高根沢市夫の発言 (農林水産委員会)

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○参考人(高根沢市夫君) 私は、栃木県の那須御用邸、皆さん御存じだと思いますが、その玄関口の黒磯で四十数年間、米一筋に百姓をやっている者でございます。
 私がこんなところへ来て発言する機会を与えてくれました皆様方に、厚く感謝を申し上げたいと思います。また、常日ごろから皆様方は、我々百姓のために頭を絞って、我々に合う法律を作っていただきまして、陰ながら厚く御礼を申し上げる次第でございます。
 そんな中で、私は中学校しか出ておりません。そんな中で、当時、昭和三十四年の卒業でございます。その当時は、私の地方は、畑作、オカボとヒエ、たばこ、そんな中で、科学の発達によって、井戸掘り、揚水ポンプで水田を造ることが県からいろいろな形で推進されまして、やはりそれをやっていくべきだろうということであれしたわけですが、なかなか資金面がございませんでしたので、農協あるいは政府の資金を借りて開田をし、当時は百俵売れば生活できました。しかし、その後、増産、そういう運動がございまして、今度は、何といいますか、農家の目標は一日一俵売れば暮らせるだろうと、こんな考え方で一生懸命やってきたわけですが、それがどういうはずみか、数量が多くなりまして、消費が伸び悩み、さあどうするんだということで、四十五年だったと思いますが、今の生産調整が始まったわけでございます。そんな中で、我々、現在は、当地方におきましては、水田、酪農、野菜を中心として何とかこの制度の中でどのようにして生きていけばいいんだということで、それぞれが知恵を絞り、頑張っているわけでございます。
 特に、どの分野においても政府の助成金が入ってございます。確かに消費者から見れば過保護じゃないかと、こんなふうに言われますが、実際問題として、本当の国際水準の物の値段が我々が再生産できる値段ではないのは皆さん御存じだと思います。そんな中で、私は、主食である米は、やはり税金を投入して我々が再生産できる値段を保障してくれなければ、本当に今度は農家は倒産をいたします。そんなことで、これからの新しい米政策について、本当に我々のことを考えて作るものなのか、大変不信感を抱いているところでございます。
 そんな中で、一つを申し上げるならば、産地づくりの交付金でございます。今まで三十数年間やって、麦、大豆、飼料作物ということで国から指定を受けまして、それぞれ頑張ってやってきたわけでございます。そろそろ本格化しろと、こういうことだと思います。しかし、今の値段では米と同じ所得が得られますか。最低だって、今の値段を保障してくれなければ本作は当然農家側にとってはできませんよ。
 今、大豆にしろ、八千円の補助金が入っています。これは、財源がなければいつでも打ち切られる制度だと私は感じております。そうしたら、五千円の大豆作る。合いませんよ。だって、これは、どんなことしたって現在の値段を、価格を維持していただきたいと、こんなふうに委員の皆様方にはお願いをする次第でございます。
 さらに、その中で、参加者全員のメリット、担い手対策、それから高品質な麦、大豆。我々は経費を掛けないでいかに安全な物、いい物を作って消費者に好まれるかと、消費者にそっぽを向かれたんでは終わりですから、我々ね。そんなことで、できるだけ、生産費掛ければもうけ少なくなるわけですから、これは掛けたくないですよ、我々だって。そこのところ、よくお考えいただいて、間違いのない政策を作っていただきたいと、こんなふうに思います。
 それから、下落対策ですね。米は下がります、先ほども言っていましたように、先生がですね。もう生産調整、今年で終わりだから全部作れるんだという農家の間違った考えもございます。そんな中、そういうことのないようにするのは、やはり今、今年で打切りではございますが、稲作安定資金ですね。これを見ると、一対一でもって出し合ってやるような、新聞報道などを見ますと、同じ八割でも財源が少ないわけですから、農家の手取りは今までの半分でしょう。やっていけますか。そして、後継者育成、担い手。
