伊藤忠治の発言 (憲法調査会)

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○伊藤(忠)委員 伊藤です。
 せんだって、EU大使のお話を聞きまして私の感じましたことを申し述べさせていただきますが、まさしく壮大な実験でございまして、歴史的に、第一次、第二次大戦を経まして、その反省からEUを立ち上げられたということだろうと思います。
 ハイブリッド国家、現状はそうだと思いますが、これまでの経過を見ましても、安全保障の面では、NATOは冷戦構造の中でヨーロッパ地域では一つの核になっていたわけですし、皆さん御承知のとおりですが、しかし、その後、安全保障というよりも経済の問題、これを両立させるというかむしろ先行させることによって、市場形成をどう図るかということがEUレベルで真剣に議論をされてきて、その中での統一通貨実現だと私は理解をしたわけでございます。
 今日の統一通貨・経済体制が組まれたにしましても、各国の格差というのは、なかなかこれは解消できません。今もお話あったようなエネルギー問題とかいろいろありますが、これはやはり各国間レベルの交渉とEUの統一政策の、言うならば二つの線でやらざるを得ないわけでございますから、EUのグローバルスタンダードと各国の利害関係というのは、簡単にはこれは解消できないわけでございまして、これからEUにとっては大きな課題であろうと思いますが、しかし、EU市場を形成するという、四極市場の形成をするというこの目的からしますと、非常に大きな成果を上げられていると私は感じたわけでございます。
 まさしく、この壮大な実験を私どもは教訓にしたいと思っておりますし、アジア圏、特に東北アジアに限定して考えましても、やはりこの経済が基本に据わって、もちろん大もとは信頼関係でございますが、市場がそのように各国の努力によって形成されていくことによって、当然、信頼関係も確立されるわけでございますから、それがベースになって初めて安全保障問題というものは語られるべきであるし、つくられていくべきであろう、私はこのように感じたわけでございます。
 船田先生が触れられましたように、現状は、アメリカとの各国の安全保障の体制が先行してできているわけですから、それをどのように止揚していくかということは新たな問題だと思いますが、ヨーロッパに比べてアジアは特に事情が違うんだという指摘もよく聞くわけですが、私は、必ずしもそうではないと思うんです。
 ヨーロッパの場合だって、各国の発展状況にはいろいろ濃淡がございましたし、随分歴史だとか文化も違うんだろうと思うんですが、そういう意味で引き直せば、アジアだってもちろん各国の克服しなけりゃいけない相違、困難な状況というのは横たわっているわけですが、それを克服していくということは、まず何といってもアジアの経済圏を確立するための日本の努力、これとあわせた安全保障の話というのをやっていかないことには、なかなか二十一世紀の私たちの姿というものは見えてこないのではないのかな、こんな感じがしましたので、そういう立場で安全保障問題も考えたい、このように思っております。
 以上です。

発言情報

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発言者: 伊藤忠治

speaker_id: 34240

日付: 2004-03-18

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会