決算委員会

2004-03-22 参議院 全72発言

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会議録情報#0
平成十六年三月二十二日(月曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十五日
    辞任         補欠選任
     山内 俊夫君     段本 幸男君
 三月十六日
    辞任         補欠選任
     段本 幸男君     山内 俊夫君
     森 ゆうこ君     柳田  稔君
     小林美恵子君     緒方 靖夫君
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     緒方 靖夫君     小林美恵子君
 三月十八日
    辞任         補欠選任
     神本美恵子君     内藤 正光君
     和田ひろ子君     峰崎 直樹君
 三月十九日
    辞任         補欠選任
     内藤 正光君     神本美恵子君
     峰崎 直樹君     和田ひろ子君
     柳田  稔君     池口 修次君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         鴻池 祥肇君
    理 事
                岩井 國臣君
                松山 政司君
                三浦 一水君
                川橋 幸子君
                松井 孝治君
                小林美恵子君
    委 員
                大野つや子君
                加治屋義人君
                柏村 武昭君
                後藤 博子君
                常田 享詳君
                中原  爽君
                南野知惠子君
                藤井 基之君
                池口 修次君
                神本美恵子君
                佐藤 雄平君
                齋藤  勁君
                羽田雄一郎君
                広野ただし君
                和田ひろ子君
                木庭健太郎君
                遠山 清彦君
                畑野 君枝君
                又市 征治君
                岩本 荘太君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        和田  征君
   参考人
       野村総合研究所
       研究理事     富田 俊基君
       国立学校財務セ
       ンター研究部教
       授        山本  清君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○平成十四年度一般会計歳入歳出決算、平成十四
 年度特別会計歳入歳出決算、平成十四年度国税
 収納金整理資金受払計算書、平成十四年度政府
 関係機関決算書(内閣提出)
○平成十四年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (内閣提出)
○平成十四年度国有財産無償貸付状況総計算書(
 内閣提出)
    ─────────────
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鴻池祥肇#1
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十六日、森ゆうこ君が委員を辞任され、その補欠として柳田稔君が選任されました。
 また、去る十九日、柳田稔君が委員を辞任され、その補欠として池口修次君が選任されました。
    ─────────────
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鴻池祥肇#2
○委員長(鴻池祥肇君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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鴻池祥肇#3
○委員長(鴻池祥肇君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に小林美恵子君を指名いたします。
    ─────────────
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鴻池祥肇#4
○委員長(鴻池祥肇君) 平成十四年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、決算審査の在り方について参考人から意見を聴取し、質疑を行うため、野村総合研究所研究理事富田俊基君及び国立学校財務センター研究部教授山本清君に御出席をいただいております。
 この際、両参考人に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日、御多忙の中、本委員会に御出席をいただきまして誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 両参考人から忌憚のない御意見を賜りまして、審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 本日の議事の進め方でありますが、富田参考人、山本参考人の順にお一人十五分程度ずつ御意見をお述べいただきまして、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと存じます。
 なお、御発言の際は、その都度委員長の許可を得ることになっております。また、各委員の質疑時間が限られておりますので、恐れ入りますが御答弁は簡潔にお願いいたしたいと存じます。
 なお、参考人からの意見陳述、各委員からの質疑及びこれに対する答弁とも着席のままで結構でございます。
 それでは、まず富田参考人からお願いをいたします。富田参考人。