 先ほども言ったように、集落型の今度は営農でしょう。経理まで一元化。農家は、隣に蔵が建てば腹が立つということでお互いに頑張ってきたから伸びてきたんですよ。やはり、そのいい面は、努力をしようといういい面は残さなくちゃ。一緒だったらば本気になんないよ、実際の話。やっぱり、お互いに競争心があって、いい物を作って、おれは隣に負けないで消費者に好まれる物を売るんだよと、そういうことがここでは失われるような気がいたしますので、もっと我々がやりやすい集落型の営農を考えていただきたいと、こんなふうに思います。
 それで、他産業で働いた場合には生涯所得は二億何千万と言っていますよね。そんな中で、その生涯所得を農家で取るのには米が幾らならばいいのかと。政府では四ヘクタールと言っていますが、土地、地方は貸し借りも進んでいますから、六町歩ぐらいが多い方の部類で、これは大事だと思うんですが、その場合に、暗算をしてみますと大体十アール、八・五俵。そうすると、それを生涯所得に合わせるのには、一万九千二百円の米価じゃなくちゃ取れないんですよ。他産業と同じ給料をくれなくちゃ、後継者いろ、いろと言ったって、いなかんべ、これ。そこらのところ、よく考えてくれなくちゃ困るんだよね。
 それは、市場原理だっていいですよ。しかし、先ほど先生がおっしゃっていたように、環境保全の役割は、おれらがいっから、田んぼ作ってっから、水害も何もないんでしょう、一時、雨降ったって蓄えているんだから、ダムの役割果たして。連休に来て、景色いいなんて、おれら土手、草刈りやってっから、きれいなところへ来て、それは余暇を楽しんで休養していけるんでしょう。その代金はどこに入っているのと、おれ、言いたいんだよ。
 米価は市場原理だっていいですよ。そういうことを忘れたんでは、この新しい政策が出てきたときには、どういうふうに皆さんは考えてくるか分かりませんが、倒産します。特に大型、私も大型でやっていますが、一番響きますから。本当に食糧を大事だと思うならば、先生方の本当の考え方を盛り込んで新しい政策に打ち出してもらいたいと、こんなふうに考えるわけです。
 その中で、特にその生産調整がやはり大事になってくると思いますよ。これは、自由に作れると思っているような人いるかもしれぬけど、量が取れれば当然安くなるわけだから、政府だって、一杯取れれば、出し分がこれ、余り米に三千円どうとか。三千円ぐらいで米作れねえや。八千円くれなくちゃ駄目だ、最低だって。加工米の値段が八千円なんだからね、余った分はね。
 で、やはり生産調整を、金を出してそっちへ移行するようにすれば、政府の思っている数量に行きますよ。これが行かないと、全部、米作っちゃうね。そうしておきゃ、一万円割っちゃうよ。どうですか皆さん。そうしたら、おれはやめるしかない、つぶれるんだから。そんだけ言ったが、おれらは田んぼあっから、二反歩ぐらい作れば一年食っていられっから、構わないよ、おれは。
 だって、それをやるのが先生方でしょう。だって、生きていくのには一番先は食糧でしょうや。それも、米だよ米。主食だけは、それは税金投入しなくちゃ駄目だよ、どんなことしたって。つぶれるよ、おれはそう思いますよ。
 市場原理、市場原理、それはいいですよ。だから、さっきも言った、環境保全代はどんな形でおれらに払ってくれるのかということ、そうならないようにやるのが先生方の仕事と思いますので、どうぞ、本当に苦しいことでございますから、これからの米政策のいかんによっては倒産いたしますので、どうぞ、先生方の絶大なる御審議をお願いをいたしまして、十五分になりますので、私の意見を述べさせて、終わらせていただきます。
 大変御清聴ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 高根沢市夫

speaker_id: 20995

日付: 2003-06-12

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会