五百旗頭真の発言 (憲法調査会)

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○参考人(五百旗頭真君) ありがとうございます。
 大変そういう踏み込んだ歴史のひだにまで御関心を持たれて、御同慶の至りでございます。
 ケーディスの段階では既に国連憲章というのが問題になっておりました。で、参考資料にも書きましたように、幣原首相も、それから憲法の日本側の起草責任者で当初ありました松本烝治国務大臣も、それから金森国務大臣、これは国会において憲法制定の答弁に立った人でありますが、その人たちは皆、国連憲章を意識し、その中で国連憲章が語るところの、侵略行動を制止し処罰する国連加盟国による共同行動、それに日本がもしこのような第九条を持ったら参加できなくなるじゃないか、そうすると国連加盟を阻害するのではないか、十全に義務を果たし得る憲法にしておかなきゃいけないんじゃないかということを気にしたようですね。
 その上で、しかし日本の場合には、言うならば大きなとがのあった当時存在であって、そのような、国連が全体としてやる安全保障行動への参加云々というのはまだ早い、それよりもまず十分に平和志向に生まれ変わったということを示す必要があるという判断を総司令部側でも基調としたというふうに推されますし、ケーディスが意識していたということは間違いなくインタビューで確認しましたけれども、しかし、にもかかわらず、平和的というのはマッカーサーが特に重視をし、そして吉田首相は、それに沿うことが、この苦難の亡国という、国を失った社会がもう一度よみがえるときの国際的信任、国際的なある種の共感、親和性がなければもう一度立ち上がれないわけですね。
 それをやるために、言わば外交条約的な意味を持ってこの憲法を作る必要があるというわけで、その瞬間には殊更に平和主義的でなきゃいけない。そのためには、国連加盟の際の条件としてマイナスになるかどうかということは、今の時点ではそこまで突き詰める段階ではないというので、これをあえてのみ込んだというふうに見ております。

発言情報

speech_id: 115614184X00720030514_022

発言者: 五百旗頭真

speaker_id: 31051

日付: 2003-05-14

院: 参議院

会議名: 憲法調査会