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富田俊基#5
○参考人(富田俊基君) 御指名をいただきました野村総合研究所の富田俊基でございます。
 決算審査の在り方につきまして意見を申し述べさせていただきます。
 お手元の資料も御参照ください。
 まず、我が国の財政の現状についてですが、先生方には既に御存じのように、古今東西に類例を見ないほど悪化しております。政府短期証券、借入金を含めた国の債務残高のGDP比は昨十五年末一三四%と、学徒出陣のあった昭和十八年度に並ぶ水準まで上昇しています。国内では依然としてデフレ期待が根強いことを反映して国債金利が極めて低い水準で推移していますので、まだまだ大丈夫だと思い込みがちです。しかし、国際金融市場では、日本国債の信用力が低いという評価が定着しています。
 例えば、ドル建ての日本政府保証債の金利は、同じ満期のアジア開発銀行債よりも〇・二%も高い。円建ての日本政府保証債の金利は、ドイツ復興金融公庫、KFWと呼ばれておりますけれども、そこの債券よりも〇・一%高い水準で推移しています。また国際決済銀行、BISの季報によりますと、ソブリン・クレジット・デフォルト・スワップ市場での日本国債の取引高、二〇〇〇年から二〇〇三年について見ますと、ブラジル、メキシコに次いで多かったことが報告されています。
 こうした状況の中で、予算編成プロセスの改革論議が行われています。例えば、いわゆる骨太の三では、財政構造改革に当たっては予算の質の改善、透明性の向上が必要と指摘しています。質の改善はうたわれても量の改善がなぜ入っていないのかは疑問です。この骨太三を受けて、十六年度予算で、年度をまたぐ予算執行の弾力化と予算項目の大くくり化を内容とするモデル事業が試験的に導入されました。こうした動きの背景には、いわゆるニュー・パブリック・マネジメント、NPMと呼ばれる運動があるように思えます。
 論者によってその具体的な内容は異なるようですが、一、多年度予算、二、事前統制から事後評価に重点を移す、三、発生主義という会計手法の導入、これらを主な内容としています。
 参考人も、議会制民主主義の枠内であれば民間企業の経営手法を独立行政法人や特殊法人、地方公共団体など行政の現場に導入し、行政の効率化、活性化を図ることに異論はありません。しかし、中央省庁への導入には、縦割り、省庁縦割りの助長と官僚独裁とも言うべき大きな落とし穴があることに注意しなければなりません。
 まず、年度をまたぐ多年度予算についてですが、これは我が国戦前の軍事予算と同様の構造で、民主主義の否定、官僚独裁につながりかねません。昭和十二年に設置された臨時軍事特別会計は戦争終結までの多年度予算で、しかも予算科目の区別は臨時軍事会計費の款が一本、陸軍、海軍、予備費の三項のみです。国会では予算は項のレベルで議会されるため、海軍、陸軍はそれぞれ一括の大くくり予算で、しかも多年度予算ですので、国会による予算統制が掛からなくなったことを忘れてはなりません。
 また、海外での多年度予算は政府内部の計画書といった位置付けで行われていますが、それには予算が既得権益化する、楽観的な経済見通しによって歳出が下方硬直化する、実質値で中期計画を作った一九七〇年代のイギリスでは著しく財政が悪化したなどの問題を生みました。
 次に、事後評価の重視についてです。
 これは、厳格な事前統制とともに推進すべきことは当然です。厳正な事後評価のためには、事前に明確な定量目標を立て、評価に恣意性が入り込まないように評価方法もあらかじめ決めておく必要があります。
 しかし、現状のように事後評価を主として各府省の自己評価にゆだねることで十分でしょうか。また、仮に厳正な事後評価ができたとしても、その予算へのフィードバックは国会の決定にゆだねるべきです。
 次に、発生主義予算についてです。
 現金主義会計では、年金、公共事業、政府保証などのコストが正しく認識できないので、発生主義の考え方で将来にわたる国民負担を計測し、政治決定の参考とし、予算編成プロセスで活用することは極めて重要です。
 しかし、発生主義で予算そのものを編成するとなると、現金主義に比べて裁量の余地が大きい、巨額の投資的支出も毎年減価償却費など予算としては少額しか計上されない、現金主義による予算統制と発生主義予算の制度的な不整合が生じるなどの問題が起こります。このため、ニュージーランド、オーストラリアにおいても、適用範囲は政策経費を除いた各省庁の使う直接経費に限定されています。
 こうした最近の予算編成プロセスの改革の中には、政府の活動を市場あるいは第三者に評価させようとする考え方があるように見えます。その代表例が市場での財投機関債の発行と第三者による独立行政法人の評価です。
 資料の二ページにお移りください。
 財投機関債は、市場、マーケットによる特殊法人の改革という目的で発行されましたが、マーケットでは、この債券には暗黙の政府保証が付いているとみなされ、民間社債のようにリストラや退出を促すという機能は果たしていません。十五、六年度の財政投融資計画で大幅な削減を可能にしたのは、財投機関債ではなく、各機関の担う政策と主要事務事業の見直しによるものであります。
 独立行政法人は、行政機能を企画立案と執行とに分離し、執行業務については、運営費交付金の一括交付という形で予算統制を緩和し、その長の責任で組織を最も効率的な方法で運営させるという考え方でできています。しかし、政治からも市場からも統制を受けず、所轄府省が事後評価でコントロールするという言わば官僚特区となるならば、それはそもそも許されようはずはありません。
 事前統制緩和の代償として厳しい事後評価が必要とされているのですが、厳格な事後評価のためには、明確な中期目標と定量的に示された中期目標、年度目標が必要であります。特殊法人等改革推進本部参与会議と総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会で独立行政法人の中期計画の明確化を各府省に強く要請していますが、各府省の対応はまだ十分とは言えません。
 計画が定量的に示され、第三者による事後評価が可能となっても、独立行政法人の業績が業務執行の効率化によるものか、環境変化によるものか、あるいは事前統制が緩いためなのか、これらを果たして明確に分離して評価できるのかという基本問題が残ります。
 独立行政法人への運営費交付金も国会の指示に従って予算執行をゆだねられた税金であり、それを売上げと仮想して経営努力を求めるという考え方にも限界があります。また、予算の使い残しを決算審査も経ずに官僚が勝手に使ってしまうことがあっては民主主義の否定につながりかねません。税金を投入し、国の機構としてののれんを使っている以上、国会による事前統制と厳格な決算審査とのフィードバックが当然必要であります。
