文部科学委員会
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会
会議録情報#0
平成十六年六月一日(火曜日)
午後一時一分開議
出席委員
委員長 池坊 保子君
理事 青山 丘君 理事 伊藤信太郎君
理事 遠藤 利明君 理事 渡海紀三朗君
理事 川内 博史君 理事 平野 博文君
理事 牧 義夫君 理事 斉藤 鉄夫君
今津 寛君 宇野 治君
江崎 鐵磨君 小渕 優子君
奥野 信亮君 加藤 紘一君
上川 陽子君 城内 実君
岸田 文雄君 近藤 基彦君
鈴木 恒夫君 田村 憲久君
西村 明宏君 馳 浩君
古川 禎久君 山際大志郎君
大谷 信盛君 加藤 尚彦君
城井 崇君 小林千代美君
古賀 一成君 須藤 浩君
高井 美穂君 土肥 隆一君
肥田美代子君 牧野 聖修君
松本 大輔君 笠 浩史君
富田 茂之君 石井 郁子君
横光 克彦君
…………………………………
文部科学大臣政務官 田村 憲久君
文部科学大臣政務官 馳 浩君
参考人
(社団法人日本レコード協会会長) 依田 巽君
参考人
(漫画家) 弘兼 憲史君
参考人
(音楽評論家) 高橋健太郎君
参考人
(GERA Japan国際レコード小売協会日本支部世話人) ポール・デゼルスキー君
通訳 森岡 幹予君
通訳 友田 淳治君
通訳 於保 実樹君
文部科学委員会専門員 崎谷 康文君
—————————————
委員の異動
六月一日
辞任 補欠選任
鳩山由紀夫君 大谷 信盛君
同日
辞任 補欠選任
大谷 信盛君 鳩山由紀夫君
—————————————
本日の会議に付した案件
著作権法の一部を改正する法律案(内閣提出第九一号)(参議院送付)
————◇—————
この発言だけを見る →午後一時一分開議
出席委員
委員長 池坊 保子君
理事 青山 丘君 理事 伊藤信太郎君
理事 遠藤 利明君 理事 渡海紀三朗君
理事 川内 博史君 理事 平野 博文君
理事 牧 義夫君 理事 斉藤 鉄夫君
今津 寛君 宇野 治君
江崎 鐵磨君 小渕 優子君
奥野 信亮君 加藤 紘一君
上川 陽子君 城内 実君
岸田 文雄君 近藤 基彦君
鈴木 恒夫君 田村 憲久君
西村 明宏君 馳 浩君
古川 禎久君 山際大志郎君
大谷 信盛君 加藤 尚彦君
城井 崇君 小林千代美君
古賀 一成君 須藤 浩君
高井 美穂君 土肥 隆一君
肥田美代子君 牧野 聖修君
松本 大輔君 笠 浩史君
富田 茂之君 石井 郁子君
横光 克彦君
…………………………………
文部科学大臣政務官 田村 憲久君
文部科学大臣政務官 馳 浩君
参考人
(社団法人日本レコード協会会長) 依田 巽君
参考人
(漫画家) 弘兼 憲史君
参考人
(音楽評論家) 高橋健太郎君
参考人
(GERA Japan国際レコード小売協会日本支部世話人) ポール・デゼルスキー君
通訳 森岡 幹予君
通訳 友田 淳治君
通訳 於保 実樹君
文部科学委員会専門員 崎谷 康文君
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委員の異動
六月一日
辞任 補欠選任
鳩山由紀夫君 大谷 信盛君
同日
辞任 補欠選任
大谷 信盛君 鳩山由紀夫君
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本日の会議に付した案件
著作権法の一部を改正する法律案(内閣提出第九一号)(参議院送付)
————◇—————
池
池坊保子#1
○池坊委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、参議院送付、著作権法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、社団法人日本レコード協会会長依田巽さん、漫画家弘兼憲史さん、音楽評論家高橋健太郎さん及びGERA Japan国際レコード小売協会日本支部世話人ポール・デゼルスキーさん、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、文部科学委員会を代表いたしまして、四人の参考人の方々に一言ごあいさつさせていただきます。
本日は、四人の方々には、大変お忙しい中、本委員会のためにおいでいただきまして、心よりお礼申し上げます。大変大切な法案でございますので、現場で御活躍の皆様方の忌憚のない御意見を伺い、しっかりと当委員会の参考にさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、議事の順序でございますが、依田参考人、弘兼参考人、高橋参考人、デゼルスキー参考人の順に、お一人十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対しお答えをいただきたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言はすべてその都度委員長の許可を得てお願いいたします。また、参考人は委員に対して質疑ができないことになっておりますので、あらかじめ御了承お願いいたします。
それでは、まず依田参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、参議院送付、著作権法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、社団法人日本レコード協会会長依田巽さん、漫画家弘兼憲史さん、音楽評論家高橋健太郎さん及びGERA Japan国際レコード小売協会日本支部世話人ポール・デゼルスキーさん、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、文部科学委員会を代表いたしまして、四人の参考人の方々に一言ごあいさつさせていただきます。
本日は、四人の方々には、大変お忙しい中、本委員会のためにおいでいただきまして、心よりお礼申し上げます。大変大切な法案でございますので、現場で御活躍の皆様方の忌憚のない御意見を伺い、しっかりと当委員会の参考にさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、議事の順序でございますが、依田参考人、弘兼参考人、高橋参考人、デゼルスキー参考人の順に、お一人十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対しお答えをいただきたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言はすべてその都度委員長の許可を得てお願いいたします。また、参考人は委員に対して質疑ができないことになっておりますので、あらかじめ御了承お願いいたします。
それでは、まず依田参考人にお願いいたします。
依
依田巽#2
○依田参考人 ただいま御紹介いただきました日本レコード協会会長の依田でございます。
本日は、私どもの意見や要望を申し述べる機会をつくっていただきまして、まことにありがとうございます。厚く御礼を申し上げます。
十分間という短い時間でございますので、日本レコード協会の概要につきましてはお手元の配付資料に譲ることといたしまして、早速、音楽レコードの還流防止措置の導入を要望する理由から御説明申し上げたいと思います。
まず、この音楽レコードの還流防止措置は、レコード製作者だけでなく、作詞家、作曲家などの著作権者、歌手、演奏家などの実演家、さらにはレコード販売店など、音楽関係者の総意として導入を要望しているものであります。
近年、中国、韓国、台湾、香港などの東アジアの国々で日本語の歌が広く受け入れられるようになってまいりました。アジア諸国に日本の音楽を普及させるため、平成五年に、日本レコード協会を初め音楽関係団体が中心になりまして、財団法人音楽産業・文化振興財団、略称PROMICを設立いたしまして、日本音楽情報センターを北京、ソウル、上海、済州島に設立いたしまして、現地の人々が気軽に日本の音楽を試聴できる環境を提供してまいりました。また、これらの国々では今なお海賊版が多く流通しておりますので、著作権セミナーや啓発コンサートなど、種々開催してまいっております。十年たった今日、このような活動が日本音楽の人気となって実を結ぼうとしているわけでございます。
さて、このようなアジア諸国での日本音楽に対する需要にこたえるためには、現地のレコード会社に対して積極的なライセンスを行うことが必要ではありますが、還流防止措置がないままライセンスいたしますと、日本より大幅に安い価格のレコードが日本に還流し、国内で流通しているレコードの販売と競合することになります。そのようなことになれば、レコード製作者にとって、レコード製作への投資を回収することができなくなるばかりでなく、日本のレコード価格を基準に収入を得ている日本の作詞家、作曲家などの著作権者や、歌手、演奏家などの実演家は極めて少ない収入しか得ることができなくなりますので、活動の基盤が脅かされ、新たな音楽作品をつくり出す上で大きな打撃となります。その結果は、日本の音楽文化の衰退につながることになるわけでございます。
還流防止措置が導入された場合には、日本の音楽文化の海外への普及が促進され、音楽を通してアジア諸国の日本及び日本国民に対する理解が深まるものと考えております。また、音楽産業の活性化によりその効果は関連産業にも波及し、日本経済全体に好影響をもたらすものであります。そして、権利者に適正な利益が確保されることによって音楽創造サイクルが円滑に循環し、日本国民に、幅広いジャンルの、多様な価格の音楽作品を提供し続けていくことができるわけでございます。
このように、音楽レコードの還流防止措置は、著作権者、実演者及びレコード製作者の適正な利益を確保し、日本の音楽文化の海外普及を促進するために必要不可欠な制度であります。
次に、音楽レコードの還流防止措置の導入に関する消費者の方々からの懸念や意見に対し、日本レコード協会長としてお答えしたいと思います。
まず一番目でございますが、欧米からの輸入盤がとめられるのではないかとの懸念に対してでございますが、この法律ができても欧米からの輸入盤がとめられることはございません。
その理由は、欧米で圧倒的なシェアを持つソニー、ワーナー、ユニバーサル、BMG、EMIといういわゆるファイブメジャーの日本法人が、一番目といたしまして、欧米諸国で製造、販売されたいわゆる洋楽レコードの直輸入を禁止するようライセンサーに対し働きかけを行う考えがないこと、二番目、ライセンサーであるファイブメジャー各社にも洋楽レコードの日本への直輸入を禁止する考えがないことを確認しております。三番目に、したがいまして、ファイブメジャー各社が欧米諸国で発売するレコードに日本販売禁止の表示をして権利行使する考えのないことを確認していること、以上の三点を明確に表明していることをお伝えしたいと思います。
また、日本レコード協会からの照会に対し、アメリカレコード協会、RIAAも、RIAA会員であるファイブメジャーに日本への輸入を禁止する考えがないことを書面で回答しております。
したがいまして、アメリカ、イギリス等の欧米で販売されているレコードの日本への輸入が禁止されることはございません。
二番目のポイントといたしまして、日本のレコードの価格は高過ぎるのではないかという御指摘でございますが、まず、私は、日本のレコードの価格は、欧米先進国と比較して、決して高くないと考えております。
日本のレコードは、価格の多様化、低価格化が進んでおりまして、昨年一月から十一月までに日本レコード協会会員レコード会社が発売した邦楽アルバム四千四百四十五タイトルの価格を分析いたしますと、二千五百円未満の価格のものが四一・五%と最も多く、平均価格も二千三百十五円であります。
確かに、欧米先進国の中でアメリカは日本より二割から三割程度安いと認識しておりますが、世界の六十二億人のマーケットを対象とするアメリカと一億三千万人をマーケットとする日本との市場環境の差、あるいは欧米に比べて豪華な仕様を好む日本の国民性などを考えますと、単純に比較することはできないと思われます。
もちろん、よりよい音楽をより安い価格で国民に提供することがレコード会社の責務でもありますので、今後も不断に経営努力を続けてまいりたいと考えておりますが、具体的には、価格の多様化や低価格化、収録曲数の増加、CDとDVD複合商品の販売など、消費者ニーズに応じた作品を提供してまいりたいと思います。
