広井良典の発言 (憲法調査会統治機構のあり方に関する調査小委員会)

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○広井参考人 二点ございましたけれども、一点目の、レジュメの五ページにかかせていただきました図、私の時間配分のミスで飛ばしてしまいましたが、これは実は、先ほど、価値の選択は何かという永岡先生からいただいた質問と重なる、関連するものでございまして、これまでの、特にこれはヨーロッパを念頭に置いておりますけれども、政治の二大政党の対立軸というのは、ここの横軸といいますか、大きな政府か小さな政府か、積極的な財政政策、大きな政府か、市場にゆだねるような、この右側にありますようなものか、そういう対立軸がございました。しかし、これらはいずれも、高い経済成長を追求するという点では共通していたわけでございます。
 ところが、八〇年代、九〇年代になってから、環境の問題や、必ずしも積極的な財政政策を行えば需要が伸びて景気が拡大するということが需要の飽和というような中で起こらなくなってきた中で、縦軸、すなわち成長志向か環境志向かという対立軸がもう一つの新しい対立軸として浮かび上がってきた。
 そういう中で、両者の、大きな政府派と小さな政府派自体の振幅の幅といいますか、それもむしろ接近して、大きな政府を掲げる側も、低成長等の中ですべて手厚い公的保障というわけにはいかなくなり、逆に小さな政府の方も、高齢化等も進む中で一定以上の社会保障はどうしても充実させるべきだということで、そういう歩み寄りがなされるとともに、縦の対立軸が浮かび上がってきている。このあたりがこれから日本においても非常に問われてくるのではないかという趣旨の図でございます。
 それから国民負担率についてでございますけれども、これは、まず確認されるべきは、国民負担率というのは、社会保障に限らず公共事業とか政府全体の活動の規模を示すものであるということで、社会保障よりもう少し広いものでございますけれども、結論的には、私自身は、国民負担率が何%ならいいか悪いかというような議論にとらわれるのは余り妥当ではないと思っております。
 言いかえますと、国民負担率というのはいわば政府の活動の規模を示す結果としての数字であって、まず重要でありますのは、公私の役割分担といいますか、公的部門はどういう役割を果たすべきか、その制度論がまず先に来るべきで、その結果として国民負担率の規模をあらわす数字が帰結するというようなもので、そちらの議論から先に行うというのはある意味では本末転倒ではないかというふうに考えております。

発言情報

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発言者: 広井良典

speaker_id: 23586

日付: 2004-04-01

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会統治機構のあり方に関する調査小委員会