 以上の陳述をまとめさせていただきます。
 第一に、各府省がNPM、ニュー・パブリック・マネジメントを武器として縦割りの官僚独裁に陥らないよう、国会による厳しい予算統制と厳しい決算審査が必要であります。
 第二に、事前統制には厳しい予算制約が必要です。
 この巨額の財政赤字を見るまでもなく、予算の量の改善、すなわち歳出削減が優先課題です。企業も家計も予算制約の中で最適化行動を取っているのですから、政府の活動でも厳しい予算制約による量の削減が質の改善、業務の効率化につながるという考え方が必要です。
 そのためには、大蔵大臣の権限強化が必要です。大ぐくり予算、多年度予算、事前統制から事後評価重視へというNPMの思想は、さきに述べましたように、国会の役割と政府内部での大蔵大臣の権限とを縮小しようとする動きと言えます。大蔵大臣の権限の弱い国ほど財政赤字と国債残高が多い。これは、欧州通貨統合に際しまして各国の財政健全化を進めるために行われた比較制度分析の結果です。我が国にこれを当てはめますと、国会の役割と財務大臣の地位がこれまで以上に低下すれば、止めどもなく国債の累増が進んでしまいます。
 そして、第三に、国会における事後評価の厳格化が必要です。
 各府省の自己評価にはおのずと限界があります。また、自己評価と第三者による事後評価への過度の期待も禁物です。政治も市場も要らない哲人政治、アナーキズムか、あるいは崩壊したソビエトのような官僚独裁に陥らないとも限りません。これを防ぐためにも、決算と会計検査の早期提出に併せ、決算審査の予算編成へのフィードバックを積極化すべきです。
 なお、今後の課題として、予算書、決算書の表示を政策体系に即した形にし、事業評価との連動が可能となるよう区分を見直していくべきであります。
 御清聴ありがとうございました。
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鴻池祥肇#6
○委員長(鴻池祥肇君) ありがとうございました。
 次に、山本参考人にお願いをいたします。山本参考人。
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山本清#7
○参考人(山本清君) 国立学校財務センターの山本でございます。
 まず初めに、良識の府である参議院におきまして、とりわけその決算審査の充実化を標榜されておられます参議院並びに決算委員会におきまして、参考人として意見を申し上げる機会を与えていただきましたことに感謝を申し上げたいと思います。
 以下、レジュメに従いまして意見を申し上げたいと思います。
 まず最初に、国会におきます決算審査の意義につきまして確認を申し上げたいと思います。
 私は、レジュメに書いておりますとおり、三点ほどが決算審査のやはり意義なり目的であろうというふうに考えております。
 第一点は、当然、国会でございますから、行政府に対しまして、アカウンタビリティーを行政府は負っておるわけでございます。その立法府に対します行政のアカウンタビリティーを解除し、そして更に確保するというのが一番大きな意義であろうというふうに思います。
 第二点は、次の予算編成へのフィードバックを図る、そして、単なるフィードバックだけではなくて、やはり途中におきます改善を通じましてやはりその価値を付加していくということが二番目として重要であろうというふうに思います。
 三点目は、決算審査を通じまして、予算・会計制度の改革なり見直しというのも含めました監視ということが基本的な視点であろうというふうに思います。
 こういった意義を前提にいたしまして、決算を通じました政府全体の統制メカニズムにつきましてまとめた図が図一でございますので、この図に従いまして大筋申し上げたいと思います。
 この図の一番下の点線の枠で囲ってありますのは、大きく政府全体にかかわりますガバナンス制度と言っていいかと思います。これには、議会は、まあ立法府と言い換えていいかと思いますが、議会、裁判所並びに行政府から独立しておりますから会計検査院というのも含めておりますが、こういった行政活動全般に対します外部統制機関というのは当然一番左にいるわけでございます。そして、行政府は自ら当然内部統制機関なりに内部統制を図るということで、国会でお決めになった財政法なり会計法の枠組みの中で、それに従って、政省令に従って予算執行、予算の執行を行うという意味におきまして、内部統制の組織なり機関というのも存在しておるわけでございます。
 さらには、当然こういった外部統制、内部統制以外に、いわゆる国民の目と申しますか、国民全体の文化と申しますか、そういった、今はやりの言葉で申しますればソーシャルキャピタルと言われておりますが、社会的関係資本なり社会的共通資本と言われているような国民の政治並びに社会、地域あるいはマーケットに対する意識なり規範の遵守の基本的なそういった心情の共有化というものが当然あるわけでございますし、あるいはマスコミ等もこの一番右側のところに位置付けていいのではないかと思います。
 こういった三つの大きな統制メカニズムが行政活動に対して統制活動を加え、そしてそういった三つのチャンネルを通じて、いわゆるアカウンタビリティーの確保、向上、そして国民の相互間の利害の調整並びに経営改善を図る。とりわけそのマーケットメカニズムと一番違う点は、アカウンタビリティーという点と利害調整であろうかと思います。アカウンタビリティーがとりわけパブリックセクターにおいて重要であるというのは、税金等は御案内のとおりやはりその公権力の背景として、あるいは国民の納税義務として徴収するわけでございまして、これは自由なマーケットにおける交換取引として取引がなされるわけではないということであります。
 さらには、国民はやはり世代間の利害対立がありますし、それは公的年金をめぐる最近の動きにも表れております。あるいは、都市部と地方部におきまして、特に最近ですと高速道路問題等においては、いわゆる都市部と地方部の利害の対立があるわけでございます。こういった利害調整は、やはり国権の最高機関であります議会において、その国民の代表である立法府の方でこれはやはり御議論をして調整し、やはり議決をするということで利害調整が図られておるということでございます。
 一方、その経営改善というのは、これは外部統制を通じた経営改善というのもチャネルもあるわけでございますし、あるいは国民の文化という点でいきますと、最近いろいろな地方で行っておりますように、行政と住民との共同参加といった、公共事業方式もございますが、そういった住民参加によって予算の削減を図ろう、あるいは効率化を図ろうという動きも当然チャネルとしてあるわけでございます。
