若林正丈の発言 (国際問題に関する調査会)
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○参考人(若林正丈君) 御質問ありがとうございます。
最初の、中国との経済関係が一種の下部構造にあって上部構造の政治にどう影響するかというお話でございますけれども、大統領選挙の際に、双方、特に野党なんですけれども、野党の方が中国大陸に行っているビジネスマンに候補の後援会を組織するというような行動というものが、昨年度の、〇四年ですね、の選挙には〇〇年よりは大分目立って行われました。また、旧正月等で帰ってくるビジネスマンを集めて、一種の、何ですか、懇親会のようなものを政治家が催すというようなことも、これは与野党両方やったりしております。ただ、そういう選挙目当ての行動がどれだけ選挙の票の導引に結び付いているかということはよく分からないという感じで、まだそれほど効いてはいないという感じであります。お互いに、与野党ともそういう行動を非難し合っているという状況であります。
それから、陳水扁政権と民進党は中国とのオフィシャルな交流というのは非常にうまくいかない状況に、中国がストップしていますので、いっていません。ですから、野党系の政治家やそのシンクタンクの人たちとこれは頻繁に、前からそうですけれども、中国へ行っております。ただ、それが具体的な政治の面でどのように効いているかというのはちょっとなかなかうかがい知ることはできない。余りやり過ぎますと、内部でやはり一方で台湾意識というのは強まっておりますので、批判を受けるとちょっとまずいことにもなるということで、かなりこれは政治家にとってはバランスを取る必要のある事柄になっているという状況でございます。
それからもう一つは、李登輝氏の訪日について中国ではもちろん強い批判があると。これを顧慮しなくていいのかということでございます。これは気にする必要があるというふうに私は思います。
実際に、このたびの訪日につきましても、最初オファーされた時期は断っているわけですね。それからさらに、政治的発言を一切しないという、それから記者会見のようなものもしないということで、強い制限を付けていると。これは十分中国側の反発を顧慮して、我が国として、いわゆる日台の民間関係というものはどういうふうに持つか、行うかという判断とともに一つのバランスの中で行われた決定と、実際の訪日という行動であったというふうに思われますので、やはり中国側の懸念というものにも配慮を示した形でバランスの中で行っていくと。しかし、それは私の評価では、前回の李登輝氏の訪日をああいう形で受け入れた、制限はかなり付けたわけですけれども、受け入れたということは、私の言うその台湾の歴史と民主化に対する敬意の表明という意味ではいい事例だったのではないかというふうに考える次第です。