山田昌弘の発言 (少子高齢社会に関する調査会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○参考人(山田昌弘君) お答えさせていただきます。
神本先生がおっしゃったように、私は男女共同参画が駄目と言っているわけでは全くなくって、従来型の男女共同参画というのも、やはり女性が正社員でみんな働き続けられることを前提とした対策だと思うわけです。もちろんそういう対策をすることは必要なんですけれども、その恩恵に被るのはだんだん一部になってきたということが言いたいわけです。逆に言えば、今から十年前のバブルのころに今やっているような育児休業なり保育所等の充実等をやっていれば、日本はここまで少子化にならなかったと私は判断しております。
それは、あらゆる国で、あらゆる先進国で少子化は起こっているんですけれども、やはりフランスとか北欧とかでは歯止めが掛かっている。イギリスやアメリカやオーストラリアではある程度の歯止めは、アメリカはたくさん生まれていますけれども、歯止めが掛かっている。それに対して日本や、最近は韓国、シンガポール、香港、さらにはイタリア、スペインといった諸国でとどめもなく少子化が起こっているというのは、やはり夫が一人で収入を稼ぐことを、これが悪いと言っているわけではなくて、前提として社会構造がすべて作られていると。となると、夫が一人で収入を支えることを前提とできない若者というものが全部そこからはじかれていって、子供がなかなかつくれなくなってしまう。
逆に言えば、北欧なりフランスなり、スカンジナビアの、フランスといった諸国では、政府がそこら辺の見通しを立てましょうという形になりましたし、逆にアメリカでは男女、そうですね、アメリカでは専業主婦、主婦もまだ二〇%いますけれども、専業主夫も五%、結構量がいるわけですね。つまり、男性も女性も好きなときに好きなように、ただ給料はそんなに高くないんだけれども働けるという保障、見通し、つまり男、夫一人が収入を支えるということを前提とした仕組みじゃなくなっている。
どちらを目指す、日本はどちらを目指すか、もちろんミックス的なものを目指す必要があると思うんですけれども、少なくともそれからは離脱しているという意味で、男女共同参画を進めた上で、さらに不安定な雇用対策、つまり逆に言えば日本は今難しいところに立っているわけで、男が一人で収入を稼ぐというのを前提とした仕組みを変えながら、不安定な若者に対してどうしようというのを両方やらなくてはいけないというところが今の日本が抱える難しい状況なのかなと思っております。これは日本だけではなくて韓国や南ヨーロッパ諸国も一緒なんですけれども、南ヨーロッパはECが全部効果を薄めてくれますので──ごめんなさい、私も年ですね、EUが効果を薄めてくれるのでいいんですけれども、やはり日本や韓国やシンガポールといった東アジア諸国はこれから大変になってくるのかなと思っております。