早川忠孝の発言 (憲法調査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○早川委員 自由民主党の早川忠孝であります。
 今国会において憲法調査会のこれまでの議論の総括をするに当たって、これは、昭和三十九年にまとめられた内閣に置かれた憲法調査会と、衆議院、参議院に置かれたそれぞれの憲法調査会の役割が大きく異なるということを一応強調しておきたいと思います。国会というのは、国民の代表者としてさまざまな憲法調査を行うということでありますので、私は、その調査の過程であらわれたさまざまな国民の意見、議論というのはやはりしっかりと踏まえなければならないだろうと思います。
 私自身、弁護士として三十年に及ぶ法律専門家としての立場で憲法問題に当たっておりましたけれども、現実には憲法問題に触れることがタブーでありました。一つは天皇制の問題であり、二つ目が戦争放棄の問題であります。
 結果的には、天皇制についての議論をしないということで現実に現在まで至っておりました。憲法九条の問題については、自衛隊の存在について、憲法の明文等の規定について、いわゆる統治行為論を採用することによってこれは判断を回避するということでやってまいりました。そういう意味では、これまでの憲法論議というのが非常にあいまいなまま今日に至ったということを認めざるを得ないと思います。
 それで、平成十二年に開会をされましたこの憲法調査会の議論によって、ようやく国民の間に憲法が抱えるさまざまな問題について広く議論が展開をされた、そういう意味では画期的なことであると私は評価しています。
 その上で、改めて憲法を考える視点は二つあると思います。
 一つは、これまでの憲法をいわゆる読み解くというこの観点から、もう一つの観点は、憲法を新しく書いてみる、つくるという観点から。現在、私どもは、憲法を新しくつくるという観点でどういうふうに憲法が読めるだろうか、こういうふうな検討をしてまいりました。
 結果的には、これまでの憲法の制定の過程についての検証作業を経ることによって問題点が幾つかわかりました。というのは、白紙には全く新しい憲法はつくれない、何らかの歴史、伝統、そういったものを踏まえなければ、国家像が明らかにならなければ国の基本原理を明らかにする憲法というのはつくれない、そういう観点から改めて憲法の制定過程を検証いたしますと、実は、現在の憲法の象徴天皇制、国民主権制というのが極めて重要な基本原理であり、これは何としても維持をしなければならない、私はそのように思っております。
 それはどういうことかといいますと、例えば、アフガニスタンやイラクのような圧制の国家が民主化に行く過程を考えた場合に、新しい憲法をつくるという作業をどうしてもしなければなりません。日本の場合は、天皇が存在をし、天皇がポツダム宣言を受諾し、あるいは、天皇が帝国憲法の改正についてこれを勅令によって命令し、あるいは、天皇が枢密顧問の諮詢及び帝国議会の議決を経た帝国憲法の改正を裁可し公布した、こういう法形式をとることによって円滑に新しい戦後の政治体制を構築することになった、こういう経過を考えた場合に、結果的には、憲法上の天皇の存在についての決断というのが非常に大きかったわけであります。
 そういう意味では、象徴天皇制が現在の日本の最も重要な原理であると私は考えております。
 以上です。

発言情報

speech_id: 116204184X00120050203_021

発言者: 早川忠孝

speaker_id: 32302

日付: 2005-02-03

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会