三番目でございますが、レコードの再販制度は廃止すべきとの声に対しまして、このように考えております。
再販制度は、日本の音楽文化を維持するために極めて重要な制度であると考えております。日本では、全国津々浦々どこでも同じ価格でレコードを購入することができ、また、売れ筋商品に集中することなく、邦楽のJポップ、純邦楽、童謡から、洋楽のポピュラー、ジャズ、クラシックまで、世界有数の幅広いジャンルのカタログが発売されております。
また、制度の運用については、二〇〇一年三月の再販存置の結論以降も、消費者利益の確保のために弾力運用を積極的に進めております。例えば再販期間は、二年から一年へ、さらには六カ月へと、短縮に向ける取り組みが進んでおります。さらに、価格の多様化、低価格化が進んでいることは、先ほど述べたとおりでございます。
再販制度については、公正取引委員会において、著作物再販協議会など消費者の代表も入った検討の場が設置されております。そのような場で私どもからも運用状況を十分に御説明し、御理解を得たいと思っております。
最後に、音楽レコードの還流防止措置の導入に当たり、私の決意を申し上げて、意見陳述を終わらせていただきたいと存じます。
一番目、還流防止措置が導入された際には、アジア諸国からの日本音楽に対する需要の拡大に備え、積極的に海外進出を図り、日本の音楽文化の海外普及の促進に努めます。
二番目、日本の音楽のアジア諸国へのマーケット拡大によって得られた利益は、権利者だけではなく消費者にも多様な形で還元していきます。
何とぞ、音楽レコードの還流防止措置の導入について御理解をいただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。
ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、私どもの意見や要望を申し述べる機会をつくっていただきまして、まことにありがとうございます。厚く御礼を申し上げます。
十分間という短い時間でございますので、日本レコード協会の概要につきましてはお手元の配付資料に譲ることといたしまして、早速、音楽レコードの還流防止措置の導入を要望する理由から御説明申し上げたいと思います。
まず、この音楽レコードの還流防止措置は、レコード製作者だけでなく、作詞家、作曲家などの著作権者、歌手、演奏家などの実演家、さらにはレコード販売店など、音楽関係者の総意として導入を要望しているものであります。
近年、中国、韓国、台湾、香港などの東アジアの国々で日本語の歌が広く受け入れられるようになってまいりました。アジア諸国に日本の音楽を普及させるため、平成五年に、日本レコード協会を初め音楽関係団体が中心になりまして、財団法人音楽産業・文化振興財団、略称PROMICを設立いたしまして、日本音楽情報センターを北京、ソウル、上海、済州島に設立いたしまして、現地の人々が気軽に日本の音楽を試聴できる環境を提供してまいりました。また、これらの国々では今なお海賊版が多く流通しておりますので、著作権セミナーや啓発コンサートなど、種々開催してまいっております。十年たった今日、このような活動が日本音楽の人気となって実を結ぼうとしているわけでございます。
さて、このようなアジア諸国での日本音楽に対する需要にこたえるためには、現地のレコード会社に対して積極的なライセンスを行うことが必要ではありますが、還流防止措置がないままライセンスいたしますと、日本より大幅に安い価格のレコードが日本に還流し、国内で流通しているレコードの販売と競合することになります。そのようなことになれば、レコード製作者にとって、レコード製作への投資を回収することができなくなるばかりでなく、日本のレコード価格を基準に収入を得ている日本の作詞家、作曲家などの著作権者や、歌手、演奏家などの実演家は極めて少ない収入しか得ることができなくなりますので、活動の基盤が脅かされ、新たな音楽作品をつくり出す上で大きな打撃となります。その結果は、日本の音楽文化の衰退につながることになるわけでございます。
還流防止措置が導入された場合には、日本の音楽文化の海外への普及が促進され、音楽を通してアジア諸国の日本及び日本国民に対する理解が深まるものと考えております。また、音楽産業の活性化によりその効果は関連産業にも波及し、日本経済全体に好影響をもたらすものであります。そして、権利者に適正な利益が確保されることによって音楽創造サイクルが円滑に循環し、日本国民に、幅広いジャンルの、多様な価格の音楽作品を提供し続けていくことができるわけでございます。
このように、音楽レコードの還流防止措置は、著作権者、実演者及びレコード製作者の適正な利益を確保し、日本の音楽文化の海外普及を促進するために必要不可欠な制度であります。
次に、音楽レコードの還流防止措置の導入に関する消費者の方々からの懸念や意見に対し、日本レコード協会長としてお答えしたいと思います。
まず一番目でございますが、欧米からの輸入盤がとめられるのではないかとの懸念に対してでございますが、この法律ができても欧米からの輸入盤がとめられることはございません。
その理由は、欧米で圧倒的なシェアを持つソニー、ワーナー、ユニバーサル、BMG、EMIといういわゆるファイブメジャーの日本法人が、一番目といたしまして、欧米諸国で製造、販売されたいわゆる洋楽レコードの直輸入を禁止するようライセンサーに対し働きかけを行う考えがないこと、二番目、ライセンサーであるファイブメジャー各社にも洋楽レコードの日本への直輸入を禁止する考えがないことを確認しております。三番目に、したがいまして、ファイブメジャー各社が欧米諸国で発売するレコードに日本販売禁止の表示をして権利行使する考えのないことを確認していること、以上の三点を明確に表明していることをお伝えしたいと思います。
また、日本レコード協会からの照会に対し、アメリカレコード協会、RIAAも、RIAA会員であるファイブメジャーに日本への輸入を禁止する考えがないことを書面で回答しております。
したがいまして、アメリカ、イギリス等の欧米で販売されているレコードの日本への輸入が禁止されることはございません。
二番目のポイントといたしまして、日本のレコードの価格は高過ぎるのではないかという御指摘でございますが、まず、私は、日本のレコードの価格は、欧米先進国と比較して、決して高くないと考えております。
日本のレコードは、価格の多様化、低価格化が進んでおりまして、昨年一月から十一月までに日本レコード協会会員レコード会社が発売した邦楽アルバム四千四百四十五タイトルの価格を分析いたしますと、二千五百円未満の価格のものが四一・五%と最も多く、平均価格も二千三百十五円であります。
確かに、欧米先進国の中でアメリカは日本より二割から三割程度安いと認識しておりますが、世界の六十二億人のマーケットを対象とするアメリカと一億三千万人をマーケットとする日本との市場環境の差、あるいは欧米に比べて豪華な仕様を好む日本の国民性などを考えますと、単純に比較することはできないと思われます。
もちろん、よりよい音楽をより安い価格で国民に提供することがレコード会社の責務でもありますので、今後も不断に経営努力を続けてまいりたいと考えておりますが、具体的には、価格の多様化や低価格化、収録曲数の増加、CDとDVD複合商品の販売など、消費者ニーズに応じた作品を提供してまいりたいと思います。
三番目でございますが、レコードの再販制度は廃止すべきとの声に対しまして、このように考えております。
再販制度は、日本の音楽文化を維持するために極めて重要な制度であると考えております。日本では、全国津々浦々どこでも同じ価格でレコードを購入することができ、また、売れ筋商品に集中することなく、邦楽のJポップ、純邦楽、童謡から、洋楽のポピュラー、ジャズ、クラシックまで、世界有数の幅広いジャンルのカタログが発売されております。
また、制度の運用については、二〇〇一年三月の再販存置の結論以降も、消費者利益の確保のために弾力運用を積極的に進めております。例えば再販期間は、二年から一年へ、さらには六カ月へと、短縮に向ける取り組みが進んでおります。さらに、価格の多様化、低価格化が進んでいることは、先ほど述べたとおりでございます。
再販制度については、公正取引委員会において、著作物再販協議会など消費者の代表も入った検討の場が設置されております。そのような場で私どもからも運用状況を十分に御説明し、御理解を得たいと思っております。
最後に、音楽レコードの還流防止措置の導入に当たり、私の決意を申し上げて、意見陳述を終わらせていただきたいと存じます。
一番目、還流防止措置が導入された際には、アジア諸国からの日本音楽に対する需要の拡大に備え、積極的に海外進出を図り、日本の音楽文化の海外普及の促進に努めます。
二番目、日本の音楽のアジア諸国へのマーケット拡大によって得られた利益は、権利者だけではなく消費者にも多様な形で還元していきます。
何とぞ、音楽レコードの還流防止措置の導入について御理解をいただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。
ありがとうございました。拍手
池
弘
弘兼憲史#4
○弘兼参考人 漫画家の弘兼憲史です。
きょうは、昨年八月に設立された貸与権連絡協議会の幹事代理として参りました。よろしくお願いいたします。
お手元の資料一ページをごらんください。貸与権連絡協議会は、著作者十一団体、業界関係四団体で構成されています。著作者というのは、文芸作家、美術家、写真家、児童文学作家、そしてコミック作家ですね。今回問題となっている著作権法附則四条の二の廃止を求めて、作家、出版業界の意思統一をすることと、法改正後の管理スキームなどを検討することを目的に活動しております。
コミック業界の状況を申し上げたいと思います。資料二ページ目にあります。
御存じのとおり、近年は出版不況と言われて久しいのですが、コミック業界も最近の五、六年は大変厳しい状況が続いております。そこに、一昨年秋ごろからレンタルコミック店と言われる業態が急増してまいりました。これが、今回私たちが貸与権獲得を目指して活動を始めたきっかけでした。
レンタルコミック店の特徴はといえば、お手元の資料の三ページから五ページ目をごらんください。ここで言うレンタルコミック店というのは、いわゆる伝統的な貸し本屋とは異なり、レンタルビデオ店と同じように、大規模に売れ筋のコミックを貸し出している店舗をいいます。時には、コミックを一冊十円で何冊も貸し出しているというところもあります。今後も大手レンタル業者がレンタルコミックに参入を予定していると聞きますので、これからレンタルコミック店が全国に急増する可能性が高いと危惧しております。
ここで、韓国の実例を申し上げたいと思います。
貸与権の適用がないままにレンタルコミック店が乱立した場合、どのような事態になり得るのかというのを考えるときに、お隣韓国の例は無視することはできません。お手元の資料六ページ、七ページをごらんください。韓国では、一九九〇年代後半にレンタルブック店が乱立した結果、コミックの発行部数が五分の一から十分の一になったと言われています。今では、九割の読者がコミックをレンタルして読んでいる状況です。つまり、コミックは買って読むものではない、借りて読むものだという空気が支配的になっております。
昨年我々が実験的に運営したレンタルコミック店、これは千葉県の白井市にあるんですけれども、レンタルコミック店のアンケート調査でも、一たんレンタルコミックを利用すると、それまで購入していた本でも今後はレンタルで済ませるという回答が全体の約四分の三を示しています。韓国の先例は決して対岸の火事ではなく、日本も、貸与権の適用のないままにレンタルブック店の増加を放置しておりますと、同様の事態に陥る可能性は極めて高いと考えております。
ぜひ御理解いただきたいのは、私たちは決してもっとお金をよこせ運動をしているのではありません。手前みそかもしれませんが、日本のコミック文化は世界に誇り得るものであると考えております。コミックは、単にコミックとしてだけではなくて、アニメーション、ゲーム、テレビドラマなどさまざまなコンテンツに複合的に転換され、まさにコンテンツ・オブ・コンテンツと呼ぶにふさわしい位置を占めております。
