環境委員会

2005-04-26 衆議院 全178発言

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会議録情報#0
平成十七年四月二十六日(火曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
   委員長 小沢 鋭仁君
   理事 大野 松茂君 理事 桜井 郁三君
   理事 竹下  亘君 理事 西野あきら君
   理事 奥田  建君 理事 近藤 昭一君
   理事 肥田美代子君 理事 石田 祝稔君
      宇野  治君    大前 繁雄君
      加藤 勝信君    城内  実君
      小坂 憲次君    鈴木 淳司君
      砂田 圭佑君    根本  匠君
      能勢 和子君    鳩山 邦夫君
      船田  元君    松宮  勲君
      水野 賢一君    荒井  聰君
      佐藤謙一郎君    田島 一成君
      長浜 博行君    松本  龍君
      村井 宗明君    吉田  泉君
      高木美智代君    土井たか子君
      山本喜代宏君
    …………………………………
   環境大臣         小池百合子君
   経済産業副大臣      小此木八郎君
   環境副大臣        高野 博師君
   環境大臣政務官      能勢 和子君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           樋口 修資君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           木谷 雅人君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房文教施設企画部長)      大島  寛君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           深野 弘行君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            岩井 良行君
   政府参考人
   (気象庁長官)      長坂 昂一君
   政府参考人
   (環境省総合環境政策局環境保健部長)       滝澤秀次郎君
   政府参考人
   (環境省地球環境局長)  小島 敏郎君
   参考人
   (株式会社旭リサーチセンター代表取締役社長)   永里 善彦君
   参考人
   (財団法人地球環境戦略研究機関理事長)      森嶌 昭夫君
   参考人
   (財団法人世界自然保護基金ジャパン気候変動日本担当シニア・オフィサー)  鮎川ゆりか君
   参考人
   (特定非営利活動法人気候ネットワーク常任運営委員)            畑  直之君
   環境委員会専門員     遠山 政久君
    —————————————
委員の異動
四月二十六日
 辞任         補欠選任
  宇野  治君     水野 賢一君
  土井たか子君     山本喜代宏君
同日
 辞任         補欠選任
  水野 賢一君     宇野  治君
  山本喜代宏君     土井たか子君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第七九号)
     ————◇—————
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小沢鋭仁#1
○小沢委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案審査のため、参考人として、株式会社旭リサーチセンター代表取締役社長永里善彦君、財団法人地球環境戦略研究機関理事長森嶌昭夫君、財団法人世界自然保護基金ジャパン気候変動日本担当シニア・オフィサー鮎川ゆりかさん、特定非営利活動法人気候ネットワーク常任運営委員畑直之君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、参考人各位からお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
 それでは、まず永里参考人にお願いいたします。
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永里善彦#2
○永里参考人 おはようございます。旭リサーチセンターの永里でございます。
 私は現在、環境省の中央環境審議会の地球温暖化部会の臨時委員を仰せつかっております。また、日本経団連における検討にも参加しておりまして、本日は、産業界に身を置く者として、地球温暖化問題に対する産業界の自主的な取り組みの状況や基本的な考え方なども紹介しながら、今回の温暖化対策法につきまして若干の意見を陳述させていただきたいと存じます。
 御承知のように、二月十六日に京都議定書が発効し、我が国は九〇年度比六%削減という重い約束を達成することが義務となりました。申し上げるまでもなく、地球温暖化問題は、我々がこれから未来永劫に対応していかなければならない長期的でかつ地球規模の問題であります。この問題に対応するために、国民一人一人、政府、地方自治体、企業などのあらゆる主体が、みずからの問題としてとらえ、それぞれ自覚と責任を持って行動を続けていくことが何より重要であると考えております。
 この自主的な取り組みに関し、産業界の行動の中心となっているのが日本経団連の環境自主行動計画であります。経団連では、一九九二年の地球サミットに先駆けまして、一九九一年に経団連地球環境憲章を策定し、また、一九九六年には経団連環境アピールというものを策定しております。さらに、これらを受ける形で、京都議定書に先立つ一九九七年に、二〇一〇年度に産業部門及びエネルギー転換部門からのCO2排出量を一九九〇年度レベル以下に抑制するよう努力するという統一目標を掲げ、経団連環境自主行動計画として、社会にコミットし、行動することで大きな成果を上げているところであります。
 本日の温暖化対策推進法の報告・公表制度にも関係いたしますが、経団連の自主行動計画は、目標の設定、行動、取り組みのフォローアップ、計画の結果の公表という、政府が今般京都議定書目標達成計画で行おうとしているPDCAサイクルと同様の手法を用いております。経団連自主行動計画には現在三十四業種が参加しており、我が国の産業部門及びエネルギー転換部門の約八割強をカバーするに至っております。
 二〇〇三年度のフォローアップ実績も既に公表したところでありますが、これによりますと、九〇年比で〇・六%の削減、これには原子力発電所の停止が影響しておりますが、これを考慮いたしますと、実質的には三・八%の削減を達成している計算になります。
 産業界といたしましては、おのおのの業種の実態を最もよく把握し、最も効率的な手法で環境と経済の両立を図っていくためには、自主的な取り組みを強化していくことが最善かつ不可欠であると認識しております。今後とも、透明性、信頼性を一層向上させながら、自主行動計画を着実に達成することで我が国の温暖化対策に貢献してまいりたいと考えております。
 また、環境問題に対する企業の取り組みを積極的に情報公開していこうということで、昨年一月には環境報告書等の三年間倍増計画を宣言いたしまして、会員企業各社に呼びかけを行っております。
 経団連が会員企業を対象に昨年行ったアンケート調査によりますと、環境報告書を作成している企業は回答企業のうちの五四%、また自社のホームページに環境情報を掲載している企業は七四%にも上ります。また、近い将来に作成する予定と回答した企業も多数あり、企業の環境に関する自発的な情報提供の意識は急速に広がっております。今や環境問題に対する企業の取り組み姿勢自体が投資家などによる企業評価につながっており、企業価値を高めるためにも環境情報の提供が重要な経営課題の一つとなりつつあることを示しております。
 このように、企業サイドでは、環境問題に対して自主的な目標を社会に掲げ、その達成のためにみずから行動することを取り組みの基本姿勢としております。
 今般の京都議定書発効を受けまして、現在、政府では京都議定書目標達成計画を策定中と伺っております。計画案によりますと、経団連の自主行動計画は産業・エネルギー転換部門における対策の中心的役割を果たすものとされておりまして、我々といたしましても、役割の重要性を改めて認識しているところであります。
