平野貞夫の発言 (憲法調査会公聴会)

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○平野貞夫君 私も十年昔は自由民主党にいましたし、今も政治的スタンスは決して左の方じゃございませんが。
 私は、意見として申し上げたいのは、九条という憲法を持っていて、それを作った時代背景もあって、それからその精神の生かし方もこれは限界まで来ておるわけなんですが、私は、要するにそういう国家の基本である法体系に欺瞞な態度で、それをうそをつくような形で政治をやったりあるいはシステムを作ったりすることが世界の一番不信の元、世界各国からの不信の元になるという意見なんです。ですから、これまでの話は護憲派と思われるかも分かりませんが、私は極めて積極的な改憲論者なんでございます。しかし、今の憲法の精神は守らなきゃいかぬ、原理は守らにゃいかぬという立場でございます。
 そこで、理論的には実は林公述人と全く同じ意見なんですよ。しかし、現実に憲法を改正するということがなかなか難しい。
 それから、私は、今の国民の過半数が九条のこの精神を厳格に運用しろという判断でしたら、政治は守るべきだと思うんですよ、それは。それは国民に憲法の制定権がありますから。しかし、そうではない、この精神は生かしながら、ここまではやっぱり対応しなきゃ駄目だという国民が判断するなら、これはそれを生かすべきだと思う。そういう意味で、とにかくごまかしが一番悪いというのが私のその根底なんです。
 そこで、お話にありました憲法改正手続制度なんですが、私は自分自身で立案したこともありますし、ある意味で、それを作るために国会議員になったようなものでございます。ところが、現実は難しいんです。原因は、自民党がそれでまとまらないんですよ。自民党はさっき作ると言っていましたけれども、もう駄目だという大物が何人もいるんですよ。死ぬまで憲法改正やるなという現職長老だっておりますからね。
 それからもう一つは、私は、憲法学者、それから司法試験通った人は右でも左でも、やっぱりこれは、立憲政治というが、立憲でやるならば、憲法政治やるなら、この国民の憲法制定権をほったらかしにして、政治的、法的不作為行為を続けていることが一番のこの日本人が堕落していくもとだと思っています。これには御意見要りませんから。
 それから、林公述人にお聞きしたいのは、憲法改正できないならば、僕は少なくても憲法の精神の限界で解釈を発展させるといいますか、あるいは変更させる形で、それもやっぱり基本法が要ると思うんですよ、特に九条については。その上で、こういったものをその指針の範囲で作るべきだと思うんですが、それがやられていない。なぜ気休めの、その場限りのものしか作れないかというと、今の政権だって、自民党の中にだってそれに対しては異論がある。それから、公明党と連立していますから調整できない。また、野党第一党だって同じ悩み持っているわけですよ。こういう日本人の政治選択に僕は非常に根本的な問題があると思うんですが、その辺について御意見をいただきたいと思うんです。

発言情報

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発言者: 平野貞夫

speaker_id: 22130

日付: 2003-06-04

院: 参議院

会議名: 憲法調査会公聴会