森嶌昭夫の発言 (環境委員会)

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○森嶌参考人 おはようございます。森嶌でございます。
 私は、本日、この委員会で審議していただいております地球温暖化対策推進法を含みます政府の地球温暖化対策の諸対策につきまして、地球温暖化問題への国内対策に関する関係審議会合同会議という大変長い名前の政府の会議がございますが、その会議の議長といたしまして、また、前中央環境審議会の会長といたしまして、現在、政府で閣議決定に向けて最終的にその策定の作業を進めておられるということでございますが、京都議定書目標達成計画の中環審における策定にかかわってまいりました立場から、本日の意見の陳述をさせていただきたいと思います。
 御案内のように、地球温暖化対策推進法は平成十年に成立をしておりまして、実は、私はその際に参議院の国土・環境委員会で参考人として意見陳述をさせていただいております。この法律は、その平成十年の前年の京都会議で、日本は京都議定書が成立いたしますと、温室効果ガスを六%、一九九〇年を基準として削減をするという義務を負うということになっていたものでございますから、そこで、京都議定書が発効する際に向けて、まだ具体的な詳細は決まっておりませんでしたけれども、温室効果ガスは国民各界各層にかかわっているものでございますので、国、地方公共団体、事業者、国民、すべてがその削減に向けての責務を負うという観点からその体制を組もうということ、それから、政府がそれに向けて総合的、有機的な施策の体系をつくるということで基本方針をつくるべきであるというようなことから、いわば一種の枠組みの法律をつくろうということで、具体的な内容はそれほど詳細に権利義務を決めたものではございませんでしたけれども、法律をつくったわけでございます。
 そして、さらに平成十四年に改正をいたしております。これは、前年にマラケシュでCOP7という第七回の締約国会議がございまして、ここで京都議定書の運用細則が決まりまして、いよいよ、どういうふうに京都議定書が動きそうだということが決まってまいりました。そして、我が国の議定書の締結に向けて国内法の整備をする必要があるということで、改正をしたわけでございます。まだ京都議定書は発効しておりませんでしたけれども、京都議定書が発効した場合には、こういう権利義務にもかかわるようなことも含めて、我が国ではこういうことを始めるということで法律を改正したわけでございますが、この際にも、私はこの委員会に、当時、中環審の委員でございましたので、やはり参考人として意見陳述をさせていただきました。
 ここでは、まだ京都議定書は実効性を持っておりませんでしたので、実効性を持った場合にはということで、条件つきではございましたけれども、京都議定書目標達成計画を法律上のものとして規定する、そして内閣に地球温暖化対策推進本部を法律上のものとして置く。これは既に実際上に置かれておりましたけれども、これを法律上のものとして置くということでありました。そして、その改定の際に、一部に、温室効果ガスの排出量の算定を国がいたしまして、京都議定書の義務としてそれを記録して報告する、国としてそういうことをしなければなりませんので、それを算定する。そこで、そのためにそういう作業を行って、それを公表するという、環境大臣がそういうことをするということもうたってございます。これは、いずれも京都議定書が発効してから実際に法律的に行うということでございます。
 そこで、今回の改正は、そうしたものを前提として、いわば京都議定書の発効に伴う改正でございます。それで、今回の改正は、実はこの法律の一部改正だけという点を考えてみますと、ささいな改正と申しますと大変失礼な言い方でございますけれども、それ自身は非常に小さな点のように見えますけれども、実は、これは先ほど申しました京都議定書目標達成計画などとの、我が国が京都議定書の目標達成のさまざまな施策を推進していく一環として、この法律の改正も位置づけられているわけでございます。
 ことしの二月に京都議定書が発効することになったわけですが、それ以前から、中環審、それから経済産業省に置かれております産構審、産業構造審議会というのがございますが、私はそこの委員でもございますけれども、そこで現在我が国の温暖化対策はどういうふうに進んでいるだろうということをチェックしてまいりましたが、残念ながら、進んでいないどころか、現実にはふえております。
 産業部門は、これも削減というわけにはまいりませんけれども、一生懸命努力しておられますけれども、計画の上では一応達成よりもちょっとふえておりますけれども、民生部門、運輸部門などはふえておりまして、御案内かと思いますけれども、二〇〇三年の速報値では八%プラスでございまして、そうだといたしますと、六%を削減しなきゃならないということになりますと一三%ぐらいの削減をしなければならない。といたしますと、これは追加的な対策をこれからどんどんととっていかなければならないということで、中環審、それから産構審等で大いに議論をいたしまして、これから、二〇〇八年の京都議定書の現実の義務化が始まる前に何とかしなければならないということで、現在、先ほど申しました京都議定書目標達成計画でいろいろな措置を考えているわけであります。