 さて、今後我が国が目標達成に向けて着実な対応を継続していくためには、個々の対策について定期的に定量的な評価を行い、その進捗状況を把握しながら、追加的な対応が必要か否かを判断していかなければいけません。そのためには、今回の温暖化対策推進法や省エネ法の改正で求められるような、排出量に関して一定の報告や公表を制度化することも必要であろうと存じます。
 産業界といたしましては、先ほど申し上げたとおり、環境報告書などを通じた自主的な環境情報の開示が最も効果的であると考えてはおりますが、規模の大きくない企業やサービス業などの第三次産業では、まだ自主的な取り組みが十分でない部分もございます。また、情報の統一性を図るという観点からも、法律により一定の報告を義務づけることは、温暖化対策を進める上で有用であろうと考えているところであります。
 法律に基づきまして排出量の報告や公表を行う場合に、企業として最も御留意いただきたい点は、やはり企業秘密に当たる部分の扱いであります。この点に関しましては、今回の法案におきましても一定の御配慮をいただいているところでありますが、なぜ温室効果ガスの公表が企業秘密に当たるのかにつきまして、例えば半導体を例にしまして、この機会に御説明させていただきたいと存じます。
 我が国の産業を支えている半導体産業では、炭酸ガスに比べて極めて高い温室効果を持つSF6、PFC、N2Oなどの温室効果ガスが、半導体や液晶の特定の製造工程で、性能などを決定する反応ガスの一つとして使用されています。この反応ガスの役割は、具体的にはトランジスタや配線を形成するのですが、製品を加工し、性能、品質、生産性を決定する重要な要素の一つになっています。これらのガスは限られた特定用途の製造工程でのみ使用されますので、工場の排出量やガス名の報告、公表により、競合企業は歩どまりを推定でき、製造コストを推定できます。また、新技術を開発して製品化すれば、ガスの種類と使用量もおのずと変わってきますので、新製品の開発状況が推定できます。これが、国内だけでなく、韓国、台湾、中国にも筒抜けになりますので、まさしく敵に塩を送るようなもので、国際競争力の低下につながります。
 したがって、半導体各社はこの反応ガスに関する情報の企業内管理を徹底して行っています。すなわち、技術部門では、ガス流量などは製造指示書として担当の技術者が指定し、技術文書として企業秘密にしています。製造現場では、製造指示書は管理監督者、担当者以外の閲覧は不可能になっていて、これも技術書として企業秘密にしています。また、購買部門でも、ガスに関する情報は材料購入価格などと同様の重要な購買データとしても管理され、製造原価を決める重要な要素として企業秘密にしています。
 以上のように、温室効果ガスの公表の仕方によっては、そのまま企業の生産プロセスや製造コストが明らかになってしまうことにつながります。このことは、繰り返しになりますが、単に国内企業他社との関係のみならず、我が国産業の秘密を諸外国にさらすことにもつながり、ひいては我が国産業の国際競争力を低下させることにもつながりかねません。今後、地球温暖化問題を考えていく上で、いかに経済と環境とを両立させていくかという点が最も重要な課題でありますが、そのような観点からも、企業の秘密の保護に関しましては、どうかよく御理解をいただきたいと存じます。
 京都議定書の発効に伴いまして、産業界といたしましては、みずからの取り組みを一層強めることによって温暖化対策に貢献してまいりたいと考えております。また、これまで取り組みがおくれていた民生や運輸部門に関しましても、よりすぐれた省エネ型製品やサービスを充実したり、物流を合理化したり、あるいは従業員の家庭での省エネを支援するといった取り組みを通じて貢献してまいる所存です。環境と経済の両立を目指して、国や地方自治体、関係諸団体との連携も深めながら行動してまいりたいと考えておりますので、何とぞよろしく御理解を賜りたいと思います。
 私からの意見陳述は以上でございます。ありがとうございました。拍手
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小沢鋭仁#3
○小沢委員長 ありがとうございました。
 次に、森嶌参考人にお願いいたします。
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森嶌昭夫#4
○森嶌参考人 おはようございます。森嶌でございます。
 私は、本日、この委員会で審議していただいております地球温暖化対策推進法を含みます政府の地球温暖化対策の諸対策につきまして、地球温暖化問題への国内対策に関する関係審議会合同会議という大変長い名前の政府の会議がございますが、その会議の議長といたしまして、また、前中央環境審議会の会長といたしまして、現在、政府で閣議決定に向けて最終的にその策定の作業を進めておられるということでございますが、京都議定書目標達成計画の中環審における策定にかかわってまいりました立場から、本日の意見の陳述をさせていただきたいと思います。
 御案内のように、地球温暖化対策推進法は平成十年に成立をしておりまして、実は、私はその際に参議院の国土・環境委員会で参考人として意見陳述をさせていただいております。この法律は、その平成十年の前年の京都会議で、日本は京都議定書が成立いたしますと、温室効果ガスを六%、一九九〇年を基準として削減をするという義務を負うということになっていたものでございますから、そこで、京都議定書が発効する際に向けて、まだ具体的な詳細は決まっておりませんでしたけれども、温室効果ガスは国民各界各層にかかわっているものでございますので、国、地方公共団体、事業者、国民、すべてがその削減に向けての責務を負うという観点からその体制を組もうということ、それから、政府がそれに向けて総合的、有機的な施策の体系をつくるということで基本方針をつくるべきであるというようなことから、いわば一種の枠組みの法律をつくろうということで、具体的な内容はそれほど詳細に権利義務を決めたものではございませんでしたけれども、法律をつくったわけでございます。
 そして、さらに平成十四年に改正をいたしております。これは、前年にマラケシュでCOP7という第七回の締約国会議がございまして、ここで京都議定書の運用細則が決まりまして、いよいよ、どういうふうに京都議定書が動きそうだということが決まってまいりました。そして、我が国の議定書の締結に向けて国内法の整備をする必要があるということで、改正をしたわけでございます。まだ京都議定書は発効しておりませんでしたけれども、京都議定書が発効した場合には、こういう権利義務にもかかわるようなことも含めて、我が国ではこういうことを始めるということで法律を改正したわけでございますが、この際にも、私はこの委員会に、当時、中環審の委員でございましたので、やはり参考人として意見陳述をさせていただきました。
 ここでは、まだ京都議定書は実効性を持っておりませんでしたので、実効性を持った場合にはということで、条件つきではございましたけれども、京都議定書目標達成計画を法律上のものとして規定する、そして内閣に地球温暖化対策推進本部を法律上のものとして置く。これは既に実際上に置かれておりましたけれども、これを法律上のものとして置くということでありました。そして、その改定の際に、一部に、温室効果ガスの排出量の算定を国がいたしまして、京都議定書の義務としてそれを記録して報告する、国としてそういうことをしなければなりませんので、それを算定する。そこで、そのためにそういう作業を行って、それを公表するという、環境大臣がそういうことをするということもうたってございます。これは、いずれも京都議定書が発効してから実際に法律的に行うということでございます。
 そこで、今回の改正は、そうしたものを前提として、いわば京都議定書の発効に伴う改正でございます。それで、今回の改正は、実はこの法律の一部改正だけという点を考えてみますと、ささいな改正と申しますと大変失礼な言い方でございますけれども、それ自身は非常に小さな点のように見えますけれども、実は、これは先ほど申しました京都議定書目標達成計画などとの、我が国が京都議定書の目標達成のさまざまな施策を推進していく一環として、この法律の改正も位置づけられているわけでございます。
 ことしの二月に京都議定書が発効することになったわけですが、それ以前から、中環審、それから経済産業省に置かれております産構審、産業構造審議会というのがございますが、私はそこの委員でもございますけれども、そこで現在我が国の温暖化対策はどういうふうに進んでいるだろうということをチェックしてまいりましたが、残念ながら、進んでいないどころか、現実にはふえております。
