柳井俊二の発言 (外交防衛委員会)
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○参考人(柳井俊二君) 三点御質問をいただきました。
第一点は、二〇〇三年のEUの安全保障、共通安全保障戦略についてでございますが、この背景にはもちろん、二〇〇三年というのはイラク戦争が起こった、今回のイラク戦争が起こった年でございまして、確かに欧州諸国がアメリカの単独的な行動について相当批判を強めていた時期ではございます。
〔委員長退席、理事浅野勝人君着席〕
ただ、もう少し長期的に考えますと、やはりEUあるいはヨーロッパ諸国を見ますと、冷戦のとき以来NATOという形で多角的な同盟関係を持って、これによって冷戦時代、安全保障を図っていたわけでございますが、冷戦が終わりますと、ソ連あるいはワルシャワ条約機構に対峙するものとしてのNATOというのは意味を失ってしまったわけでございますが、しかし、その代わりPKOでございますとか、その他の平和活動の中核としてNATOは重要であるということで、一つはNATOを東の方に拡大していくと。元ワルシャワ条約機構の加盟国だった一部の国までNATOに入ってくるという形で、まあ違う形の安全保障体制に、NATOはあるわけですがその性格が変わってきたという中で、やはりEUとして安全保障政策を共通化していく必要があるということがかねてから随分長い間議論されてきた結果だろうと思います。
そういう意味で、欧州の場合には安全保障環境というものが北東アジアと非常に違いますので、そのままでは北東アジアにこういうやり方を持ってくるということはできないと思います。むしろ、OSCEという形で安全保障対話というものが欧州で長年行われておりまして、日本も準加盟国のような形で入っておりますが、そういうようなやり方には参考になる点が相当あるんではないかと思います。
この点は、第二の東アジア共同体に関しての御指摘に関係があると思います。私も東アジア共同体は当面、共同体ということの意味いかんにもよるんですけれども、EUのようながっちりした組織をつくるのは無理であろうと。しかし、できるところはいろいろあるので、できるところからやっていくという意味での東アジア地域協力というのは可能だと思います。その中で、現在既にございますが、いわゆるASEAN地域対話、いわゆるARFという安全保障対話がございますが、こういうものも今後更に促進していくということは十分可能だろうと思います。
〔理事浅野勝人君退席、委員長着席〕
それから第三番目の沖縄における米軍基地の問題でございますが、私も昨年、引用されましたインタビューでそのように申し上げた経緯がございます。私が申した趣旨は、当面大幅な撤退はないだろうということで、御指摘のような形で、いろいろな形で、一部の米軍が外国へ行く、あるいは日本の他の地域に動くというような形の再編というのは十分あり得ると思いますし、そういう方向で話し合っていくべきだと思っております。
ただ、東アジア、特に北東アジアの安全保障環境が大幅に好転する見込みが今ないわけでございますので、そういう意味で、抜本的な撤退、一切基地がなくなるというようなことを含めて、そういう大幅な撤退というのは率直に申し上げて難しいんじゃないかという趣旨で申し上げたわけですが、繰り返しになりますけれども、今ちょうど米軍の再編をやっているところでございますので、言わば一つのチャンスでございます。そういう意味で、いろいろな形で知恵を出して沖縄への負担を軽減していくということはやるべきであるし、可能性があるというふうに思っております。若干、あのインタビューのときの言い方は舌足らずだったかもしれませんが、そういう趣旨でございます。