森本敏の発言 (憲法調査会)

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○参考人(森本敏君) 現在の国連憲章の中で、憲章五十一条に言う個別的及び集団的自衛の固有の権利をすべての締約国にともに認めているこの経緯は、そもそも国連憲章起草のプロセス、段階の中ではこのように区別されて、当初は区別されていなかったわけで、それが最終段階で、この国連憲章採決の後、中米諸国が同盟条約を結ぶということが内々分かっていたので、同盟条約を結ぶ中米諸国の権利を認めるために個別的な自衛権とともに集団的自衛の固有の権利を憲章で認めるという最後の文章になったわけです。
 したがって、本来、自衛権と一言書けばそれでよかったのですが、当時の同盟条約の国際法上の根拠を作るために「集団的自衛の固有の権利を」と書いたということであって、この経緯にかんがみれば、すべての国がともに国家として持っておる自然権と当時はみんな考えていたのではないかと思います。
 さらに、今、本間参考人のお話ですけれども、私がこの集団的自衛権と個別的自衛権というものを考えた場合に、実はその二つを区別し、これがどちらかを行使できるできないという議論をし、そのような扱い方を有権解釈としてしているのは世界の中で日本だけだと思います。
 例えば、アフガニスタン戦争というのは、御承知だと思いますが、これは、アメリカは国連憲章第五十一条に言う個別的自衛権を行使してアフガニスタン戦争を行い、国連安保理決議はありません。一方、NATO諸国は、同盟国アメリカが個別的自衛権を行使することを容認して、同盟国として集団的自衛権を行使してこの活動に同調したわけであって、その場合、アメリカが個別的自衛権を行使してアフガニスタン戦争をやるということをNATO諸国はすべて認めて集団的自衛権を行使して参加したわけで、その意味において、本間参考人のお言葉のように、アメリカだけがこの個別自衛権をこういう形で行使、解釈しているということは、必ずしもそうであるかどうか、私には少し分からないところです。
 私は国際法の専門家ではないんですが、明らかに、世界の中で双方を区別して議論している国は多いのですが、どちらかだけを行使できないという区別をしているのは日本だけだと、このように解釈しています。そして、それは国際法上の解釈として不自然ではないかと考えます。

発言情報

speech_id: 115914184X00220040225_013

発言者: 森本敏

speaker_id: 34495

日付: 2004-02-25

院: 参議院

会議名: 憲法調査会