農林水産委員会

2003-06-12 参議院 全172発言

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会議録情報#0
平成十五年六月十二日(木曜日)
   午前九時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十一日
    辞任         補欠選任
     池田 幹幸君     市田 忠義君
 六月十二日
    辞任         補欠選任
     市田 忠義君     宮本 岳志君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         三浦 一水君
    理 事
                国井 正幸君
                田中 直紀君
                常田 享詳君
                和田ひろ子君
                紙  智子君
    委 員
                岩永 浩美君
                太田 豊秋君
                加治屋義人君
                小斉平敏文君
                松山 政司君
                郡司  彰君
                信田 邦雄君
                羽田雄一郎君
                本田 良一君
                日笠 勝之君
                渡辺 孝男君
                宮本 岳志君
                岩本 荘太君
                中村 敦夫君
   国務大臣
       農林水産大臣   亀井 善之君
   副大臣
       農林水産副大臣  太田 豊秋君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       渡辺 孝男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田 榮司君
   政府参考人
       農林水産省総合
       食料局長     西藤 久三君
       農林水産省生産
       局長       須賀田菊仁君
       農林水産省経営
       局長       川村秀三郎君
       食糧庁長官    石原  葵君
   参考人
       東京大学大学院
       農学生命科学研
       究科教授     生源寺眞一君
       那須野農業協同
       組合理事     高根沢市夫君
       東京農工大学大
       学院農学研究科
       助教授      矢口 芳生君
       農民運動全国連
       合会副会長    白石 淳一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律等
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○政府参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
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三浦一水#1
○委員長(三浦一水君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十一日、池田幹幸君が委員を辞任され、その補欠として市田忠義君が選任されました。
 また、本日、市田忠義君が委員を辞任され、その補欠として宮本岳志君が選任されました。
    ─────────────
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三浦一水#2
○委員長(三浦一水君) 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、参考人として東京大学大学院農学生命科学研究科教授生源寺眞一君、那須野農業協同組合理事高根沢市夫君、東京農工大学大学院農学研究科助教授矢口芳生君、農民運動全国連合会副会長白石淳一君に御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございました。──失礼しました。ちょっともう一言、もう一言しゃべらせていただきます。
 今日議題となっております法律案につきましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をいただくことになっております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 本日の議事の進め方について御説明をいたします。
 まず、生源寺参考人、高根沢参考人、矢口参考人、白石参考人の順でお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。
 それでは、生源寺参考人からお願いいたします。生源寺参考人。
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生源寺眞一#3
○参考人(生源寺眞一君) 着席のままで失礼いたします。生源寺でございます。
 こういう形で意見を述べさせていただく機会をいただきまして、大変ありがとうございます。
 私は、食糧法の改正案と、これと併せて提起されております米政策改革の全体像につきまして、生産調整に関する研究会の座長を務めた者として、現時点で基本的に妥当な方向であるという、こういう見地から所見を述べさせていただきたいと、こう思います。
 改革の中身に入る前に、一年余りの研究会での検討を通じまして、私ども研究会として心掛けてまいりました幾つかの点に触れさせていただきたいと思います。
 一つは、米政策をめぐる様々な課題について、問題の根本に立ち返って検討を行うとともに、視野を生産調整に狭く限定することなく、米政策全体の、あるいは水田農業政策全体のオーバーホールを心掛けたことがございます。その結果、従来の施策の問題点についてもかなり率直な指摘を行い、転換すべきその方向を指し示すことができたのではないかと考えております。
 もう一つは、研究会をすべて公開とし、ガラス張りの運営を心掛けた点でございます。
 研究会は、政策の改革の方向性を提案する言わば地ならしの役割を負っていたと、こう考えているわけでございますが、この段階についても透明度の高い議論の場を確保することが非常に大切であると、こう考えていたわけでございます。
 最近、食の安全をめぐってトレーサビリティーシステムの導入が注目されておりますけれども、私は、政策形成のプロセスに関しても事後的な検証が可能であるという意味でトレーサビリティーシステムを確保することが非常に大事だと、こう考えております。この点で、ガラス張りの運営とその正確な記録という点が決定的に重要だろうと、こう考えているわけでございます。
 また、これは九回と記憶しておりますけれども、現地検討会などの機会を通じまして、水田農業の現場の声はもちろんでございますけれども、流通、加工、消費あるいは地方の行政の各方面から幅広く意見をお聴きするように努めたつもりでございます。
 もとより、研究会のメンバー自体、農業界あるいは地方公共団体、流通、経済界、消費者、こういった多様な委員から構成されているわけでございまして、私どもは、水田農業の実態を踏まえながらも国民的な視点に立った検討を心掛けてまいったつもりでございます。
