班目春樹の発言 (経済産業委員会)
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○参考人(班目春樹君) 美浜発電所三号機二次系配管破損事故調査委員会の委員長代理を務めております班目春樹でございます。
本日は、委員長の朝田先生が海外出張中ですので、代わりまして私から事故調査委員会での審議の経緯と中間取りまとめの概要を御説明させていただきます。
事故調査委員会は、事故発生翌日の八月十日に総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会の下部組織として設置されました。委員会は設置の当日に、二人の委員による事故現場の現地調査から活動を開始いたしました。八月十一日の第一回以来、六回の委員会をすべて公開で開催いたしました。第四回は、地元への情報提供と意見交換という趣旨も含め、福井県において委員会を開催いたしました。関西電力からも報告を聞き、福井県関係者の御意見も伺うなど、短期間に内容の濃い検討ができたものと考えております。
その結果として、これまでに明らかとなった事実を踏まえ、事故原因と再発防止策などを中間的に取りまとめました。ただし、引き続き、配管破損に至った原因の詳細な調査が行われますので、その進展に応じて今後も委員会を開催してまいります。
次に、中間取りまとめのうち、配管の破損メカニズム、破損箇所を含む配管の減肉管理の状況、早急に対応が必要な事項について御説明申し上げます。
まず、配管がどのような経過を経て壊れたかを御説明いたします。
配管は炭素鋼と呼ばれる材質でできており、いわゆるエロージョン・コロージョンという、管の内面が水で削り取られる現象が進展いたしました。これにより、配管の厚みが徐々に薄くなり、結果として配管が水の圧力に耐えられなくなるなどにより破損したものと推定しております。
次に、配管の減肉管理がどのように行われてきたかを事故原因との関係で御説明いたします。
加圧水型軽水炉、いわゆるPWRの二次系配管に関しましては、各事業者が平成二年に原子力設備二次系配管肉厚の管理指針を策定し、これに沿って自主点検を行うこととしていました。今回の事故が発生した部位は、この指針に照らして肉厚の測定等の減肉管理を行うべき対象であったにもかかわらず、それが実施されていませんでした。
具体的には、事故発生部位は、平成二年に三菱重工業がPWR管理指針に基づく点検対象リストを作成した際に、既に点検リストの記載から漏れていました。その後、関西電力がそれを認識する契機となり得る経緯もありました。具体的には、三菱重工業が他の発電所において破損部と同じ部位の点検リスト漏れを修正したり、日本アームが破損部を定期検査時の点検箇所に含めたりと、事故部位が点検リストから漏れている状態が修正されたときでございます。しかし、結果として、関西電力等が記載漏れに係るチェックを行わなかったことなどから、当該部位の減肉管理が行われてこなかったものでございます。
このように、今回の事故の直接的な原因は、関西電力、三菱重工業、日本アームの三者が関与する二次系配管の減肉管理ミスにより、要管理箇所が当初の管理リストから欠落し、かつ、事故に至るまで修正できなかったことであり、関西電力の品質保証、保守管理が機能していなかったことと言えます。
以上のように、事故の原因等を踏まえ、国や事業者などが再発防止に向けて当面取るべき対応策をまとめておりますので、その主なものを御説明いたします。
まず、的確な品質保証や保守管理を実現するための対応として、一つ、事業者は配管系統図と管理表とをコンピューターに入力して連動させるなど、体系的な点検リストを用いる管理体制を構築すること、二つ、原子力安全・保安院は、保安検査において配管の肉厚管理の実施状況と社内規定の遵守状況を確認することなどが必要となります。
また、事業者がチェックすべき事項を具体的に示すため、原子力安全・保安院は、日本機械学会が策定中の配管の肉厚管理手法に関する規格を安全規制の判断基準として早期に活用することなどが必要です。
さらに、定期事業者検査において配管の肉厚管理がしっかりと検証されるよう、一つ、原子力安全・保安院は配管の肉厚管理に係る定期事業者検査の方法を省令改正により明確化すること、二つ、原子力安全・保安院と独立行政法人原子力安全基盤機構は、配管の肉厚管理の実施状況や実施体制を保安検査や定期安全管理審査で確認することなどが求められます。
以上のように、対応策においては早期に実施に移すことが重要です。同時に、今後の調査の進展に応じて追加的な再発防止対策が必要となることもありますので、その点に留意する必要があります。
また、BWRや火力発電所の配管の肉厚管理の状況、発電所運転中の作業員の安全確保対策、原子力発電所の高経年化に対する指摘への対応など、時間の関係で御説明できなかった事項も中間取りまとめに含まれておりますので御認識いただきたくお願いいたします。
以上で私からの御説明を終わらせていただきます。