永岡洋治の発言 (憲法調査会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○永岡委員 先ほど意見陳述をさせていただきましたが、補足して二点ほど申し上げたいと思います。
先ほども申し上げましたように、二院制を維持するということについては私は賛成であります。しかし、維持する上で、二点ほどさらに注意をしておかなければならないことがあると考えております。
一つは、歴史的経緯を考えてみても、この二院制というのは、身分制社会を残しているような国、あるいは州制、連邦制などをとっている国が、別の利益あるいは別の階層の意見を代表する制度としてとってきているというのが歴史的経緯であります。
したがって、単一民族、単一国家としての日本にこの現行憲法をマッカーサーが示したときには、一院制の案を示したわけであります。それに対して日本は、二院制をどうしてもとらないと一院制の行き過ぎをチェックできないということで、二院制を求めて再考を促したわけでありますけれども、そのときの日本側の要求も、その二院目の議員の選び方については、間接選挙制にすべきであるとか職能代表制にすべきであるとか、あるいはその他の一部議員の任命制というようなことを提案したわけでありますけれども、結果的には全国比例となっているわけであります。
実は、現行憲法を当時衆議院が可決したときの附帯決議の第三項にこういう文言が入っているわけであります。「参議院は衆議院と均しく国民を代表する選挙せられたる議員を以て組織すとの原則はこれを認むるも、これがために衆議院と重複する如き機関となり終ることは、その存在の意義を没却するものである。政府は須くこの点に留意し、参議院の構成については、努めて社会各部門各職域の智識経験ある者がその議員となるに容易なるよう考慮すべきである。」こうなっています。
このことが現在実現されているのかどうか、これが選挙制度を参議院についてやはりこれから見直していかなければならない一つの大きな課題であると思います。カーボンコピーであるという議論が先ほども出ておりましたけれども、第二院がカーボンコピーであっては意味がないし、また、行き過ぎた権限を持てば有害であるということになろうかと思います。その点を一つ申し上げておきたいと思います。
それから二点目は、現在の憲法の骨格は三権分立とはいっても、主たる部分は実は議院内閣制ということで国の運営を行っていくことになっているわけであります。議院内閣制の正当性の根拠というのは、衆議院議員が国民から選ばれてきて、その衆議院において内閣総理大臣が選ばれる、その内閣総理大臣が国務大臣あるいは大臣を任命する、その中で国が運営をされる。つまり、議院内閣制が最も国民から直結した制度として運営をされなければならない。衆議院の役割は非常に大きいわけであります。
そうなってまいりますと、実は最近の傾向を見ると、その趣旨からいえば、総選挙の結果いかんによって政権交代が行われるのが通常であるはずであります。しかし、現在、政権交代が行われるというのは、参議院選挙の結果によって政権交代が起こるというようなことが間々起こるわけでありまして、これは与党側として言いにくい面もあるわけでありますけれども、こういう制度のあり方を抑制し、運営を変えていくために、つまり、国論が二分をしたような場合に内閣は総辞職をするか国会を解散しなければならないわけでありますが、そのときに世論を、国論を問うても、参議院は六年間という安定した任期で、六年前のまま、あるいは三年前のまま、そのまま構成が残るということでは民意を問うたことに果たしてなるのかどうか、このところが第二番目の大きな問題であると思います。
したがって、先ほどの意見でも述べましたように、参議院の機能あるいは役割の運営の仕方について、やや抑制的な要素というものを考えていかなければならないのではないか。先ほど柴山委員からもありましたけれども、法律案の再審議につきまして、現在の三分の二という要件がかなりきつい面もあるのではないか、かように考える次第でございます。
以上でございます。ありがとうございました。