 改革の中身でございますけれども、ポイントを幾つか絞ってお話しさせていただきたいと思います。
 最初に、需給調整の仕組みについてでございますけれども、平成二十年度までに農業者・農業者団体が主役となるシステムを構築する、こういう方向が打ち出されているわけでございます。主役の交代の時期が明示されたわけであります。ここは研究会の中でも大きな争点になったわけでございます。最後の最後まで言わば決着が延びたといいますか、わけでございますが。
 ただ、私の見るところ、この主役の交代もさることながら、生産調整の方式そのものの転換、この方がより本質的な問題ではないかと、こう思っているわけでございます。その意味では、主役の交代は二十年度を想定しているわけでございますけれども、むしろ平成十六年度、来年度に行われる制度の転換、これが今始まろうとしております米政策改革の成否のかぎを握るのではないかと、こう考えております。
 制度の転換ということでございますけれども、少なくとも次の二つの点が変わるわけでございます。そういう方向が提起されているわけであります。
 一つは、強制感の伴う方式からメリット措置の全面的な組替えと、それから地域ごとの需給の状況を正確にお伝えするということを前提として、納得の下で生産調整に参加していただく仕組みを提起しているわけでございます。また、提起されているわけでございます。加えまして、後に触れますけれども、いわゆる産地づくり対策にも関連いたしますけれども、メリット措置そのものの組立て、これも地域で考えていただくと、こういう形を提起しているわけでございます。
 もう一つ、二番目の制度の転換のポイントでございますけれども、これは私なりの表現を使わせていただきますと、米の生産目標数量について事後決定的な配分原理を導入しようとしているわけでございます。
 つまり、売れた実績に応じてその次の生産目標数量、その地域地域の生産目標数量が配分される、こうなりますと配分という言葉自体が適切かどうかということも多少議論があろうかと思いますが、いずれにせよ、この下で、品質、価格条件あるいは取引先との結び付き、こういった米作りの総合力の違いが地域の目標数量となって反映されていくわけでございます。このプロセスが毎年繰り返されることで、稲作の立地につきましてもいわゆる適地適作の方向に少しずつ変化が生じるということを考えているわけでございます。
 上意下達の、これまでの方式は上意下達と言っていいかと思います、そういった減反の配分ではなく、言わば売れる米づくりとマーケティング、この成果が目標数量の設定につながっていくというわけでございますので、ここは農業者あるいは農業者団体が主役となり、行政は言わば脇役に回ることがむしろ自然であろうと考えているわけであります。
 減反・生産調整につきましては、生産者、農業者の皆さんの中にも、もう即座に廃止すべきである、こういう意見もございます。減反三十数年がもたらしたいろいろな深刻な弊害を考えますと、こういった気持ちはよく分かるわけでございます。
 ただ、今回、研究会として提起をし、今回の法改正を中心とする制度改革の枠組みとして提起されている、これはハードランディングを避けながら、しかし生産調整の副作用を思い切って除去する、こういう方向であろうと考えているわけであります。新しい方式の下では、農業者間の不公平感、あるいは、私は不幸と表現していいと思っておりますけれども、不幸なあつれきの根本を取り除く、また、これも言葉はちょっと悪いかもしれませんけれども、減反という後ろ向きの仕事に言わば翻弄されてきた市町村あるいは農協の職員の方の負担を軽減し、これまでのエネルギー、そこに注がれてきたエネルギーをむしろ前向きの地域農業づくりの仕事に注いでいただく、こういう基盤づくりを目指しているわけでございます。
 また、地域の水田農業の振興をバックアップするという観点から産地づくり対策という名称で新しい助成の仕組みが提起されております。これは、地域の創意工夫を重視し、支給の対象あるいは支給の方法、これを基本的には地域の判断にゆだねようということでございます。これまでの転作の助成金が言わば全国一律、南北に長いこの国でありながら全国一律であったことに対する反省が新しい仕組みの提案につながっているわけであります。
 これまでの転作助成の反省すべき点には、事実上面積で単価が固定されてきたといったような点もあろうかと思います。現在、品質の差が的確に価格に反映されるような、こういう仕組みが政策転換の流れとして進んでいるわけでございますけれども、言わばそれに逆行するような、品質にもあるいは収量にも無関係に面積当たり幾らで払うという、こういう仕組みがあったわけでございますけれども、これもやはり転換していく必要があるだろうということでございます。こういったことも含めて地域の創意を引き出すようなことを考えているわけでございます。
 もう一つの改革の大きな柱は流通制度の改革でございますけれども、ここはごく簡単に触れるにとどめたいと思います。基本的には計画流通米といわゆる計画外流通米の区別を廃止し、同じ制度的な条件の下で特色のある流通が切磋琢磨する、こういう環境が整えられるわけでございますし、また緊急時への備え、これまでのところこれは計画流通米のみが対象になっていたところ、これが非常に非現実的な状況になっているわけでございますけれども、これを米全体をカバーする形に再編するといった点、いずれにつきましても無理のない改革の方向だろうと考えております。
 改革には大変なエネルギーが必要だと思います。これ、座長として務めさせていただいた研究会の一年余りの経過を振り返っての実感でございます。ただ、今のところ、過去三十年の負の遺産を清算するための改革という色彩もやはり強いと言わざるを得ない面がございます。水田農業を本当の意味で活性化し、ということは、若い人を引き付けることのできるような水田農業に生まれ変わっていくとすれば、過去の負の遺産の清算という、こういう場所にとどまっていることは私はできないだろうと、こう思うわけでございます。
 更に進むとして何が考えられるかということについて、最後に申し上げまして、私の冒頭の意見陳述に代えたいと思います。
 一つは、水田農業を、水田をマクロ的に考えた場合に、米の消費、需要の減少というのは、残念ながらなかなか押しとどめることができない状況にあるわけでございますが、そうなりますと、ほかの品目ということになるわけです。そのときに、やはり面積として大きな地域をカバーできるとすれば、これはえさをやはり重要視する必要があるだろうと、こう思うわけでございます。
 ただ、これは、畜産そのもの、日本の畜産そのものの在り方ともかかわって、残念ながら、今のところ十分に議論は尽くされていないように思うわけでございます。自給飼料生産の定着ということは、環境保全型の農業という観点からも極めて重要でございますけれども、今回の研究会では、言わば取っ掛かりのところまでは行き着いたような気がいたしますけれども、本格的な検討にはまだ至っていないと言わざるを得ないわけでございます。
 それからもう一点、これは、米政策の抜本的な改革に今正に着手せんとしているわけでございますけれども、ここに至って私は、経営単位の所得安定対策の導入を真剣に考えるべきときが到来したと、こう判断をしております。
 今回の改革のプログラムの中には、米の収入に限定された経営安定対策は盛り込まれているわけでございます。この点、曲がりなりにも、曲がりなりにも、経営安定対策、特に農業への所得の依存度の高い方に言わば集中する形で支援する、こういうメッセージが発せられた点、ここは私、高く評価してよいと思うわけでございますけれども、しかし、これはまだワンステップでございまして、今後は経営全体をカバーするような経営所得安定対策の検討に入るべきだろうと、こう思っております。もちろん、現行の施策からその次の施策に移るとすれば、いろいろ検討すべきことがあるわけでございます。したがいまして、そう簡単に移行できるわけではないとは思いますが、であれば、なおさらのこと、早期に検討を開始すべきだろうと、こう思っているわけでございます。
