武見敬三の発言 (予算委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○武見敬三君 国連の安保理が今回きちんと機能しなかったということは極めて重大なことであって、長年の国連の中での関係国の努力によって、湾岸戦争のときにも決議というものが行われた上での攻撃であったわけでありますし、そうした国連の権威というのは、そういう長年の蓄積した努力の中で徐々に確立されてきましたけれども、しかし、今回の一連のこの経緯を見て、その権威というものがもろくも崩れ去ってきたということは事実です。
しかしながら、これをいかにして早急に再構築するかということは、二十一世紀の新しい国際社会というものを再構築していくときの一つの基本的な命題になってきました。そういう認識を持つ国々はこれから増えてくるでしょう。それは言うまでもなく、長年我が国が主張していた安保理を始めとする国連改革というものが正に実行し得る条件が国際社会の中にできてくるということを意味しているわけでありまして、この時期こそ、我が国としては、こうした国際協調という原則の下で、我が国としてより主体的に国連改革というものを主張する私は絶好の機会だと思いますので、外務大臣、是非その点、強力なる国連にかかわる新たな改革のための外交の働き掛けをしていただきたいということをお願い申し上げる次第であります。
そして、このときに改めて申し上げておかなければならないことは、この国連というものはただ単に安保理だけじゃない、国連に関連する様々な国際機関というものがあって、そういったところが、例えばUNHCRのようなところは難民に対応する、それからUNDPというようなところはこうした途上国の開発計画に従事すると、様々な計画を行うことを通じて実は国連の権威というものを側面から実は確立してきたということも事実であります。
そして、こういったことについて、我が国として更により積極的にこうした国連の関係機関、さらには、そうした国連その他の国際機関のこうした紛争の予防とかあるいは紛争の解決から開発に向けてのそれぞれ間断のない国際社会の支援の体制というものを整えていくということは、これは我が国にとってみても非常に重要な国際的な貢献する分野だというふうに考えます。
その際に、その一つの考え方として、人間の安全保障、ヒューマンセキュリティーという考え方が、我が国独自にこれを主張してきているわけであります。やはり、国際貢献といっても、普遍的な価値に基づいてしっかりとした理念という裏付けがございませんと、ただ単に口先だけで国際貢献、国際貢献、平和構築だ、平和構築だと言っても、なかなか、実は国際社会の中でしっかりとした評価を受けるということはなかなかできません。
そういう意味で、私は、日本の政府が国連と協力して設立をした人間安全保障委員会、この共同議長に緒方貞子さんとそしてアマルティア・センさんというケンブリッジ大学の教授が就任をして、実際にその活動をされましたが、その最終報告の中で改めてこの人間の安全保障という考え方を、人間個々の潜在的な力を引き出すためのエンパワーメントというそういう考え方と、そしてさらにそれらのコミュニティーを通じて、人間個々のそうした潜在力を教育やそして健康政策を通じて引き出す、そして他方で、そういったプロセスが確実に実行されるようなプロテクション、保護をこうした国際社会が当事国政府あるいは当事国の政治勢力と連携して行うというこの考え方というものを着実に一つの基本的な考え方として実行していくことが必要だと思います。
特に、このイラクの問題、一段落した後に、その復興の問題が恐らく我が国にとっても一つの大きな課題となって出てくるわけでありますから、そういった際に、こうしたヒューマンセキュリティー、人間の安全保障という考え方をいかに活用し、我が国がこのイラクの戦後復興、さらには今後の紛争の予防、開発の問題に対して取り組むかということは非常に大きな視点であろうと思うわけでありますが、総理大臣に御所見を伺いたいと思います。