大谷直人の発言 (法務委員会)

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○最高裁判所長官代理者(大谷直人君) 裁判員制度を円滑に実施するためには国民の理解と協力を得るということが不可欠でございますが、まずは裁判員を迎え入れることとなる刑事裁判を分かりやすく迅速なものに変えていくということが重要であると認識しております。
 裁判員制度の下でのあるべき裁判手続に関しましては、刑事訴訟法それから刑事訴訟規則の改正によりまして一応基本的な制度的な骨格は定められました。現在は、審理、評議、それから判決等の在り方に関し新たなプラクティスを追求し、定着させると、このようなステップに入っていると考えております。そこで、裁判所におきましては、司法研修所の研究会等を通じまして意見交換を重ねるとともに、全国各地におきまして、先ほど委員から御指摘のありました法曹三者の共催による模擬裁判を実施しているところであります。
 この模擬裁判について一言申し上げますと、審理を裁判員に分かりやすいものにするために、プレゼンテーションの手法などに関して新たな工夫が取り入れられているようでありますが、裁判員役の方の感想などを聞きますと、分かりやすさという点ではなお不十分であるとしまして、もう一歩踏み込んだ検討が必要ではないかという意見が多くの裁判官から示されております。
 具体的に言いますと、大量の書証を取り調べるというやり方を踏襲するということは裁判員には受け入れられない、したがって直接主義、口頭主義を徹底していく方向での大幅な見直しが必要である、こういった意見が出されております。こうした意見を踏まえまして、模擬裁判を更に繰り返し実施するなどして、裁判のありようの見直しに向けたその達成度というものをきちんと検証していく必要があるのではないかと考えております。
 次に、裁判員制度広報について申し上げますと、先ほども話がありましたとおり、世論調査によりますと、多くの国民が裁判員になることについて必ずしも積極的ではないという結果が出ておりまして、その主な理由としましては、有罪、無罪の判断が難しいとか、あるいは人を裁くことをしたくないといったようなものが挙げられております。このような国民の意識を踏まえますと、裁判所としましては、刑事裁判やあるいは裁判員の役割の実像、実際の像等についての十分な情報を提供し、このような国民の不安をできる限り解消していくことが重要な課題であると考えております。
 具体的には、これまで全国的に実施してまいりました出張講義等の草の根的な広報活動に加えまして、全国紙五紙や約二十誌の雑誌へのカラー広告の掲載、全国五十か所でのフォーラムの開催、専用ホームページの開設、ブックレットの刊行、それから評議のシーンを中心に収録したビデオの制作などの広報活動を実施あるいは近いうちに予定しておりまして、今後とも国民の意識調査等の結果を踏まえつつ、適切な広報をしてまいりたいと考えております。
 最後に、環境整備等に関しては先ほども法務省から御説明がありましたが、裁判所としましても、関係省庁と連絡協力しながら、国民が参加しやすいものになるように努めていきたいと考えております。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 大谷直人

speaker_id: 5634

日付: 2005-10-25

院: 参議院

会議名: 法務委員会