 時間でございますので、以上で私の発言を終わらせていただきます。
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三浦一水#4
○委員長(三浦一水君) ありがとうございました。
 次に、高根沢参考人にお願いいたします。高根沢参考人。
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高根沢市夫#5
○参考人(高根沢市夫君) 私は、栃木県の那須御用邸、皆さん御存じだと思いますが、その玄関口の黒磯で四十数年間、米一筋に百姓をやっている者でございます。
 私がこんなところへ来て発言する機会を与えてくれました皆様方に、厚く感謝を申し上げたいと思います。また、常日ごろから皆様方は、我々百姓のために頭を絞って、我々に合う法律を作っていただきまして、陰ながら厚く御礼を申し上げる次第でございます。
 そんな中で、私は中学校しか出ておりません。そんな中で、当時、昭和三十四年の卒業でございます。その当時は、私の地方は、畑作、オカボとヒエ、たばこ、そんな中で、科学の発達によって、井戸掘り、揚水ポンプで水田を造ることが県からいろいろな形で推進されまして、やはりそれをやっていくべきだろうということであれしたわけですが、なかなか資金面がございませんでしたので、農協あるいは政府の資金を借りて開田をし、当時は百俵売れば生活できました。しかし、その後、増産、そういう運動がございまして、今度は、何といいますか、農家の目標は一日一俵売れば暮らせるだろうと、こんな考え方で一生懸命やってきたわけですが、それがどういうはずみか、数量が多くなりまして、消費が伸び悩み、さあどうするんだということで、四十五年だったと思いますが、今の生産調整が始まったわけでございます。そんな中で、我々、現在は、当地方におきましては、水田、酪農、野菜を中心として何とかこの制度の中でどのようにして生きていけばいいんだということで、それぞれが知恵を絞り、頑張っているわけでございます。
 特に、どの分野においても政府の助成金が入ってございます。確かに消費者から見れば過保護じゃないかと、こんなふうに言われますが、実際問題として、本当の国際水準の物の値段が我々が再生産できる値段ではないのは皆さん御存じだと思います。そんな中で、私は、主食である米は、やはり税金を投入して我々が再生産できる値段を保障してくれなければ、本当に今度は農家は倒産をいたします。そんなことで、これからの新しい米政策について、本当に我々のことを考えて作るものなのか、大変不信感を抱いているところでございます。
 そんな中で、一つを申し上げるならば、産地づくりの交付金でございます。今まで三十数年間やって、麦、大豆、飼料作物ということで国から指定を受けまして、それぞれ頑張ってやってきたわけでございます。そろそろ本格化しろと、こういうことだと思います。しかし、今の値段では米と同じ所得が得られますか。最低だって、今の値段を保障してくれなければ本作は当然農家側にとってはできませんよ。
 今、大豆にしろ、八千円の補助金が入っています。これは、財源がなければいつでも打ち切られる制度だと私は感じております。そうしたら、五千円の大豆作る。合いませんよ。だって、これは、どんなことしたって現在の値段を、価格を維持していただきたいと、こんなふうに委員の皆様方にはお願いをする次第でございます。
 さらに、その中で、参加者全員のメリット、担い手対策、それから高品質な麦、大豆。我々は経費を掛けないでいかに安全な物、いい物を作って消費者に好まれるかと、消費者にそっぽを向かれたんでは終わりですから、我々ね。そんなことで、できるだけ、生産費掛ければもうけ少なくなるわけですから、これは掛けたくないですよ、我々だって。そこのところ、よくお考えいただいて、間違いのない政策を作っていただきたいと、こんなふうに思います。
 それから、下落対策ですね。米は下がります、先ほども言っていましたように、先生がですね。もう生産調整、今年で終わりだから全部作れるんだという農家の間違った考えもございます。そんな中、そういうことのないようにするのは、やはり今、今年で打切りではございますが、稲作安定資金ですね。これを見ると、一対一でもって出し合ってやるような、新聞報道などを見ますと、同じ八割でも財源が少ないわけですから、農家の手取りは今までの半分でしょう。やっていけますか。そして、後継者育成、担い手。
 先ほども言ったように、集落型の今度は営農でしょう。経理まで一元化。農家は、隣に蔵が建てば腹が立つということでお互いに頑張ってきたから伸びてきたんですよ。やはり、そのいい面は、努力をしようといういい面は残さなくちゃ。一緒だったらば本気になんないよ、実際の話。やっぱり、お互いに競争心があって、いい物を作って、おれは隣に負けないで消費者に好まれる物を売るんだよと、そういうことがここでは失われるような気がいたしますので、もっと我々がやりやすい集落型の営農を考えていただきたいと、こんなふうに思います。
 それで、他産業で働いた場合には生涯所得は二億何千万と言っていますよね。そんな中で、その生涯所得を農家で取るのには米が幾らならばいいのかと。政府では四ヘクタールと言っていますが、土地、地方は貸し借りも進んでいますから、六町歩ぐらいが多い方の部類で、これは大事だと思うんですが、その場合に、暗算をしてみますと大体十アール、八・五俵。そうすると、それを生涯所得に合わせるのには、一万九千二百円の米価じゃなくちゃ取れないんですよ。他産業と同じ給料をくれなくちゃ、後継者いろ、いろと言ったって、いなかんべ、これ。そこらのところ、よく考えてくれなくちゃ困るんだよね。
 それは、市場原理だっていいですよ。しかし、先ほど先生がおっしゃっていたように、環境保全の役割は、おれらがいっから、田んぼ作ってっから、水害も何もないんでしょう、一時、雨降ったって蓄えているんだから、ダムの役割果たして。連休に来て、景色いいなんて、おれら土手、草刈りやってっから、きれいなところへ来て、それは余暇を楽しんで休養していけるんでしょう。その代金はどこに入っているのと、おれ、言いたいんだよ。
 米価は市場原理だっていいですよ。そういうことを忘れたんでは、この新しい政策が出てきたときには、どういうふうに皆さんは考えてくるか分かりませんが、倒産します。特に大型、私も大型でやっていますが、一番響きますから。本当に食糧を大事だと思うならば、先生方の本当の考え方を盛り込んで新しい政策に打ち出してもらいたいと、こんなふうに考えるわけです。
 その中で、特にその生産調整がやはり大事になってくると思いますよ。これは、自由に作れると思っているような人いるかもしれぬけど、量が取れれば当然安くなるわけだから、政府だって、一杯取れれば、出し分がこれ、余り米に三千円どうとか。三千円ぐらいで米作れねえや。八千円くれなくちゃ駄目だ、最低だって。加工米の値段が八千円なんだからね、余った分はね。
 で、やはり生産調整を、金を出してそっちへ移行するようにすれば、政府の思っている数量に行きますよ。これが行かないと、全部、米作っちゃうね。そうしておきゃ、一万円割っちゃうよ。どうですか皆さん。そうしたら、おれはやめるしかない、つぶれるんだから。そんだけ言ったが、おれらは田んぼあっから、二反歩ぐらい作れば一年食っていられっから、構わないよ、おれは。