資料の八ページをごらんになってください。一つの統計によりますと、アメリカへの日本のアニメーションの輸出額は、アメリカへの鉄鋼製品輸出額の約三・二倍に当たるとも言われています。ちなみに、数を申し上げますと、二〇〇二年の数字なんですけれども、鉄鋼はアメリカに対して十三億八千万ドル輸出しておりますが、アニメは四十三億五千九百十一万ドル、こういう状況であります。
この世界に誇り得ると言っていい日本のコミックが、作家にリターンのないまま読み捨てられる状態を放置すれば、韓国の例でもわかるように、必ずコミック文化は衰退します。リターンのない業界に人材は入ってきません。優秀な才能はその才能の発揮場所を求めてゲーム業界、アニメ業界、映画業界など、コミック界を去ってしまうのではないかという強い危機感を抱いています。コミックが衰退すれば、ほかのゲームや映画業界も共倒れになるという可能性もあります。実は、映画の興行収入の約八割はコミックを原作としたものであるというデータも出ておりますので、これはかなり大きい数字であります。
次に、貸与権獲得後はどういうシステムになるかということについてお話しいたします。
貸与権獲得後に円滑に権利行使ができるように、ことし三月一日に出版物貸与権管理センター準備会を立ち上げました。ここで行われることは、改正著作権法施行後のレンタルコミック店との間での契約、商品の物流、許諾料の作家への分配など、全体のシステムをスムーズに運営する体制を整えるために、現在着々と準備を進めております。
貸与権獲得後の許諾条件、つまり、どういう条件でレンタルコミックに貸し出しを認めるかということなんですが、許諾料と貸与禁止期間の二つを大きな柱とします。そして、レンタル業者の団体である日本コンパクトディスク・ビデオレンタル商業組合、CDVジャパンと何度も話し合いを重ねて、作家、出版社などとレンタル業者が共存共栄できるような条件を模索しているところです。
我々は、何もレンタルコミック店をなくせと言っているのではありません。なぜなら、それはある程度消費者ニーズにかなっているからです。だからといってどんどんふえてしまっては、韓国のように業界の崩壊を招きかねないので、それは困ります、適度の数で適正なルールで、双方にそれなりの利益を得ようということなんですね。
特に、貸与禁止期間の必要性については、発売日当日からレンタルを開始した場合は、新刊本の売り上げに多大なる影響を与えるというデータを私たちは持っております。この点、先日、参議院での附帯決議におきまして、一定の貸与禁止期間の必要性が言及されたことに大変感謝しております。
最後に、我が国が知的財産立国として国際競争社会を生き残っていこうとしているときに、コンテンツの源泉であるコミックが廃れるようなことは絶対に防がなくてはなりません。そのためには、作家が安心して創作活動を行えるよう、法的権利確立が不可欠です。法的権利確立、つまり知的所有権を認めていこうという世界的な趨勢の中で、貸与権を雑誌、書籍にも認めるということを妨げる理由は見当たらないと私は思います。それによって、世界に誇る日本のコミック文化がますます豊かになると信じています。
何とぞ、貸与権獲得のために皆様のお力添えをお願いする次第でございます。
どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →きょうは、昨年八月に設立された貸与権連絡協議会の幹事代理として参りました。よろしくお願いいたします。
お手元の資料一ページをごらんください。貸与権連絡協議会は、著作者十一団体、業界関係四団体で構成されています。著作者というのは、文芸作家、美術家、写真家、児童文学作家、そしてコミック作家ですね。今回問題となっている著作権法附則四条の二の廃止を求めて、作家、出版業界の意思統一をすることと、法改正後の管理スキームなどを検討することを目的に活動しております。
コミック業界の状況を申し上げたいと思います。資料二ページ目にあります。
御存じのとおり、近年は出版不況と言われて久しいのですが、コミック業界も最近の五、六年は大変厳しい状況が続いております。そこに、一昨年秋ごろからレンタルコミック店と言われる業態が急増してまいりました。これが、今回私たちが貸与権獲得を目指して活動を始めたきっかけでした。
レンタルコミック店の特徴はといえば、お手元の資料の三ページから五ページ目をごらんください。ここで言うレンタルコミック店というのは、いわゆる伝統的な貸し本屋とは異なり、レンタルビデオ店と同じように、大規模に売れ筋のコミックを貸し出している店舗をいいます。時には、コミックを一冊十円で何冊も貸し出しているというところもあります。今後も大手レンタル業者がレンタルコミックに参入を予定していると聞きますので、これからレンタルコミック店が全国に急増する可能性が高いと危惧しております。
ここで、韓国の実例を申し上げたいと思います。
貸与権の適用がないままにレンタルコミック店が乱立した場合、どのような事態になり得るのかというのを考えるときに、お隣韓国の例は無視することはできません。お手元の資料六ページ、七ページをごらんください。韓国では、一九九〇年代後半にレンタルブック店が乱立した結果、コミックの発行部数が五分の一から十分の一になったと言われています。今では、九割の読者がコミックをレンタルして読んでいる状況です。つまり、コミックは買って読むものではない、借りて読むものだという空気が支配的になっております。
昨年我々が実験的に運営したレンタルコミック店、これは千葉県の白井市にあるんですけれども、レンタルコミック店のアンケート調査でも、一たんレンタルコミックを利用すると、それまで購入していた本でも今後はレンタルで済ませるという回答が全体の約四分の三を示しています。韓国の先例は決して対岸の火事ではなく、日本も、貸与権の適用のないままにレンタルブック店の増加を放置しておりますと、同様の事態に陥る可能性は極めて高いと考えております。
ぜひ御理解いただきたいのは、私たちは決してもっとお金をよこせ運動をしているのではありません。手前みそかもしれませんが、日本のコミック文化は世界に誇り得るものであると考えております。コミックは、単にコミックとしてだけではなくて、アニメーション、ゲーム、テレビドラマなどさまざまなコンテンツに複合的に転換され、まさにコンテンツ・オブ・コンテンツと呼ぶにふさわしい位置を占めております。
資料の八ページをごらんになってください。一つの統計によりますと、アメリカへの日本のアニメーションの輸出額は、アメリカへの鉄鋼製品輸出額の約三・二倍に当たるとも言われています。ちなみに、数を申し上げますと、二〇〇二年の数字なんですけれども、鉄鋼はアメリカに対して十三億八千万ドル輸出しておりますが、アニメは四十三億五千九百十一万ドル、こういう状況であります。
この世界に誇り得ると言っていい日本のコミックが、作家にリターンのないまま読み捨てられる状態を放置すれば、韓国の例でもわかるように、必ずコミック文化は衰退します。リターンのない業界に人材は入ってきません。優秀な才能はその才能の発揮場所を求めてゲーム業界、アニメ業界、映画業界など、コミック界を去ってしまうのではないかという強い危機感を抱いています。コミックが衰退すれば、ほかのゲームや映画業界も共倒れになるという可能性もあります。実は、映画の興行収入の約八割はコミックを原作としたものであるというデータも出ておりますので、これはかなり大きい数字であります。
次に、貸与権獲得後はどういうシステムになるかということについてお話しいたします。
貸与権獲得後に円滑に権利行使ができるように、ことし三月一日に出版物貸与権管理センター準備会を立ち上げました。ここで行われることは、改正著作権法施行後のレンタルコミック店との間での契約、商品の物流、許諾料の作家への分配など、全体のシステムをスムーズに運営する体制を整えるために、現在着々と準備を進めております。
貸与権獲得後の許諾条件、つまり、どういう条件でレンタルコミックに貸し出しを認めるかということなんですが、許諾料と貸与禁止期間の二つを大きな柱とします。そして、レンタル業者の団体である日本コンパクトディスク・ビデオレンタル商業組合、CDVジャパンと何度も話し合いを重ねて、作家、出版社などとレンタル業者が共存共栄できるような条件を模索しているところです。
我々は、何もレンタルコミック店をなくせと言っているのではありません。なぜなら、それはある程度消費者ニーズにかなっているからです。だからといってどんどんふえてしまっては、韓国のように業界の崩壊を招きかねないので、それは困ります、適度の数で適正なルールで、双方にそれなりの利益を得ようということなんですね。
特に、貸与禁止期間の必要性については、発売日当日からレンタルを開始した場合は、新刊本の売り上げに多大なる影響を与えるというデータを私たちは持っております。この点、先日、参議院での附帯決議におきまして、一定の貸与禁止期間の必要性が言及されたことに大変感謝しております。
最後に、我が国が知的財産立国として国際競争社会を生き残っていこうとしているときに、コンテンツの源泉であるコミックが廃れるようなことは絶対に防がなくてはなりません。そのためには、作家が安心して創作活動を行えるよう、法的権利確立が不可欠です。法的権利確立、つまり知的所有権を認めていこうという世界的な趨勢の中で、貸与権を雑誌、書籍にも認めるということを妨げる理由は見当たらないと私は思います。それによって、世界に誇る日本のコミック文化がますます豊かになると信じています。
何とぞ、貸与権獲得のために皆様のお力添えをお願いする次第でございます。
どうもありがとうございました。拍手
池
高
高橋健太郎#6
○高橋参考人 高橋健太郎と申します。
本日は、このような意見陳述の機会を与えてくださったことに深く感謝、お礼申し上げます。
私は、過去二十五年ほど、新聞、雑誌などに音楽評論を執筆する仕事をしてきた者ですけれども、去る五月十一日に、私を含む二百六十八人の音楽メディア関係者が、今回の著作権法改正案によるレコードの輸入規制に反対する共同声明を発表いたしました。その二百六十八人の中には、二十五誌以上の音楽雑誌やオーディオ雑誌の編集長、二百人を超える音楽評論家や学者、作家ほかの執筆者の方々がいます。きょう現在、その声明への追加賛同者はさらにふえて三百五十名を超えています。
また、私たちの共同声明を支持するミュージシャン、アーティストの方々も続々とふえています。その中には、坂本龍一さんのような世界的な音楽家もいらっしゃいますし、人気コーラスグループのゴスペラーズもいます。ゴスペラーズは現在、アジアからの還流盤が流入しているアーティストの一つですが、その還流盤を防止することよりも、現在あるリスナーの選択肢が守られること、そして自由に幅広い音楽を聞くことのできる音楽シーンが日本にもあり続けること、その方がアーティストにとってもプラスであると信じるからこそ彼らも反対の声を上げている、私はそう理解しています。
さらに、一般の音楽ファンが草の根的な署名運動によって集めた署名が既に五万七千名を超えつつあります。
さきに私たちは、そうした声を取りまとめた公開質問書を河村文部科学大臣あて及び日本レコード協会依田会長あてにお送りさせていただきました。残念ながら、この委員会で委員の皆様にお配りする締め切り、それは昨日の午後一時ごろだったんですけれども、それまでには御回答をいただくことができませんでしたので、きょう、皆様のお手元には公開質問書のみをお配りさせていただいています。
さて、以下、法案の内容について私の意見を簡単に述べさせていただきます。
著作権法というものは、何よりもまず著作権者の利益を、権利を守る法律であると私も考えます。その意味においては、消費者に多少の不利益があることもあるかもしれない。しかし、著作権者の権利が守られ、それによってアーティストがより一層の創造性を発揮することによって消費者であるリスナーにすばらしい音楽が届けられていくなら、消費者もそれは納得し得るものであると考えます。
しかし、今回の著作権法の改正案、それによる輸入レコードの規制は、著作隣接権者である内外のレコード会社のコントロール、それは価格のコントロールであるとか購入することのできる商品ラインナップのコントロールでありますが、そうしたコントロールばかりを強める法案になってしまっています。それゆえ、このようなリスナーとアーティストからの大きな反発が起こっているのです。
私は、音楽評論の仕事の傍ら、小さなレコードレーベルと音楽著作権管理会社も運営しております。そういう意味では、私も著作権、著作隣接権を扱う仕事をしております。二〇〇〇年代に入ってから三〇%も売り上げが落ちてしまったレコード業界の窮状も肌身に感じておりますし、私自身、日本の音楽産業が明るい未来を取り戻すことを切に願っておるものであります。
