保岡興治の発言 (憲法調査会)

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○保岡委員 先ほどから委員の皆様が、大きな基本的なテーマとして、憲法は国家からの自由、要するに、国家権力から基本的人権を守る、それを絶対的な価値と考えるべきであるという御意見がございますが、私はやはり、別な立場からの、今、早川委員初めいろいろな皆様からお話もありましたが、国家と国民を対立的にとらえるというのはやはり歴史的な所産であって、確かに、近代憲法の歴史からすれば重要な決定的な憲法原理かもしれません。
 それが依然として今日大きな意味を持っていることは否定いたしませんが、やはり私は、憲法というものは、個人の尊厳を究極の価値とする、先ほどから述べられているとおり、人間の侵すべからざる生来の権利あるいは人格の自由な発展の尊重というものを大切にするならば、人間が社会的な存在であるということの基本をとらえて、他人の権利を尊重するという趣旨で、みんなが幸せになるという意味で、その権利関係の調整のルールというもの、それを具体化する法というものの遵守、そういったことで政治的な秩序や社会的な秩序あるいは社会の平穏や平和が築かれるのであって、憲法はこの個人の尊厳を最高価値とする価値規範を体系化したものだ、そういうものがあって初めて立法やお互いの人間の関係の基本をどうとらえて律していくかということ、先ほど池坊先生からもそのような趣旨の御発言がありましたが、そういうものが新しい時代の立憲主義の大原則ということを確認することが今度の憲法改正では極めて重要なものだと私は思います。
 そういうことで、この憲法が保障する基本的な権利、自由はすべての公権力を拘束するものであることは当然でございますが、これらの基本的な権利、自由の行使は、他人の基本的な権利、自由との調整を図る必要がある場合、あるいは国家の安全や社会の健全な発展を図る公共の価値がある場合に限って、法律の定めるところによってのみ制限されるという原則、これは明確にすると同時に、そういう制限する場合であっても、その権利、自由の本質的内容は尊重されなければならないということを明確にするということが大事だと思っております。
 なお、もう一つ基本的なことを申し上げたいと思うのでございますが、やはり同じように、国家からの自由というだけじゃなくて、この憲法、もう既に社会的な目的として、大事な権利として、プログラム規定とよく言われますが、先ほどお述べになった十三条の幸福の追求権あるいは前文の平和に生存する権利というものを背景に、二十五条のように、いわゆる生存権という規定をこの憲法自体が置いておるということを考えるときに、私は、人間が健康でそして幸せに暮らしていくためには、やはり健康を守ることをもう少し憲法原則で国家の義務として明確にするということや、あるいは、先ほど保利委員からも指摘があったように、教育の基本理論を憲法に明示して、やはりこれも大切なプログラム規定として位置づける必要があるのではないかということ、あるいは家庭の保護にしても、単に両性の婚姻における相互の協力を規定するだけじゃなくて、もっと家族全体について協力、あるいはそれを国が保護、支えるというような規定などを置くことも非常に重要な憲法の改正のテーマではないかと思っております。

発言情報

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発言者: 保岡興治

speaker_id: 16198

日付: 2005-02-10

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会