松本剛明の発言 (本会議)
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○松本剛明君 民主党の松本剛明です。
法案の反対討論に先立ち、一言申し上げたいと思います。
一昨日のテレビの討論番組で、与党の責任ある立場の方が、会期延長を当然として、会期延長反対はレールの上に置き石をするようなもの、投身自殺なら男らしいという趣旨の発言をされました。その後取り消されたようでありますが、到底それで済む話ではありませんし、兵庫県の議員として、私も見逃すことはできません。
置き石は悪質な犯罪であります。通常国会の会期は、国会法の定めで延長も一回に限られており、大変大切に考えられているものであることは明らかであります。この会期の延長に対して賛否を表明することも当然に認められることでありますが、みずからの意見に沿わないものを人命にかかわる犯罪と同列に論じる人物が民主主義を理解しているとは思えません。(拍手)
投身自殺は男らしい。肯定的表現として男らしいを用いる感覚もいかがかと思いますが、何よりも、今我が国で自殺者が三万人を超えていることは、政治に携わる者にとってはだれでも片時も頭から離れることのない重い課題であります。悩み、絶望して命を絶った方、残された御遺族の悲しみ、苦しみに思いをはせるとき、政治の使命をどのように考えているのか、無責任では済まされません。(拍手)
ことしの四月二十五日午前九時十八分、列車事故で百七人のとうとい命が失われ、五百名を超える方々が負傷いたしました。それから一月半、御遺族にはつらく悲しい日々、負傷の方々は今でも体の傷、心の傷に苦しんでおられます。発言の日は事故から数えて四十九日目、冗談にも例え話にする神経が信じられません。
日曜日、私は地元の兵庫を走りながら番組を聞いていて、飛び込んできたあの発言に我が耳を疑いました。国民の命を守る国政を担う人が、自分の考えに反対する人を中傷するためとしか思えないような場面で命を惜しむ人たちの気持ちを逆なでするようなことを言うとすれば、怒りを覚えます。
現場に赴いて花を手向ければ、突如人生を中断された多くの人々の無念の声が聞こえてまいりました。発言の主がそこまで行かれたかどうか、私は存じません。しかし、現場まで行かなくとも、そのことを思わずして、心の通った、痛みのわかる政治ができるのでしょうか。政治家としての適格性を問う声が出るのも当然であります。取り消したからといって許せる話ではありません。
不適切な発言は取り消されるべきでありますが、適格性への疑いを消し去ることはできません。猛省を促し、関係者への謝罪を求めるとともに、そのことをどのようにみずからの行動であらわすのか、国民とともに私たちは注視をしていくということを申し上げて、憤りの言葉といたします。(拍手)
それでは、民主党・無所属クラブを代表して、議題となりました防衛庁設置法等の一部を改正する法律案について、反対の立場で討論をいたします。
まず、本法案に関する真摯な修正協議が事実上のゼロ回答で打ち切られたことは、まことに残念でなりません。
私たちは、防衛政策は、すべての国民にひとしくかかわる、国民の生命、身体、財産を守る政治の基本であり、さらには、外国とのかかわり、対外的な見地も視野に入れれば、国会で合意を得ることに大きな意義があると考え、取り組んでまいりました。
委員会の審議では数々の問題点が指摘され、それぞれに十分な答えがあったとはとても言えない状況でありました。それだけに、私たちは修正を求めてまいりましたが、残念ながら与党がこれを受け入れず、多数をもって押し切るなら、立法府の責務を果たしたとは到底言えないと思います。もしも、民主党からの建設的な修正提案に応じることを連立与党のメンツにかかわる問題ととらえたのだとすれば、国を守る安全保障政策に取り組む政府・与党の根本的な姿勢が問われることになります。
そもそも本法案は、統合運用、ミサイル防衛、情報本部設置など、我が国防衛の根幹にかかわる案件が、予算関連として一くくりに盛り込まれる形で提出をされました。中川秀直現自民党国対委員長がかつて、安易に一括して法案を出すことは国会の審議権を奪うものだ、このような趣旨の発言をされたことが記録に残っておりますが、今回の事案はまさにそれに当たるのではないでしょうか。さらには、本法に関連する重要な法整備の検討が進められているようで、その概要が不明なまま法案の審議を求めることは、審議に対する心構えも疑われます。審議が尽くされなかったことが後々禍根を残すのではないかと、大変憂えております。