しかし、音楽シーンの活力を生み出すものは何かといえば、それは、まず、アーティストの創造性の増大であり、そしてリスナーの音楽への高い関心、その関心の高まり、あるいはほかの楽しみよりも音楽の楽しみにお金を使おうとする購買力の増大だと思います。
アーティストとリスナーの間に位置する著作隣接権者であるレコード会社のコントロールばかりを強めることによって、あたかもアーティストとレコード会社が、あるいはリスナーとレコード会社が敵対するように見えるような状況が今の日本の音楽業界には生まれようとしています。今回の著作権法改正案に限らず、この一、二年、別の原因によっても、アーティストが望まないレコードのリリース方法をレコード会社が行おうとし、そのために、本来創造に向けられるべきエネルギーが、音楽制作の現場で今この瞬間にも別の闘いのために浪費されてしまっているのを私は感じます。そのような状況の中で、音楽産業が発展することはあり得ません。
アジアでの市場拡大のために還流盤を防止したい、それは私も十分に理解いたします。しかし、そのために、このような副作用の大きい法案を生み出し、その副作用によって、日本国内のアーティストとリスナーがつくり出す音楽シーン、その音楽文化自体が活力を失ってしまったら、今回の法案資料の中にあるような、三菱総研による非常に楽観的な、アジア市場での飛躍的な成長がその中では予測されていますが、そのような成長など到底あり得ないでしょう。
音楽産業の再生のために何よりも必要なのはアーティストの創造力です。著作権法の改正を行うならば、まず、著作権者であるアーティストの権利を十分に守るための法案を考えるべきと私は考えます。しかし、そのための配慮が今回の法案には十分ではありません。レコードというエンターテインメントが魅力的でなければ、消費者はほかのエンターテインメントを選びます。再販制度と輸入権という二重の保護を受けても、価格や選択肢に魅力がない商品を消費者が買うことはありません。過剰な保護はかえってその産業を衰退させます。
先週末、私は大手レコードチェーンの代表者と会合を持ちましたが、彼らは、法案が成立した場合の消費者の反発、落胆、怒りが不買運動というような形につながるのではないかということを強く懸念してもいます。あるいは、そもそも還流盤防止のための法案を求めていた著作権者あるいは著作権者の団体の中からも、実際に提出された法案の条文に対する危惧の声が大きくなっていると聞きます。
このような法案で、果たして本来の目的であった還流盤をとめることができるのか。グレーゾーンが余りに大きく、裁判をしてみなければわからないという条文ゆえに、法案施行後は輸入盤の輸入業者は輸入することに萎縮的にならざるを得ないということが予想されていますが、全く逆の立場から、著作権者が還流防止を求めようとしても、このようなあいまいな条文では、やはり怖くて裁判ができない、萎縮的にならざるを得ない、そういう声が著作権者あるいは著作権者を保護する立場の人々の中からも上がっています。
なぜそのようにグレーゾーンが大きく、文化庁と税関による運用次第、あるいは裁判所の判断次第という法案になってしまったのか。
その理由は、そもそもは還流盤防止という差別的な輸入盤の規制が趣旨であったにもかかわらず、提出された法案は非差別的なレコード輸入権を創設するものであったからでしょう。その非差別的なレコード輸入権を創設した法律を差別的に運用すると、現在文化庁は説明されています。しかしながら、内国民優遇の差別的な運用をすれば、それはアメリカを初めとする海外諸国からの非難を受けかねません。そして、欧米のレコード会社が輸入権を行使した場合、それをとめる手だてがどこにもないことが既に先週の委員会でも明らかになっています。
五大メジャー系のレコード会社だけがレコード会社ではありません。どこかの国の独立レーベルが輸入権を行使したら、ほかもやるならうちもやるという形で、瞬く間に雪崩的に数多くのレコード会社が輸入権の行使を始めることも考えられます。もし独立系のレーベルが行使を始めれば、五大メジャー系のレコード会社ももはや行使をしない理由を失うはずです。
法案の趣旨と提出された条文の間にこのような矛盾を含む法案、そして海外からの非難を受けかねない差別的運用をしなければならない法案は、施行後に大きな問題を引き起こす可能性があります。そして、それらすべてが日本の音楽文化の未来あるいは音楽産業の未来に大きな傷を残すでしょう。
その危険性を考えたとき、少なくとも今国会においてはこの法案は一度廃案とし、推進派の方々が還流防止を趣旨とする法案を求めるならば、もう一度、アーティストやリスナー、あるいは私たちのような音楽メディア関係者、さらにはレコード会社の内部、さまざまな音楽関係の業種の間で十分なヒアリングを行い、国会でも十二分に議論を尽くした上でそれをつくることを私は強く望みます。
以上で、私の意見陳述を終えさせていただきます。拍手
この発言だけを見る →本日は、このような意見陳述の機会を与えてくださったことに深く感謝、お礼申し上げます。
私は、過去二十五年ほど、新聞、雑誌などに音楽評論を執筆する仕事をしてきた者ですけれども、去る五月十一日に、私を含む二百六十八人の音楽メディア関係者が、今回の著作権法改正案によるレコードの輸入規制に反対する共同声明を発表いたしました。その二百六十八人の中には、二十五誌以上の音楽雑誌やオーディオ雑誌の編集長、二百人を超える音楽評論家や学者、作家ほかの執筆者の方々がいます。きょう現在、その声明への追加賛同者はさらにふえて三百五十名を超えています。
また、私たちの共同声明を支持するミュージシャン、アーティストの方々も続々とふえています。その中には、坂本龍一さんのような世界的な音楽家もいらっしゃいますし、人気コーラスグループのゴスペラーズもいます。ゴスペラーズは現在、アジアからの還流盤が流入しているアーティストの一つですが、その還流盤を防止することよりも、現在あるリスナーの選択肢が守られること、そして自由に幅広い音楽を聞くことのできる音楽シーンが日本にもあり続けること、その方がアーティストにとってもプラスであると信じるからこそ彼らも反対の声を上げている、私はそう理解しています。
さらに、一般の音楽ファンが草の根的な署名運動によって集めた署名が既に五万七千名を超えつつあります。
さきに私たちは、そうした声を取りまとめた公開質問書を河村文部科学大臣あて及び日本レコード協会依田会長あてにお送りさせていただきました。残念ながら、この委員会で委員の皆様にお配りする締め切り、それは昨日の午後一時ごろだったんですけれども、それまでには御回答をいただくことができませんでしたので、きょう、皆様のお手元には公開質問書のみをお配りさせていただいています。
さて、以下、法案の内容について私の意見を簡単に述べさせていただきます。
著作権法というものは、何よりもまず著作権者の利益を、権利を守る法律であると私も考えます。その意味においては、消費者に多少の不利益があることもあるかもしれない。しかし、著作権者の権利が守られ、それによってアーティストがより一層の創造性を発揮することによって消費者であるリスナーにすばらしい音楽が届けられていくなら、消費者もそれは納得し得るものであると考えます。
しかし、今回の著作権法の改正案、それによる輸入レコードの規制は、著作隣接権者である内外のレコード会社のコントロール、それは価格のコントロールであるとか購入することのできる商品ラインナップのコントロールでありますが、そうしたコントロールばかりを強める法案になってしまっています。それゆえ、このようなリスナーとアーティストからの大きな反発が起こっているのです。
私は、音楽評論の仕事の傍ら、小さなレコードレーベルと音楽著作権管理会社も運営しております。そういう意味では、私も著作権、著作隣接権を扱う仕事をしております。二〇〇〇年代に入ってから三〇%も売り上げが落ちてしまったレコード業界の窮状も肌身に感じておりますし、私自身、日本の音楽産業が明るい未来を取り戻すことを切に願っておるものであります。
しかし、音楽シーンの活力を生み出すものは何かといえば、それは、まず、アーティストの創造性の増大であり、そしてリスナーの音楽への高い関心、その関心の高まり、あるいはほかの楽しみよりも音楽の楽しみにお金を使おうとする購買力の増大だと思います。
アーティストとリスナーの間に位置する著作隣接権者であるレコード会社のコントロールばかりを強めることによって、あたかもアーティストとレコード会社が、あるいはリスナーとレコード会社が敵対するように見えるような状況が今の日本の音楽業界には生まれようとしています。今回の著作権法改正案に限らず、この一、二年、別の原因によっても、アーティストが望まないレコードのリリース方法をレコード会社が行おうとし、そのために、本来創造に向けられるべきエネルギーが、音楽制作の現場で今この瞬間にも別の闘いのために浪費されてしまっているのを私は感じます。そのような状況の中で、音楽産業が発展することはあり得ません。
アジアでの市場拡大のために還流盤を防止したい、それは私も十分に理解いたします。しかし、そのために、このような副作用の大きい法案を生み出し、その副作用によって、日本国内のアーティストとリスナーがつくり出す音楽シーン、その音楽文化自体が活力を失ってしまったら、今回の法案資料の中にあるような、三菱総研による非常に楽観的な、アジア市場での飛躍的な成長がその中では予測されていますが、そのような成長など到底あり得ないでしょう。
音楽産業の再生のために何よりも必要なのはアーティストの創造力です。著作権法の改正を行うならば、まず、著作権者であるアーティストの権利を十分に守るための法案を考えるべきと私は考えます。しかし、そのための配慮が今回の法案には十分ではありません。レコードというエンターテインメントが魅力的でなければ、消費者はほかのエンターテインメントを選びます。再販制度と輸入権という二重の保護を受けても、価格や選択肢に魅力がない商品を消費者が買うことはありません。過剰な保護はかえってその産業を衰退させます。
先週末、私は大手レコードチェーンの代表者と会合を持ちましたが、彼らは、法案が成立した場合の消費者の反発、落胆、怒りが不買運動というような形につながるのではないかということを強く懸念してもいます。あるいは、そもそも還流盤防止のための法案を求めていた著作権者あるいは著作権者の団体の中からも、実際に提出された法案の条文に対する危惧の声が大きくなっていると聞きます。
このような法案で、果たして本来の目的であった還流盤をとめることができるのか。グレーゾーンが余りに大きく、裁判をしてみなければわからないという条文ゆえに、法案施行後は輸入盤の輸入業者は輸入することに萎縮的にならざるを得ないということが予想されていますが、全く逆の立場から、著作権者が還流防止を求めようとしても、このようなあいまいな条文では、やはり怖くて裁判ができない、萎縮的にならざるを得ない、そういう声が著作権者あるいは著作権者を保護する立場の人々の中からも上がっています。
なぜそのようにグレーゾーンが大きく、文化庁と税関による運用次第、あるいは裁判所の判断次第という法案になってしまったのか。
その理由は、そもそもは還流盤防止という差別的な輸入盤の規制が趣旨であったにもかかわらず、提出された法案は非差別的なレコード輸入権を創設するものであったからでしょう。その非差別的なレコード輸入権を創設した法律を差別的に運用すると、現在文化庁は説明されています。しかしながら、内国民優遇の差別的な運用をすれば、それはアメリカを初めとする海外諸国からの非難を受けかねません。そして、欧米のレコード会社が輸入権を行使した場合、それをとめる手だてがどこにもないことが既に先週の委員会でも明らかになっています。
五大メジャー系のレコード会社だけがレコード会社ではありません。どこかの国の独立レーベルが輸入権を行使したら、ほかもやるならうちもやるという形で、瞬く間に雪崩的に数多くのレコード会社が輸入権の行使を始めることも考えられます。もし独立系のレーベルが行使を始めれば、五大メジャー系のレコード会社ももはや行使をしない理由を失うはずです。
法案の趣旨と提出された条文の間にこのような矛盾を含む法案、そして海外からの非難を受けかねない差別的運用をしなければならない法案は、施行後に大きな問題を引き起こす可能性があります。そして、それらすべてが日本の音楽文化の未来あるいは音楽産業の未来に大きな傷を残すでしょう。
