山本清の発言 (決算委員会)
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○参考人(山本清君) 今の富田参考人のお話とも関連がいたしますので、まずその点申し上げたいと思いますが、NPMというのは決して緩める、いわゆる行政府に弾力性を与えるだけのものではないんですね。ところが、なぜ問題が起こってきているかと申しますと、これは富田先生のお言葉を言えば官僚特区と表現されておられますが、日本におきます行政府のNPMのとらまえ方は、いわゆるその行政裁量を増やすことのみをもってNPMだと、こうお考えになっているから問題であるわけであります。
実はNPMというのは、行政なり行政活動に裁量性を与える代わりに、その見返りに、成果の達成責任、成果に対するアカウンタビリティーを、これをきちんと担保すると。従前は、正しく予算に従って手続どおり使われていたかどうかというだけのアカウンタビリティーだったわけですね。ところが、これからは、その代わり成果については、あるいは結果についてはきちんと行政府は責任を取ってくださいよと、その代わり裁量を与え効率性を上げてくださいと、こういう約束なんですね。そういう二つのものがセットになっているんですが、実はその二つが全く片方の都合のいいだけの論理で片方ずつ主張されている、これが日本におけるNPMの最大の問題点であるわけであります。
それを前提にいたしまして、なぜその評価システムとか企業会計的手法が日本においてただ導入しても成功しないのかというのは、実は三点の理由があります。
第一点は、いわゆる、確かに行政に裁量性を与えないけないわけなんですが、実は現行の財政法、会計法あるいは地方の財政法等は全くそれについては手を付けられておられないわけですね。すなわち、行政庁にとっては、新たに評価作業を行わないけない、あるいは企業会計方式の財務諸表を作らないけないということで、オーバーワークだけになっているわけです。すなわち、上乗せ規制になっていますから、都合のいいところだけが裁量権を与えられているということで、これでは機能しないというのが第一点であります。
第二点は、いわゆるインセンティブシステムとして機能していない。これは、端的な例は地方自治体にあるわけですね。地方自治体が財政再建で、あるいは財政の効率化をやろうとしても、いわゆる借金をしても一部は依然として地方交付税で一定部分は担保されるということですから、これは財政の効率化に対するインセンティブがわかないわけです。私の分析によりましても、むしろ、企業会計的手法であるとかあるいは評価システムにおいて熱心な自治体というのはむしろ財政的にいいところなんですね。全く逆なんです。ここはよく御理解いただきたい。
第三点は、予算へのフィードバックということが全くこれはまだ、特に国の場合でいきますと、総務省と財務省との関係で全くうまくいっていないわけですね。そうであれば、評価やってどうなるかも分からないのにこれは大変なことだろうというのが、この評価、資源配分への予算結果のフィードバックが全くシステム化なっていないし、どうやったらいいかということについての技術的な手法も確立していない。
この大きな三点が実は大きな問題であるわけです。
ですから、これは駄目だと言っているんじゃなくて、この三つをクリアすればどんと進みますよと、これに従った議会統制をよくお考えいただきたいというのが私からのお話です。