 こういった三つの機能が確保されることによって政府全体の業績が向上し、そして政府業績を、国民がそれを見ることによって政府に対する信任なり信頼が形成される。この政府に対する信頼が低下いたしますと、当然、国民の政治に対する参加でありますとか、あるいはいろいろな利害調整の場におけるその関与なり等がやはり問題を受けるわけでございます。これが、政府に対する信頼がプラスに働きますと、この全体のチャネルがうまい具合に機能いたしまして、それが更にアカウンタビリティーの向上なり利害調整を活発にし、経営改善を図り、行政の全体のパフォーマンスを高めると、こういうふうなチャネルになるわけでございます。
 したがいまして、ここで一番申し上げたい点は、2の(3)にございますとおり、そうは申しましても、今、富田参考人の方からお話がありましたとおり、やはり議会と行政府の関係を申し上げますと、やはり細かい予算の執行の中身でありますとか、あるいは細かい政省令等につきましては、行政府の方がはるかに大きなスタッフも抱えておりますし、あるいは知識の点あるいは能力の点においても、当然その議会は優れておるわけでございますが、少数スタッフの調査局を抱えておられるだけであります。そういったことからいきますと、やはりその内部統制に対して外部統制が牽制を図る、あるいは的確な、サポートではなくてその監視をするという点からいきますと、行政府に対抗するようなやはり調査機関なりあるいは補助機関なりが必要であろうということであります。
 会計検査院の位置付けを憲法的にどうするかというのはいろいろ諸般のいろいろな、あるいはいろいろな御議論があるようでございますが、少なくとも機能面におきましては、議会調査局と同時に、内部統制に対する監視機能あるいは的確な外部統制を行うためにやはり会計検査院を活用するということが、内部統制に対する監視あるいは行政活動全般に対する統制において非常に重要であろうというふうに思っておるわけでございます。
 次に、二ページ目の方に参らせていただきます。
 先ほど富田参考人からもお話がございましたとおり、NPMのエッセンスにつきましては既に富田参考人も触れておられます。しかし、ここでは原理的な点を申し上げますと、ここに冒頭に書いてございますとおり、NPMの原理というのは四つの原理から成り立っております。一つは成果志向であるということであります。二番目は顧客志向である、三番目は市場原理を活用することである、四番目は分権化ということで、なるべくその現場サイドに裁量権を与えようということであります。
 先ほどからの議論がありますとおり、成果志向にするということは、当然、投入の管理でありますとか途中のプロセス管理については裁量性を与えるということでございますから、これは一面におきますと行政権に対しての裁量が増えるということで、議会統制が形骸化するのではないかというのが先ほど富田参考人のお話でございました。確かにその面はあるわけでございますが、NPMを実行することによって立法府が一方的に行政府に対する統制権限がただ失われるだけかということからいきますと、それは必ずしもそうではないということを今申し上げたいと思います。
 それは、NPMにおける議会統制の在り方というのは、従来と違って、実は成果に対しても議会審議においてオーソライズをするということでございます。すなわち、従前の予算書なりは、当然これは貨幣の金額の数値が入っている、いわゆる款項目、今もお話しございましたとおり、そういった一定の科目名と金額について統制するというそのことで、金額といわゆる投入財源についての統制であったわけであります。それが、議会審議のNPM化というのは、これはもうオーストラリア連邦政府において一番端的な例でございますが、実は成果、最終的な成果であるアウトカムベースにおいて、実はアウトカム自身を国会で議決をしているわけでございます。そして、金額と同時にバインディングするということであります。
 したがって、いわゆる行政権に一定の裁量権を与える代わりに成果で統制する。その代わり、裁量権を与えるということは当然、効率化のメリットがあるわけでございますから、従前の予算よりは少ない金額で多くの成果を達成せよというバインディングを事前に掛けておくということになります。当然、事前にバインディングを掛けているだけであれば、これは当然、議会統制というのは成りませんですから、当然これは事後的にこれをチェックするということで評価の役割が高まってまいります。
 しかし、これは行政府の一方的な評価だけではとても、これはそれだけ裁量権を与えたということとバランスが取れないわけでございますから、これは次の予算審議あるいはその成果に関する厳格なチェックということを議会においてもやるということで、先ほど申し上げました会計検査院の機能もそこに活用しようというのが世界的な動きであるわけでございます。
 先ほど、大蔵大臣なり国会の力が強い国は財政再建に非常に有効であるということのお話がございました。それはそのとおりだと思いますが、それとほぼ同様なポジションで、三ページ目の表の一というのをごらんいただきたいと思います。
 これは、OECDのいわゆる有力国と称されておる国と、いわゆる発展途上国と申しますか、そういう国も包括して、いわゆるNPM的な改革に積極的に取り組んでいる国とそうでない国がいろいろな、先ほど申し上げました政治に対する信頼あるいは汚職の問題あるいは政府全体のガバナンス、さらには今議論になっております財政再建であります歳出の変化率、これはマイナスになるということはそれだけ削減しておるわけであります。
 これをごらんいただきますと、おおむねでございますが、やはりNPMの改革に積極的な国は明らかに歳出の変化率がマイナスでございますから、これは財政削減に成功しておるということでございます。
 したがって、問題は、NPMを議会統制とどうやってうまく接点を見いだすかということにあるわけでございまして、そこら辺の御議論が是非国会の方でもやっていただかないと、行政府の一方的な執行になると、これは大きな問題が起こるというのは富田参考人の御意見のとおりでございます。
 こういったことを前提にいたしまして、最後に、改革に向けた取組について申し上げたいと思います。ここでは三点申し上げたいと思います。
 一点は、決算審査の視点でございます。
 ここで一番重要な点は、いわゆるNPM適用に伴います決算審査における評価内容の予算への反映ということでございます。