その危険性を考えたとき、少なくとも今国会においてはこの法案は一度廃案とし、推進派の方々が還流防止を趣旨とする法案を求めるならば、もう一度、アーティストやリスナー、あるいは私たちのような音楽メディア関係者、さらにはレコード会社の内部、さまざまな音楽関係の業種の間で十分なヒアリングを行い、国会でも十二分に議論を尽くした上でそれをつくることを私は強く望みます。
以上で、私の意見陳述を終えさせていただきます。拍手
池
ポ
○デゼルスキー参考人(通訳) 御紹介いただきましてありがとうございます。ただいま御紹介にあずかりましたGERAジャパン国際レコード小売協会日本支部世話人ポール・デゼルスキーでございます。
GERAとは、グローバル・エンターテインメント・リテーラーズ・アライアンスの略でございまして、ジャパンのほかにGERA・USA、GERA・UK等、世界十二カ国に姉妹団体を持っております。また本日は、HMVジャパン株式会社代表取締役社長兼HMVアジア・パシフィック統括代表としても意見を述べさせていただければと思っております。
HMVジャパンはCDのチェーン店でございます。一九九〇年に渋谷に第一号店をオープンし、現在、日本全国に四十五の店舗を構えております。そして、日本で現在、千五百名以上の従業員を雇用しております。HMVは、香港、シンガポール、オーストラリアを含む世界八カ国で音楽ストアを営業しております。
通常、私どもは、法的または政治的な議題には関与しないようにしております。しかしながら、今法案の場合、幾つかの深刻な懸念があり、これは日本の多くの消費者の皆様と共通の気持ちであると確信しております。
まず、今回の著作権法の一部を改正する法律案の中の、音楽レコードの還流防止措置に関しまして申し上げます。
その目的とされている、アジア諸国等でライセンスされた日本よりはるかに安い日本の音楽レコードが還流してくるという問題は理解できるものであり、何らかの措置が必要であることは同意できます。しかしながら、非常に大きな懸念点があります。
現在の法律案では、残念ながら、私どもの店舗でも消費者の方に楽しんでいただいております洋楽の輸入盤CDも、副作用としてこの規制の対象になります。そして、この点は先日の審議でも明らかになっております。この洋楽の輸入盤の売り上げ枚数は、弊社だけでも年間五百万枚にもなります。
昨年九月より、日本レコード協会を初めさまざまな関係省庁、団体とも協議を行ってまいりました。そして、何とかこの洋楽の輸入盤が明確に規制の対象にならないようにできないものか、お願いしてまいりました。しかし、著作権法では、内外無差別の原則により、洋楽と邦楽を差別できないとの説明を受けました。
そういった中、参議院文教委員会での答弁、日本レコード協会が提出されている確認書、参院本会議で可決された附帯決議等、さまざまな形で洋楽輸入盤を適用除外にするという言質は既にいただいております。それは非常に高く評価するものです。しかし、五月二十八日の文部科学委員会の答弁でも、これらには法的拘束力はないというお話がございました。これでは、まだ不安が完全に払拭されないものであります。
ここで、念のため、実際にCDをお見せしながら御説明したいと思います。
こちらは、現在日本全国の洋楽チャートでも上位にランクしております、プリンスというアメリカのアーティストのCDでございます。こちらは、再販制度により価格が決まっております国内盤で、二千五百二十円で販売しております。そして、こちらが輸入盤で、当店では千八百九十円で販売しております。この販売価格の差額は六百三十円、つまり国内盤の方が三三%高いということになります。
また、こちらはやはり人気のあるアーティスト、ノラ・ジョーンズです。このCDの場合、国内盤が二千五百四十八円、そして輸入盤は、当店では千八百九十円で販売しております。この国内盤との価格差は三五%となっております。
いわゆる洋楽の輸入盤のこのような価格差は、大変一般的であります。そして、五月六日に奥田先生、川内先生より提出された質問主意書に対する答弁書でも、この点は回答されております。しかし、このような価格差があっても、この商品は、今回の法案の言葉で言いますと、不当に利益を害することに当たらないと明確に保証していただきたく、お願いいたします。
この質問に関しましては、非常に多くの日本の音楽消費者が明確な保証を求めております。既に私たちは、日本先行発売という形で輸入盤より国内盤を先に日本で発売し、ディストリビューターが再販で規制された高い小売価格のCDをより多く売ることにより追加の収入を得るという多くの事例を見てきております。
つまり、私どもの最初の懸念は、この法案が利益の優位性を利用し、将来的に乱用されるのではないかという点でございました。依田会長からは、そのようなことは起こりません、私どもを信じていただきたいとお願いされました。そして、もちろん、依田会長のお言葉は信じております。
しかし、この法律は、多くの利害関係者に非常に大きな権限を与えるものです。そして、将来的には会長がコントロールし切れない状態になり、してくださったお約束を守り切ることが難しくなる状況を危惧いたします。
次に、導入された場合において、実運用面に関する大きな懸念について申し上げます。
私はHMV香港も統括しておりますので、弊社の事例として、導入されている輸入権がどれほど似通ったものであるか、香港での実例を申し上げます。この件に関しましては参考資料を御提出させていただきました。ここでは詳しいことは申し上げませんが、何千というタイトルの商品が毎週発売になります。それに対して一つずつ許可をとるという作業は非常に困難でございます。そういった影響、こういった輸入規制により香港の市場はダメージを受けて、顧客の選択肢は間違いなく減ってしまいました。
オーストラリアでは、ここ数年、逆の動きがございました。つまり、輸入規制を撤廃しました。そして、この結果、決して安価な商品や海賊版が市場にはんらんすることもありませんでした。逆に、消費者の選択肢は広がりました。
私どもの考えでは、この法案は日本での実務面で実際にどのように運用されるかという点において非常にあいまいであると思われます。
弊社だけでも年間十二万六千種類ものCDの輸入を現在行っております。どのCDが還流防止との表示がされていたとしても、一つ一つ確認作業を行うことは余りにも膨大な作業となります。万一、税関でそのような作業を行った場合、商品が滞留するのではないかとの危惧もあります。流行商品であるCDは、滞留することで商品価値を大きく損なうリスクがあると思われます。また、CDを輸入する行為において、商品を没収されるおそれや、訴訟の可能性などによって輸入行為自体の縮小も懸念されます。
では、ここで、お時間もありませんので、私が本日申し上げた点につきましてまとめさせていただきます。
まず第一に、私どもは、日本よりはるかに安いアジア盤の日本音楽の還流を防止する措置には、これは日本の音楽市場に悪影響を及ぼすおそれがあるという点で同意いたします。
第二に、私どもは、この法案が洋楽の輸入を規制するためには絶対に行使されないという一〇〇%の法的担保をいただきたいと存じます。
第三に、この法案が導入された場合の実務面に関し、さらに明確な御説明をいただきたいと思います。
消費者の皆様が一日も早く安心し、懸念を払拭できるよう、ぜひともこの文部科学委員会で十分な検討がなされますよう心よりお願いする次第でございます。
私からの意見は以上とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →GERAとは、グローバル・エンターテインメント・リテーラーズ・アライアンスの略でございまして、ジャパンのほかにGERA・USA、GERA・UK等、世界十二カ国に姉妹団体を持っております。また本日は、HMVジャパン株式会社代表取締役社長兼HMVアジア・パシフィック統括代表としても意見を述べさせていただければと思っております。
HMVジャパンはCDのチェーン店でございます。一九九〇年に渋谷に第一号店をオープンし、現在、日本全国に四十五の店舗を構えております。そして、日本で現在、千五百名以上の従業員を雇用しております。HMVは、香港、シンガポール、オーストラリアを含む世界八カ国で音楽ストアを営業しております。
通常、私どもは、法的または政治的な議題には関与しないようにしております。しかしながら、今法案の場合、幾つかの深刻な懸念があり、これは日本の多くの消費者の皆様と共通の気持ちであると確信しております。
まず、今回の著作権法の一部を改正する法律案の中の、音楽レコードの還流防止措置に関しまして申し上げます。
その目的とされている、アジア諸国等でライセンスされた日本よりはるかに安い日本の音楽レコードが還流してくるという問題は理解できるものであり、何らかの措置が必要であることは同意できます。しかしながら、非常に大きな懸念点があります。
現在の法律案では、残念ながら、私どもの店舗でも消費者の方に楽しんでいただいております洋楽の輸入盤CDも、副作用としてこの規制の対象になります。そして、この点は先日の審議でも明らかになっております。この洋楽の輸入盤の売り上げ枚数は、弊社だけでも年間五百万枚にもなります。
昨年九月より、日本レコード協会を初めさまざまな関係省庁、団体とも協議を行ってまいりました。そして、何とかこの洋楽の輸入盤が明確に規制の対象にならないようにできないものか、お願いしてまいりました。しかし、著作権法では、内外無差別の原則により、洋楽と邦楽を差別できないとの説明を受けました。
そういった中、参議院文教委員会での答弁、日本レコード協会が提出されている確認書、参院本会議で可決された附帯決議等、さまざまな形で洋楽輸入盤を適用除外にするという言質は既にいただいております。それは非常に高く評価するものです。しかし、五月二十八日の文部科学委員会の答弁でも、これらには法的拘束力はないというお話がございました。これでは、まだ不安が完全に払拭されないものであります。
ここで、念のため、実際にCDをお見せしながら御説明したいと思います。
こちらは、現在日本全国の洋楽チャートでも上位にランクしております、プリンスというアメリカのアーティストのCDでございます。こちらは、再販制度により価格が決まっております国内盤で、二千五百二十円で販売しております。そして、こちらが輸入盤で、当店では千八百九十円で販売しております。この販売価格の差額は六百三十円、つまり国内盤の方が三三%高いということになります。
また、こちらはやはり人気のあるアーティスト、ノラ・ジョーンズです。このCDの場合、国内盤が二千五百四十八円、そして輸入盤は、当店では千八百九十円で販売しております。この国内盤との価格差は三五%となっております。
いわゆる洋楽の輸入盤のこのような価格差は、大変一般的であります。そして、五月六日に奥田先生、川内先生より提出された質問主意書に対する答弁書でも、この点は回答されております。しかし、このような価格差があっても、この商品は、今回の法案の言葉で言いますと、不当に利益を害することに当たらないと明確に保証していただきたく、お願いいたします。
この質問に関しましては、非常に多くの日本の音楽消費者が明確な保証を求めております。既に私たちは、日本先行発売という形で輸入盤より国内盤を先に日本で発売し、ディストリビューターが再販で規制された高い小売価格のCDをより多く売ることにより追加の収入を得るという多くの事例を見てきております。
つまり、私どもの最初の懸念は、この法案が利益の優位性を利用し、将来的に乱用されるのではないかという点でございました。依田会長からは、そのようなことは起こりません、私どもを信じていただきたいとお願いされました。そして、もちろん、依田会長のお言葉は信じております。
しかし、この法律は、多くの利害関係者に非常に大きな権限を与えるものです。そして、将来的には会長がコントロールし切れない状態になり、してくださったお約束を守り切ることが難しくなる状況を危惧いたします。
次に、導入された場合において、実運用面に関する大きな懸念について申し上げます。
