保岡興治の発言 (憲法調査会)
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○保岡委員 冒頭に我が党の船田幹事から、数点、憲法の中での天皇の問題点が指摘されまして、また、それに関して各委員からも、特に我が党の若い先生方から御発言もございました。
私は、その中でおおむね船田委員の考え方と同じような考え方を持っておりますが、ただ一つ、元首の問題については、私はやはり、今度の憲法改正で天皇の元首性を明らかにしておいた方がいいと思っております。
それは、山口委員から、天皇の地位というものは将来の国民の総意に基づいて定めていけばいいというお話もございましたが、私も、天皇の地位というのは、国民全体の長い歴史の中でつくられてきた権威というものを基本に、この国がどういう国の形であるかということのやはり一番基本にかかわるところではないかと。やはり、国民がみんなで仲よく力を合わせて発展していく、そういうための何か中心的存在、権威というものが、もしそれが平和や国民の幸せにつながる意義を歴史的に果たしてきたという事実が重くあれば、それをやはり国の基本として憲法に明確にすることが必要だと考えるからでございます。
先ほど早川委員から御指摘もございましたけれども、終戦のときに、天皇の玉音放送によって軍部が混乱せずに終戦を整えた、そしてまた、イラクのようなテロも起こらず、混乱せず、新しい時代の日本の繁栄を築くことに国民が一致して努力した。そのことは、何も明治憲法で与えられたいわゆる統治権の総攬者としての権力、あるいは神聖天皇というようなものでそういう事態が起こったのではない。やはり、長い歴史の民族としての積み重ねの経緯の中に国民が自然にそれを受け入れたものであるというようなことではないか、私自身はそう思うのでございます。
したがって、国の形として、私自身は、むしろ第一章とか第一条とかいうことの形式は別として、まず最初に国の形として天皇の地位というものはやはり明確にすべきであって、我が国が天皇を象徴とする自由で民主的な国家なんだということ、その主権は国民に存し、すべての国家権力は国民に由来することを確認すること、そういった意味で、天皇は日本国の元首であり、日本国の歴史、伝統、文化及び日本国民統合の象徴として我が国の平和と繁栄及び国民の幸せを願う存在であって、その地位は、主権の存する国民、日本国民の総意に基づくものを確認するというしっかりした国の形を明確にする必要があると。
そういった意味で、既にこの憲法でも認められている元首性というものがあるわけでございますから、特に外国から見て、権威としての日本の天皇が元首として外交上扱われる、遇されるということは、極めて日本の将来にとって、日本国にとって有用なことだ。また、それは現に行われていることでありますから、やはりこの憲法にある元首性をむしろ明確にした方が、私はすぐれた憲法の規定になるのではないかと思います。
そういった意味で、明治憲法が男系男子に限ったこと、あるいは神格性を付与したこと、いわゆる統治権の総攬者にしてしまったこと、やはり長い歴史からいえば例外的なことだということなどを、それのトラウマだけじゃなくて、私はやはり、長い歴史の中にある天皇制というものをはっきりさせてこれを国民のものにしっかり位置づけるということが、今度の憲法の改正に、将来の国民にとっても国家にとっても基本的な大事なことではないだろうか、そういうふうに考えております。