 現在の状況におきましては、行政府内部におきます、総務省なり財務省におきます評価の予算への反映というのは行われておりますが、実はこれは議会できちんとやることが一番重要であろうと思います。とりわけ、平成十六年度予算から盛り込まれておりますモデル事業なり政策群というのは、これは大くくりの予算編成をしております。あるいは裁量性を認めるということでございますから、これは決算審査で是非きちんとチェックをするということが決算審査の意義を高め、さらには次の予算へのフィードバックにもつながるのではないかと思っております。これが第一点でございます。
 第二点は、財政当局との関係でございます。
 国会におかれましても調査局等でいろいろな分析をおやりになっているということは承知しておりますが、とりわけ最近ですと、公会計改革等が財務省あるいは内閣府の方で実施されておられますが、実は一番重要な点が欠けておると思います。
 それは、いわゆる公会計改革の中でいろいろな決算書類なり財務諸表を企業会計方式と称する方式で作成しておりますが、それはすべて実績数値だけであります。決して予算との対比がないわけであります。そうすると、国会の議会統制並びに決算審査という点からいきますと、これは予算と比べてどうであるか、あるいは計画数値と比べてどうであるかといった公会計の書類が出てまいりませんと、行政内部のフィードバックとしてはいいのかもしれませんが、議会統制からいうと、これは大きな問題をはらんでいるというのが第二点目でございます。
 第三点は、会計検査院との関係でございます。
 現在、会計検査院はいろいろな改革に取り組んでおられますが、諸外国の会計検査院等を拝見いたしますと、これは特にオーストラリア等が参考になるかと思いますが、オーストラリアにおきましては、合同の決算監査委員会におきまして、単なる決算だけではなくて、予算改革につきましても積極的な勧告をしております。そして、その勧告の基になっておりますのが会計検査院の調査レポートということでございまして、とりわけ、その独立行政法人の運営等につきましてはNPM的な改革がなされておりますから、それが本当に真の効果を発揮しているのか、あるいは無駄な、かえっていろいろな上乗せ規制になっていないのかどうかということを是非御審議願いたいと思います。
 以上でございます。
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鴻池祥肇#8
○委員長(鴻池祥肇君) ありがとうございました。
 以上で参考人の意見の陳述は終わりました。
 これより、まず各会派一巡で五分ずつ質疑を行い、その後、自由質疑を行いたいと存じます。
 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
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藤井基之#9
○藤井基之君 おはようございます。自由民主党の藤井基之でございます。
 今日は、天候も優れない中、お二人の参考人から貴重な御意見を拝聴させていただきまして、ありがとうございました。これからの決算審議に対して参考にさせていただきたいと存じますが、二、三御質問をさせていただきたいと存じます。
 両先生の御主張、あるいは事前に配付された資料等で私なりに理解をさせていただいておりましたが、一つ、私ども参議院のレーゾンデートルの一つというのがこの決算審査ということで決算というのを重視しているわけですが、両先生にまずお伺いしたいんですが、両先生とも中の文献等ではお触れになっているんですが、いわゆる決算審査というものというものが、まず会計的な審査、そしてそれに加えてやっぱり業務審査といいましょうか、それは実績の目標とかいろいろおっしゃられたこともあるので、この会計問題とその事業という、その評価という両方をどのようにセットにして考えるべきかということが一つ。
 それからもう一つは、そういった決算を審査した内容を国の次期予算に、直近の予算に反映するシステムとして、現在、確かに決算を審査する際には、予算が執行された後に決算を審査しないという時間のずれがどうしても発生します。これは致し方ないと思いますけれども、こういった決算審査の内容というものを次の直近の予算に反映するシステム的なもの、仕組みとしてこういった形がいいんじゃないかという何かアドバイスのようなものがございましたら、両参考人にお伺いしたいと思います。
 以上、二つの点でございますけれども、お二方にお伺いしたいと存じます。
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鴻池祥肇#10
○委員長(鴻池祥肇君) それでは、まず富田参考人から御意見を承りたいと思います。
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富田俊基#11
○参考人(富田俊基君) まず、会計検査と業務審査というものを両方を含めてやるかどうかということなんですが、会計的な点は会計検査院というところもやっているわけでして、私はやはり、国民の期待として参議院にあるのはもっと大きな観点より、大きな問題がひょっとしたらあるんじゃないかということから活発な審議がなされることが大事だと思うんです。したがって、大きな問題の所在というのは、もちろんその業務も含めたことが入っているという意味でございます。
 したがって、そうした大きな問題の有無という観点からの議論というのは、当然その次の予算編成のプロセスに反映されていくべきものだというふうに思うんです。来年度の予算編成より非常にこの決算の報告が早期化いたしますので、十五年度のその実績というものを踏まえ、多様な、そこを足場として多様な議論が次年度の予算編成に向けて喚起できるのではないかというふうに存じます。
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鴻池祥肇#12
○委員長(鴻池祥肇君) それでは、山本参考人、お願いいたします。
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山本清#13
○参考人(山本清君) 第一点でございますが、決算と申しますのは、当然、行政活動を事後的にそれを貨幣で表現したものでございます。したがいまして、当然これは活動がその背景にあるわけでございますから、決算審査は決してその貨幣的な尺度であります会計でありますとか決算数値だけにとどまるものではないというふうに考えております。現に、そういうことで会計検査院は決算の検査もやっておるというふうに私は理解しております。これが第一点でございます。
