植松治雄の発言 (憲法調査会公聴会)

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○植松公述人 医学と申しますのは、これは科学でございますので、科学はそれ自身どんどんと発展させようということで進むのは当然の話でございます。だから、今言う遺伝子の解析から、いろいろな問題に広がっていくということは当然でございます。
 これは、昔の日本医師会会長であります武見太郎さんが言った言葉でございますが、医療は医学の社会的な適用であるというふうに言われております。医学は、今申し上げましたように、どんどんと進むわけでございます。これは科学として当然なことでございますが、これを医療という形に持っていきますためには、社会との関連ということになるわけでございます。その社会との関連ということになりますと、社会がどういう社会で、そこがどういうふうに倫理面を含めて認められるかという話になってくるだろうと思います。
 そのためには、先ほど脳死の問題で申し上げましたように、社会になかなか御理解をいただけなくて進まなかったというこの現実も踏まえながら、医学の進歩をどこまで医療に適用できるかということについては、やはり今の時代でございますから、十分に情報を開示しながら、国民の皆様方、社会がどこまで受け入れられるかということを十分に御説明しながら進まなければならない。
 ただ、やはりその中に基本といたしまして、人間としてどうあるべきか、どこまでできるか、いわゆる生命の倫理はどこにあるかということが大事でございます。その生命倫理につきましては、各国で考えましたときに、これはやはり歴史、文化、宗教というものが大きなかかわりがございます。だから、同じようなものであっても、許される国と許されない国がある。その中で、日本という国、社会の中でどこまでこれが認められていくかということについては、非常に大きな問題でございます。
 科学の進歩と宗教、哲学あるいは倫理学の進歩というものが相伴っていくということが望ましいわけでございますけれども、この倫理観その他につきましては、科学の進歩と必ずしも並行しておらない、そちらの方がややおくれてついてきているという中で混乱が起こっておる。特に生殖医療におきまして出ている問題、これはやはり倫理面で大きな問題がある。しかも、社会の皆さん方の御理解がまだ十分でないということでありますので、科学をいたします学者と、医療を行います私どもの立場とを考えますと、我々が国民にお話を申し上げながら、どこまでやれるかということを慎重にやらなければならぬという問題で、これからますます深刻な問題が出てくるだろうと思っております。

発言情報

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発言者: 植松治雄

speaker_id: 34808

日付: 2004-11-11

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会公聴会