大林宏の発言 (法務委員会)
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○大林政府参考人 今回の改正では、強姦罪の保護法益の重大性に着目しまして、従来二年以上十五年以下の懲役とされていました強姦罪の法定刑を三年以上二十年以下の懲役に引き上げるということ、あるいは、無期または三年以上十五年以下の懲役とされていました強姦致死傷罪の法定刑を五年以上二十年以下の懲役に引き上げる。また、集団により行われる強姦につきましては、その悪質性等にかんがみて、一般の強姦より重い処罰の対象にすべきであるということで、集団強姦罪については四年以上二十年以下の懲役に、または、集団強姦致死傷罪につきましては無期または六年以上二十年以下の懲役に処することができる規定を設けました。また、強姦を複数回犯した者につきましては、有期懲役の場合に二十年までしか処することができなかったものを、今回の改正により懲役三十年にまで処することができるようになります。
このように、強姦に対する被害法益の重大性に着目してその罰則を強化しておりまして、私どもとして、強姦犯罪を軽んずるという気持ちは全くございません。
他方、この中で最も重い集団強姦致死傷罪に当たる行為につきましては、集団で行うものですから、いろいろな役割分担がある。その中では、比較的軽微な者、具体的に言いますと、特段の前科もない、それから主導的な者に誘われて現場に行った、実際、被害者に対して姦淫行為までは自分は及んでいないというような人もおります。それで、被害者に対しては最大慰謝の措置を講じて示談が成立している、被害者も、その人については処罰は軽くしてくれというふうに言っているような、特殊な事情がある場合がございます。この場合に、執行猶予にするような道を講じておくことが、被害者感情の尊重という面からも、あるいは行為者の社会復帰という面からも相当と思われます。
そこで、今回の改正では、このような者について執行猶予ができる、例外的ではありますけれども、そのような者については酌量減軽により執行猶予を付することができるというふうにしますと、二分の一にして三年が限界なものですから、結局、法定刑の下限を六年とせざるを得ない。その関係から、強姦致死傷罪を五年、それよりちょっと軽いといいますか、それから致死傷の結果を伴わない集団強姦罪が四年、一般の強姦罪は三年というふうな形になっているものでございます。
このように、強姦犯罪だけを見ますと、それぞれ刑罰を重くしつつ、その犯行形態の悪質さ等を勘案して刑罰の均衡を図るようにしたわけでございますけれども、御指摘のとおり、強盗罪と比較しますと、強姦罪の刑の下限とはなお差がございます。
強姦罪の下限のさらなる引き上げが困難であるならば、むしろ強盗罪の下限の方を五年から三年に引き下げて同一にすべきではないかという御意見もございます。
しかしながら、御案内のとおり、悪質な強盗事件が頻発している昨今におきまして、強盗罪の刑を下げることは、強盗犯罪の違法性、重大性を軽く評価することになったとの誤ったメッセージを与えかねないという、また強い御批判があります。
こういうことで、非常に難しい問題がございますが、今後、私どもとしては、法制審議会の附帯決議で、強盗罪などの罰則のあり方をさらに検討すべきとされているところでございまして、これを踏まえて適切に対処していきたい、このように考えております。