 第二点の御質問は、非常にこれは重要な問題であるかと思います。これはただ、急激にはこれはシステム的に持っていくのは難しゅうございますから、まずはモデル事業というのがございますね。これは三年とか五年の間が期間があるわけでございますから、まさしく決算審査におきまして事前に、しかも議会でも通っておるわけでございますから、それが現実に目標を達成しているかどうか、あるいはコストを削減しているかどうかということで、大きな問題がある場合においては、これは見直しを行うといったことをやはり是非システム化していただきたいと思います。
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藤井基之#14
○藤井基之君 ありがとうございました。
 時間が限られておりますので、更問いといいましょうか、議論するのは控えたいと思います。
 一点、一つだけ教えてください。
 これは、富田先生の方なんですが、実は資料の中に「大蔵大臣の地位と債務残高」という表がございますが、これは私、出典に当たっていないので誠に申し訳ないんですが、この大蔵大臣のその権限の大きさ等というのは一体、非常に簡単に言うとどんなことでこれは比較裁量されたのか、そこだけ教えてください。
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富田俊基#15
○参考人(富田俊基君) 大蔵大臣の地位とここで書いておりますのは、ボン大学のフォン・ハーゲン先生が実証研究なさったものを引用させてもらったんですけれども、例えば閣議の中において大蔵大臣が他の支出大臣の要求に対してノーと言える拒否権を持つかどうかといったこと、それから予算編成の過程においてその交渉をマルチ、多人数を相手にやるか、バイでやるかとか、あとはさらに沿革的なものでして、イギリスの場合ですと第一大蔵大臣というのは首相なわけですね、大蔵大臣は閣僚の中ではそれに次ぐ地位を歴史的にも確立しているといった点。
 それから、予算の編成プロセスが開放的か否か。これは我が国は非常に開放的でして、非常に他国と違うわけですけれども、開放的なゆえにいい面もあるんですけれども、このフォン・ハーゲン先生のその定義では、やはりそこにいろんな要求が噴出してたくさん出てくるということで、日本をそれに当てはめれば低くなる等々の項目から形成されておりまして、各国、議院内閣制を取っているヨーロッパの国々について計測した結果がお示しした内容だということでございます。
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松井孝治#16
○松井孝治君 民主党の松井孝治でございます。
 今日は両参考人、本当に朝から貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。
 富田参考人がおっしゃったニュー・パブリック・マネジメントの問題点というのは、私が理解するところでは、官僚、行政府内でのニュー・パブリック・マネジメントの運動が起こっているわけですが、それに対してきちんと議会統制あるいは政治の統制が働かない前提の下でニュー・パブリック・マネジメントが陥りがちな問題点を特に御指摘をされているものと私は理解をさせていただきました。
 そういう意味では、この参議院の決算委員会を中心として議会が、あるいは内閣の中での政治的統制、今おっしゃった大蔵大臣の機能というのはそういうことだと思いますが、その政治的統制をいかに働かせていくかがニュー・パブリック・マネジメントを仮に今後進めていくに当たっては非常に重要な論点であろうかと思います。
 そこで、両参考人に二点についてお伺いしたいと思います。
 まず一つは、国会におきましては決算の取扱いにつきまして従来から長い論争がありまして、それは憲法に規定する決算の位置付けですが、報告説というものと議案説というものがある。従来はどちらかというと報告説的な運用がなされていて、政府は衆議院、参議院それぞれに決算を報告している、そして各議院は必ずしもそれを同一議会内で処理せずに、それを審議未了の場合は次の国会に送るというような形で長く運営してきたという点があろうと思います。
 この政治的統制、議会の統制を強化しなければいけないというのが両参考人の共通の御意見でございましたが、この憲法の位置付けも含めまして、両参考人は法律家ではいらっしゃらないわけですから、必ずしも憲法論を伺いたいわけではありませんが、もう少しこの決算審査の在り方を報告説ではなくて議案説的運用、要するに国会として憲法についてきちんと議論をし、議決をしなければ予算の審議に移れないような何らかの制度改正、あるいはその制度運用をきっちり見直していく必要があるのではないか。これは今、我々も決算の在り方を今後議論する上で両参考人の御意見を伺いたいと思います。
 二点目につきましては、これはやはり、先ほど山本参考人が、行政府と議会側に情報の非対称性がある、要するに行政府の方が圧倒的に量の多い情報、あるいは内容的にも詳細な、なおかつ加工しない情報を持っているという非対称性があって、どうしても議会のコントロールが弱くなるというふうにおっしゃいました。両参考人とも、単なる決算の経理上のチェックではなくて、政策の在り方を含めてチェックするのがこの議会の機能であるというふうにもおっしゃいました。
 その上で、この参議院、あるいはまあ国会と言い換えてもいいかもしれませんが、行政府に負けないだけのいろんな政策の分析評価能力を本当に今持っているとお考えなのかどうか。さらに、議会の決算への統制を強めていく、あるいは政策を評価することについての統制を強めていく必要があるとした場合に、現行会計検査院機能を移管するのか、あるいはそれとはまた異質な機能を行政府にきちんと位置付けるべきではないか。特に今後、参議院改革の一環でも、参議院あるいは国会に政策評価機能あるいは広い意味での決算機能というものを常設機関として位置付けるべきではないかと考えますが、この点についての両参考人の御意見を求めたいと思います。
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鴻池祥肇#17
○委員長(鴻池祥肇君) それでは、まず山本参考人からお願いをいたします。
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山本清#18
○参考人(山本清君) 決算に対する報告案、報告説あるいは議案説ということの前に、いわゆるNPMというのを前提にすれば、これは事前統制から事後統制ということで、事前統制というのはどういうことかといいますと、予算的に見ればどういった内容、どういった目的にどれだけの金額を歳出していいのかということを充てるだけでありますから、これはある意味においては、それだけの金が投入されれば事前統制で済むという側面があるわけでございますね。