 だって、それをやるのが先生方でしょう。だって、生きていくのには一番先は食糧でしょうや。それも、米だよ米。主食だけは、それは税金投入しなくちゃ駄目だよ、どんなことしたって。つぶれるよ、おれはそう思いますよ。
 市場原理、市場原理、それはいいですよ。だから、さっきも言った、環境保全代はどんな形でおれらに払ってくれるのかということ、そうならないようにやるのが先生方の仕事と思いますので、どうぞ、本当に苦しいことでございますから、これからの米政策のいかんによっては倒産いたしますので、どうぞ、先生方の絶大なる御審議をお願いをいたしまして、十五分になりますので、私の意見を述べさせて、終わらせていただきます。
 大変御清聴ありがとうございました。
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三浦一水#6
○委員長(三浦一水君) 高根沢参考人に対し申し上げますが、あと発言時間、二分残っております。よろしゅうございますか。
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高根沢市夫#7
○参考人(高根沢市夫君) いいでしょう。二分じゃまとまりませんから、いいです。
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三浦一水#8
○委員長(三浦一水君) ありがとうございました。
 次に、矢口参考人にお願いいたします。矢口参考人。
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矢口芳生#9
○参考人(矢口芳生君) 東京農工大学の矢口でございます。
 食糧法の一部改正に関しまして、私の意見を述べさせていただきたいと思います。
 今回の改正の内容は、流通上の規制を大幅に緩和し、そして市場メカニズムを大幅に取り入れ、食糧安全保障法とでも表現できるような内容を持っているのではないでしょうか。ただし、幾つかの課題、問題点も見受けられます。限られた時間でありますので、ここでは三点、指摘したいと思います。
 第一に、法律の条文上の問題であります。すなわち、法の目的を実現するための担保措置が明記されているかどうかという点であります。
 現行法も改正法も、ともに食糧法の「目的」は、「措置を総合的に講ずることにより、主要食糧の需給及び価格の安定を図り、もって国民生活と国民経済の安定に資する」とあります。
 現在の米過剰基調の下では、需給及び価格の安定には何らかの数量の管理、すなわち生産調整が不可欠であり、その点、生産者の自主性にゆだねたとはいえ、第二条一項及び二項で生産調整の実施と必要な措置を明記したことは評価できると考えます。
 また、第二十九条のように、備蓄概念としては極めて不十分な部分もありますけれども、第三十七条から第四十条のように、一九九三年の米騒動などの緊急時に対応する措置を明記したことは、食糧安全保障法としての性格を持たせたとも評価できると思います。このような措置は、正に国民生活と国民経済の安定に資することにつながると思います。
 しかしながら、法の目的を現場で担う生産者、農業経営者に対する担保措置は明記されていないと言っていいのではないでしょうか。第二条二項で、「生産調整の円滑な推進に関する施策を講ずる」とありますけれども、生産者、農業経営者にとっての最大の担保である経営の再生産が可能となるような所得の実現については書き込みがありません。生産者、農業経営者は極めてあいまいな措置の下で市場に投げ込まれることになります。
 私がこの点を危惧しております理由は、米価が余りにも急激に下落し、本来育てなければならない生産者、農業経営者が撤退せざるを得ない現実を見ているからであります。
 御承知のとおり、一九九七年から二〇〇一年の五年間だけでも、農林統計によりますれば、農産物平均が七%の下落の中、米はその二倍の下落率を示しております。他方、農業生産資材は二%の下落、消費者物価は一%の下落という中での一四%もの下落です。
 これは、大規模経営ほど所得は減少することになりますし、育てるべき生産者、農業経営者が育ちません。確かに、稲作経営安定対策や米価下落影響緩和対策などが実施されることになっているようでありますが、生産者、農業経営者の拠出負担が大きくなる問題、また短期融資制度にしましても、余りにも低い融資単価という大きな問題があります。産地づくり推進交付金にしましても、予算規模が不明な状況です。
 ともかく、このままの条文では、確かに国は措置を講じてはいても、安定供給の一翼を担う生産者、農業経営者には適切な措置が明示されない片手落ちの法律との指摘を免れないと思います。生産者、農業経営者が腹を据えて食糧の安定供給を担い切れるような担保措置の条文としての明示が必要であると私は考えます。
 第二に、第一の問題とも密接に関連する経済政策上の問題です。
 通常、外部効果や公共財などは、市場メカニズムにゆだねると資源配分の最適性が保証されないいわゆる市場の失敗をもたらし、これを是正ないしは補完する政府の介入が必要になります。すなわち、生産、流通の現場に市場メカニズムを大幅に導入することに対する担保措置が必要になります。
 具体的には、所得補償の措置です。その措置も、これまでのような価格支持のような間接的なものではなく、WTO農業協定でも明確に認知されているような直接的なものであります。価格支持は市場を歪曲し、市場メカニズムを活用しようとする今回の改正方向にも逆行します。直接的な所得支持が必要だと思います。
 この政策手法のメリットは、政策の目的に沿って特定の生産者、農業経営者に効率良く納税者からの所得を移転することができることです。市場や価格を歪曲する価格支持政策は、保護や支持を必要としないかもしれない生産者、農業経営者に余分な援助を与えてしまったり、農業部門以外にも漏れる可能性があります。しかし、直接的なそれは所得を移転すべき生産者、農業経営者を特定するため、他に漏れることもなく、しかも援助を必要とする生産者、農業経営者に効率良くかつ透明性を持って意図された所得が移転されます。
 ただ、反対に、生産者、農業者にとってはメリットばかりではありません。自己責任が問われることになります。例えば、政策意図から外れて適正な生産や地域資源管理から逸脱すれば直ちに納税者の目に明らかとなり、助成金の打切りの原因ともなります。
 お分かりのとおり、この政策手法は、生産者、農業経営者と納税者とが契約を結ぶような性格を持つものです。両者の間を国が責任を持って仲介に入り、食糧の安定供給や多面的機能の供給などの責任を生産者に果たしてもらうというものです。これは、生産者、農業経営者を地域に置き換えても適用できる政策です。
 このように、直接所得支持政策は、環境政策、構造政策、地域政策としての役割も果たすことができます。
 市場メカニズム導入により、生産者、農業経営者の経済的インパクトを緩和して所得を補償し、公共財の供給、環境資源の保全にも役立てることができます。また、公共財を供給するその担い手や地域の確定、確定された担い手や地域へのハンディキャップの是正、また担い手や地域の自己責任の明確化、そして助成金の透明化と簡素化などにも役立てることができます。既に中山間地域政策としてこの直接支払が実施されておりますのは御存じのとおりです。
 こうした政策はOECDやWTO農業協定でも認められており、むしろ推奨されている政策であります。今後のWTO農業交渉の結果次第では、一層の市場メカニズムの導入が予想されます。担い手が破壊される前に、そうした政策の導入により担い手を育成しなければならないと考えます。
 現在の財政事情を考慮すれば、農業予算執行の在り方、すなわち公共事業からのシフトなども検討する必要があると考えます。
 さて、最後に、政策の方向性に関する問題であります。
