まず、お三方とも憲法、特に九条と戦後社会、戦後の日本といったような点についてそれぞれお触れになられました。
五百旗頭参考人にまずお聞きいたしますが、いただきました資料の「日本の安全保障観はいかに推移したか」というのも読まさせていただきました。ただいまの御発言をお聞きして、正直、この制定当初からお調べになっていただくと、既に自衛戦争はもちろんのこと、国際安全保障上の共同行動への参加といったことについても意図されていたということが明確であると。それにもかかわらず、政府・与党ばかり、与党の解釈も非常に限られたもので、そういったことから過去五十年、長い歴史の回り道をしてきたといったことが書かれております。私も非常にその感を深くしておるわけであります。
短い自分の経験から言いましても、正直、九二年のあのPKO法案審議の際、有名な歴史的な牛歩戦術といったようなものが行われたわけでありますが、今お触れになりましたように、この長い間の懸案でありました有事法整備といったものについて野党第一党との間で共同でそれを作り上げることができたと、この大きな変化といいますか、それなりにまた今御評価をいただく御発言もありました。まだまだ至らぬ点はあると思いますけれども、この過去五十年の憲法、平和主義、国際主義といったような点にかかわる国論といったものが、こうして政治の世界でも本当にだんだんだんだん収れんされながら、大変な努力が積み重なってきているなということをお三方の話を聞きながらしみじみ感じさせていただいたわけでありますが、そういう過去の我々のこの経験を踏まえて学ぶべきことは何かということで、これまた五百旗頭先生から、まず実態をよく見ろ、国際環境をよく考えろ、そして何が必要かということをよくまず判断することが第一だと。それに引換え我々は、その正統性とか、その正統性の根拠の一つになる法規、法律といったものにこだわり過ぎているのではないかといったようなニュアンスのお話もお聞きいたしました。お答えもいただいたのかと存じますが。
しかしまた、この点について坂本参考人の、これは今日お話しになりませんでしたけれども、せっかくでしたので書物も幾つか読まさせていただきました。そういう中には、特に「相対化の時代」という書物の中で先生は、この戦後の反戦、反再軍備といった平和主義の市民運動が戦後の日本に民主主義が根付くことを可能にした、こうした平和主義の市民運動がなければ戦後の日本にも軍事政権や強権体制が生まれていたかもしれないと。ちょっとここは私の歴史認識と大分違うのでございますけれども、いずれにいたしましても、こういう評価もなさっておられます。時間がありませんので、坂本先生には後ほどこの点も踏まえて御質問させていただきますが。
第一問は、五百旗頭先生に、我々は過去、長い歴史の回り道といったことを二度と起こさないために、もう一度簡単に何を学ぶべきかお述べいただけたらと存じます。