 ところが、もし事後統制でこういった成果目標を達成することを所与として、これだけの予算を割り当てますということであれば、これは事前にそれだけの金が投入されたかと思っては、決して議会統制は終わらないわけですね。そして、それはいわゆる予算委員会においては決してそのことはチェックできないわけであります。そうしますと、どうしても決算委員会と予算委員会のリンケージということを考えませんと、そういった成果主義の予算編成は回っていかないわけでございますから、いずれにいたしましても、憲法の両説ということは別にいたしまして、もし政府全体がそういった事後統制的なメカニズムを導入するということであれば、国会における決算委員会の役割というのはおのずと変わってくるんだというのは第一点に対する私の答えであります。
 第二点の検査院のポジションをどうするかと。これは非常に微妙な政治的な問題であろうかと思いますが、いずれにいたしましても、重要なことは、検査院をもっと国会は積極的に活用する必要があるだろうと。それは別に、検査院を政治的な中立性からもっと政治的な役割を果たせということではなくて、もう少し、ああいうミクロ的なアプローチじゃなくて、もう少しマクロ的なアプローチ、とりわけ、例えば内閣府の作成する予算の見積りでありますとか中期の財政見通し等についてのデータの信頼性のチェックをすると。これは決して、数字自身の客観性を担保するということですから、これはイギリスの会計検査院もやっておるわけでございますから、そういったアプローチでやはり実質的な意味の国会のサポート的な機能は充実していくべきだろうというふうに考えております。
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鴻池祥肇#19
○委員長(鴻池祥肇君) 富田参考人、お願いいたします。
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富田俊基#20
○参考人(富田俊基君) まず、決算と申しますものは国会で決めた予算の事後的な姿なわけでして、それを認める認めないといっても、先に決めたことまで含めて認める認めないという議論はできないわけでして、議論ができるとすれば、予算で決めた、つまり民主主義の過程で、民主主義が決定した内容についてきちんと執行されているかどうかということがやはり決算として議論されるべきことでありまして、私は基本的には報告という形しか取り得ないんではないかと。つまり、一度決めてやったことをまたすべてひっくり返すということはちょっと現実としては非常に考えにくい。
 ただし、先生、松井先生御指摘のように、決算審査というのは極めて重要であって、それをその次の、その審査の結果をやはり次の予算につなげていく、それは重要な問題だと思うんですね。その際に、やはり決算審査において国民が非常に重要だと思う内容についての指摘があれば、必ずや健全な民主主義であればそれが次年度の予算編成につながり、修正されていくというプロセスを踏んでいくものだというふうに思います。
 そして、二番目の会計検査院の機能と参議院の機能との御指摘、お話なんですけれども、私は、組織が移れば物事が、改革が進むというものではなくて、やはり現状において検査院の報告というものをやはりいかにこの参議院の審査において積極的にその活用をし、そしてそれを次年度予算につなげるようにするかと。
 さらに、申し上げますと、この決算審査がやはり国民的に、この予算の問題に対して国民的な関心を更に更に強めていくという機能を果たすことは基本的な課題だというふうに存じます。
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松井孝治#21
○松井孝治君 ありがとうございました。
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木庭健太郎#22
○木庭健太郎君 両参考人、今日は貴重な意見をありがとうございました。
 特に、お聞きしていて、このニュー・パブリック・マネジメント、NPMのとらえ方について、問題点から指摘される富田参考人と、これを機会にどうこれを新たなものとしてとらえるかという山本参考人、立場の違いもあって非常に有意義に聞かせていただきました。
 逆に、このNPMが進めば進むほど、ある意味では参議院が今決算を重視してやっていることの意味合いがより大きくなるんではないかなと。その意味では、参議院がこの一年、二年、決算を重視しながらやってきたことの意味というのがより大きくなるんではないかというようなことも感じながらお二人の意見を聞いておりました。
 そこで、両参考人にお尋ねしたいことのまず一点目は、富田参考人にお伺いしたいのは、これからそういうふうにニュー・パブリック・マネジメントが進んでいく中で、言わば予算執行結果の評価をより実効性あるものにするためには、今のこの予算書、決算書含め、財政システム、やはり改善すべきものがあるのか、ここはこう変えていくべきだという御意見があれば、是非それを富田参考人からお伺いしておきたいと、このように思っております。
 そして、山本参考人からは、山本参考人、論文の中で、評価制度とか企業会計的手法を積極的に導入しても必ずしも財政の効率化にはつながらないというような御指摘をなさっていたような論文をお読みしたと思います。これちょっと、その主な原因は何なのか、その辺も含めて財政の効率化という問題と決算という問題、どういうふうに考えていけばいいのかという点をそれぞれお伺いしたいと思います。
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鴻池祥肇#23
○委員長(鴻池祥肇君) まず、富田参考人、お願いをいたします。
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富田俊基#24
○参考人(富田俊基君) まず、財政システムとして改善すべきものという御指摘だったわけですが、私はシステムを変えたからといって良くなるものではなしに、やはり基本的には、現在行っております政府の主要事務事業をやはり一つずつ見直していくということが重要だろうというふうに思うんです。何かこう、箱を変えれば良くなるというふうには思いません。
 もし日本に問題があるとすれば、先ほどヨーロッパの通貨統合に際しての重要な課題であった大蔵大臣の権限ということと密接にかかわっておりまして、結局、各府省は背景に巨大な、非常に強力な既得権益を持つ集団、利害関係集団があるのに対して、大蔵大臣というのは、どこの国でも将来世代の投票権を持っていない人しか背景にいないわけなんですね。で、どうしてもその既得権益を持つ各支出庁の権限の方が政治的に強くなってしまう。そういうことがあったんで、歴史的にそういう事象を、ずっとヨーロッパの議会制民主主義を確立する過程でそういう経験を踏まえて大蔵大臣の地位というのを高く、強く、強いものにしている。それによって予算制約が掛かって効率化が進むというふうに、それが私は民主主義の発展の歴史であったというふうに思うわけです。
