藤洋作の発言 (経済産業委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○参考人(藤洋作君) 関西電力の藤洋作でございます。
 先生方におかれましては、先月二十九日に弊社美浜発電所にお運びをいただき、御視察を賜りました。私自身が先生方に直接、事故のおわびを申し上げ、御説明すべきところ、大変失礼いたしました。申し訳ございませんでした。
 そこで、本日、改めまして、おわびと御説明をさせていただきたいと存じます。先生方にはよろしく御指導賜るようお願い申し上げます。
 このたびは、弊社美浜発電所の三号機におきまして、五名もの方の尊いお命が失われ、また、六名の方が重傷を負われるという極めて重大な事故を起こし、被災された方々、御遺族、御家族の皆様並びに木内計測様には大変申し訳なく思っております。この場をおかりいたしまして、深くおわびを申し上げます。
 また、日ごろから発電所の維持運営に御協力いただいております協力会社の皆様や、地元美浜町を始め福井県の皆様、隣接の府県の住民の皆様方には多大の御心配と御迷惑をお掛けいたしました。国民の皆様に御不安を与え、さらには国、地元の自治体並びに関係御当局、そして各界各方面の皆様に大変な御迷惑をお掛けしましたことにつきまして、改めて深くおわびを申し上げます。本当に申し訳ございませんでした。
 弊社は、先月の二十七日、中川経済産業大臣殿から厳重注意及び御処分をいただきましたが、私ども、これを厳粛に受け止めますとともに、本当に申し訳ないことをしてしまったとの思いで一杯でございます。私自身はもとより、全役員、全従業員が心から反省をしております。お亡くなりになられました方々の御冥福を衷心よりお祈り申し上げ、重傷を負われました方の一日も早い御回復を心から願っている次第でございます。
 弊社は、今後とも、御遺族の方々、重傷を負われた方々並びにその御家族の方々、さらには木内計測様に対しましても、誠意を持ってでき得る限りのことをさせていただきます。
 また、地元の皆様方の御心配、御迷惑に対しましても、地元の皆様のお話を十分お伺いしながら、誠実に対応させていただきます。
 弊社は、労働安全の確保のために、事故後、直ちに運転中のプラントへの立入り制限を行う一方、配管の健全性が確認され、協力会社や地元の皆様の御理解が得られるまでの間、原則として定期検査前には準備作業を行わないこととするなどの措置を取っております。
 先月の二十七日には、原子力安全・保安院殿におかれまして、事故に関する中間取りまとめを公表されました。弊社も同日、現時点での対策などを取りまとめ、国、福井県、美浜町を始め近隣の自治体御当局に御報告をさせていただきました。本日は、それらに沿いながら御報告をさせていただきたいと存じます。
 このたびの事故の原因となりました配管破損の発生メカニズムにつきましては、先ほども御説明ございましたように、原子力安全・保安院殿の中間取りまとめによりますと、いわゆるエロージョン・コロージョンにより、配管の肉厚が運転に伴い徐々に減少した結果、配管の強度が不足し、運転時の荷重により破損したものと推定されております。
 このたびの事故は、中川経済産業大臣殿から賜りました厳重注意にもございますように、原子力安全を組織的に確保するための弊社の品質保証システムや保守管理システムの整備が不十分であったために発生したわけでございまして、この点、設備を運転、管理する者としての責任を痛感しております。
 それでは、破損に至るまでの経緯を御説明させていただきたいと思います。
 弊社は、平成二年五月に原子力設備二次系配管肉厚の管理指針を策定し、それ以降、この指針に基づきまして配管の肉厚管理を実施してまいりました。三菱重工さん、そして平成八年にその業務を引き継いだ弊社子会社の日本アーム、それから弊社、この三者の協力関係の下、肉厚の管理業務につきまして適切な仕組みを確立し、またそれに基づいて的確に管理されているものと私どもは考えておりました。
 ところが、美浜三号機の当該破損部位につきましては、管理指針上、肉厚測定点検を実施すべき箇所に該当するものの、当初、三菱重工さんが作成されました肉厚測定点検リストの元帳から漏れ、日本アームが肉厚測定点検業務を引き継ぎました後も、漏れはそのままでございました。
 そして、昨年四月、日本アームが漏れに気付き、十一月に、次回定期検査に向けて肉厚測定すべき四百二十か所を記載した一覧表の中に含められて提案されましたが、特段の注記がなかったため、弊社は肉厚測定点検リストの元帳から当初から漏れていたことを認識しないまま、本年八月の定期検査で測定することとしてしまいました。そうした結果、運転を開始して以来、一度も肉厚測定点検されぬまま破損に至りました。