 法律やその条文に関する問題ではなく、様々な政策がどこに向かってのものなのか、その政策的意図を明確に示す課題であります。日本農業をこのまま後退させるのではなく、育成するのだという我が国の政治的意思の明確化も極めて重要であると思いますが、それと同じくらい重要なのが政策的意図の明確化だと思います。
 既に明らかになっております法案関連施策を見てみますと、稲作経営安定対策や米価下落影響緩和対策、そして短期融資制度などのアメリカ型のものと、産地づくり推進交付金などのEU型のものとが入り交じっているように見受けられます。
 アメリカ型の施策は往々にして価格補てん的で、これを織り込んだ価格形成に結び付き、現実には必要以上の米価下落をもたらす可能性を含んでいます。我が国は、アメリカのような輸出国でもなければ国際価格形成国でもないため、アメリカ型の施策を無批判に導入すれば我が国の農業展開にとって矛盾が極めて大きいものとなる可能性があります。その予想される大きな矛盾を、産地づくり交付金、産地づくり推進交付金といったフランスのTCE型の施策によってカバーしようとする意図を読み取ることができますし、また政策立案者の御苦労を感じ取ることができます。
 しかし、我が国の水田農業及び社会の特質を考慮し、かつ国際的に主張し、食料・農業・農村基本法にも明記している農業の多面的機能を維持向上し、それを発揮させるためには、むしろEU型の施策を参考にした方が我が国の農業展開により大きな可能性を見出せるのではないでしょうか。
 すなわち、産地づくり交付金を基軸に、日本型のCTEとして充実させ、あるいはかつてのふるさと創生型の、日本、ふるさと創生型の農業農村活性化交付金として発展させ、補完的にアメリカ型の施策を講じるという方向が我が国では望ましいのではないでしょうか。各地域の独特な農業展開を目指すことが、いろいろな意味と可能性を作り出していくものと思います。直接所得支持政策もこうした枠組みの中で具体化していくことが大切だと考えます。
 繰り返しますが、地域政策の充実を基軸とし、併せてEU型の構造政策、環境政策を創造的に統合し、さらにアメリカ型の施策で補完することによって、生産者、農業経営者を育成し、また地域資源の保全を図るという意志を施策に明確に反映させることが重要であると考えます。
 以上、三点指摘しました。時代の流れからいって、規制の緩和や市場メカニズムの導入は必要であるに違いありません。しかしながら、自然を相手にした生物生産である農業は、工業とは異なる側面も考慮しなければなりません。我が国の水田農業の現実を見たとき、地域の中で個別や集団が重層的に存在して活躍でき、食糧の安定供給を担い、また地域全体として農業資源や環境を適正に保全できるような担保措置も、規制緩和や市場原理導入と同じくらいに必要であります。
 私が指摘しました三つの点が法律の条文あるいは今後の施策ににじませることができるならば、生産者、農業経営者に勇気を与え、食糧安全保障や多面的機能の維持向上につながり、食料・農業・農村基本法の精神も酌み取った改正法になるものと考えます。
 以上で私の意見陳述を終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
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三浦一水#10
○委員長(三浦一水君) ありがとうございました。
 次に、白石参考人にお願いいたします。白石参考人。
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白石淳一#11
○参考人(白石淳一君) 白石でございます。
 こうした形で意見を述べる機会を作っていただいたことに感謝申し上げたいというふうに思います。
 私は、北海道岩見沢市で水田を中心にタマネギ、小麦、野菜などを作営している生産農民でございます。
 まず最初に、農村の現状をお話しさせていただきたいと思います。
 水田地帯の農村の現状、大変厳しいものがあります。離農が相次ぎ、自ら命を絶つという大変悲惨な事例も後を絶ちません。実は、私の高校以来の友人が、今年の春、夫婦で自殺をしてしまいました。ともに農業を志して、水田を中心に十ヘクタールを経営して、有機・無農薬農業、これを実践していた、そして後継者夫妻もいて、はたから見ると大変順風満帆に見える、そういう状況でしたけれども、負債の重圧で自らの命を絶ってしまいました。生命保険で負債の返済に充てたということであります。
 こうしたことの原因は、稲作農家の今の収入の大部分である米価の下落であります。
 資料に私の稲作収入の推移をまとめてみました。米価の下落がどれほど農家経営を直撃しているか、お分かりいただけるというふうに思います。この資料は、「わが家の稲作収入の推移」という資料ですけれども、稲作部門を抜き出して表にしたものであります。生数字です。ただ、品質や、私も直接消費者の人方に販売もしておりますので、価格の面では若干高めに出ているかと、単価は高めに出ているかというふうに思います。米価の減収と比例して収入が減るということがお分かりいただけるのではないかというふうに思います。
 今年の北海道産米の価格形成センターの水準、これは一俵一万三千円ほどでありますけれども、恐らく今年の農家の手取り額、一万二千円を切るんではないかというふうに予想されます。仮に一万二千円としても、十アール当たりの収入は十万二千円であります。そこから肥料代だの経費、物財費、約六万五千円ほど掛かります。それから、稲作経営安定対策、これらへの拠出金一万円ほど掛かりますから、これらを差し引くと、実際に手元に残る収入は二万七千円、十ヘクタール作っても二百七十万円、ここから借入金の返済などを行わなければならない、そういう現状であります。現在の米価の水準では、農機具が壊れても買い換えることができず、農機具の寿命が農家の寿命ということになりかねない、そういう事態であります。
 経営を継続するのには稲作収入は当てにできない水準にまで落ち込んでおりまして、農家は減収分を他産業に働きに出て何とか補い、経営を続けているのが現状であります。
 だからこそ、今度の米改革の議論が出てきたときに、今よりは米価も保障されるんではないだろうか、転作条件の整備も進むだろう、そのように多くの農民は改革に期待をいたしました。しかし、今回の主要食糧法の改正、その前提となる米政策大綱、改革大綱の方向は多くの農民のこうした期待を裏切るものと、それだけではなくて、大多数の農民を生産現場から締め出すものだというふうに言わざるを得ないと思います。
 次に、なぜそうしたふうに考えるのかという点を申し上げたいと思います。
 法案では、生産調整について、生産者の自主的な努力を言っております。生産者団体等が方針を定め、そしてそれを国が認定するというふうに言います。このことは、国民の主食である米の需給調整からの国の撤退を意味するものであります。
 現在の低米価は、国民が食べもしないミニマムアクセス米による過剰感が大きな要因であります。ミニマムアクセス米の在庫は九十五万トンに達しており、大変なお荷物になっております。
 SBS米は、二〇〇一年度までは輸入枠を一〇〇%達成しておりましたけれども、二〇〇二年度は輸入枠九万トンに対し四万トンという数字であります。私の資料の左側の真ん中の資料であります。
 今年に入っても外米離れは続いております。右側のちょうど真ん中の資料です。二〇〇二年度第一期の落札数量は契約予定数量の七〇%でありました。二〇〇三年度第一期では、これが四七%になっております。しかも、モチ米の国内の不作、これがありまして、このことを反映してモチ米の落札が多くなっております。ウルチ米の落札は昨年の半分であります。
 国民の圧倒的多数の方々は輸入米は嫌だと、右下の表にありますけれども、言っております。業者も外米離れが進んでいるのが実態であります。