 産業部門は、これも削減というわけにはまいりませんけれども、一生懸命努力しておられますけれども、計画の上では一応達成よりもちょっとふえておりますけれども、民生部門、運輸部門などはふえておりまして、御案内かと思いますけれども、二〇〇三年の速報値では八%プラスでございまして、そうだといたしますと、六%を削減しなきゃならないということになりますと一三%ぐらいの削減をしなければならない。といたしますと、これは追加的な対策をこれからどんどんととっていかなければならないということで、中環審、それから産構審等で大いに議論をいたしまして、これから、二〇〇八年の京都議定書の現実の義務化が始まる前に何とかしなければならないということで、現在、先ほど申しました京都議定書目標達成計画でいろいろな措置を考えているわけであります。
 同時に、先ほど申しました合同会議におきまして、私も総理にお目にかかって、実際に計画で書いてあるけれども、それをどう実行するかということが大事であると。まず政府が率先して実行すること、さらに、政府の各省がばらばらにやっていたのではだめなので、これを政府間で連携をして、協力をして、政府が一体となって進めていかなければならないし、また、それぞれの施策も、それをポリシーミックス、ポリシーを組み合わせてやらなければ、ばらばらにやっていたのでは、いい政策も実現の効果が上がらないということを申し上げて、ぜひ総理のリーダーシップをお願いするということで、達成計画がもうすぐ閣議決定されるのだろうと思いますけれども。
 そして、法律の面では、本日御審議を願っておりますこの推進法の一部改正と、それから省エネ法の改正、それからもう一つ、流通業務の統合化及び効率化の推進に関する法律ということで、これは、なるべく生産と流通と、それから輸出等の問題、こういうものを省エネで効率よくやろうというような法律でございますが、これは私のきょうの課題ではございませんので、いずれ出てくることだろうと思いますけれども、これらはいわばワンパッケージでございます。
 私、何回か参考人に呼ばれておりますけれども、きょう非常に難しいのは、この法律だけがどういう意味であってというふうに御説明をしてお願いをするのでは十分でない、全体の中でこの法律がどういう意味を持っているということを御説明しなければならないのではないかという点で、繰り返し申し上げますけれども、この推進法の改正はあくまでもパッケージの一つであり、しかも全体の中の一環であるということでございます。
 そこで、では、この法律の改正は何があるのか、どういう点が改正されるのかということでありますが、まず一つは、長期的展望に立った温暖化対策の実施の推進に関する総合調整を、先ほど申しました推進本部の役割とするということが法律に書き込まれます。つまり、計画をつくってということだけではなくて、実施の推進をする、そのために毎年チェックをする、合同会議もチェックをするということでございます。そして、政府の間で連携を図って、一体化をして進めていくということでございます。
 それから二番目が、先ほど永里参考人の方からもお話がございました、温室効果ガスの算定・報告・公表制度を導入するということでございます。
 これは、一つは、国にとっては、先ほど申しました、これは、大企業、事業所、これは新しく運輸も入りますけれども、事業所からの温室効果ガスの排出量の報告を受けて、国としてそれを把握するということでございます。企業ごと、業種ごとに把握して、これを施策に国として全体として反映をさせていくということでありますし、都道府県ごとに集計して、都道府県などの地方自治体の政策に反映させるという意味でのデータとなると思います。事業所、事業者は、みずからそれを毎年集計することによって、みずからが、では、これからは自分たちでどういうふうにして削減していくかという、みずからの取り組みに反映をさせていくということであろうかと思います。
 そして、一般の人にとって見れば、公表をするということを通じて、最近、はやりでございます、いわば透明性があることによって、世の中はどういうふうに動いているか、それを通じて、情報的手法と申しますけれども、ですから、どこが何をしているかというよりも、世の中がどう動いているかということによって、自分たちも何をしなければならないか、先ほど申しましたように、実は民生などは非常に排出量がふえておりますので、事業者は何をやっているか、自分たちも何をしなければならないかということを自覚して参加をしてもらうということであろうかと思います。それぞれ意味が違うと思います。
 そこで、最後にお願い申し上げたいのは、国民各界各層が参加をしないと、今の状態ではこれはとても間に合わない。先ほど申しましたように、今の状態では、今の施策を進めても、恐らく六%は足らないというような感じでございます。
 そこで、国会の先生方もぜひリーダーシップをとっていただきたい。総理もリーダーシップをとるというふうにおっしゃっていただきましたけれども、ぜひリーダーシップをとって、この法律だけではなくて全体を見て、我が国がこの温暖化の問題についてリーダーシップをとれるような施策をぜひ進めていただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。
 どうもありがとうございました。拍手
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小沢鋭仁#5
○小沢委員長 ありがとうございました。
 次に、鮎川参考人にお願いいたします。
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鮎川ゆりか#6
○鮎川参考人 おはようございます。WWFジャパンの鮎川です。
 WWFは、御存じだと思いますけれども、一九六一年に設立された世界最大規模の自然保護団体で、約四百六十万人と約一万社・団体のサポーターによって支えられております。百カ国以上の国で活動しており、プログラムとしては、森林、淡水、有害化学物質、生物の種の保全及び気候変動プログラムが展開されています。気候変動プログラムでは、二十五カ国、五十名から成るグローバルなチームが編成されておりまして、私はその中で日本担当をしております。二一〇〇年までの世界の気温上昇を二度未満に抑えるべく、最大の排出セクターである電力部門に焦点を当てたパワー・スイッチ!キャンペーン、企業の自主的取り組みとして削減目標を掲げ、それを第三者機関に検証、認証してもらうクライメート・セイバーズ・プログラム、そして日本においては、大規模排出者に向けた国内排出量取引制度の提案、及び一般の方たちの参加できる温DOWN化計画キャンペーンなどを展開しております。
 ことし二月十六日京都議定書が発効し、ようやく国際的な取り組みが始まったということで、そうした中で、日本は京都議定書の約束を達成するために京都議定書目標達成計画案を立てたことは評価したいと思います。しかし、この計画案は、以下の点で残念なものとなっています。
 それは、九〇年以来日本の温室効果ガス排出の増大傾向をとめられなかった反省に基づいておらず、増大傾向が続いている分野や、特に排出量の多い事業者に対する新たな政策、施策が定められていない。それから、長期的に見て、脱温暖化社会構築を促す枠組みがなく、この達成計画案は排出を減少方向に向かわせるものとなっていない。新たなものと言えるのは、省エネルギー法の改正による省エネの取り組み強化、拡大と、本日議論されております温暖化対策推進法の改正による排出量算定・報告・公表制度でありますけれども、これ自体が排出削減につながるわけではなく、排出量削減を担保するものともなっておりません。しかし、これは、排出実態を把握し削減対策を立てる上での第一歩でありますので、それについて以下のことを述べさせていただきます。
 まず、排出の抑制という言葉があちこちで使われているんですけれども、これはすべて削減とするべきではないかという点です。
 例えば、第一条「目的」のところに「温室効果ガスの排出の抑制等を促進するための措置」とありますけれども、これは排出の削減とするべきでありますし、ほかにも、「国の責務」「地方公共団体」では「削減」となっているのに、「温室効果ガス総排出量が相当程度多い事業者について温室効果ガスの排出の抑制」となっていますし、四章のタイトルも「温室効果ガスの排出の抑制」となっています。