法案の内容についても申し上げてまいります。
第一に、統合運用に関すること。
本案では、これまで陸海空に分けていたものを、任務による仕分けを行い、フォースユーザーとなる運用の面は統合し、その他のフォースプロバイダーとしての面は従来どおり陸海空のままとするものです。私たちは、技術の進歩、新たな脅威など安全保障環境の変化から、統合の必要性はしっかり認識しておりますが、同時に難しさもいろいろ指摘されているところであります。
だからこそ丁寧な検討を進めるべきで、例えば、審議の中で取り上げられた問題に、新設の統合幕僚長と陸海空三幕僚長との関係があります。運用面で三幕僚長の関与をなくすことについて、事務方からは、抽象論に終始し、納得できる説明もいただけませんでしたし、委員会では、大臣の御認識と食い違っているように思えてなりませんでした。現場に当たる現在の統幕会議が出されたレポートとも異なり、諸外国でそういう例があると言えば国情の違いだと切り捨て、あげくの果てには、外国の制度も変わるかもしれない、信じられない説明が続いている状況であります。
先行して統合運用を進めている諸外国では、試行、改良を積み重ねて進化をさせております。制度をつくるときにベストを求めるのが当然ではありますが、同時に、導入後に検証して、見直す点があれば速やかに改める、これも当然ではないでしょうか。その意味で私たちは見直しを定めることを提案しているのに、何ゆえかたくなに拒絶をされるのか、理解できません。
第二は、ミサイル防衛、MDに関する点であります。
私たち民主党は、MDについては、我が国が直面するミサイルの脅威、これから国民の生命や身体、財産を守るための体制として、その必要性を踏まえ、費用対効果など総合的な観点から検討を進め、あわせて、シビリアンコントロール、文民統制を確保することとしてまいりました。
その中で一つのポイントは、国会の関与であります。私たちは、事態の終結を受けて国会に承諾を求める、このような定めを提案いたしました。そもそも、権力の源は国民にあり、その負託を国権の最高機関の国会が受けています。であれば、基本的に国会の承諾は必要なのであり、不要とするにはそれ相応の理由が要るというのが考え方だと思います。承諾に至らない報告で足りるというだけでは説明になりません。
また、文民統制の観点から、おそれの認定がなく、緊急対処要領で措置する自衛隊法八十二条の二第三項の規定の扱いについても、同条第一項との関係、期間の設定、発令のケース、そしてその要領に基づく手順の透明化など、まだまだ課題が残っております。私たちは、せめて条文をわかりやすいものとするように整理するよう提案をいたしましたが、残念ながら、これも否決をされました。
ミサイル防衛は、当然のことでありますが、効果的に国民を守ることに資するものでなければ意味がありません。私たちは、その点から、国民への公表、情報提供ということにこだわってまいりました。残念ながら、これに関する私たちの提案も受け入れられませんでした。国民保護法でカバーするかのごとく答弁もありましたが、国民保護法と今回のミサイルの発射される事態との関係も、答弁ではいまだ整理されていないようでありまして、だれのためのMDなのか、疑問を感じざるを得ないところであります。
本法案の問題点は、ここまで述べてきた統合運用やミサイル防衛に関連するところでも、そしてその他の分野のところでも、まだまだあります。
委員会で、与党の議員の方から、これが本当にうまく機能するのかということについて引き続き議論を続けてみる必要がある、私は野党でもないので、これ以上この件については質問いたしませんと。与党の方々が、本音では疑問に思いながら、とめざるを得ないような、このような状況が本法案の審議の実態であります。審議を尽くしてこその国会であるはずであります。上述のように、政府みずから検討中の要素が残っている点を認めておられます。そのような中で、安全保障政策の根幹にかかわる本法案の採決を急がれても、強く異議を唱えるほかありません。
私たちは、審議で明らかになった問題点を解決すべく修正案を提示し、協議をしてまいりましたが、残念ながら不調に終わった今、問題点を内包する法案に対し、事実上原案のままで賛成することは、将来責任を担う政党としてとるべき態度ではないという結論に達しました。将来への大いなる危惧を持って、本法案に反対をいたします。心ある議員の良識ある判断を心から願って、私の討論といたします。
ありがとうございました。(拍手)