私はHMV香港も統括しておりますので、弊社の事例として、導入されている輸入権がどれほど似通ったものであるか、香港での実例を申し上げます。この件に関しましては参考資料を御提出させていただきました。ここでは詳しいことは申し上げませんが、何千というタイトルの商品が毎週発売になります。それに対して一つずつ許可をとるという作業は非常に困難でございます。そういった影響、こういった輸入規制により香港の市場はダメージを受けて、顧客の選択肢は間違いなく減ってしまいました。
オーストラリアでは、ここ数年、逆の動きがございました。つまり、輸入規制を撤廃しました。そして、この結果、決して安価な商品や海賊版が市場にはんらんすることもありませんでした。逆に、消費者の選択肢は広がりました。
私どもの考えでは、この法案は日本での実務面で実際にどのように運用されるかという点において非常にあいまいであると思われます。
弊社だけでも年間十二万六千種類ものCDの輸入を現在行っております。どのCDが還流防止との表示がされていたとしても、一つ一つ確認作業を行うことは余りにも膨大な作業となります。万一、税関でそのような作業を行った場合、商品が滞留するのではないかとの危惧もあります。流行商品であるCDは、滞留することで商品価値を大きく損なうリスクがあると思われます。また、CDを輸入する行為において、商品を没収されるおそれや、訴訟の可能性などによって輸入行為自体の縮小も懸念されます。
では、ここで、お時間もありませんので、私が本日申し上げた点につきましてまとめさせていただきます。
まず第一に、私どもは、日本よりはるかに安いアジア盤の日本音楽の還流を防止する措置には、これは日本の音楽市場に悪影響を及ぼすおそれがあるという点で同意いたします。
第二に、私どもは、この法案が洋楽の輸入を規制するためには絶対に行使されないという一〇〇%の法的担保をいただきたいと存じます。
第三に、この法案が導入された場合の実務面に関し、さらに明確な御説明をいただきたいと思います。
消費者の皆様が一日も早く安心し、懸念を払拭できるよう、ぜひともこの文部科学委員会で十分な検討がなされますよう心よりお願いする次第でございます。
私からの意見は以上とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。拍手
池
池
伊
伊藤信太郎#11
○伊藤(信)委員 自由民主党の伊藤信太郎でございます。
参考人の皆さんにおかれましては、それぞれ専門的な立場から大変有意義な御説明をいただきまして、ありがとうございました。
私も、議員になる前に映画をプロデュース、監督しておりまして、また、アメリカにおいて、モーリス・ジャールであるとかエラ・フィッツジェラルドとか、あるいはフランク・シナトラとか、いろんな方と交渉して、実際にはモーリス・ジャールやエラ・フィッツジェラルドと一緒に音源をつくって、それを映画のサウンドトラックに使う、また、そのCDを発売しようとしていろいろすったもんだというような経験もありますので、今回の著作権改正の問題というものが、日米の著作権に対する考え方の違いとか、音楽あるいは映画業界の構造の違いということにも関連して、非常に複雑で、ある意味においてはわからない部分も多いことだと思うんです。
今まで参議院及びこの衆議院においての議論も、議事録も含めて全部読んでおりますので、重なるところは避けて、きょうは少し専門的な部分、かつ日米の法律の差という部分についてお聞きしたいと思うわけでございますけれども、まず依田参考人にお伺いしたいと思います。
CDを発売するに当たって、今度、映像も入れるということで、DVDといいますか、映像の入った、そしてもちろん音楽の入ったDVDなども出しておられるようですけれども、今度の法律のレコードという範疇にこのDVDも入るかどうかをまずお聞かせください。
この発言だけを見る →参考人の皆さんにおかれましては、それぞれ専門的な立場から大変有意義な御説明をいただきまして、ありがとうございました。
私も、議員になる前に映画をプロデュース、監督しておりまして、また、アメリカにおいて、モーリス・ジャールであるとかエラ・フィッツジェラルドとか、あるいはフランク・シナトラとか、いろんな方と交渉して、実際にはモーリス・ジャールやエラ・フィッツジェラルドと一緒に音源をつくって、それを映画のサウンドトラックに使う、また、そのCDを発売しようとしていろいろすったもんだというような経験もありますので、今回の著作権改正の問題というものが、日米の著作権に対する考え方の違いとか、音楽あるいは映画業界の構造の違いということにも関連して、非常に複雑で、ある意味においてはわからない部分も多いことだと思うんです。
今まで参議院及びこの衆議院においての議論も、議事録も含めて全部読んでおりますので、重なるところは避けて、きょうは少し専門的な部分、かつ日米の法律の差という部分についてお聞きしたいと思うわけでございますけれども、まず依田参考人にお伺いしたいと思います。
CDを発売するに当たって、今度、映像も入れるということで、DVDといいますか、映像の入った、そしてもちろん音楽の入ったDVDなども出しておられるようですけれども、今度の法律のレコードという範疇にこのDVDも入るかどうかをまずお聞かせください。
依
依田巽#12
○依田参考人 お答えします。
私どもは音楽製作をベースにしておりますが、ただし、音楽製作のマスターライセンス契約の中には、シンクロ権と称しまして映像の権利が入っている場合もございます。したがいまして、それは個々の契約によって違うと思います。
以上であります。
この発言だけを見る →私どもは音楽製作をベースにしておりますが、ただし、音楽製作のマスターライセンス契約の中には、シンクロ権と称しまして映像の権利が入っている場合もございます。したがいまして、それは個々の契約によって違うと思います。
以上であります。
伊
伊藤信太郎#13
○伊藤(信)委員 まず、メディアのあり方でいろいろ幅広い可能性があるということがもう一つ。
それと、音楽の権利、著作権であれ、著作隣接権と一口に言っても、御存じのように今度の場合はメカニカルが中心だと思いますけれども、シンクロ権もありますし、ブロードキャスト権もありますし、楽譜の出版権もありますし、それからパブリックパフォーマンスというか公演権もありますので、そういった権利も著作権という範疇には当然入るんだろうと思うんですね。そのことが今度の主にCDだと思うんですけれども、それに多少波及するんだろうと私は思います。ですから、そのことも含めて、個別のことについてお聞きしたいと思うんです。
まず、今、両参考人から具体的なCDの値段について開陳があったわけでございますけれども、では、その値段の中で、ライセンス料であるとか小売マージンであるとか、あるいは音楽出版社の取り分であるとか、いろいろ諸掛かりといいますか、そういったものは大体どういう配分になっているか。特に、今回問題になっている、アメリカからの直輸入盤がストップするんじゃないかという御懸念が多くの音楽愛好家から寄せられていますので、日米の間でどう違うかということについて、特に依田参考人については、日本人のアーティストによる場合と、それからアメリカの方は、日本の会社がマスターテープを日本で受け取って日本でプレスしている場合との比較、それと、トップアーティストといいますか、一番売れているアーティストの一般的な数字をお聞かせ願えればありがたいと思います。
この発言だけを見る →それと、音楽の権利、著作権であれ、著作隣接権と一口に言っても、御存じのように今度の場合はメカニカルが中心だと思いますけれども、シンクロ権もありますし、ブロードキャスト権もありますし、楽譜の出版権もありますし、それからパブリックパフォーマンスというか公演権もありますので、そういった権利も著作権という範疇には当然入るんだろうと思うんですね。そのことが今度の主にCDだと思うんですけれども、それに多少波及するんだろうと私は思います。ですから、そのことも含めて、個別のことについてお聞きしたいと思うんです。
まず、今、両参考人から具体的なCDの値段について開陳があったわけでございますけれども、では、その値段の中で、ライセンス料であるとか小売マージンであるとか、あるいは音楽出版社の取り分であるとか、いろいろ諸掛かりといいますか、そういったものは大体どういう配分になっているか。特に、今回問題になっている、アメリカからの直輸入盤がストップするんじゃないかという御懸念が多くの音楽愛好家から寄せられていますので、日米の間でどう違うかということについて、特に依田参考人については、日本人のアーティストによる場合と、それからアメリカの方は、日本の会社がマスターテープを日本で受け取って日本でプレスしている場合との比較、それと、トップアーティストといいますか、一番売れているアーティストの一般的な数字をお聞かせ願えればありがたいと思います。
依
依田巽#14
○依田参考人 レコードには、いわゆるレコード会社が、アメリカのレコード会社から日本のレコード会社がそれをライセンスしまして、マスターライセンスをして現地で、日本で製作する、生産する国内盤と、それからアメリカのレコード会社が製作したレコードをそのまま直輸入で日本の子会社が輸入するいわゆる洋盤ですね。それから、アメリカのレコード会社がアメリカの市場で販売したレコードを流通業者がアメリカの国内で買い付けて日本に流通させる並行輸入盤と、三種類あるわけでございます。
このベースになりますのは、基本的には、日本ではリテールプライス、小売価格から割り出すところの著作権使用料あるいは原盤使用料であります。これにつきましては、日本の例えば二千五百円のCDが発売されているとすれば、その二千五百円に対しての、リテールプライスに対しての著作権使用料六%、あるいはまた一般的には原盤使用料として、私どもは各社マターでございますので私がここで細かく申し上げることは全くできませんが、概算では約三〇%ぐらいの原盤使用料が二千五百円のリテールに対して課せられて、その分が本国の原盤所有者であるレコード会社に払い込まれるということであります。
そして、著作権の場合には、六%と申しますのは、あくまでも作詞家、作曲家が制作した音楽のいわゆる録音使用料だけでございます。したがいまして、今先生がおっしゃっておられる演奏権であるとか放送権であるとか、いわゆるそういう著作権のほかの支分権については、この六%は何ら支払いはしておりません。
そういうことでございますが、よろしゅうございましょうか。(伊藤(信)委員「はい、結構でございます」と呼ぶ)
この発言だけを見る →このベースになりますのは、基本的には、日本ではリテールプライス、小売価格から割り出すところの著作権使用料あるいは原盤使用料であります。これにつきましては、日本の例えば二千五百円のCDが発売されているとすれば、その二千五百円に対しての、リテールプライスに対しての著作権使用料六%、あるいはまた一般的には原盤使用料として、私どもは各社マターでございますので私がここで細かく申し上げることは全くできませんが、概算では約三〇%ぐらいの原盤使用料が二千五百円のリテールに対して課せられて、その分が本国の原盤所有者であるレコード会社に払い込まれるということであります。
そして、著作権の場合には、六%と申しますのは、あくまでも作詞家、作曲家が制作した音楽のいわゆる録音使用料だけでございます。したがいまして、今先生がおっしゃっておられる演奏権であるとか放送権であるとか、いわゆるそういう著作権のほかの支分権については、この六%は何ら支払いはしておりません。
そういうことでございますが、よろしゅうございましょうか。(伊藤(信)委員「はい、結構でございます」と呼ぶ)
池
伊
伊藤信太郎#16
○伊藤(信)委員 はい、失礼いたしました。
それでは、デゼルスキーさんの方に、アメリカから直輸入する場合の価格の中での案分について、一般的な例で結構でございますが、特に、ヒットメーカーといいますかトップアーティストがつくったものについて、アーティストに対するライセンス料あるは中間マージン、いろいろあると思いますけれども、その辺の案分について、数字をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →それでは、デゼルスキーさんの方に、アメリカから直輸入する場合の価格の中での案分について、一般的な例で結構でございますが、特に、ヒットメーカーといいますかトップアーティストがつくったものについて、アーティストに対するライセンス料あるは中間マージン、いろいろあると思いますけれども、その辺の案分について、数字をお伺いしたいと思います。
ポ
