豊下楢彦の発言 (憲法調査会)
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○参考人(豊下楢彦君) おっしゃることは分かりますけれども、先ほど申しましたように、国連加盟国全体がその論理を取っていけば国際的アナーキーになると思うんですね。それから、今よろしいですか、二十分ですけれども。
それで、私は、九月十一日の場合は非国家的アクターによる攻撃なものですから、自衛権の発動についてもいろいろ国際法学者で議論ありました。しかし、いずれにしましても、私は今、集団的自衛権を論じる今日的意味はないんじゃないかと思う。
というのは、集団的自衛権というのは国家と国家の間の戦争を前提にしてきたわけであって、だから、AがBに対して攻撃を加え、そしてBと密接な関係にあるCがBを助けるためにAと戦う、Bをアメリカとし、Cを日本とした場合に、今果たしてAという国家があるのかということなんですね。アメリカに対して国家として武力攻撃を掛ける国家が今あるならばリアリティーありますけれども、現実にはない。しかも、今仮に九月十一日のようなことが再び起こったとしても、当時はタリバンの支配するアフガニスタンという国家がありましたけれども、今は存在しません。そうしますと、アメリカは攻撃しようにもどこも攻撃しようがない。そうしますと、あり得るのはアメリカによる予防戦争だと。
したがって、私は原理的な意味において、今、集団的自衛権を論じるリアリティーは実はないんだというふうに考えております。