五百旗頭真の発言 (憲法調査会)

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○参考人(五百旗頭真君) 御見識だと思います。
 大きく見ますと、あの敗戦の瞬間に日本が、国際的及び国民的でもありますが、信任を取り戻すために、あれほどの徹底した、ある意味で自衛権まで疑われるような、そういうものを作ったことは全く間違っていたとも言えないと思うんです。いずれにせよ、そのような能力の持ちようもない状況でした。そして、独立し、冷戦下において日米安保条約の下での経済国家としての発展、平和的発展というのを基調に置いたその選択も間違っていないですし、そのような下で自衛力以上の能力を持ったり、あるいは国際関与を持とうとすることがまずは意味がない、合理的ではないと思われる時代を歩んできたわけですね。
 と申しますのは、冷戦期というのは米ソという二超大国が極度に突出していて、それに対して他の国がどういう軍備を持つかというのは非常に、もうほとんどネグリジブルである。そういう場合に、一方のアメリカとの同盟関係を結んで大きなところは押さえにするという判断は間違っていないわけで、その意味で、冷戦下はおおむねそれで大きな問題はなかった。
 しかし、冷戦が終わりまして、一方で一極突出ということがありますけれども、他方で、それぞれの国が自らの安全保障に対して、つまり西と東の二つのグループの中でというんではなくて、独自に安全保障をもっと真剣に考えなきゃいけない状況が生まれ、それが九〇年代の相次ぐ危機の我々が体験してきたところですよね。朝鮮半島もあれば台湾海峡もあり、湾岸もありと。そういう状況において、我々は今、あの今までの経緯をたどって、おかしなところはあったがそれなりに状況との適合性もあったというのを過去にしたわけですね。
 したがって、今そのような過去の解釈に縛られて動くのではなくて、自ら主体的に、この状況の中ですっきりした憲法に作り変えるという御意向は誠に御見識で、私も同様に考えております。

発言情報

speech_id: 115614184X00720030514_024

発言者: 五百旗頭真

speaker_id: 31051

日付: 2003-05-14

院: 参議院

会議名: 憲法調査会