若林正丈の発言 (国際問題に関する調査会)

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○参考人(若林正丈君) 御質問ありがとうございます。
 その台湾問題の平和的解決というのを考えた場合に、二通りあるように思います。
 一つは、ハッピーエンドといいますか、先ほど来御指摘のような経済的な結合が、及びその相互利益というのが強まって、台湾の中の民主政治の枠内においてそれが議論され、選挙あるいは議会、政治の枠内で何らかの形の中国との統一のプログラムが承認されて中台が統一するという、そういうハッピーエンドの話と、それから、中国が圧倒的な軍事力を持って、それは米国の介入をもはね返し得るという状況にも、そこまで来ればもう降参するしかない。ですから、つまり中国が戦わずして勝つという形ですね。平和的な城下の盟という形になると思いますが、そういう形で、確かに戦争はしなかったと、けれどもそういう軍事力を背景とした平和的解決という、その両方のパターンがあるのではないかなというふうに思われます。
 ただ、その前者にしても、やはりどういう条件ならば台湾のその民主政治の手続の中で民意がそれをオーケーと、ゴーとするかという問題があるのではないかというふうに思います。そう考えますと、先ほど来私が述べておりますその台湾意識の在り方ということから考えますと、これはかなり高度な自治というものが、ほとんど国家に近いような自治という形のものでなければ、そういう形、民主主義の枠内で人々が賛成して統一へ向かうというのは難しいような気がいたします。
 さらに、これは私は明確に述べるだけの知識と見識はないんですけれども、やはり安全保障の問題があると思います。統一するということになって、では、今まで持っていた台湾の軍事力というものの性格はどうなるのかということですね。これは、その軍事力の持たれ方によっては台湾を統一したことが新たな東アジアにおいて脅威になるということもあり得るわけでありまして、そこら辺のことはよく研究していかなければいけない問題なのではないかなというふうに思います。
 したがいまして、十分な根拠を持ってはいませんけれども、中台経済協力が、経済関係が深まっていって社会関係も深まっていくという中で、ただ、その周囲の国家がつんぼ桟敷にといいますか、余りよく理解できないうちにずるずるずるずるとあっという間にその平和的統一が進んでいってしまうという、政治的な面でですね、そういうことは余り考えられないというふうに私は思います。

発言情報

speech_id: 116214308X00220050216_015

発言者: 若林正丈

speaker_id: 30880

日付: 2005-02-16

院: 参議院

会議名: 国際問題に関する調査会