石関貴史の発言 (本会議)
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○石関貴史君 民主党の石関貴史です。
私は、民主党・無所属クラブを代表して、政府提出の郵政民営化関連六法案に対し反対、松本剛明君外七名提出の郵政改革法案に賛成の立場で討論を行います。(拍手)
改革を行うに当たって、その改革が本当に国民のためになるということを確保するためには、まずもってその目的と手段を明確にすることが重要です。
郵政事業の改革を行うに当たっては、何が最も重要な目的なのでしょうか。それは、何が郵政事業における国民の権利であるのかを明らかにして、その国民の権利をしっかり保障し、安心を確保することです。そしてさらに、現在、郵政事業という巨大な官の中に莫大な国民の貴重な資産、資金がため込まれ、これが公的部門の非効率な事業に垂れ流されているという現実を変え、その資金が民の世界へ確実に流れるようにすることです。官から市場への改革です。
このような目的を達成するための手段として、私たちは、郵便と決済サービスを国の責任で全国サービスを提供する一方で、郵便貯金、簡易保険の資金量は民業圧迫にならないように縮小するべきだと主張してきました。
小泉総理が述べておられる官から民へ、あるいは民間でできることは民間にという考え方については、異論はありません。
しかしながら、政府の郵政民営化法案は、本当にこのような官から民へという考え方が適切に実現されていくのか、大いに疑問です。本当に官から民へという考え方を実現するのであれば、まずは、官と民の役割を定義し、峻別する必要があります。
ところが、政府案においては、これに係る定義、峻別が明確になされておりません。すなわち、何が郵政事業における国民の権利か、これが明らかにはされていません。民営化すれば市場が自動的に官の分野と民の分野を振り分けて、それぞれの分野のサービスが適切に国民に提供されるよう調整してくれるのか。市場はそのような機能は果たしません。
さらに、政府案においては、郵政事業においてため込まれた国民の貴重な資金が民間セクターの真に効率的な事業に回るようになるのかということについても疑問が残ります。それどころか、国民の貴重な資金が相変わらず特殊法人、独立行政法人などの非効率な公的セクターに流れ続けるおそれがあります。またさらには、官の関与が長期に残る可能性がある中で、民業を圧迫する形で事業融資などの新規分野への不適切な進出が行われ、そのツケが最終的に国民に回ってくるおそれがあります。
先ほど申しましたように、官から民へ、民間にできることは民間に、これらのスローガンには私も賛同します。しかし、だからすべてを民営化というのは決して正しい選択ではありません。まずは官の分野を明確に確定した上で、それ以外の分野について、民間ができることからは官は手を引き民間に任せる、そういうことこそが本当に正しい選択だと私は考えます。(拍手)
以下、具体的に理由を申し上げます。
政府案に反対する理由の第一は、政府案は、官がやるべき部分までも民にやらせようというものであることです。郵便と決済、少額貯金のサービスを受ける権利は国民の権利であり、これを保障するためには、これらの業務は国の責任で行うべきであります。
これに対し、松本剛明君外七名提出の郵政改革法案(以下、民主党案と呼ばせていただきますが)では、郵便と決済、少額貯金のサービスはすべての国民がひとしく受けられるべきであることが明記されており、まさに安心の改革案という名にふさわしいものであります。
第二に、政府案は、民営化、民営化といいながら、現実には民の顔をした巨大な官の特殊会社をつくるものであり、民営化の名に値しないことであります。持ち株会社は国が三分の一超の株式を保有する特殊会社、郵便と窓口ネットワークの新会社はその一〇〇%子会社、貯金と保険の新会社とは株式を持ち合い、事実上の一体経営が続きます。
これに対し、民主党案では、郵便は公社、郵便貯金は公社の一〇〇%子会社で行う一方、簡易保険は廃止し、郵政保険会社の株式も五年以内に完全処分することとしています。一たん処分した株式を買い戻したりすることはありません。
第三に、政府案によってできる新会社は、民業圧迫をもたらすことが確実であることです。郵便局にコンビニや貸し出し、株式仲介や不動産、果ては住宅リフォーム仲介などの新規業務をやらせれば、とりわけ地方の事業者は皆淘汰されてしまいかねません。
これに対し、民主党案は、民間にできることは官が手を引くという理念のもと、政府案のような新規業務は行わないこととなっています。しかも、郵便貯金についても、定額貯金を廃止し、預入限度額を引き下げることで、民業の補完に徹することが明確にされております。
第四に、政府案では、郵貯・簡保資金は、官から民へと流れないことです。郵便貯金銀行及び郵便保険会社は実質的には政府系金融機関ともいうべきものであり、小泉内閣がこれまでどおり野方図な国債、財投債発行を続ければ、それらの資金は決して民間部門へと流れることにはなりません。
これに対し、民主党案では、定額貯金の廃止と預入限度額の引き下げによって、百兆円規模の資金が民間金融機関や直接金融などへ流れることになります。この結果、地方の金融機関に分散した資金はその地域の中小企業などに貸し出され、地域経済も活性化します。しかも、郵政公社や郵便貯金会社による財投債の購入を禁止し、財政規律を働かせようという重要な措置も盛り込まれています。
さきの通常国会における審議で明らかになった郵政民営化法案の矛盾や問題点は、今国会における審議でもとうとう解消しませんでした。総選挙で示された民意は、郵政民営化には賛成であっても、矛盾や問題だらけの政府案を無条件で容認するというものではありません。
以上申し上げて、討論を終わります。(拍手)