 生産調整ということを言うのであれば、まずはこうした輸入米を削減することが先決だというふうに思います。生産調整の数量配分、こうしたことを無視しておりまして、輸入が増えれば生産調整が増えるという、こういう方向を一層拍車を掛ける、このようになるというふうに思います。
 次に、米価の回復が稲作農民の経営を支えるという意味では最大の保障であるということは先ほど述べたとおりでございますけれども、米価価格下落影響緩和対策、これは現行の稲作経営安定対策の補てん水準を下回ることが予定されておりますし、過剰米の短期融資制度、これでは加工用米そして飼料用、輸入米の価格水準を想定しているものであり、到底、農家の経営を安定させることに寄与するとは思えません。さらには、備蓄米の政府買入れ価格を入札によって決めるというふうに言っておりますけれども、再生産の確保という米の生産費に配慮した現行食糧法の規定、これをほごにして、米を一層市場原理にゆだねるものであります。したがって、今回の改正で一層の米価下落が懸念をされます。
 また、担い手経営安定対策についてでありますけれども、農村は、小さな農家も大きな農家も、兼業も専業も、それぞれの役割を果たして地域や集落の営農を維持しております。水田に欠かせない用水路、これを維持する上でも様々な人の努力で成り立っております。一部の農家に施策を集中するということは、農村での集落の機能を失わせてしまいます。結果的に、米作りができない、そういう環境を作り上げてしまう危険性があります。
 次に、法案では、計画流通制度を廃止し、自主流通米形成センターを改称し、取引方法を多様化するというふうに言っております。販売業者も登録制から届出制に変更するといいます。このことは、農民に対する買いたたきを野放しにして、中小米卸、小売店の淘汰が一層進むことが危惧されます。大阪では四千軒あった米屋さんが現在二千軒になって、更に五百軒減るのではというふうに心配をされております。生産者と消費者を結ぶ懸け橋の役割を果たしてきた中小の米卸、小売店にとって大変大きな問題となっております。
 以上のことから、今回の法案は、国民の主食である米の需給と価格安定に対する責任を全面的に放棄をして、米流通を一部の流通資本に明け渡すものということを言わざるを得ません。したがって、私は改正案には反対であります。
 次に、私は、生産者が安心して米作りに励み、消費者には安定的に供給できる制度とするために、次のことを提案し、その実現を強く求めるものであります。
 一つ目は、米の需給と価格安定に国が責任を持つこと。二つ目は、ミニマムアクセス米を削減、廃止して、生産調整面積を大幅に減らすこと。三つ目は、転作奨励金の助成水準の大幅カットはしないこと。四つ目は、自給率向上は圧倒的な国民の願いであります。自給率の異常に低い麦、大豆などの増産を図ること。五つ目は、諸外国でも価格保障の改善によって農家の経営安定を図っております。稲作経営安定対策を抜本的に改善をして、生産費を償う米価を実現していただきたい。六つ目は、備蓄は、たった一年しかもたない回転備蓄、これをやめて、棚上げ備蓄に切り替えて、用済みの米は主食用以外に回すこと。六つ目は、計画流通制度の廃止、これをやめて、大企業の流通支配を抑え、農協や中小小売店の役割を尊重したシステムに改善すること。
 以上申し上げまして、私の意見陳述とさせていただきます。
 ありがとうございます。
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三浦一水#12
○委員長(三浦一水君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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田中直紀#13
○田中直紀君 おはようございます。自由民主党の田中直紀でございます。
 今日は、主要食糧法の一部改正案につきまして、参考人の方々にわざわざお出掛けをいただきまして、心から御礼を申し上げたいと思います。
 それぞれの立場で、今、農業の抱える大変重要な問題について御指摘をいただきまして、大変参考になってきておるわけでございますし、特に生源寺先生、高根沢参考人に質問をいたしたいと思っております。
 生源寺先生におきましては、この法案の骨子になります諸制度につきまして大変御熱心に座長として検討されてきたわけでありますので、食糧法の改正の中で、意を尽くしているかどうかと、こういうことを若干お伺いをいたしたいと思います。
 米政策の再構築の基本方針は、広く国民の理解を得られるものでなければならない、農業者を始めとする水田農業、米経済にかかわる人々の創意と工夫を引き出し、かつまた、これを尊重するものでなければならないという、こういう精神でスタートされているわけでありますが、米の収入につきましては、この四、五年で二兆九千億のものが一兆九千億に低下をしておると。農業、農家の収入が非常に減ってきておるという、そういう危機感と、担い手の不足というようなことが指摘されておりますが、最も指摘をされてきておりましたのは、生産調整に参加をされておる方々から、限界感、生産調整に対する限界感あるいは不信感、不平等感、こういうものが大変指摘をされたわけでございます。
 農業者が新しい制度、特に生産調整に参加をして、そしてまた意欲を持って取り組んでいこうという制度であるかというものが、なかなか浸透してきていないのではないかというふうに思うわけでありますが、先生が言われるように、納得済みで農業者の皆さん方が参加をしていただけるような制度を考えていただいたと、こういう御説明でありますが、農業者が納得するところの、二、三、代表的な形でまず御説明をお願いしたいと思っております。
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生源寺眞一#14
○参考人(生源寺眞一君) まず、農業者に納得していただいた上で参加していただくということ、いろんな意味があるわけでございますけれども、一つは、そもそも生産調整が何のためにあって、だれのためのものであるかという、この根本のところをまず御理解いただくということがあるかと思います。これだけ生産調整に関する議論が行われておりますので、今こういうことを問い掛けても、当たり前ではないかというふうに反応が返ってくるかもしれませんけれども、実は、こういう議論が始まる前は、生産調整が何のためかということに関して、必ずしもきちんとした理解が浸透していなかったということがあろうかと思います。
 もう一つは、これまでの生産調整の仕組みが非常に複雑であったということ、それから全国画一的であって、地域によっては必ずしもぴんとこないような、こういうものもあった。ここをいったん整理いたしまして、地域ごとに施策を地域版で作っていただくと、こういうことを考えているわけでございます。
 ここで大事なことは、この地域版の施策作りは、これまでのように上から下りてくる、あるいは全国どこも金太郎あめ式に同じということではなしに、その地域で作っていただくと。更に申し上げますと、そこにはもちろん農協も関与するわけでございますけれども、担い手の農家の方にもこの施策作り、そのプロセスそのものに関与していただくと、こういうことになるわけでございます。
 したがいまして、納得のいく形でということの第二番目ということになるわけでございますけれども、これはそのルール作りのところから農家の方が深い関心を寄せていただき、また意見を反映していただく、こういう形を考えているわけでございます。