 同時に、先ほど申しました合同会議におきまして、私も総理にお目にかかって、実際に計画で書いてあるけれども、それをどう実行するかということが大事であると。まず政府が率先して実行すること、さらに、政府の各省がばらばらにやっていたのではだめなので、これを政府間で連携をして、協力をして、政府が一体となって進めていかなければならないし、また、それぞれの施策も、それをポリシーミックス、ポリシーを組み合わせてやらなければ、ばらばらにやっていたのでは、いい政策も実現の効果が上がらないということを申し上げて、ぜひ総理のリーダーシップをお願いするということで、達成計画がもうすぐ閣議決定されるのだろうと思いますけれども。
 そして、法律の面では、本日御審議を願っておりますこの推進法の一部改正と、それから省エネ法の改正、それからもう一つ、流通業務の統合化及び効率化の推進に関する法律ということで、これは、なるべく生産と流通と、それから輸出等の問題、こういうものを省エネで効率よくやろうというような法律でございますが、これは私のきょうの課題ではございませんので、いずれ出てくることだろうと思いますけれども、これらはいわばワンパッケージでございます。
 私、何回か参考人に呼ばれておりますけれども、きょう非常に難しいのは、この法律だけがどういう意味であってというふうに御説明をしてお願いをするのでは十分でない、全体の中でこの法律がどういう意味を持っているということを御説明しなければならないのではないかという点で、繰り返し申し上げますけれども、この推進法の改正はあくまでもパッケージの一つであり、しかも全体の中の一環であるということでございます。
 そこで、では、この法律の改正は何があるのか、どういう点が改正されるのかということでありますが、まず一つは、長期的展望に立った温暖化対策の実施の推進に関する総合調整を、先ほど申しました推進本部の役割とするということが法律に書き込まれます。つまり、計画をつくってということだけではなくて、実施の推進をする、そのために毎年チェックをする、合同会議もチェックをするということでございます。そして、政府の間で連携を図って、一体化をして進めていくということでございます。
 それから二番目が、先ほど永里参考人の方からもお話がございました、温室効果ガスの算定・報告・公表制度を導入するということでございます。
 これは、一つは、国にとっては、先ほど申しました、これは、大企業、事業所、これは新しく運輸も入りますけれども、事業所からの温室効果ガスの排出量の報告を受けて、国としてそれを把握するということでございます。企業ごと、業種ごとに把握して、これを施策に国として全体として反映をさせていくということでありますし、都道府県ごとに集計して、都道府県などの地方自治体の政策に反映させるという意味でのデータとなると思います。事業所、事業者は、みずからそれを毎年集計することによって、みずからが、では、これからは自分たちでどういうふうにして削減していくかという、みずからの取り組みに反映をさせていくということであろうかと思います。
 そして、一般の人にとって見れば、公表をするということを通じて、最近、はやりでございます、いわば透明性があることによって、世の中はどういうふうに動いているか、それを通じて、情報的手法と申しますけれども、ですから、どこが何をしているかというよりも、世の中がどう動いているかということによって、自分たちも何をしなければならないか、先ほど申しましたように、実は民生などは非常に排出量がふえておりますので、事業者は何をやっているか、自分たちも何をしなければならないかということを自覚して参加をしてもらうということであろうかと思います。それぞれ意味が違うと思います。
 そこで、最後にお願い申し上げたいのは、国民各界各層が参加をしないと、今の状態ではこれはとても間に合わない。先ほど申しましたように、今の状態では、今の施策を進めても、恐らく六%は足らないというような感じでございます。
 そこで、国会の先生方もぜひリーダーシップをとっていただきたい。総理もリーダーシップをとるというふうにおっしゃっていただきましたけれども、ぜひリーダーシップをとって、この法律だけではなくて全体を見て、我が国がこの温暖化の問題についてリーダーシップをとれるような施策をぜひ進めていただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。
 どうもありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 森嶌昭夫

speaker_id: 32628

日付: 2005-04-26

院: 衆議院

会議名: 環境委員会