高橋健太郎の発言 (文部科学委員会)
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○高橋参考人 時間も限られていますので、幾つかのポイントにだけ絞ってお話しさせていただきたいと思います。
まず、音楽の創造のサイクルというものは、特にこの日本においては、幅広い音楽を聞くことによって育ってきたということがあると思います。その意味において、輸入盤規制によって、もしリスナーの選択肢が狭められるなら、アーティストというのももともとはリスナーから育つものですので、その意味において、アーティストが育ちにくくなる、あるいは音楽の創造性が狭められるという危険性があると思います。
今のは総論的なお話ですけれども、具体的に、今回の法案の中に、私が非常に懸念を持つポイントがあります。それは、政令において定める最大七年の輸入禁止期間というところです。国内盤が発売されてから最大七年間は輸入禁止措置がとられるようにこの法案ではなっています。同じような輸入権が創設されている香港でも、現在、それは十八カ月です。
一方、日本の国内のレコード会社は、最近、発売したタイトルをどの程度の期間、生産、販売するかといいますと、一年程度で生産、販売を中止してしまう例がとても多いです。これを私たち廃盤と呼んでおりますが、コンテンツを利用するという意味では、例えば、私は音楽出版社をやっておりますので、作詞、作曲に廃盤はありませんですから、廃盤にしてほしくない、生産、販売を中止してほしくないわけですけれども、一年程度で生産、販売が中止される例がとても多いです。
もし輸入禁止措置がとられたレコードが一年程度で生産、販売を中止された場合、そして、もし最大七年の輸入禁止措置が解除されない場合、最大六年間、そのタイトルは日本で買うことができません。買いたいけれども買うことができないということは、著作権者にとっては、売りたいけれども売ることができないということです。この点では、作詞、作曲家あるいは実演家といった著作権者の不利益が起こり得る可能性をこの法案はとても持っています。
これを避けるには、生産、販売をレコード会社が中止する際、そのことを文化庁、税関にレコード会社が通告し、あるいはすべての著作権者、著作隣接権者に通告し、輸入禁止措置を解除するようにしなければ、必ず著作権者の不利益が起こります。日本のマーケットを六年間も失うということは、そのアーティストにとって致命的です。ですので、私はそのようにレコード会社に、生産、販売を中止する際には、それを税関、文化庁、そしてすべての著作権者、著作隣接権者に通知する義務をこの法案の中に加えるべきだと考えます。