ポール・デゼルスキー#17
○デゼルスキー参考人(通訳) 御質問は非常によくわかったんですけれども、残念ながら、私ども小売という立場でございまして、ライセンス料ですとかそういったことは、全く存じ上げないといいますか、お客様に商品を販売するだけの立場でございますので、ちょっとそちらの方はお答えできないと思います。
ただ、ここで唯一申し上げられることといたしましては、私ども小売店が得られる粗利、マージンとしましては、国内盤を販売するよりも輸入盤を販売した方が高くなっております。ですから、こちらとこちらのコストの比較をしていただいても、国内盤の方が非常にコストが高く、割高になって生産されているということがおわかりいただけるかと思います。ただ、ごらんになっていただけるとおり、ほとんど同じ、同商品でございます。ただ、こちらの輸入盤に関しましては、もちろん価格の方の設定も当店の方でできますので、そういったところで柔軟性を持たせてお客様に幅広く商品を展開できるようになっております。
ただ、日本のレコードメーカーさんは、どちらかといいますと小売店には国内盤の方を売ってほしいと思っていらっしゃいます。ただ、それは私どもが決めることではなく、消費者の皆様がお選びになって、国内盤にするか輸入盤にするかを決めるべきだと私は思います。そちらは、選択肢がなくなるということを非常に大きく心配しているわけです。
この発言だけを見る →ただ、ここで唯一申し上げられることといたしましては、私ども小売店が得られる粗利、マージンとしましては、国内盤を販売するよりも輸入盤を販売した方が高くなっております。ですから、こちらとこちらのコストの比較をしていただいても、国内盤の方が非常にコストが高く、割高になって生産されているということがおわかりいただけるかと思います。ただ、ごらんになっていただけるとおり、ほとんど同じ、同商品でございます。ただ、こちらの輸入盤に関しましては、もちろん価格の方の設定も当店の方でできますので、そういったところで柔軟性を持たせてお客様に幅広く商品を展開できるようになっております。
ただ、日本のレコードメーカーさんは、どちらかといいますと小売店には国内盤の方を売ってほしいと思っていらっしゃいます。ただ、それは私どもが決めることではなく、消費者の皆様がお選びになって、国内盤にするか輸入盤にするかを決めるべきだと私は思います。そちらは、選択肢がなくなるということを非常に大きく心配しているわけです。
伊
伊藤信太郎#18
○伊藤(信)委員 ありがとうございました。全部が明らかになったわけではありませんけれども、多少なりともライセンスとかあるいは小売マージンの関係が明らかになったんだなと思います。
そこで、日本では著作権と著作隣接権というふうに分けておりますけれども、アメリカの場合は、それ全体をひっくるめて著作権というくくりになるというような大まかな違いであろうと思います。日本で言うところの著作権者、著作隣接権者の中に、例えば私が音楽をつくった場合は、それを例えば、どこでもいいですけれども何とかチャペルとかに管理契約を結んでもらうわけですね。その管理契約は、ライセンスフィーの中のパーセンテージで取るのが一般的な商慣習だと思いますけれども、そのほかに、音楽出版社というものがそこのライツを持つということもあるわけでございまして、また、その音楽出版社から権利を譲り受けるというところもありまして、サブパブリッシャーになるということもあるわけですね。そこからライセンスをもらうライセンシーというのもいるわけで、事ほどさように音楽業界というのは非常に多くの方の権利関係というものがふくそう的になっております。
アメリカの場合は相対契約ですので、ケース・バイ・ケースで、例えばアーティストが非常に強い場合はロイヤルティーのパーセントが最大、リテールの二〇%とかいう場合もありますし、逆のケースもありますし、それから、さっき言ったメカニカルとかブロードキャストとか、個別にパーセンテージが異なるわけなんです。
今度の法律改正で問題になるとすれば、いわゆる今申し上げた、管理契約を結んでいる管理会社とかあるいは音楽出版社とかサブパブリッシャーとかライセンシーも、日本で言うところの著作隣接権者あるいはアメリカで言うところの著作権者に入るのかどうか。
つまり、流通経路あるいは製作プロセスの違いによって、それぞれの権利者の取り分というのがおのずから異なってくるわけなんですね。そして、当然、自分の取り分が減らされたグループといいますか会社なり組織が、そのことをもって著作権の侵害だというふうに訴える可能性がないのかどうか。
そのことをもって、並行輸入といいますか直輸入盤がとまるケースがないのかどうか。その辺について、前段の質問と後段の質問とあわせて、まず依田会長にお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →そこで、日本では著作権と著作隣接権というふうに分けておりますけれども、アメリカの場合は、それ全体をひっくるめて著作権というくくりになるというような大まかな違いであろうと思います。日本で言うところの著作権者、著作隣接権者の中に、例えば私が音楽をつくった場合は、それを例えば、どこでもいいですけれども何とかチャペルとかに管理契約を結んでもらうわけですね。その管理契約は、ライセンスフィーの中のパーセンテージで取るのが一般的な商慣習だと思いますけれども、そのほかに、音楽出版社というものがそこのライツを持つということもあるわけでございまして、また、その音楽出版社から権利を譲り受けるというところもありまして、サブパブリッシャーになるということもあるわけですね。そこからライセンスをもらうライセンシーというのもいるわけで、事ほどさように音楽業界というのは非常に多くの方の権利関係というものがふくそう的になっております。
アメリカの場合は相対契約ですので、ケース・バイ・ケースで、例えばアーティストが非常に強い場合はロイヤルティーのパーセントが最大、リテールの二〇%とかいう場合もありますし、逆のケースもありますし、それから、さっき言ったメカニカルとかブロードキャストとか、個別にパーセンテージが異なるわけなんです。
今度の法律改正で問題になるとすれば、いわゆる今申し上げた、管理契約を結んでいる管理会社とかあるいは音楽出版社とかサブパブリッシャーとかライセンシーも、日本で言うところの著作隣接権者あるいはアメリカで言うところの著作権者に入るのかどうか。
つまり、流通経路あるいは製作プロセスの違いによって、それぞれの権利者の取り分というのがおのずから異なってくるわけなんですね。そして、当然、自分の取り分が減らされたグループといいますか会社なり組織が、そのことをもって著作権の侵害だというふうに訴える可能性がないのかどうか。
そのことをもって、並行輸入といいますか直輸入盤がとまるケースがないのかどうか。その辺について、前段の質問と後段の質問とあわせて、まず依田会長にお伺いしたいと思います。
依
依田巽#19
○依田参考人 大変に重要な御質問で、かつその辺の御説明を申し上げますと多分よく御理解いただけると思うんですが、アメリカの、欧米といいましょうか、アメリカのレコード会社は、全世界、六十数億人に向かって作品をつくっております。英語でつくるわけでございます。したがいまして、アメリカで製作されるCDというのは、日本だけを限定にしたものでは全くありません。全世界です。そして、そのCDが、アメリカの国内に流通しているおびただしいCDの一部が日本に輸出されてくる、これが並行輸入です。
いわゆるそういう並行輸入でも、アメリカでは既に著作権者に対する著作権使用料はレコード会社が払い込んでおります。ですから、アメリカで流通するレコードの生産数がふえればふえるほどアメリカの権利者は潤うわけでございますね。
そういうことで、今世界に流通しているアメリカのいわゆるCDが、メジャーと称して全世界の七五%を占めているというのが実情です。
ですから、日本が日本のいわゆる国内事情によって、世界六十二億人に向けてつくられたCDに日本輸出禁止、そういう表示をすることが現実的にあり得るのかということなんですね。それはないと見ています。
もしも、あったとしても、今度はアメリカの原著作権者等が、なぜそうするんですか、私たちは全世界に向けてつくっている、もともとアメリカが中心であっても、それは全世界に流れていくことは承知の上でつくっているわけですから、それを日本が日本の国内事情で輸入禁止ということにしますと、これは逆にアメリカサイドから、あるいは欧米の原著作権者からクレームを受けることになります。そういう問題が一点ございます。
それから、今回の還流防止措置についての法的な、著作権法的な支分権でいきますと、これはあくまでも、先ほどから申し上げていますが、録音印税という形で、音楽を複製して、それをCDに複製して録音するその権利についてのみ我々は支払いをしていますから、そういう意味においては、アメリカで流通しているCDはすべてその権利は権利処理を行っておりますので、申し上げましたように、日本でそれをとめるということは、アメリカの著作権者の皆さんにとっては不利益ということになるわけでございます。
ということで御回答、よろしゅうございましょうか。
この発言だけを見る →いわゆるそういう並行輸入でも、アメリカでは既に著作権者に対する著作権使用料はレコード会社が払い込んでおります。ですから、アメリカで流通するレコードの生産数がふえればふえるほどアメリカの権利者は潤うわけでございますね。
そういうことで、今世界に流通しているアメリカのいわゆるCDが、メジャーと称して全世界の七五%を占めているというのが実情です。
ですから、日本が日本のいわゆる国内事情によって、世界六十二億人に向けてつくられたCDに日本輸出禁止、そういう表示をすることが現実的にあり得るのかということなんですね。それはないと見ています。
もしも、あったとしても、今度はアメリカの原著作権者等が、なぜそうするんですか、私たちは全世界に向けてつくっている、もともとアメリカが中心であっても、それは全世界に流れていくことは承知の上でつくっているわけですから、それを日本が日本の国内事情で輸入禁止ということにしますと、これは逆にアメリカサイドから、あるいは欧米の原著作権者からクレームを受けることになります。そういう問題が一点ございます。
それから、今回の還流防止措置についての法的な、著作権法的な支分権でいきますと、これはあくまでも、先ほどから申し上げていますが、録音印税という形で、音楽を複製して、それをCDに複製して録音するその権利についてのみ我々は支払いをしていますから、そういう意味においては、アメリカで流通しているCDはすべてその権利は権利処理を行っておりますので、申し上げましたように、日本でそれをとめるということは、アメリカの著作権者の皆さんにとっては不利益ということになるわけでございます。
ということで御回答、よろしゅうございましょうか。
伊
伊藤信太郎#20
○伊藤(信)委員 依田会長の御見解だと、そういうことはないということでございましたけれども、私もアメリカでビジネスをしていまして、アメリカの音楽関係のローヤーといいますか弁護士は本当に厳しい闘いをしておりまして、どこでもすきがあれば法的なものを見つけてみずからの利益を獲得するということは、それは弁護士の仕事だと思うんですけれども、そういうことでございます。
今回は、日本の法律で還流を阻止させようということでやっているわけですけれども、その副作用ということで、洋盤の輸入がとまるかどうかということが今イシューになっていますけれども、これをアメリカの弁護士が見つけた場合、原著作者とか出版管理契約とか、あるいはライセンスの契約そのものは大体アメリカで行われていますね。そうすると、その間の係争の一般的な準拠法はカリフォルニアローであったりしますし、また裁判管轄権もアメリカになるケースが多いし、私の持っている契約書は全部大体そう書いてありますね。そうすると、それらの権利者が訴えた場合に、これはアメリカで裁判をしてほしいという話が出てくるだろうと思うんです。しかし、これはあくまで日本の法律ですから、裁判管轄権は日本にあると思いますけれども、いろいろその辺の御経験もあるので、実態なり、危惧を払拭できる御自信について、依田会長からお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →今回は、日本の法律で還流を阻止させようということでやっているわけですけれども、その副作用ということで、洋盤の輸入がとまるかどうかということが今イシューになっていますけれども、これをアメリカの弁護士が見つけた場合、原著作者とか出版管理契約とか、あるいはライセンスの契約そのものは大体アメリカで行われていますね。そうすると、その間の係争の一般的な準拠法はカリフォルニアローであったりしますし、また裁判管轄権もアメリカになるケースが多いし、私の持っている契約書は全部大体そう書いてありますね。そうすると、それらの権利者が訴えた場合に、これはアメリカで裁判をしてほしいという話が出てくるだろうと思うんです。しかし、これはあくまで日本の法律ですから、裁判管轄権は日本にあると思いますけれども、いろいろその辺の御経験もあるので、実態なり、危惧を払拭できる御自信について、依田会長からお伺いしたいと思います。
