大村多聞の発言 (内閣委員会)
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○参考人(大村多聞君) 実は、三菱商事は、先ほど申し上げましたように二〇〇一年に内部通報と申しますか目安箱という制度を設けたんですが、もう一九九〇年代からこういうのを設けるかどうかということを社内で検討している、そのメンバーが私でございましたが、実は私は一九九〇年代は反対していたんですね。
というのは、私は会社の社員に対して大変信頼していて、一方、現実はいろんな問題が起こると。そういう場合にはきちんとその上司、それから法務部その他関係部局に相談すればいいだけのことで、何でこんなものが必要かと。正々堂々とするという我が社の社風に反するんじゃないかと個人的には思っていました。こんな制度を設けるというのは、よほどコンプライアンス経営が劣化した会社が考えるんであって、弊社では要らないなんという意見も内部で言ったんですね。
ところが、それからそういう考えというのがだんだんだんだん、一つの基本ではあるけれども、一方では人間というのは弱いものであると。必ずしもそういうふうに正々堂々と問題点を指摘することができない人がいると。これもまた事実であり、これを積極的にくみ上げることが結局、経営全体、それから役員、最終的には株主代表訴訟等のリスクを背負っている役員を守るためにもなるんだと、こういうことに議論が行って、大変長い準備した結果、二〇〇一年にもう既に導入して先ほど申し上げましたように運用しているわけでございます。
当然その導入に当たっては、内部で本来の職制を外してコンプライアンスの通報ラインに通報したことをもっていかなる差別的扱いもしないし、それから秘密は必ず守ると、通報者の名前を漏らさないとか、こういうようなことは当然守って、ルールとして決めて、そしてそれを実行しているんですけれども、その結果、それなりの相談が来まして、私も、それは全部私が受けていますけれども、先ほど申し上げましたように、九割は見解の相違だとか、やっぱり弱い人間が事実を、全体を把握しないでやっていくこととか、いろいろ競争が厳しいために上司の逆に管理が強過ぎると、そういうことに対する反発とか、そういうのがほとんどでございますが、ただし、そういう通報をきちんと聞いていると、やはりその部門の管理の在り方とか問題点が浮き彫りにされるということもあって、それが逆に経営者に対して大変有効なアドバイスにもなるというような体験をしていまして、今現時点で社内ではこういうような物の考え方というのは、私の知る限りは大手の大企業はほとんど共有されております。
すなわち経営者に上がってくるということが、結局、経営者自身のためであり、そして企業のためであると、こういう前提がありますので、この辺のところ、内部でこういう形で吸い上げるという形になっていることは、もう先ほど申し上げましたようにこれを更にエンカレッジしてほしいなということが背景にあります。ただ、これが内部でもそういうことをしないでいきなり外部へ行くということになると、それは今御指摘のように、何で内部でもこれだけ努力しているのにいきなり行くんだと、きっと動機不純じゃないかと。こんな話にはなろうかと思います。
以上です。