村田晃嗣の発言 (憲法調査会)

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○参考人(村田晃嗣君) ありがとうございます。
 実は大変難しい問題でございますけれども、先ほど申し上げましたように、私は有事というのは想定し得ない事態が起こることが基本的に有事だというふうに思っておりますので、極めて厳密な法規定の網の目を作っても、多くの場合はそれはうまくいかないであろうというふうに思っております。しかしながら、言論の自由、思想信条の自由というようなことは今回の法律でも例示されたと思いますけれども、そういうどのような事態でも侵してはならない基本的人権というものをどう担保していくかということは極めて重要なことだというふうに思っておりますし、それからおっしゃるようなサイバーテロであるとか不審船の問題とかいうのも、確かに可能性といいますか、蓋然性としてはそういう危機の方が高いかと思いますけれども、今般の法整備によって、そういった問題に今後対処していくときのある種のそれは応用問題として用いられる枠組みというのが整備されつつあるのではないかというふうに思います。
 ただ、私は、一つ幸いだと思いましたのは、今回の有事法制の議論で、それこそ佐々参考人が有事法制の問題で第一線でやっておられたころには、有事法制と言うだけで何か極めて危険で反動的なものであるというようなネガティブなイメージが展開されたように思いますけれども、例えば今回の法律でも、いわゆる罰則規定というのは、私が記憶しているところでは六か月以下の懲役又は三十万円以下の罰金でございましたか、というような罰則規定しか含まれていないのであって、それも深刻であるといえば深刻であるかもしれませんが、しかし、このようなものを一部の人たちが言うように国家総動員法の復活であるとか治安維持法の回帰であるとかいうふうに論ずるのは正にアナクロニズムであって、そういう議論はもう国民には受け入れられなくなってきているというのは国民意識の大きな変化だというふうに思っております。

発言情報

speech_id: 115614184X00920030716_029

発言者: 村田晃嗣

speaker_id: 35023

日付: 2003-07-16

院: 参議院

会議名: 憲法調査会