 既に先ほどもお話があったように、二〇〇二年時点で排出量は九〇年レベルより七・六%増大しており、今は抑制等ということで済む話ではなく、削減を担保しなくてはならないということが問題なので、すべてこの法案では抑制という言葉を削減に置きかえるべきだというふうに思います。
 それから、公表の中身と方法についてなんですけれども、それについてはいろいろ二十一条に書いてありますが、一般の人たちが見やすい形で公表されるのかどうかということは不明です。そして、集計されたものでなく、個別の企業、業種、都道府県の排出量を私たちが知るためには開示の請求を行わなければならないのだとすると、本当の意味での公表に相当することにはならないと思います。
 それで、排出量の情報開示は企業の社会的責任でもあり、そうした観点からも、本法律改正によって、企業単位、事業単位、都道府県単位の排出量がデータベース化され、ウエブなどで開示されて、私たちが自由にアクセスできるようにするべきです。その方が、一々開示請求をして、それに対応するという行政側の負担も軽くなるはずです。また、そういうふうにすると、企業にとっての削減インセンティブもわきます。にもかかわらず、もし情報開示請求というハードルを国民に対して置くのであれば、それがなぜ必要なのかを説明していただきたいと思います。
 それから、二十一条の八で、「温室効果ガス算定排出量の増減の状況に関する情報その他の情報を提供することができる。」とありますが、これは重要な点だと思います。というのも、この制度の運用に当たっては、ただ単に排出量を公表するだけではなく、事業者がどのようにして排出削減計画を立て、どのようにして実施し、その結果としてどのような削減量が獲得できたかということが適切に反映されるような公表の仕方にするべきであります。そうすれば、達成計画案でも述べられているように、国民、事業者全般の自主的取り組みの促進へのインセンティブ、そして機運を高めることにつながるからです。
 その努力の中には、例えば、現在は寄附としてしか扱われていない自然エネルギー発電からの電力をグリーン電力証書という形で購入するいわゆるグリーン電力制度なども、排出量から削除する、あるいは削減量として記載し報告、公表できるようになれば、グリーン電力証書購入の大きなインセンティブにつながり、事業者にとってはグリーン電力の購入が費用効果的な対策になり、欠かせない手段となります。そうすると、日本のおくれている再生可能な自然エネルギー事業全体の拡大、発展に寄与し、再生可能エネルギーの割合を高めることになると思います。
 次に、温室効果ガス総排出量が相当程度多い事業者についてですけれども、先ほども言いましたけれども、これに対しては政策がなく、排出抑制のための今回のこの公表制度以外は何ら政策がないわけです。
 WWFジャパンは、昨年来、国内排出量取引制度を導入するべきだと提案しております。この制度は産業界の方々に統制経済であると大いなる誤解をされていますが、実際は全く異なり、むしろ、排出枠の売買を行うことにより最も安いところで削減が行われる、コスト効果の高い制度であります。
 国内排出量取引は、確実に削減量を確保でき、対象部門の削減費用を最小化し、CDM、JIなどの活用の明確なインセンティブとなります。また、直接規制に比べて個々の主体がとる対策の自由度が高く、余剰削減分が売却できるため、水準以上の努力をするインセンティブが働くなどの点において、大規模排出者に対しては有効な制度であります。また、CO2排出をコストとすることで企業の経済活動の中に温暖化対策を必然的に組み込むことになり、これは、長期的に投資の傾向や金融市場における企業評価にも影響を与え、社会を脱炭素型へと誘導していく枠組みになります。
 お手元にお配りしておりますWWF提案の概要をごらんいただきたいと思います。制度設計は、ここでも述べているように、いかようにもできるので、この方向さえ確認できれば細部のルールについての議論が始められると思いますし、むしろ、早急に議論を始めるべきだと思っています。
 というのも、御存じのように、EUではことしの一月より域内排出量取引制度のパイロットフェーズを動かし始めました。そして、既に第二フェーズに向けた制度の見直しが行われております。ノルウェー、スイス、カナダ、オーストラリア、そしてアメリカでも国内排出量取引制度導入を検討中で、これもEUとのリンクを見込んで制度設計しています。
 これらの制度が互いにリンクし合うことになると、日本だけがその取引市場から取り残されてしまうことになります。これは日本経済にとってもマイナスになりかねません。また、こうした排出量取引制度のリンクによって、長期的には、実質的にアメリカを温暖化対策の枠組みの中に巻き込んでいくという戦略も考えられますので、国際的な観点からもこの制度は重要です。
 こうした取引制度はこれからの環境政策の主流となるというふうに考えられておりまして、各国とも、やってみながらどんな制度にしたらいいかを学んでいるところです。制度におけるさまざまな基準やノウハウの蓄積が、日本が何もしないうちにどんどん欧米諸国では進み、このままではまた欧米諸国に先に基準をつくられ、国益の観点からもこの制度に対する検討は重要だというふうに思います。
 さらに、そのほか、目標達成計画の問題点はいろいろあるんですけれども、民生に対する対策がないということで、これは政策が必要であります。国民運動だけでは一人一人のライフスタイルを変えていくことにはつながらないので、特に、環境税などのような制度も重要だというふうに思います。
 それから、再生可能エネルギーについても、相変わらず新エネルギーという言葉が使われているんですけれども、これは、未利用エネルギーとともに、再生可能エネルギーというふうに、世界で使われている言葉に改めるべきだというふうに思います。それは、RPS法と言われている法律のRはリニューアブルということで、再生可能エネルギーというふうに訳されますし、このように世界で統一された言葉を使わないと、日本の状況は世界に理解されないということがあります。
 そしてまた、日本の再生可能エネルギー導入量が非常に低いことを考えると、RPS法だけではなく、再生可能エネルギーによる電力の固定価格買い取り制度、いわゆるフィード・イン・ローを考えるべきだと思います。特にバイオマスエネルギーに関してはこういう制度を導入し、またさらに、木質バイオマスによる地域分散型発電、コージェネレーションなどを導入して、日本の森林を活性化させるべきだというふうに思います。
 次に、原子力発電なんですけれども、原子力発電は、発電の際にCO2を排出しないとしても、ウラン採掘、燃料精製、濃縮、加工、製造、輸送、放射性廃棄物の処理などについては多大なエネルギーを使い、温暖化対策としては不適切で、京都メカニズムのCDM、JIの対象事業としても外されました。
 そしてまた、日本の原発は既に二十年以上たつものが多くなり、その老朽化があらゆる問題を起こしておりまして、その典型的な事例として、昨年、美浜原発事故が起きました。CO2排出原単位を向上させるために原発の設備利用率を上げるということが挙げられていますけれども、こうした事故の危険性をさらに増すことになります。
 その前には東京電力による定期検査のデータ捏造が発覚し、すべての原発を停止して、改めて検査をし直さなければならないという事態が起こりまして、その場合に、代替電源として火力発電が使われたわけです。
 そのように、原発は安定的な電源とは言いがたく、そして温暖化を防ぐために原発を主柱に置くということは、不安定、不確実さをもたらすということが明らかになったわけです。ぜひ、温暖化対策として原発を柱に置くことは考え直していただきたいと思います。
 さらに、達成計画案には、原発の推進だけではなく核燃料サイクルの確立ということまでもが言われているんですけれども、これは国際的に見て非常に問題だと思います。
 核燃料サイクル自体は、日本のエネルギー保障上の悲願ではありますけれども、これを確立している国は世界じゅうどこにもなく、非現実的なものであります。実際に日本でも、「もんじゅ」が事故を起こして以来とまっておりますし、プルトニウム利用は今MOX利用が中心になっていますが、これも進んでいません。
 そういうふうにプルトニウムの需要がない中で六ケ所の再処理工場が稼働に向けて動き始めていますけれども、これは核拡散の観点から非常に問題であり、アナン国連事務総長も、三月二十一日付の国連改革に関する勧告において、ウラン濃縮及びプルトニウムの分離の能力については各国が自発的に差し控えるようというふうに述べ、核拡散の防止措置の強化の重要性を強調しました。なので、そうした世界情勢の中で京都議定書という国際公約を達成するために核燃料サイクルの確立が必要だと達成計画に書き込むことは、非常に問題だと思いますので、削除してほしいと思います。