 それから、もう一つあえて挙げるとすれば、私どもの研究会の報告の中で幾つかの助成のパッケージを提示しているわけでございますけれども、これについても、めり張りの利いた、ああ、これならば十分経済的にメリットがあるなというような形で判断ができるような水準というものがきちんと確保されることを期待したいと、こういうことでございます。
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田中直紀#15
○田中直紀君 新しいシステムの下での助成措置ということで、産地づくり推進交付金、そしてまた米価下落影響緩和対策、こういう制度を考えていただいたわけでありますが、この制度が生産調整に参加する方々のメリットというものを得られるものにしていくし、まあ実際にしていかなければ農業者の納得が得られないんではないかと、こういうことでパッケージで提示をされているわけであります。
 この産地づくりあるいは米価下落影響緩和対策のいわゆるメリットといいますか、これを具体的に御提示をいただきたいと思います。
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生源寺眞一#16
○参考人(生源寺眞一君) 基本的には、これは生産調整に参加した方がいろいろな助成措置を受けるという形で地域でセットされるということになるかと思います。そのことが一目瞭然分かるような形で提示していただいて、これならば、なるほど、趣旨も分かるし経済的なメリット措置もあるという形で参加していただくと、こういうことになろうかと思います。
 現在の転作助成の水準を考えますと、これ実はかなりの高い水準の支払が行われておりまして、その限りで申しますと、麦、大豆、あるいはえさであれば稲作と、地域によりますけれども、近郊、あるいはむしろ転作作物の方が単純な収益性でいうとオーバーしているような、こういう状況でございます。
 現在の水準と今度の新しい施策での水準の間に完全な同等性が成立するかどうか、ここはこれからの御検討いただくことかと思いますけれども、ただ、そこから極端に減らないということであれば、これは相当な転換のための助成が現在行われているわけでございます、それを更に効果的に仕組むということであれば、十分、稲作以外といいますか、生産調整に参加していただくメリットを組むことは可能だろうと、こう考えております。
 米価下落影響緩和対策につきましては、基本的には、私の理解では、その生産調整を行うことによって米価がそれほど極端に下がらないと。下がった場合には経営安定対策というバックアップを設けているわけでございますけれども、基本的には下がらないと。また、これは矢口参考人もおっしゃいましたけれども、一種の不足払型の補てんをいたしますと、そこの部分が言わばビジネスにいろんな形で吸い上げられてしまって、一種、納税者からそのビジネスの方に移転が生じてしまって実際の価格はどんどんどんどん下がっていくと。その間をどんどんどんどん埋めなければならないということが起こりかねないということもございまして、そこはむしろやや控え目な施策になっていると、こう言ってよろしいかと思います。
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田中直紀#17
○田中直紀君 米価下落影響緩和対策については、主業農家や副業的農家といった農業者の性格の違いによって扱いを区分することはしないと、生産調整に参加する農業者であればひとしくその利益を享受することができると、こういうことになっておりますし、この固定部分、六十キロ当たりで固定部分二百円のプラス変動部分と、こういう制度で説明をされておりますが、その辺、ちょっと分かりやすく解説していただくと有り難いんですが。
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生源寺眞一#18
○参考人(生源寺眞一君) 後段から申し上げますと、固定部分を設けているということは、比較的米価の下落の幅が小さい場合にはその補てんが相対的に厚くなるような、こういう仕組みでございます。余りにも大きくなっていきますと、もうこの部分ではなかなか難しかろうと。したがって、米価下落の影響を非常に強く受けると考えられます担い手等については別途の施策を用意していると、こういうことでございます。
 前段でございますけれども、実はこれは一昨年になろうかと思いますけれども、食糧庁の方から、この稲作経営安定対策について、その運用について、これは主業農家に絞るんだと、こういう問題提起があったと記憶しております。これは随分議論があってそういう形で導入が断念されたと、こういうことがあるわけでございます。研究会としては、これは生産調整への参加のメリット措置であるということであれば、これは主業農家あるいは副業的農家、こういう農家の性格によって区別するということはいかがなものだろうかと。施策の目的が生産調整への参加を促すということであれば、これは参加者全員に、これは農家の性格とはかかわりなく支払うというのが筋であろうと。したがいまして、施策の目的に合った支払の仕方という、こういう原則にのっとるならば、このメリット措置についても性格によって区別することなく、参加、不参加、ここで区別しようと。
 更に申し上げますと、経営安定対策はこれまた別の性格の意義を持つわけでございますので、これはまたその対象をその目的に即してきちんとセットすべきだと、こういう考え方でございます。
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田中直紀#19
○田中直紀君 担い手経営安定対策のことも触れていただきましたので、今回は、さきに、二〇〇〇年の秋に急浮上した経営全体を対象とする経営所得安定対策の構想とは異なっているんだと。今回の経営安定対策は米の収入に限定された政策である、こういうふうに述べておられるわけでありますが、しかし移行期であるということから考えれば、これを基に将来、全般的にわたった農家の経営安定対策というものも視野に入れておられると、こういうことなんですが、最近ちょっと、農林水産省はこれはもう別なんだと、今からいわゆる直接補償の所得補償を考えているわけではないんだと、こういう見解も出しておりますが、その辺、ちょっと御見解をお願いいたしたいと思います。
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生源寺眞一#20
○参考人(生源寺眞一君) 二〇〇〇年の秋口から経営所得安定対策の議論が急浮上してまいったわけでございます。このときの背景は、稲経に対する限界感とそれから野菜の輸入の急増だったと、こういうふうに考えております。元々、経営所得安定対策そのものは、今の基本法を作る議論の中である程度議論された経過がございます。したがいまして、全く新しいアイデアということではなかったわけでございます。
 ただ、これがお米の問題と絡んで出てきた点で、私はこれは実現という点でなかなか難しいなと、こういう印象を率直に持ちました。つまり、減反によるいろいろな縛りがあり、先ほども申し上げましたけれども、転作助成金の支払にもいろんな問題があると。価格問題もあると。そういう中で、いろんな問題を残したままですべての問題を経営所得安定対策に、丸投げと言うとちょっと言葉は悪いわけでございますけれども、預ければすべて解決するようなことをもしお考えになっているようなところがあるとすれば、これはちょっと困ると。水田農業、稲作には随分いろいろな問題がおりのように重なっているわけでございます。そこを相当きちんと整理すれば、整理すれば農家もある意味では冒険をするというようなこともできるような、そういう条件が整ってくれば、これは当然その経営所得安定対策、これまでと違ったような形の所得対策というものが考えられてしかるべきだろうと。
