平野貞夫の発言 (憲法調査会二院制と参議院の在り方に関する小委員会)
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○平野貞夫君 ありがとうございます。
日本でも一九七五年前後、昭和四十八年、四十年代の末期ごろから、この二院制の在り方というのが非常に大きな論議になりまして、私、当時、衆議院の事務局にいまして三十三年ぐらい勤務したんですが、当時、衆議院の前尾議長の秘書をやっておりまして、参議院では河野議長さんがいらっしゃって、この二人で一院がいいか二院がいいかというのを大論争をやったことを記憶しております。
当時、やはり経済成長が限界に来て様々な成長政策の弊害を調整する時期でございまして、佐藤内閣の末期、田中、三木内閣というふうに続くわけでございますが、当時、例えば国鉄運賃法とか健康保険料を値上げする法案とか、それから防衛二法というような法案が物すごく参議院で停滞しまして、大体一つの法案を成立させるのに二年掛かったんです。非常に参議院の力が強うございました。別に参議院が与野党逆転しているわけじゃないんですが。そこで、政府側は大変政策の転換に苦慮したわけでございます。国鉄なんかが破綻した一つの理由に、やっぱり適切な運賃の値上げというのは社会状況に応じて必要なものですから。そういうことが一つの原因でした。
そこで、前尾議長が、参議院が当時の自民党の会派を派閥化して政局作る、参議院の自民党を抑えた方が総理大臣になれるという時代でございまして、参議院議長さんが非常に強い、閣僚のポストを五つぐらい持っていた時代なんですが。参議院が国政の、政局作って国政の邪魔をするといって非常に前尾さんが公言しまして、河野さんが怒りまして、参議院は衆議院のコピーじゃないんだということで大げんかになったんです。
そこで、前尾さんは与野党の国対委員長を連れてヨーロッパの二院制、一院制を調査に行きました。その結果、帰国後、一院制にしろとは言わぬけれども、やっぱり憲法制定時の参議院の本来の良識の姿に戻るべきだという論を張りまして、またこれ河野さんが怒りまして、河野さんは、憲法の基本は両院平等だと、例外的に予算とか法律とかそういったもので衆議院の優位を認めているんだと、こういう論になって、前尾議長は、違うと、憲法は根っこから不平等なんだと、衆議院有利にできているんだと。これがまた憲法論争で両院議長がやるものですから大変我々もいろいろ巻き込まれて困ったんですが。
この日本国憲法の現在の参議院の基本的性格ですが、河野議長の論と前尾議長の論と、どう思われますか。