 それから、長期目標の必要なんですけれども、IPCCは、気温上昇が二度以上になると、特有な種の絶滅など、サンゴの白化とかいろいろな影響が出てくると予測しています。既に〇・六度以上上昇しているということがあり、そして、WWFとしては、この十二月に発表した報告の中で、温暖化の現象というのは、気温だけではなくて、それによって起こる異常気象であるというふうにリポートしました。その中で、気温上昇を二度に抑えることでは不十分で、一・五度に抑え、その割合も十年に〇・〇五度以下にするべきだというふうにしています。
 さらに、一月に発表したリポートですと、この二度の気温上昇は、このままいくと二〇二六年から二〇六〇年の間に達成されてしまう。つまり、私たちが生きている間にも起こってしまう可能性があるということが報告されました。
 三月下旬なんですけれども、EU閣僚理事会においては、二度未満という目標を決め、そして、それのためには、二〇二〇年までに一五から三〇%の削減をする必要性があるという結論を出しました。また、我が国の国立環境研究所を中心とした二〇五〇年目標検討チームも、地球の気温上昇を二・六度に抑えるためでさえ、日本は二〇五〇年までに七八・三%から八四%の削減が必要であるというふうに言っております。それから、先日開かれた中央環境審議会の国際戦略専門委員会でも、二一五〇年までに気温上昇を二度に抑えようとすると、二〇五〇年で世界規模で約五〇%の削減をしなくてはならないと。
 そういう意味で、日本がまずやらなくてはならないことは、二一〇〇年という長期目標に向かって、地球の平均気温をどこで抑えるのかということを決め、それに対して、二〇五〇年、二〇三〇年、そして今、何をしなくてはならないかということを明確に示すことです。それでないと、その上で京都議定書目標を達成するというようなシナリオを書かないと、説得力を持たないわけです。
 二〇一二年以降の地球規模での削減に向けて日本がリーダーシップをとりたいと思えば、まずそういうように長期的目標を示し、そこに到達するための一里塚として、京都議定書の目標を経済効果的な方法で達成するビジョンを示すことだと思います。
 最後に、この京都議定書目標達成計画は、このまま五月に、パブコメが二週間ありましたけれども、国会で議論も経ずに閣議決定されるということなので、この法案と同様に、ぜひ国会の場で、皆様方、先生方に、幅広く透明の議論を行って決定していただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。拍手
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小沢鋭仁#7
○小沢委員長 ありがとうございました。
 次に、畑参考人にお願いいたします。
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畑直之#8
○畑参考人 おはようございます。畑でございます。
 私の所属しております気候ネットワークにつきましては、皆様のお手元に、きょうは青い、こういうニュースレターを配らせていただいております。地球温暖化問題に取り組んでおります環境NGOでございます。御参考までにごらんいただければと思います。
 私の意見は、お手元に配らせていただきましたレジュメに沿ってお話をさせていただきたいと思いますので、そちらの方をごらんいただければと思います。
 それではまず、本日の審議にかかっております地球温暖化対策推進法の改正案についてでございます。
 ここでは、温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度、これが導入されるということで、これは、基本的にもちろんいいことでありますけれども、当然のことであって、遅過ぎたくらいかなというふうに思っております。それについて幾つか申し上げさせていただきたいのですが、まず公表の中身とその方法についてです。
 排出量のデータは、事業者から報告される種類別の量も公表するようにしていただきたいというふうに思います。この本制度のエネルギー起源CO2の部分は省エネ法の定期報告制度によるわけですが、省エネ法では、化石燃料の種類別の使用量、重油ですとか石炭ですとか、そういったものは経済産業省に報告されているわけでございます。したがって、この制度でも、燃料種類別の排出量も公表するようにすべきと考えます。
 それから、新しい部分であります代替フロン等三ガス、HFC、PFCについては、地球温暖化係数の違う物質が幾つかありますので、それぞれに報告される仕組みになると考えられますので、その種類別についても公表するようにしていただきたいというふうに思います。
 それから次に、データの公表についてですが、法案には書かれておりませんけれども、公表されるのは企業別などに集計されたデータというふうに伺っております。ですけれども、これは、データはコンピューターでデータベース化して保管されるでしょうから、公表は容易でしょうし、もともと公表対象であり公表可能なはずなのに、なぜ事業所単位のデータがこのような面倒な開示請求が必要なのかというのが、少し腑に落ちません。ぜひ、事業所単位のデータも開示請求なしで最初から見られるような形にしていただきたいというふうに考えます。仮に開示請求が必要な仕組みとなるとしても、開示請求を行ったのに事業所単位のデータが開示されないということはないようにしていただきたいというふうに思います。
 それから次に、いわゆる企業秘密の扱いについてでございますけれども、温室効果ガスの排出量が企業秘密に該当するというのは、さまざまな分野を見ても、常識的には余り考えにくいのではないかと思います。先ほどPFCの例というようなお話もございましたけれども、企業秘密に該当するかどうかについては、やはりきちんとした基準を設定して、公表を原則とした厳格なものとしていただきたいというふうに思います。
 PRTR法、いわゆる化学物質の排出量の把握管理の法律においては、行政手続法で秘密情報の審査基準というものが設けられておりますので、そのような厳格なものにしていただければというふうに思っております。
 また、企業秘密となる場合でも、もとの情報を主務大臣も持つような仕組みとすべきではないかというふうに考えております。
 続きまして、先ほどから議論に上っていますこの法律も含めて、地球温暖化防止のための京都議定書目標達成計画について幾つか意見を申し上げさせていただきます。
 まず、策定過程等についてですが、まず一点目としましては、京都議定書目標達成計画の案の策定においては、従来の政策、ここでは、一九九〇年地球温暖化防止行動計画、その後、九八年、二〇〇二年と地球温暖化対策推進大綱があったわけですけれども、これの政策がやはり不十分であったということで、現在まで日本の二酸化炭素排出量がふえ続けているということに対する従来の政策の分析とか総括、反省というのをきちんと行うべきであろうということであります。
 それから次に、策定過程についてでありますが、これについては、開かれた部分も従前よりは多少はありますけれども、どちらかといえば、やはり情報公開が不十分な中で行われているということは変わっていないのではないかと思います。市民参加といえば、非常に形式的な審議会のパブリックコメント、意見募集だけでありますし、国会の審議はおろか、承認も必要ないということであります。
 特に、今回の達成計画案に対する意見募集は、通常いろいろな意見募集は一カ月程度なわけですが、その半分の二週間と極めて短いものでありました。これは、いかにパブコメといわれるものが形式的で、政府が市民の意見を真摯に反映するつもりがないのかということを示していると思わざるを得ないですね。
 温暖化対策というのは、実施においてすべての主体の参加が必要で、一部の大企業とか一部の市民だけがやればいいという話ではありませんから、策定過程におけるこのような参加の欠如は大きな問題だと考えております。
 次に、内容についてであります。
 まず、全体に、この達成計画の案は六%ぎりぎりという形で組み立てられていますので、どこか一部でもうまくいかないと、その分だけ直ちに外国から買ってくる京都メカニズムでカバーせざるを得ないという形になっていますので、もっと余裕を持って確実に達成できる全体構成とすべきだろうというふうに考えます。