依
依田巽#21
○依田参考人 ちなみに、私は日本のレコード協会長を務めると同時に、世界の、インターナショナル・フェデレーション・オブ・フォノグラフィック・インダストリー、国際レコード産業連盟の理事もしております。そういう意味では、いわゆる原盤権関係については、世界的に支持されております。先週もロンドンのIFPIの中央理事会に出て説明してまいりました。
一方、日本のJASRACは世界で最大級の著作権使用料管理団体でございまして、JASRACも私どもと全く同じ意見を持っておりまして、例えば、JASRACが、海外で行われるそういう会議において、その辺の説明は随時していただいております。
例えば、最近でいえば、録音権協会国際事務局、BIEMという会合がございます。そこでも説明をしていただいたそうでございまして、そこで得たリアクションは、経済的な利益の伴わない権利行使をすることはあり得ない、このことは、録音権管理国際事務局における還流問題の討議の場において、JASRACにより、還流防止措置の趣旨を報告し、各国著作権団体も十分理解しているところであります、ということで、これは、全世界のいわゆるレコード製作者あるいは著作権団体も、ぜひこの措置は必要であるということで理解を得ております。
以上であります。
この発言だけを見る →一方、日本のJASRACは世界で最大級の著作権使用料管理団体でございまして、JASRACも私どもと全く同じ意見を持っておりまして、例えば、JASRACが、海外で行われるそういう会議において、その辺の説明は随時していただいております。
例えば、最近でいえば、録音権協会国際事務局、BIEMという会合がございます。そこでも説明をしていただいたそうでございまして、そこで得たリアクションは、経済的な利益の伴わない権利行使をすることはあり得ない、このことは、録音権管理国際事務局における還流問題の討議の場において、JASRACにより、還流防止措置の趣旨を報告し、各国著作権団体も十分理解しているところであります、ということで、これは、全世界のいわゆるレコード製作者あるいは著作権団体も、ぜひこの措置は必要であるということで理解を得ております。
以上であります。
伊
依
依田巽#23
○依田参考人 ASCAPにおきましては、これは演奏権でございますので、私ども、先ほどから申し上げております録音権とは別でございますので、逆に言いますと、この並行輸入盤がとまって、日本での市場のいわゆる存在感が失われることによっての、コンサート等に影響がありますから、逆に言えば、ASCAPもこれについては賛同するはずでございます。そういうふうに考えております。
この発言だけを見る →伊
伊藤信太郎#24
○伊藤(信)委員 委員長、その辺、ぜひ書面をもって確認していただきたいと思います。
残り少なくなりましたけれども、弘兼憲史様にちょっとお伺いしたいと思います。
私も小さいころ、小遣いが少なくて、そのころは小さな貸し本屋に行って、よく先生の作品なんかも読ませていただいたんですけれども、そういう従来からある貸し本屋、その営業なりのあり方というものは、やはり日本には愛着がありますし、またそういうニーズもあるんだろうと思うんです。今回の措置によって、そういう従来の貸し本屋が生き残れる道というのはどのように担保されているか、それを最後にお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →残り少なくなりましたけれども、弘兼憲史様にちょっとお伺いしたいと思います。
私も小さいころ、小遣いが少なくて、そのころは小さな貸し本屋に行って、よく先生の作品なんかも読ませていただいたんですけれども、そういう従来からある貸し本屋、その営業なりのあり方というものは、やはり日本には愛着がありますし、またそういうニーズもあるんだろうと思うんです。今回の措置によって、そういう従来の貸し本屋が生き残れる道というのはどのように担保されているか、それを最後にお伺いしたいと思います。
弘
弘兼憲史#25
○弘兼参考人 お答えいたします。
旧来の貸し本業界の方が極めて零細であるということは承知しております。全国貸本組合との間で一昨年末から協議を重ねてまいりまして、貸与権連絡協議会としましては、零細な貸し本業者さんに対しては権利行使をしないという決議をいたしました。
では、どこまでが零細だという一定の基準があるんですが、具体的には、二〇〇〇年一月一日以前から継続している店舗で、かつ蔵書が一万冊以下の店舗という、そういう数字を出しております。その方々に対しては、権利行使はいたしませんと。ただ、レンタルコミックというような大きな業態といいますか大きな業界に対しては、我々の権利を主張したいなというふうに考えております。
この発言だけを見る →旧来の貸し本業界の方が極めて零細であるということは承知しております。全国貸本組合との間で一昨年末から協議を重ねてまいりまして、貸与権連絡協議会としましては、零細な貸し本業者さんに対しては権利行使をしないという決議をいたしました。
では、どこまでが零細だという一定の基準があるんですが、具体的には、二〇〇〇年一月一日以前から継続している店舗で、かつ蔵書が一万冊以下の店舗という、そういう数字を出しております。その方々に対しては、権利行使はいたしませんと。ただ、レンタルコミックというような大きな業態といいますか大きな業界に対しては、我々の権利を主張したいなというふうに考えております。
伊
池
川
川内博史#28
○川内委員 民主党の川内でございます。
依田会長様、弘兼憲史さん、そして高橋さん、ポール・デゼルスキーさん、きょうは、お忙しい中をお運びいただいて、ありがとうございます。心から感謝を申し上げさせていただきたいと思います。
時間も二十分と限られておりますので、早速お伺いをさせていただきたいと思います。
まず高橋参考人、それから依田会長に伺わせていただきたいんですけれども、今回の法案というものが、著作権者あるいは創造の源であるアーティストにとってどのような影響が出てくるというふうにお思いかということを聞かせていただきたいと思います。
この発言だけを見る →依田会長様、弘兼憲史さん、そして高橋さん、ポール・デゼルスキーさん、きょうは、お忙しい中をお運びいただいて、ありがとうございます。心から感謝を申し上げさせていただきたいと思います。
時間も二十分と限られておりますので、早速お伺いをさせていただきたいと思います。
まず高橋参考人、それから依田会長に伺わせていただきたいんですけれども、今回の法案というものが、著作権者あるいは創造の源であるアーティストにとってどのような影響が出てくるというふうにお思いかということを聞かせていただきたいと思います。
高
高橋健太郎#29
○高橋参考人 時間も限られていますので、幾つかのポイントにだけ絞ってお話しさせていただきたいと思います。
まず、音楽の創造のサイクルというものは、特にこの日本においては、幅広い音楽を聞くことによって育ってきたということがあると思います。その意味において、輸入盤規制によって、もしリスナーの選択肢が狭められるなら、アーティストというのももともとはリスナーから育つものですので、その意味において、アーティストが育ちにくくなる、あるいは音楽の創造性が狭められるという危険性があると思います。
今のは総論的なお話ですけれども、具体的に、今回の法案の中に、私が非常に懸念を持つポイントがあります。それは、政令において定める最大七年の輸入禁止期間というところです。国内盤が発売されてから最大七年間は輸入禁止措置がとられるようにこの法案ではなっています。同じような輸入権が創設されている香港でも、現在、それは十八カ月です。
一方、日本の国内のレコード会社は、最近、発売したタイトルをどの程度の期間、生産、販売するかといいますと、一年程度で生産、販売を中止してしまう例がとても多いです。これを私たち廃盤と呼んでおりますが、コンテンツを利用するという意味では、例えば、私は音楽出版社をやっておりますので、作詞、作曲に廃盤はありませんですから、廃盤にしてほしくない、生産、販売を中止してほしくないわけですけれども、一年程度で生産、販売が中止される例がとても多いです。
もし輸入禁止措置がとられたレコードが一年程度で生産、販売を中止された場合、そして、もし最大七年の輸入禁止措置が解除されない場合、最大六年間、そのタイトルは日本で買うことができません。買いたいけれども買うことができないということは、著作権者にとっては、売りたいけれども売ることができないということです。この点では、作詞、作曲家あるいは実演家といった著作権者の不利益が起こり得る可能性をこの法案はとても持っています。
これを避けるには、生産、販売をレコード会社が中止する際、そのことを文化庁、税関にレコード会社が通告し、あるいはすべての著作権者、著作隣接権者に通告し、輸入禁止措置を解除するようにしなければ、必ず著作権者の不利益が起こります。日本のマーケットを六年間も失うということは、そのアーティストにとって致命的です。ですので、私はそのようにレコード会社に、生産、販売を中止する際には、それを税関、文化庁、そしてすべての著作権者、著作隣接権者に通知する義務をこの法案の中に加えるべきだと考えます。
この発言だけを見る →まず、音楽の創造のサイクルというものは、特にこの日本においては、幅広い音楽を聞くことによって育ってきたということがあると思います。その意味において、輸入盤規制によって、もしリスナーの選択肢が狭められるなら、アーティストというのももともとはリスナーから育つものですので、その意味において、アーティストが育ちにくくなる、あるいは音楽の創造性が狭められるという危険性があると思います。
今のは総論的なお話ですけれども、具体的に、今回の法案の中に、私が非常に懸念を持つポイントがあります。それは、政令において定める最大七年の輸入禁止期間というところです。国内盤が発売されてから最大七年間は輸入禁止措置がとられるようにこの法案ではなっています。同じような輸入権が創設されている香港でも、現在、それは十八カ月です。
一方、日本の国内のレコード会社は、最近、発売したタイトルをどの程度の期間、生産、販売するかといいますと、一年程度で生産、販売を中止してしまう例がとても多いです。これを私たち廃盤と呼んでおりますが、コンテンツを利用するという意味では、例えば、私は音楽出版社をやっておりますので、作詞、作曲に廃盤はありませんですから、廃盤にしてほしくない、生産、販売を中止してほしくないわけですけれども、一年程度で生産、販売が中止される例がとても多いです。
もし輸入禁止措置がとられたレコードが一年程度で生産、販売を中止された場合、そして、もし最大七年の輸入禁止措置が解除されない場合、最大六年間、そのタイトルは日本で買うことができません。買いたいけれども買うことができないということは、著作権者にとっては、売りたいけれども売ることができないということです。この点では、作詞、作曲家あるいは実演家といった著作権者の不利益が起こり得る可能性をこの法案はとても持っています。
これを避けるには、生産、販売をレコード会社が中止する際、そのことを文化庁、税関にレコード会社が通告し、あるいはすべての著作権者、著作隣接権者に通告し、輸入禁止措置を解除するようにしなければ、必ず著作権者の不利益が起こります。日本のマーケットを六年間も失うということは、そのアーティストにとって致命的です。ですので、私はそのようにレコード会社に、生産、販売を中止する際には、それを税関、文化庁、そしてすべての著作権者、著作隣接権者に通知する義務をこの法案の中に加えるべきだと考えます。