 そういう意味で、その改革すべきことは、より事前統制を、予算制約を厳しくするということが大事であって、どうもいろんな改革というのは、改革に名をかりて、それを緩くして、この巨額の財政赤字を容認するための言い訳を何か片仮名で、NPMとかいう片仮名で求めようとしているというふうにすら見えるわけでして、私は、そういう意味で、厳しい事前統制と、国会による厳しい事前統制と国会による厳しい決算審査というものが重要であって、システムの議論ではないように私は存じます。
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鴻池祥肇#25
○委員長(鴻池祥肇君) それでは、山本参考人、お願いいたします。
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山本清#26
○参考人(山本清君) 今の富田参考人のお話とも関連がいたしますので、まずその点申し上げたいと思いますが、NPMというのは決して緩める、いわゆる行政府に弾力性を与えるだけのものではないんですね。ところが、なぜ問題が起こってきているかと申しますと、これは富田先生のお言葉を言えば官僚特区と表現されておられますが、日本におきます行政府のNPMのとらまえ方は、いわゆるその行政裁量を増やすことのみをもってNPMだと、こうお考えになっているから問題であるわけであります。
 実はNPMというのは、行政なり行政活動に裁量性を与える代わりに、その見返りに、成果の達成責任、成果に対するアカウンタビリティーを、これをきちんと担保すると。従前は、正しく予算に従って手続どおり使われていたかどうかというだけのアカウンタビリティーだったわけですね。ところが、これからは、その代わり成果については、あるいは結果についてはきちんと行政府は責任を取ってくださいよと、その代わり裁量を与え効率性を上げてくださいと、こういう約束なんですね。そういう二つのものがセットになっているんですが、実はその二つが全く片方の都合のいいだけの論理で片方ずつ主張されている、これが日本におけるNPMの最大の問題点であるわけであります。
 それを前提にいたしまして、なぜその評価システムとか企業会計的手法が日本においてただ導入しても成功しないのかというのは、実は三点の理由があります。
 第一点は、いわゆる、確かに行政に裁量性を与えないけないわけなんですが、実は現行の財政法、会計法あるいは地方の財政法等は全くそれについては手を付けられておられないわけですね。すなわち、行政庁にとっては、新たに評価作業を行わないけない、あるいは企業会計方式の財務諸表を作らないけないということで、オーバーワークだけになっているわけです。すなわち、上乗せ規制になっていますから、都合のいいところだけが裁量権を与えられているということで、これでは機能しないというのが第一点であります。
 第二点は、いわゆるインセンティブシステムとして機能していない。これは、端的な例は地方自治体にあるわけですね。地方自治体が財政再建で、あるいは財政の効率化をやろうとしても、いわゆる借金をしても一部は依然として地方交付税で一定部分は担保されるということですから、これは財政の効率化に対するインセンティブがわかないわけです。私の分析によりましても、むしろ、企業会計的手法であるとかあるいは評価システムにおいて熱心な自治体というのはむしろ財政的にいいところなんですね。全く逆なんです。ここはよく御理解いただきたい。
 第三点は、予算へのフィードバックということが全くこれはまだ、特に国の場合でいきますと、総務省と財務省との関係で全くうまくいっていないわけですね。そうであれば、評価やってどうなるかも分からないのにこれは大変なことだろうというのが、この評価、資源配分への予算結果のフィードバックが全くシステム化なっていないし、どうやったらいいかということについての技術的な手法も確立していない。
 この大きな三点が実は大きな問題であるわけです。
 ですから、これは駄目だと言っているんじゃなくて、この三つをクリアすればどんと進みますよと、これに従った議会統制をよくお考えいただきたいというのが私からのお話です。
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木庭健太郎#27
○木庭健太郎君 ありがとうございました。
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小林美恵子#28
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。今日は御多忙の中、参考人としてお越しいただき、また貴重な御意見をお寄せいただきまして、本当にありがとうございます。
 両参考人に二つの点でお聞きをいたします。
 一つは、国会の機能として、特に決算委員会の役割がそうだと思うんですけれども、国の予算がどう使われているか、税金の無駄遣いや不正な支出はないか、特権的、政治的な意図からの出費はないかなどを審査をして国民に知らせることが重要だというふうに思うわけです。こうした国会の機能を政府は尊重して、次の予算編成に反映させることだと思いますけれども、これを強めるという点で両参考人の御意見を一点お伺いしたいというふうに思います。
 二つ目は、一点目とかかわるのですけれども、三年前、国会審議を機に内閣官房報償費の使い方が大問題となりました。官房機密費の現金出納簿から、国会議員のせんべつ代やパーティー券など私的な出費が明らかになりました。また、今、大問題になっています北海道警察の報償費、裏金作り疑惑では、そのお金が警察幹部のポケットマネーになったりせんべつ代になるなど不正に使われていることが明るみになってきています。
 こうした不正を徹底的に解明し、根絶方策を示して、次の予算編成では不正な支出は減額するなどの仕組みが必要だと思いますが、この点について両参考人の御意見をお伺いしたいというふうに思います。
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鴻池祥肇#29
○委員長(鴻池祥肇君) それでは、先に山本参考人からお願いをいたします。
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