鹿野道彦の発言 (憲法調査会)

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○鹿野委員 財政でありますけれども、財政は、言うまでもなくそのときの経済あるいは国際情勢で動いていく、こういうふうなことになるわけでありますけれども、今日の我が国のこの財政状況からするならば、財政健全主義の基本的な考え方を憲法上規定した方がいいのではないか、こういう考えであります。
 本来、国会が予算の出も入りも決めるわけであります。しっかりとチェックしなきゃならないわけでありますけれども、実態は、今日のような状況からするならば、今、財政法にいわゆる健全財政への考え方は書いてありますけれども、この際は、これだけ膨大な借金を残しておる、こういう実態を考えたときには、健全なる、規律ある国の運営のあり方くらいは精神論としても憲法上規定した方がいい、こういうふうな考え方に立ちます。
 それから、もう一点大事なことは、財政情報の重要性ということであります。非常に、この財政に関しての情報は複雑でわかりにくい。特に、特別会計とか財投とかということになってくると、本当に、わからないというよりは、むしろわかりにくくしているのではないか、こんなふうに思わざるを得ないくらいのいわゆる今日の状況であります。ましてや、隠れ借金なんという言葉があることそのものが問題だ。
 このことを考えたときに、憲法の九十一条に対して、国会、国民に対して報告義務ということになっているわけでありますけれども、国民に対しての報告義務ということも含まれるということからするならば、少なくとももっとわかりやすい仕組み、すなわち、実質化されていないようなことでは本来の報告ということにならないわけでありますから、情報提供というものは具体的にもっとわかりやすくする、そういう言葉、文言を明記して、そして、国民の人たちが今日の状況というものに痛みをもっと感ずるようにし、国民みずからが判断できるようにしていくというふうなことが大事なことではないか、こういうふうに考えます。
 会計検査院については、言うまでもなく、これは国会、内閣からも独立をした第四の権限、こんなふうにも言われておるわけでありますけれども、実質的に、そのようなことを考えたときに、いわゆる人事権も予算の査定も独立をしていかなきゃならない、切り離された状況でなきゃならない、こう思います。
 そのときに、憲法の九十条、内閣を経由して報告が国会に出される、こういうふうな規定でありますけれども、この検査の結果というふうなものは、内閣を経由ということでなしに、国会にダイレクトに出される、すなわち、国会とリンクの状況をつくるというふうなことがこの会計検査院のあり方ではないか、こういうふうに考えます。
 それから、地方自治のことでありますけれども、九十二条。これはもういろいろ今日までも議論がありましたけれども、この九十二条のいわゆる地方自治の本旨というものはいかにもあいまいであります。
 ですから、例えば、そのときそのときの都合で中央のやり方は変わってくる。中央と地方は、政府と地方政府は対等ですよ、こういうふうに言いながらも、昨年のあの予算編成時においても、地方交付税をいわゆる地方公共団体に何の相談もなしにカットするなんというふうなことは、全くこれはもう対等でないわけでありますから、このようなあいまいな地方自治の本旨というふうなことでは、本来の地方分権、いわゆる分権の形をつくることができない、そういう意味では、国と地方の役割を明確に規定した方がいい、こういうふうな考え方であります。
 連邦国家でないイタリアとかスペインにおいても、あるいはそれぞれの連邦国家も、当然のことながら、憲法問題について視察調査をした段階でも、ほとんどの国々が国と地方の役割を明確にしておるというふうなことからいたしまして、これは基本的に、地域が、国民みずからが自分たちで判断する、自分たちで自立をする、そういうふうないわゆる民主主義の根幹にかかわる問題でありまして、国と地方の役割を明確にするというふうなことがまさしく民主化につながっていくということからするならば、この九十二条を改めていく必要があるもの、このように考えます。

発言情報

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発言者: 鹿野道彦

speaker_id: 34883

日付: 2005-02-17

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会