明石康の発言 (憲法調査会)

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○参考人(明石康君) ありがとうございます。
 私は、一九九二年春、この参議院のPKO特別委員会で参考人としてお話をする機会がありました。PKO協力法ができまして自衛隊の一個大隊がカンボジアに、私が国連から最高責任者として行っておりましたけれども、来てくれたということは本当に涙が出るくらいうれしいことでした。
 当時、若葉マークの自衛隊一個大隊でありましたけれども、その後十年を経て、ゴラン高原、モザンビーク、それからゴマにおける人道支援その他を経験し、自衛隊は昨年東チモールに行きまして、これまた一個大隊の単位として参りまして、大変いい仕事をしていると思います。
 十年を経まして、着実に成長をしてきていると思います。しかしながら、それでいいかといいますと、私は十分ではないと思います。
 我が国と同じく若葉マークで発足したドイツでございますけれども、ドイツはカンボジアに野戦病院を一つ作りました。設備なんかは大変良かったんですけれども、ドイツの医者はマラリアなんという病気はどういう病気かその診断ができませんでした。そういうような状態で発足したんですけれども、今や一万人以上のドイツの兵が、我が国のように国連憲章第六条のいわゆる伝統的なPKO活動に従事するのみならず、第七条の平和に対する脅威を防止するための実力を持った国連のそういう一翼を担った兵力を出しております。アフガニスタンの国際治安支援部隊の指揮をオランダとともにドイツが握っております。それから、中央アジアのジョルジアその他にも出しております。ボスニア、コソボその他にも出しております。
 そういうことで、私は、我が国はいいところまで来ているけれども、ドイツにちょっと水を空けられたなという感じを持っております。
 もちろん、我が国とドイツを安易に比較することはできません。ドイツはEUの押しも押されぬメンバーですし、NATOのメンバーでもありますし、近隣諸国の和解というのもこれに成功しました。我が国が余り活発に国際的に動くと、お隣の中国その他から疑念を持って見られかねません。そういうことで、近隣諸国との外交、信頼醸成もきちんとやりつつ、国連の広がっていく活動範囲に我が国も適応するように活動範囲を広げる必要があります。
 そんなことで、昨年の十二月に総理と官房長官に提出した国際平和協力懇談会の四十の提言をごらんになれば、我々がこういう問題、単に自衛隊の問題のみならず、文民警察官のもっと活発な、これに関しては坂本先生が提唱されるように、もう警察として別組織の、国際活動のための組織を作るべきだということを言っておりますし、何よりも、NGOを始め若い非常に優れた人たちが、二十代の本当にいたいけな女性であっても、本当に世界の隅々まで行って青年協力隊その他として活躍しておると。しかし、日本へ帰ってくると仕事がない。こういう人たちは本当に残念なことなので、こういう人材をもっと長期的な観点から育成していくと。外務省から青年協力隊に、NGOから国連にというふうな多彩なキャリア活動とか経験を経て、この人たちが伸びていくようでないと、欧米の本当にプロのNGOと対抗できるはずもございません。
 そんなことで、やるべきことはたくさんあるのではないかということで、是非ともこの参議院議員であられる皆様方に、日本のこれからの国際活動はどうあるべきかということに関して、十年前の状況を踏まえつつ、また更に第一歩を踏み出していただきたいというふうに考えております。

発言情報

speech_id: 115614184X00720030514_026

発言者: 明石康

speaker_id: 32147

日付: 2003-05-14

院: 参議院

会議名: 憲法調査会