 私、冒頭の意見陳述でも申し上げましたけれども、今正にその検討の機が熟したと、つまりその前にあるいろいろな障害を相当一つずつ取り除くことができてきているんではないかと、こういう認識でございます。
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田中直紀#21
○田中直紀君 いろいろ制度のことをありがとうございました。
 一番心配されますのは、過剰米の処理対策ということだと思います。丸投げの話がありましたが、余剰なものはそちらで処理してくれと、こういう、若干、小泉内閣でもなかなか苦労している手法じゃないかと、こういうふうに思いますが。これ、買取りで回収できるのかという値段の問題もございますし、どの程度という、豊作でという前提が付いておりますが、しかし、この制度の中にあって当然その余剰をどう認定するか。あるいは相当、研究会では非常に細かく、これ猫の目農政を脱却しようと、こういうことなんですが、大変苦労されて御研究をされたんですが、どうも農家の方々、これを見ても理解するに至らないと。私もまだ全部理解しておりませんが、本当にこの制度が機能するのか、そういう面では値段の設定が納得されれば本当に機能するのかということも大変危惧されるわけでありますので、まずその辺、御見解をお願いいたしたいと思います。
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生源寺眞一#22
○参考人(生源寺眞一君) 御指摘のとおり、この過剰米処理対策につきましては、私がというよりも研究会としては大変苦労をした点でございます。食糧庁は食糧庁で、短期融資制度を軸とするプランを御提示されたわけです。全中は全中で、これは区分出荷を柱とする、しかし全体の一つのパッケージを提案されて、それについて相当研究会で議論をいたしまして、最後は私の方から全中、全農、食糧庁で共同の原案を作ってくれと、こういう形になったわけでございます。
 三千円云々ということがございます。ここから私個人の見解も含めて申し上げます。
 それで、過剰米の処理で三千円か八千円か、実は、水準の問題もさることながら、主食用よりも安い形で過剰米の処理の口が用意されているということになると、これは当然主食用のマーケットに向くわけであります。
 したがって、その中で、ある程度あるいは相当程度低いところに処理の形で持ってくるためには一種の共同行動を当然前提とせざるを得ないだろう、これは農業者団体が主体となるという、こういうことになるわけでございますけれども、さはさりながら、そのためにはそれなりのメリット措置も必要だろうと。その三千円そのものもそうなわけでありますけれども。そこで、農業者団体の共同行動をバックアップするという形で、じゃ、今度はその三千円、その部分もさることながら、生産調整の実施とのリンクをどうするかということがまた研究会あるいはワーキングチームの中で議論になったわけでございます。
 ここは非常にデリケートでありまして、生産者団体の共同行動をサポートする、その部分を厚くすればするほど結果は良くなるというふうにも考えられなくもないわけでありますけれども、そのサポートが逆に、ちょっと言葉は非常にきついわけでありますけれども、共同行動のサボタージュにつながるようなことになると、これはこれでまた納税者の立場からもいろいろ困ったことになる、その極めて微妙なバランスを取っているのが今の制度と。
 農業者団体も、相当、区分出荷なり共同行動の体制については用意、準備をされてきているように、こう考えております。したがいまして、いいバランスのところをヒットできるような状況になってきているのではないかと、こう思います。
 長くなりまして済みません。
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田中直紀#23
○田中直紀君 どうもありがとうございました。
 時間も終わりに近づきましたので、高根沢組合理事に最後にお伺いをいたします。
 先ほど御発言がありましたように、来年度に向けて産地づくりの推進交付金あるいは米価下落影響緩和対策、従来の制度に基づく予算に比較して劣らないような予算を我々は要求をし、獲得をしていかなければいけないわけでありますし、担い手の経営安定対策につきましても、補てん、助成割合の問題も伺っておりますが、今、生源寺参考人からお話がありましたが、組合理事として何かこの制度で、先ほど大変いろいろお話がありましたが、納得されたかどうかということを最後にお伺いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。
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高根沢市夫#24
○参考人(高根沢市夫君) 我々農民は、頭は大して良くないから百姓やっているので、いろいろ難しいことはいいです。手取りがどれだけあるのか、今より多いのか少ないのか、それが分かれ目なんですよ。それは、消費者の皆さんの税金を使うからいろいろな方策をするんだと思いますが、我々は歩留りなんだよね。何もくれぬのに、自分たちも金出してお互いにやる。そうじゃなく、くれたらいいでしょうよ。そういう制度にしてもらいたい。分かりやすく。
 要は、歩留り。おれらが来年また作って生活できるのかできないのか。そうしなくちゃ、農家にだって後継者いないですよ。中身はどうだっていいですよ、おれらがそれ分からないんだから。中学校しか出ていないんだから。農家やっているのは多いんだから、そういうのが。
 だから、机の上でごまかさないで、本当に手取りがどれだけあるのか。これでサラリーマンと同じく生活できるのか。できないところに安定対策なんと言ったって掛け声だけでしょうや。安定というのは、安心して生活おれらができることでしょうや、米を作ったらば。そこらのところ、先生方、考えてくださいよ。
 よろしくお願いいたします。
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田中直紀#25
○田中直紀君 終わります。
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本田良一#26
○本田良一君 民主党・緑風会の本田良一です。
 今日はもう本当に参考人の四方の皆さん、御苦労さまでございます。
 私どもも、この主要食糧法の改正が今回この国会に提案をされましたので、そのことで毎日質問をやっておりますが、その肉付けをするため、また判断をするために今日は参考人の皆様方に御足労願っております。
 そこで、私は、単刀直入に質問を一つ、私の意見をまず言わないで、意見というか、私の注釈を付けずに四方にお伺いをいたします。
 まず、日本は農業先進国でしょうか、それとも後進国でしょうか。そして、この決め手となるものは何か。これをお伺いします、四方に。簡単にお願いします。
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生源寺眞一#27
○参考人(生源寺眞一君) なかなか難しい質問でございますけれども、端的に答えれば先進国だと思います。
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高根沢市夫#28
○参考人(高根沢市夫君) 私も先進国だと思っております。
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矢口芳生#29
○参考人(矢口芳生君) 私も同じように先進国だと考えております。
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