 次に、全体の目標の数値は、そこの表一に示したものになっているわけですが、基本的に、森林吸収源と京都メカニズムに合わせて五・五%を依存し、国内削減分はマイナス〇・五%にすぎないという点は従来の大綱と同じでありまして、率先して国内で削減して先進国としての責任を果たすというものにはなっていないという点で大変残念に思います。エネルギー起源CO2の目標については、むしろ、従前はマイナス二%だったものをプラス〇・六%に大幅に緩めてしまった、後退したという面もあるかと思います。
 このエネルギー起源CO2ですとか、この後触れますが、代替フロン等三ガスの目標を強化すれば、現在森林吸収と京都メカニズムで五・五%の分を四%は減らして、一・五%まで依存を減らすことが可能だというふうに考えております。
 次に、京都メカニズムについてですけれども、達成計画の案の中では京都メカニズムは一・六%というふうになっているわけですが、それ以外に、既にエネルギー起源CO2の対策の中で電力のCO2排出原単位の低減の一部として京都メカニズムを使うということが明記されております。これは一・六%の要するに外ということになっておりますが、これはやはりできるだけ国内で目標を達成するということで、京都メカニズムは一・六%を上限とし、特に、エネルギー起源CO2の計画案ではプラス〇・六%の目標になっている区分の部分に関しましては、京都メカニズムは用いないで国内削減に限るべきであろうというふうに考えます。
 次に、代替フロンの目標についてですが、これはその次の三ページの右上の方に図一というグラフをつけてございますけれども、現在まで非常に減っているにもかかわらず、達成計画案では、二〇一〇年に向けてV字型に大幅に増加を容認するという形になっております。これは、代替フロンについては、現時点からふやさないという目標値にすればマイナス二%まで引き下げることができると考えます。
 それから次に、エネルギー起源CO2に関する経済成長率、それから原発の設備利用率の問題に関してでございます。
 エネルギー起源CO2の各部門の目標は、三ページの表二のようになってございますが、そこで、一つは経済成長率の設定を途中で変更しているということがあります。ことしの一月の閣議決定があって、その策定過程の途中で下方修正されたわけですけれども、それが表三ということでお示ししているものです。
 これ自体の是非をとやかく言うものではございませんけれども、経済が上向いたからといって目標達成が危うくなることがないように、余裕を持って目標を達成できる計画の組み立てにすべきだろうということであります。
 それから次に、原発の設備利用率に関しては、目標達成計画案に出てきます八七から八八%という数字は、過去に一度も達成したことがない非常に高いものであります。これは、最初の大綱のときに、原発二十基増設という、絶対に実現不可能なものが含まれていたのですが、ほとんどそれと同じことであろうというふうに考えます。原発の設備利用率の引き上げは、やはり安全性の確保が前提であり、それが示されない限りは行うべきではないですから、目標達成を危うくするような極めて高い数字で数字合わせをするということは改めて、安全に配慮した、余裕を持った設備利用率とすべきであるというふうに考えております。
 次に、三ページの一番下のところから、産業部門の目標を強化すべきだろうということであります。これは、次の四ページの方に参りますが、一部産業界の方などが、産業部門は努力してCO2排出量を横ばいに抑えているというふうにおっしゃいますが、そこの表五でお示ししましたけれども、二〇〇二年までの変化を見てみますと、生産量、生産指数は約八%減っているのに対して、CO2排出量は横ばいであって、生産減と同程度には減っていないわけです。つまり、効率は悪化しているということで、横ばいは努力の結果というより生産減のおかげであるというふうに言えますので、この八・六%削減というのは自然減程度でありますから、もっと目標の強化が図れるだろうというふうに考えております。
 ただ、誤解のないように申し上げますが、私は日本の企業の努力を否定するものではありませんが、むしろこういったことを進めることで、省エネ、自然エネルギー等の分野、日本企業の競争力も増して、日本の経済にもプラスになるというふうに考えております。
 最後に、政策についてでございます。
 肝心なのは、やはり数字合わせではなくて削減対策を推し進める政策、規制ですとか経済的手法等の裏づけであるということで考えるんですが、達成計画案のその部分は残念ながら非常に弱いということであります。具体化されているのは、本日審議をされている地球温暖化対策推進法の改正、それから運輸部門の事業者等に計画策定等を課す省エネ法の改正、それから流通効率化の法案にとどまっているわけです。この達成計画案では、政策手法の総動員という言葉が出てきますが、残念ながら実態はそのようになっておらず、政策の裏づけが非常に乏しいというふうに考えます。
 私はそこに幾つか挙げてございますが、炭素税、環境税、石炭火力発電の抑制策、それから住宅、建築物の断熱基準の規制化、機器や住宅の性能表示の義務化、代替フロン等三ガスの使用規制といった実効性の高い政策措置が入っていないわけですけれども、こういうものを早急に入れていくべきだろうというふうに考えます。特に炭素税、環境税については、規制が及びにくい民生、運輸部門を含め、すべての主体に課税による価格インセンティブ効果で削減を促すことができる必要不可欠な政策だと考えます。達成計画案では、「検討を進めていくべき課題」というふうにされておりますが、これではやはり不十分だというふうに思います。
 国内で削減を余裕を持って確実に達成していくというためには、政策の実効性を抜本的に強化することが急務であるというふうに考えます。達成計画案に盛り込まれていない実効性の高いこれらの政策措置を、仮に達成計画がこのまま決定されても、その内容にかかわらず、早急に実施に移していただきたいというふうに考えます。
 それに際しては、国会の議員の皆様方のリーダーシップですね、ぜひ政府を叱咤して、こういった政策を早急に進めていただければというふうに考えます。
 以上でございます。
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小沢鋭仁#9
○小沢委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の方々からの意見の開陳は終わりました。
    —————————————
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小沢鋭仁#10
○小沢委員長 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大野松茂君。
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大野松茂#11
○大野(松)委員 おはようございます。自由民主党の大野松茂でございます。
 本日は、参考人の皆さん方には、大変お忙しい中をおいでをいただきまして、それぞれのお立場から示唆に富む貴重な御意見を賜りまして、心からお礼申し上げます。時間の制約がありますので、本題に入らせていただきます。
 京都議定書が本年の二月十六日に発効になりました。我が国といたしましても、国際約束である六%削減目標を遵守するために、総力を挙げて取り組んでいかなければならないわけでありますが、今回の法改正の柱の一つでありますところの温室効果ガスの排出量の算定・報告・公表制度の導入は、これが直ちに排出量の削減につながるものではないものとも思われますけれども、国民にとりましては知る権利の拡大につながります一方で、事業者にとりましては環境対策への一層の取り組みを進める動機づけになるものと考えております。
 この算定・報告・公表制度の導入につきましては、それぞれ触れていただいているところでございますが、改めて、この制度の意義、またその効果につきまして、各参考人の方々の御見解、また忌憚のない評価をお願いできればと思います。恐縮でございますが、順次お願いいたします。
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小沢鋭仁#12
○小沢委員長 それでは、永里参考人から順次お願いいたします。
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永里善彦#13
○永里参考人 永里でございます。
