早川忠孝の発言 (憲法調査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○早川委員 自由民主党の早川忠孝でございます。
 まず、国際人権法と憲法の関係について申し上げます。
 死刑制度とかあるいは難民保護等の問題を考えますと、諸外国の制度をそのまま日本の国が採用できるかどうかについては、やはり国民の代表者である国会で十分議論をしなければならない。そういう意味では、国際的に成立をした国際人権法というものがあったとしても、それは一つの検討材料でしかない。当然に、憲法の秩序の中に取り込めるかどうかについては、改めて判断をしなければならないと思っております。
 そこで、今なぜ憲法かということであります。
 私は、これまで憲法が施行されて五十八年間、この基本的人権条項によって特に日本の社会が大きく危険な状態になったというふうには思っておりませんでした。そういう意味では、国民の権利義務に関する条項については改めて直さなければならないというふうには思っておりませんでしたが、最近、極めて日本が危機的な状況にあるということを痛感するに至っております。
 それは第一に、生命の尊重ということに対して非常に国民の意識が希薄になってきたということであります。
 例えば、愛知県の安城市において、仮出獄した受刑者が生後十カ月か十一カ月の幼児を殺傷したという事件が発生しました。一つは、自分を含めて人の生命に対して、全くその重さに対しての意識が希薄化しているということ。さらには、いわゆる社会からの落ちこぼれになった方々に対して、今の日本の社会がこれを受け入れない、不寛容になっていること。この二つの問題であります。こういった事象を検討いたしますと、やはり、国民の意識を変えていかなければならない、そのための憲法の議論をしていかなければならない。
 もう一つは、少子化ということであります。これまた、多くの若者が結婚をしない、あるいは子供を産まないという状態になっております。
 これは、一つには、現在の守られた生活状況を悪くするということに対しての恐怖感あるいは忌避感、ある意味で自己中心的、せつな主義、あるいは享楽主義的な傾向が顕著になってきているのではないか。親が子供を虐待する、こういった事象に対して何らかの警鐘を打ち鳴らす、そのための見直しを社会全体としてしていかなければならない。
 さらには、この二月十六日から京都議定書が発効いたします。地球規模で環境破壊が進んでしまっている新しい時代に今入りました。何としても、世界の国が互いに、地球全体の、持続可能な地球を確立するための努力をしていかなければならない、そのためのスタートとして憲法を見直すということが極めて重要だろうと思います。
 これまでは個人の権利というのが非常に尊重されました。しかしながら、新しい国、新しい憲法をつくるという作業の中で、みずから、どの範囲での権利主張が認められるかということについて、その権利相互間の相克あるいは対立をどのように調整するかというその原理を確定する必要があるというふうに思っております。これまでのように、公共の福祉論だけでは十分に対処できないような時代を迎えてきているのではないかというふうに思います。
 こういったさまざまなことを考えますと、憲法というのが極めて歴史的な存在であり、この現憲法が成立した当時は、いわゆる社会の民主化ということが大前提でありました。これからは、共生できる持続可能な国を、地球をつくっていく、そういう観点での新しい憲法づくりが必要ではないかと思います。
 以上であります。

発言情報

speech_id: 116204184X00220050210_017

発言者: 早川忠孝

speaker_id: 32302

日付: 2005-02-10

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会