2004-03-25
衆議院
竹崎博允
憲法調査会最高法規としての憲法のあり方に関する調査小委員会
竹崎博允の発言 (憲法調査会最高法規としての憲法のあり方に関する調査小委員会)
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○竹崎最高裁判所当局者 御指摘の点、二つに分けて御説明申し上げたいと思います。
まず、会長御指摘のとおり、いろいろないわば先端技術、科学、そういうものに対して、裁判所としてどう対応していくかという点でございます。
これは、これまで長いこと、例えば鑑定手続を利用するとか、あるいは、知的財産関係についてだけ限定して言いますと、裁判所調査官の調査ということはありましたけれども、多くは裁判官個人の努力にゆだねられてきたというのが続いてきたところでございます。
ただ、私どもも時代の流れに応じてこれをフォローしていくということで、二十年ほど前から、司法研修所におきまして、これは裁判官に対する知識の付与と研修の一環といたしまして、それぞれの時代における最先端の問題についてかなり集中的な研修を行ってきております。その中には、例えば医の倫理あるいは老人医療、資源エネルギー、生命、臓器移植あるいは環境問題あるいは大脳生理学、そういった、その当時その当時における最先端の問題を取り扱う。これは、参加者は大体数十名でございますが、約一週間のカリキュラムを組み、いわば我が国の第一人者の方に講義、講演あるいは見学、ディスカッション等を行うという、かなりぜいたくなプログラムを組んでやってきたというのが唯一の方策だったかと思います。
ただ、最近では特に、御指摘のような医療それから建築関係、特別の知識を必要とする事件が非常に増加しておりまして、この問題につきましては、まず医療集中部あるいは医療専門部というのを現在六カ所の裁判所に設けまして、医療事件を専門に扱う体制を組んでおります。
また、医療及び建築につきましては、特に鑑定が非常に重要になってくるわけですが、学者の協力が得やすいように、医学界及び建築学界と裁判所との間で連携をとりまして、情報の交換あるいは鑑定人の選定手続、そういうことが円滑に行われるように努めてきているところでございます。
また、知的財産関係につきましては、いろいろ御指摘をいただきまして、このところ急激に体制の整備を図っているところでございますが、現在出されております法改正で実現いたしますと、知的財産に関する独立した高等裁判所が設置されるということで、体制の充実強化が図られるのではなかろうかというように思っております。
また、現在、これはもう既に法律は通ったわけでございますが、本年度からスタートするものとして、専門委員制度というのが採用されました。
専門委員制度と申しますのは、いろいろな分野における専門家の協力が、鑑定という限られた手続だけではなくて、より広範な次元で協力が得られるようにということで、非常に多数の専門分野から、全国で約七百名程度の専門家を裁判所専門委員として任命いたしまして、需要が生じた場合にはその協力が得られる体制を組むということになって、現在、その選定作業、選任作業を進めているところでございます。
また、先ほど御指摘のとおり、理系出身の裁判官、現状では非常に少のうございますが、今回、法科大学院の中には、いわゆる法学部以外の学部出身者ということが求められておりまして、そういう人たちが法曹に育ってくれば、裁判官についてももっと自然科学のバックグラウンドを備えた人が確保できるであろうというように思っております。
いずれにいたしましても、こういう最先端のニーズに適切に対応していくというのは、私ども非常に重要な問題だというように考えております。
もう一点の、いわゆるIT化の問題でございますが、裁判所も、政府の電子政府計画の一環に加わりまして、将来、インターネット、ITを利用した裁判手続の進行ということを研究課題として取り組んでまいりまして、本年四月にはその基盤となります認証システムの構築が行われるということになっております。
ただ、裁判手続につきますと、IT化を進める上での障害というのは実にたくさんございまして、例えば一定の手続については公判廷といったところで公開の手続をとらなければならないとか、あるいは証拠調べ等についても一定の方式が定められているとか、そういったことがございます。
それから、技術的にいいますと、一つの事件が、例えば訴訟事件などでいいますと、非常に簡単に、一回で終わる場合もあれば、何十回も係属するという、いわば類型としての管理が非常に難しいものがございまして、できるだけ類似のものといいますか、類型的な処理のしやすいものから着手しようということで、現在、これは平成十七年度からということになりますが、オンライン化による督促手続の処理ということに向けて作業を進めておるというところでございまして、これらの実験といいますか、その結果を踏まえながら順次拡大する努力を続けてまいりたい、こう考えております。