岩田喜美枝の発言 (内閣委員会)
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○政府参考人(岩田喜美枝君) まず、北欧諸国の例でお話をさせていただきたいと思いますが、一九七〇年代には確かに女性の就業率が上昇いたしまして、それが原因ではないかと言われているんですが、出生率の低下がございました。その後、一九八〇年代に入りまして、育児休業制度の拡充ですとか保育サービスの充実といったような対策面での対応がなされまして、その後、高い就業率を維持しつつ比較的先進国としては高い出生率を回復しておりました。
スウェーデンの例でまいりますと、九〇年代に入りまして再び出生率が低下したわけですが、これは、一つには若年雇用が非常に不安定になりまして若年の失業問題が出てきたということですとか、財政事情があったのかと思いますが、育児や保育についての給付サービスについての水準の切下げなどがございまして、これが出生率の低下に結び付いたというような指摘もございます。二〇〇〇年代に入りまして再びスウェーデンは出生率が回復基調になっておりますけれども、それは、一九九八年以降再び育児休業給付などの拡充を政府が図ったということとも関係があるんではないかといったような指摘がなされております。
以上、北欧諸国、スウェーデンを中心とした北欧諸国の例でございますが、それに限りませんで、欧米の先進諸国を見ますと、統計的には子育て期の女性の就業率が高いということと子供の出生率の高さとは正の関係、就業率が高いほど出生率も高いといったようなことになっております。
で、日本については、統計的な制約がございますけれども、子供を産んだ方について、一歳以上の子供がいる夫婦について、妻の就業経歴と産んだ子供の数との関係を見た最近の調査結果があるんですが、それによりますと、女性の就業形態、就業の継続型、あるいはお子さんを産むときにはいったん仕事を辞めるけれども再就職する再就業型、また専業主婦型、この三つに分けて見ますと、お子さんを産んだという女性についてだけの比較ではありますけれども、この三者の子供の数には違いが見られなかったということもございます。
もう一つの女性の就業と子供の、子育ての質の問題でございますが、子育ての質をどういう統計で見るかということはなかなか難しいことがございますけれども、最も極端なケースで、刑法犯の少年の例えば検挙をされている人数ですとか少年人口に対する比率などを見ますと、例えば二十年ほどさかのぼって見ますと非常に大きな波を描いております。増加をしたり減ったりして、また近年それは増勢にあるというふうに思っております。一方、我が国の女性の労働力率全体では高まっているんですけれども、これは未婚の方、晩婚化といいましょうか、晩婚化の影響ですとか、あるいは子育てが一段落した方の再就職、その辺りの労働力率が高まっているということでございまして、子育て期の女性の就業率は我が国の場合にはこの二十年間ほとんど変化をしてございません。一方では、先ほど申し上げましたような子供の非行については大変大きな波があるということで、どうも直接的な関係はないんではないかというふうに私は思っております。