 この法律は、一定の報告を義務づけるわけですけれども、今回の公表制度というのは、企業秘密に属することに留意していただければ、情報の統一性を図るという観点からも、温暖化対策を進める上で有用だと考えています。また、排出量を意識している企業と意識していない企業では、意味合いが全然違います。そういう意味で、この法律は意識させますので非常に有用だろうと考えています。
 また、民生、運輸に関しましては今までどうも効果が上がっていませんが、そのところに関しましては非常に効果を発揮してくるんではなかろうか、こう考えております。
 以上です。
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森嶌昭夫#14
○森嶌参考人 私は法律家ですので、一つの法律で何から何までやることはできないわけですが、この法律は規制法ではございません。先ほど申し上げましたように、国にとってみれば、現在の排出量を企業別あるいは物別に何が出ているかということを把握するということがまず第一ですし、そして、国が施策を立てていくために今後どういうふうな施策を立てていけばいいかという、国にとっての問題であります。
 それから、義務を課せられている業界にとってみれば、それを把握することによって、公表するかどうかにかかわらず、自分たちとしては何をするかということのインセンティブになるわけです。
 それから、一般の人にとってみれば、それを知ることによって、知る権利、情報的な手法と申しましたが、それによって規制をしようとかということではありません。それからまた、知る権利を通じて、自分たちも何をしなきゃならないかということのインセンティブになるわけですから、くれぐれもこれで規制の手段にするということではありません。
 また、危険な化学物質に対してそれを監視する制度ではありません。
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鮎川ゆりか#15
○鮎川参考人 この公表制度というのは削減のまず第一歩です。自分たちがどのぐらい排出しているかということを把握することによって、何によってどのぐらい排出しているのかということがわかることによって対策が立てられるわけです。ですから、そういう意味で、これは本当に削減の第一歩です。
 私たち、クライメート・セイバーズというのをやっているんですけれども、やはりそのベースラインというか、その企業がどのぐらい排出しているかというまず数字を把握して、その上でどのぐらい、どの部門でどうやったら削減できるかということを計画が立てられますので、これは本当に基本なことで、それをやはり国民も、どこの企業がどのぐらい出していて、そして、どういう努力をしてどういうふうに削減したのかということがわかるようになれば、もっとすごく社会が透明になっていって、削減に向けたインセンティブというのが沸き起こると思いますので、これはぜひ実現させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
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畑直之#16
○畑参考人 やはりこの制度はすべてのベースになるものだろう、この排出量の報告・公表ということですね、非常に必要なものだというふうに考えております。
 今、大野委員おっしゃいましたように、やはり国民、市民の立場から、知る権利とか情報公開とかそういう点でも非常に重要だというふうに考えております。これは企業にとっても、努力をしている企業、進んでいる企業というのは正当に評価をされるという意味でも非常に重要なものだと思います。
 この中で、追加情報というか参考情報というようなものも一緒に報告できるということになっておりますから、先進的な企業はそういうところできちんと説明をして取り組みを報告することもできますし、いろいろな事情についても説明することができるようになっておりますから、そういう点でも、企業のそれぞれの取り組みがきちんと評価をされるということにおいても非常に重要な一歩になるというふうに考えております。
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大野松茂#17
○大野(松)委員 ありがとうございました。
 現在、政府におきまして策定の手続が進められている京都議定書の目標達成計画、このことについて森嶌参考人にお伺いいたしたいと思っておりますが、今後の地球温暖化対策の基本的考え方といたしまして、点から面、あるいは面、ネットワーク、こうしたことの対策という発想が打ち出されたと伺っております。
 これまで行われてきましたように、個別のエネルギー機器の性能を高めるであるとか、あるいはまた個別の工場ごとに規制を行ったというようなところから、地域あるいはまた都市といった面的な単位で対策を行っていこうとするものがございます。これは、全国民が総力を挙げて連携して対策に取り組むといった意味におきましても非常に重要な考え方であると思っておりますが、面あるいはネットワーク、こうした対策の意義、効果につきまして、中環審でも要職をお務めになられてこれらを進めておいでの森嶌参考人の立場からお伺いいたします。
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森嶌昭夫#18
○森嶌参考人 なかなか新しい技術を開発してというのは時間もかかりますしお金もかかるんですが、今ある単体を組み合わせることでかなり効果があると。特に、各省庁がばらばらにやっていることを、協力して、各省が連携をして、そして各業種が連携をするということで、例えば一つの例ですと、余り個別の名前は挙げませんけれども、モデル地域をつくりまして、ガス事業と電気事業と、天然ガスを燃やして冷房、暖房をある地域で新しく開発するときに、一万二千戸ぐらいの地域開発で、東京のあるところで一緒にやりますと、冷房、暖房を全部地域で協力してやりますと、ばらばらにやるのに比べて二七%CO2が削減できたそうです。
 それを今、内閣官房がイニシアチブをとりまして、各省を集めまして、たった今で十幾つかのプロジェクトを始めましてモデル事業をやっております。それはいろいろな試みをやっておりまして、総理も大いに乗り気で、これをここ一年ぐらいのうちにどんどん広げようということでやっております。恐らく、国会でも御質問なされば、具体的な名前とどんなふうにあれするかというので。これはコストの面でもそれから各省の連携も、私は伺っていて、思ったよりはスムーズにできる。規制なんかも、今までやればできたものが各省ばらばらにやっているものですからできなかったとかということですので、私は将来に向けて非常に効果のあるやり方だと思います。
 各省庁の連携も若い人たちがやるとうまくいくのではないかと思っていますので、面的に広げる、あるいはネットワークを組んでやっていく事業というのは、思ったより効果が上がるものだというふうに考えております。
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大野松茂#19
○大野(松)委員 ありがとうございました。
 永里参考人にお伺いいたしたいと思います。
 経団連におきましては、そうした異業種間の連携というようなことも進められているようでございますが、経団連では、自主行動計画を策定いたしまして、着実に効果を上げて評価を受けていると思っております。
 さまざまな情報の収集を行い、それを分析、研究して企業に提供する、こうしたお仕事を進めておられるお立場から、今後の我が国の温室効果ガスの削減効率の観点から、今回の法改正についての評価についてお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
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永里善彦#20
○永里参考人 お答えします。
 絵にかいたもちではよくないので、実際にむだなことを排し省力化していくということに関しましては、今までやられていなかった日本のコンビナートなどの異業種提携ということについてちょっと御説明したいと思います。
 原油からナフサをつくる石油会社とナフサから各種素材をつくる化学会社が協力体制を築き、効率化する異業種提携というものを今、後押ししております。生産過程で出る余分な副生物の相互作用に加え、共同施設や合弁会社を設置する動きも出てきております。
 具体的には、いろいろなコンビナートがあるんですけれども、例えば千葉県の話をします。
