長勢甚遠の発言 (予算委員会)
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○長勢委員 十三年の閣議決定は存じ上げておりますが、その後、昨今、年金あるいは社会保障をめぐる国民の強い問題意識が高まっておるわけでありますから、ぜひ、その閣議決定を盾にするようなことなく、前向きに、前倒しで早急に結論を出すように最大限の努力をよろしくお願いいたしたいと思います。
次に、社会保障制度全体の一体的見直しについてお伺いをいたしたいと思います。
これからの少子高齢化の進展に対して、国民のより深刻な不安は、今は年金がやかましいわけでありますが、年金のみならず、医療、介護、社会福祉という社会保障制度全体がこれからどうなるんだろうかということであります。社会保障制度全体の一体見直しが、こういう意味で緊急の課題となっておると考えております。
社会保障制度全体の一体見直しと年金の一元化は、関連する問題ではございますけれども、問題の次元を異にするものであります。年金の一元化と並行して、社会保障制度全体の一体見直しの議論に精力的に取り組むべきであるということをまず要請したいと思います。
これまで、社会保障制度改革というのは、健保法、あるいは今回の年金法、さらに来年は介護保険法、さらに再来年は医療保険といったように、個々に順次改革を進めていくということでやってまいりました。
しかし、それぞれの議論はやむを得ないものとしても、その結果生じてくる負担増というものを積み上げた場合には、全体として、家計やあるいは企業の経営に、企業の会計がどういうことになるんだということに国民が不安を感じておるわけであります。全体としての負担、給付がどうなるかの方向が不明確なままで個別の制度の議論をすることに大きな不安を感じておるというふうに感じられます。
こういうことから、先般の国会において、年金法改正案の修正が行われたわけであります。すなわち、政府は、社会保障制度全般について、保険料、税などの負担のあり方、給付のあり方について一体的な検討を行い、必要な措置を講ずることとされたわけであります。ぜひ、社会保障制度改革の前提として、この一体見直しを早急に進めていただきたいとお願いいたします。
このように社会保障制度全体の一体見直しが必要なのは、現在の社会保障制度について国民が何らかの不安あるいは不信というものを感じつつある、持ちつつあるということからだと思います。このような議論は、一体見直しをすれば当然に、社会保障制度というものはどうあるべきかということを、つまり、全体としての社会保障制度改革の理念というものを議論せざるを得ないと思います。
我が国は、福祉国家の実現を目指して、今日まで社会保障に関する公的制度を質量ともに拡大の一途を進めてまいりました。しかし、その結果、今や、社会保障、社会福祉に関する公的制度は、それなしでは家族や地域などの生活基盤も維持できないという、不可欠なものになっておるわけでありまして、さらなる充実というものも要望されているわけであります。
しかし、今日に至って、これまでやってきたことをこのままさらに続けていけるのだろうか、あるいは続けることでいい社会になるのであろうかという、明確ではありませんけれども、そこはかとない疑念が国民の間に深まっているというふうに思われます。
それは一つは、少子高齢化の中で、将来にわたり、さらに公的制度の拡大に伴う負担の増大に国民や企業は耐えられるんだろうか、あるいは現行の給付の水準は維持できるんだろうか。すなわち、今までと同じようにやっておると公的制度の破綻は避けられないのではないかという、制度の将来に対する不安を感じつつあります。
もう一つは、社会保障、社会福祉の拡大によって、結果として、国民の生活全般が国の社会保障、社会福祉に関する公的制度に依存するという傾向を生じております。このような社会というものが我が国の目指すべき社会として適切なんだろうかという、社会のあり方に関する疑念であります。家族や地域社会の崩壊、あるいは少子化の進展、治安の低下、種々の社会問題の発生というものがこの疑念を深めているというふうに私は思います。
このように考えますと、今や我が国の社会保障制度は大きな岐路に立っておる、社会保障制度のあり方を新たな観点から見直して、将来に向けての新たな方向づけを迫られていると思います。
こういうことを今後議論していかなければならないと思うわけでありますが、ぜひ総理においてもこういう問題についてきちんと懇談会等で議論していただくようにしていただきたいと思うわけでありますが、総理の所見をお伺いしたいと思います。