浜田卓二郎の発言 (財政金融委員会)

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○浜田卓二郎君 幸か不幸か、日本のお役人さんというのは大変優秀でまじめなんですよね。私もかつて税務署長をやりました。愛される税務署長なぞと言っていましたけれども、そんなことはあり得ないわけでありまして、末端は国税庁からの通達を非常によく守りながら生まじめにやりますよ。金融検査官だって同じなんですね。
 だから、結局、その八%、四%、これは別に比率そのものを私は云々するというんじゃなくてその精神をいうわけですけれども、一律にきつくして、しかも金融検査で洗い出せという号令が掛かって不良債権というものを認定していく、そういう作業が生まじめな金融検査官によって、しかも、竹中さんは大手銀行だけだとおっしゃるけれども、大手銀行でそうやるということは、中小金融機関についての金融検査でもそうやっていますよ。その結果何が起きているかといったら、貸しはがし、貸し渋りなんというのはもう言い飽きましたけれども、要するに金融機関がリスクを取らなくなっているという現象が起きているわけですね。
 私、こういう相談を受けましたよ。うらやましくてしようがなかったんですけれども、支店長が来ましてお金借りてくれと言うんだそうです。それで僕に相談がありまして、借りたらどうだろうかとおっしゃるから、じゃ預金している分だけは借りておきなさいよと、いざとなったら相殺だなんと言って乱暴な話を申し上げたんですけれども、資金需要のないところに、もうかっているところに支店長が来て金借りてくれと言うのはこれは、これは金融ではありませんよ。金融の本質はリスクテークのはずですから、限界的なところで貸してくれるか貸してくれないかに企業の生命線を懸けてやっている企業に対して一体今の金融が機能しているかどうか、そこのところをきちんと把握しておいてもらわないと経済なんて良くなりませんよ。私はそういうことを言いたいんですよ。
 それで、アメリカの例をよくおっしゃいますけれども、アメリカと日本は違うでしょう。やっぱり間接金融、直接金融の違いというのは私はあると思うんですね。エンロンのような事件が起きるのは、これは直接金融を非常に大事にする国だから起きるわけでしょう。みんな株式を気にしている。それはなぜかというと、リスクテーカーが投資家だからですよね。社債を買う、株を買う、これはリスクテークを、企業のリスクテークを投資家がしているわけですよ。
 日本の場合には金融機関がリスクテークをしてくれているんですから、だから不況のときはリスクテーカーがこの不況に対応したリスクを取ってくれているから日本の企業社会というのは何とかかんとかしんどいときも頑張ってきて歴史を重ねてきた。法人税を払えなくても従業員に給与を払えれば、従業員は所得税を払うんですから企業の存在価値はあるんですよ。やはり雇用を継続していくということは、産業構造を変えろというのと同じように大事ですよ。産業構造を変えろという意味は、もうやっていけなくなった、時代に合わなくなった、ニーズにこたえ切れなくなった産業を変えていくという意味ですよね。それは必要ですよ。だけれどもそうじゃなくて、赤字になっても従業員に給与を払っている企業も大事にしてくださいよ。それはちゃんと所得税を通じて、あるいは事業税を通じて社会に貢献しているんですからね。
 私は、このリスクテーカーが日本の産業社会から消えてしまったら産業は成り立たないと。金融機関が身ぎれいになって体質強化がされる前に企業社会は崩壊をする。昨年の暮れも同じようなことを申し上げましたけれども、いよいよ竹中金融政策本番に入りつつあるわけですから、もう一度念を押して申し上げて、その生きた企業、社会というものを念頭に置いた金融政策を展開をしてくださるようにお願いをして、一言御答弁をいただいて質問を終わります。

発言情報

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発言者: 浜田卓二郎

speaker_id: 11564

日付: 2003-03-20

院: 参議院

会議名: 財政金融委員会