 エチレン生産量が国内最大の千葉地区では、四月、三井化学と出光興産が合弁でポリエチレンなどの主要二樹脂の事業統合会社を発足させています。生産販売の合理化などで、二〇〇八年までに年一千億円のコスト削減を目指す、コスト削減ということは、要するにエネルギーを使わない、炭酸ガスを出さないということであります。ことしの二月に包括提携を結び、ナフサ輸送船の共同運航、それからナイロン繊維の原料となるベンゼンの需要逼迫に対応した生産設備の再稼働など、次々と手を打ってきております。
 これで、理論値としての、省エネポテンシャルといいますが、この千葉一地区、六十四万キロリットル年間削減できることがわかったんですね。これは国内の原油消費量の一日分に相当します。こういうようなことは、これはポテンシャルというか理論値ですから歩どまりというのはあるんですけれども、八地区コンビナートがありまして、そういうところでやっていけばかなり効果が出てくると思っております。
 以上です。
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大野松茂#21
○大野(松)委員 時間もなくなってきたんですが、鮎川参考人にお伺いしたいと思います。
 実は、たしか前回、平成十四年度の本法の改正のときにも参考人として御出席をいただいた記憶がございます。貴重な御意見をお聞かせいただいたところでございますが、そのときと比べて我が国の地球温暖化対策というものはどのように変化したと思われておりますか。あるいはまた、順調に対策が進んでいるのか進んでいないのか、あるいは後退したと考えるのか、進んでいるとお考えになるのか。あわせて、あるべき姿についてもお聞かせいただければありがたいと思います。
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鮎川ゆりか#22
○鮎川参考人 ありがとうございます。
 一番冒頭にも述べさせていただきましたけれども、進んでいないと思います。
 実際にあのときに大綱が批准に向けてつくられたんだと思いますけれども、大綱の時点でも、結局それまでの温室効果ガス排出の増大傾向に対する対策は何ら立てずに、国民運動とか自主行動計画に依存した部分でやってきたと思いますけれども、今回も、公表制度と省エネ法強化以外には何ら削減量を担保する法案は入っていないんですね。ですから、本当に残念だということを思います。
 昨年一年かけて第一ステップをすごく細かに情報を集めて検討、分析してきたにもかかわらず、今回出てきた目標達成計画は、そういった増大の要因分析が不十分で、その要因のところに対する策というもの、そして増大している部門に対する策というもの、そしてさらに四〇%以上を占める大規模排出者に対する策というものが全くないので、私としては非常に残念ですし、これからの見通しとしてはより難しいと思うので、やはり二〇〇七年の見直しのときには、環境税も含め、国内排出量取引といった確実に削減量の得られる経済的措置を導入していただきたいというふうに思っております。
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大野松茂#23
○大野(松)委員 貴重な御意見をいただいてありがとうございました。これからの審議の中に生かさせていただきます。
 ありがとうございました。
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小沢鋭仁#24
○小沢委員長 次に、長浜博行君。
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長浜博行#25
○長浜委員 民主党の長浜博行でございます。
 きょうは貴重な機会を与えていただきまして、どうもありがとうございます。
 また、すばらしい参考人の方々に来ていただきまして、十五分ではなかなかポイントしかお聞きすることができないわけでありますが、私、一番私と全く問題意識が同じだなと思われた部分は、改正案の第一条、これはなぜ「抑制」という言葉を使うのかということですね。
 CO2の削減を考えなければいけないというのは、日常会話でもしておりますし、別にこの法案だけではなくて、森嶌参考人がおっしゃられたように、この法案自体は、この問題を取り扱っている人間からすると本当にささいというか一部の部分でしかすぎませんが、全体の地球温暖化の問題を考える一つ一つのステップの中の一部分という考え方の中で論ずるときに、まず第一条という頭の段階からちょっと問題認識のとらえ方が間違っているんではないかなと。
 この委員会は与野党ともに非常に環境意識の高い議員の集まりでありますから、この法律の書き方の中における、たかだか漢字二文字でありますけれども、こういう意識のとらえ方であると、これもまたある参考人の方がおっしゃられた、別に今の状況で言っているわけじゃないですが、過去の歴史を反省していないというか、その状況の認識の仕方が甘い。別にローマ・クラブの「成長の限界」のときを基準とする必要はないですが、せめて京都議定書の九〇年を起点としても、もう既に十五年ぐらい年月がたつわけでありますから、そういった中における、この第一条の中での削減と抑制の問題をどうお感じになったか、永里参考人からお願いします。
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永里善彦#26
○永里参考人 お答えします。
 一般的に、たくさん温室効果ガスを排出していることは悪いことだ、こう言われても困るんです。
 というのは、評価というのは原単位の改善ですべきなんです。例えば、液晶の場合なんかを考えますと、液晶をつくる過程でエネルギーをかなり多く使用します。しかし、できた製品は極めて省エネ製品になっています。製品を、つくる段階、使用者に運ぶ段階、使う段階、廃品になり回収する段階、すべてのトータルで温室効果ガスの排出量を少なくする、削減するのが一番いいのでありまして、そういう意味では、各自が一生懸命努力してやるというところに意味があるのでありまして、削減はおのずとみずからがやるべきことだというふうに考えています。
 抑制ということで産業界が甘んじているわけではないんです。自分たちはちゃんとやろうと。そして、そういうことをやらない会社、企業というのは世間から脱落していくというふうに考えております。環境に優しい企業、環境対策に熱心な企業を消費者は評価し、その企業のサービスや製品を購入するというのが望ましいのでして、先端的な企業は自主的に温暖化ガスを公表し、企業の社会的責任、CSRを追求しています。そういう意味で、自主的にこういうことは削減していきたいと考えております。
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長浜博行#27
○長浜委員 同じ質問ですが、森嶌参考人にお願いします。
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森嶌昭夫#28
○森嶌参考人 立法のときに、平成十年の立法ですから、私もそこで議論をしたはずですけれども、申しわけありません、テクニカルな議論は、今詳細は覚えておりませんけれども、当時の考え方としては、安定化ということを考えておりました。それから、国民各界各層ということで、抑制等という形で考えておりました。
 ビヨンド京都を考えるときには、恐らく削減ということを使っていかなければならないと思いますけれども、テクニカルには、全体を含めて、しかも安定化ということで抑制を使ったのではないかと思いますけれども、あのときにどういう経緯があって抑制という言葉を選択したか、ちょっと覚えておりませんけれども、少なくともこの言葉は、当時の、平成十年のときの言葉です。
 しかし、法律家ということを離れて、テクニカリティーを離れて考えますと、現時点では、やはり削減ということで、少なくとも精神的には削減という言葉で考えていかなければならないと思いますけれども、これはあくまでも技術的に使って、全部をひっくるめて、しかも安定化ということで考えたことではなかったかと思うんですけれども、ちょっと今、そのときにした議論ははっきり思い出しません。
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長浜博行#29
○長浜委員 鮎川参考人には問題を提起いただきましたので、畑参考人、お願いします。
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