 この間、二次系配管の保守点検を三菱重工さんが行っておられました北海道電力さんの泊発電所一号機と、同じく、日本原子力発電さんの敦賀発電所二号機におきまして、このたびの破損部と同じ部位の肉厚測定点検リストの記載漏れが発見され、追加記載されておりましたが、この件につきましても、私ども、このたびの事故発生後に知った次第でございます。
 これら一連の経緯や事実関係を調査された原子力安全・保安院御当局がなされました事故の中間取りまとめでは、今回の事故の直接的な原因は、関西電力、三菱重工、日本アームの三者が関与する二次系配管の減肉管理ミスとの御指摘をいただき、また先ほども申し上げましたように、中川経済産業大臣殿からも弊社に対しまして、原子力安全を組織的に確保するための弊社の品質保証システムや保守管理システムの整備が不十分であったとの御指摘をいただきました。
 弊社は、こうした点を反省し、二次系配管肉厚管理業務の抜本的な見直しを行います。
 まず、肉厚測定の点検漏れを徹底的に排除するため、肉厚測定点検リストの元帳管理を万全にいたしますとともに、肉厚測定作業以外の肉厚管理業務すべてを今後、弊社自らが主体的に行うことといたしました。
 こうした肉厚管理だけでなく、弊社従業員の保全業務能力をより強化するため、定期検査における現場作業などの工事管理業務を専門的に行うグループを設置することとし、現在検討を進めております。
 さらに、弊社とプラントメーカーや協力会社との間の意思疎通を確実なものにするため、情報の共有を強化してまいります。これまでも、安全衛生協議会等の活動など、弊社は交流を深めてきておりますが、双方向の情報受渡しを更に増やし、得られました情報は定期的に集約し、活用策を検討することといたしまして、設備を扱う協力会社の情報や認識を業務に有効活用していく考えでございます。
 こういった対策に加えまして、地元の皆様方との対話活動の充実を図ってまいります。弊社は、従来から地元の皆様から御意見をお伺いする場を増やすよう努めてまいりましたが、今後はさらに、発電所の技術者や、私を含めた経営層それぞれが地元の皆様方との対話活動に積極的に参加して、発電所の運営や経営に皆様方からちょうだいした意見を生かしてまいります。
 先月の二十七日に、中川経済産業大臣殿から賜りました御処分の中でも、計画的な点検を可能とするような点検リストの作成など、体系的、統一的管理システムの整備が不足していた等、弊社の品質保証システムや保守管理システムの整備が不十分であったことにつきまして御指摘を受けております。こうしたことから、弊社は今後さらに、業務計画、調達管理、資源の運用管理、不適合管理などについて問題点、課題を調査いたします。
 そして、社外の専門家の方にも御参加いただく原子力保全機能強化検討委員会におきまして再発防止対策を取りまとめ、品質保証システムなどの確立に万全を期してまいります。その結果を早急に原子力安全・保安院殿に御報告させていただき、御指導を仰ぎたいと存じております。
 国会におかれましては、一昨年、我が国の長期的なエネルギー政策の基本方針を定めたエネルギー政策基本法を御制定され、それに基づき、昨年十月にエネルギー基本計画が閣議決定され、国会に御報告されました。その中では、「安全の確保を大前提に、核燃料サイクルを含め、原子力発電を基幹電源として推進する。」とされております。
 また、電力自由化が進展する中、昨年の電気事業法改正の際には、本委員会におきまして、原子力発電にかかわる経済的措置等の具体的な制度・措置を検討の上、講ずる旨の附帯決議を御発議いただいております。
 このように、先生方には我が国の将来を見据えたエネルギー政策の確立につきまして奔走されている中、私どもがかような重大な事故を発生させ、国民の皆様の信頼を大きく損ねる結果になってしまいましたことは誠に申し訳なく、改めて先生方におわびを申し上げます。
 私どもが再び地元を始め国民の皆様の御信頼を得るための道のりは大変困難かつ厳しいものと承知をいたしておりますが、二度とこのような事故を起こしてはならないとの固い決意の下、全役員、全従業員を挙げて信頼の回復に向け、あらゆる努力を続けてまいる覚悟でございます。
 先生方におかれましては、引き続き、御指導、御鞭撻を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。
 私からの説明は以上でございます。
 本当に申し訳ございませんでした。

発言情報

speech_id: 116014080X00120041006_017

発言者: 藤洋作

speaker_id: 17425

日付: 2004-10-06

院: 参議院

会議名: 経済産業委員会