郡和子の発言 (厚生労働委員会)
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○郡委員 民主党の郡和子です。
今も岡本委員御指摘ございましたけれども、私も、一昨日のこの委員会におきまして、メタボリックシンドロームの虚構性について議論をさせていただきました。実に多くの方々から反響がございました。医療現場の方々、そしてまたメディアの方々、よく言ったというふうに大きく声を上げていただきました。その方々たち、きょう、岡本委員も現場で働いているお医者さんであります、臨床の現場で働くお医者さんであればあのメタボリックシンドロームなるものがいかにいいかげんであるかはすぐにわかるものだと、現場の臨床医の先生方が皆さん口をそろえておっしゃっております。
また一方で、予防を反対するのかという意見も寄せられました。私は、この委員会でそのようなことは一言も申し上げておりません。予防を重視するのは当然のことであります。しかしながら、根拠に基づかない予防対策というのはいかがなものであるのか。そして、その政策が策定される過程で、それを審議する委員の方々に製薬会社と深いかかわりのある方がおられるのはいかがなものであるのか。そしてまた、欧米でこの考え方に対して批判的な、大変重要な論文が発表されているのに、厚労省は、それを知った上で何も議論の俎上にのせなかった、これがいかがであるのか。
予防を大切にするのであれば、予防医学研究を進めるのであれば、そのデータを蓄積することが大切でありましょう。私がもう一つ議論をさせていただきましたのは、そのデータを蓄積するシステムが日本に欠如しているということであります。そのシステムを法制化すべきであるというふうに大臣にお尋ねしたのでございました。
政府・与党が掲げます医療費適正化、盛んに適正化、適正化とおっしゃられておりますけれども、それが科学的なエビデンスに基づいた、しっかりとした確立された医療であれば、それは国がお金を払っていいものでしょう。しかし、エビデンスがないものにお金を払う必要はありません。そしてまた、国民がそのエビデンスがないものにお金を払わされたり、健康被害に遭ったりすることを国の責任において守るというのが厚労省の大きなお仕事のはずであると思っております。
十日の質疑で、海外で承認されている薬で、エビデンスが確立していて日本国内で未承認のまま、患者が強く要望しているような抗がん剤について、何らかの基準を設け、治験を行うことなしに一括承認してもよいのではないかということを、京都大学の福島雅典教授の論説を引用して、私、申し上げましたところ、川崎大臣は、薬害などの問題もあるのに、随分と乱暴なことをおっしゃるというふうにおっしゃられました。
しかし、川崎大臣は、未承認薬を患者が個人輸入して使って、これまでに数多くの被害、また死亡例も出ているのに、それは厚生労働省の責任ではない、医者の、あるいはまた患者個人の責任だというふうにおっしゃっております。何と都合のいいことをおっしゃられるのだろうと思いました。
さらに、二課長通知と呼ばれる通知に基づく申請や、未承認薬使用問題検討会議との関係で、抗がん剤の併用療養のワーキンググループでの検討によって、既に、この日本におきましても、大変道は狭いものではございますけれども、国内での治験なしに、国内外の論文などのデータによるエビデンスと、それから患者団体また学会などからの要望書があれば、承認申請できるシステムがあることを大臣御自身が、厚生労働省の管轄内のシステムであるにもかかわらず、御存じではいらっしゃらなかったのかなと不思議に思いました。
また、昨日、質問の打ち合わせをさせていただくときに、大変おもしろいことがございました。余りにも細かい、そして大変矛盾に満ちた、さまざまさまざまな規則をたくさんたくさんつくり過ぎてしまったために、厚労省の方々が自分の担当する規則の中でも、驚くべき古い、もう半世紀も前になりましょう、昭和三十年代や四十年代の治療指針を守ることが平成十四年まで義務づけられていたのに、このことに対して、担当部署の中のある方は、今でもそれが義務づけられていると思っておられたり、あるいは、そのような治療指針を位置づける規則、これは今でも生きている規則なんですけれども、その存在すら知らないという人もおられました。
はっきり申し上げれば、政府提案の医療制度改革というのは、実験的な治療や、それから混合診療や個人輸入による薬害などを野放しにして、そして、メタボリックシンドロームの件でも明らかになりましたように、エビデンスとはとても言えないようなものをエビデンス、エビデンス、エビデンスというふうに言い張って、国の出す医療費を削減して国民に負担を強いるというとんでもない改革案だということでございます。先ほども岡本委員が申し述べました砂上の楼閣以外の何物でもないと思います。一からやり直していただきたいと、冒頭、強く申し上げたいと思います。
そこで、大臣に質問をさせていただきます。
今の健康保険法の改正案で、特定療養費制度を評価療養、選定療養と言いかえて、治験についても、いろいろと変則的な制度を設けて、医薬品や実験的な治療方法に関する承認のスピードを速めてというふうにございますが、これは根本的な解決にはなっておりません。
その理由は、日本で医薬品の承認が余りにもおくれてしまっているがために、混合診療が、この間も申し上げました、一流の医療機関を含めまして、どこの病院でも当たり前に行われるようになってしまっているという事実がございます。今回提案されております政府の制度改革では、とても間に合わない状況なんです。
その証拠として、脱法行為としての混合診療が可能な、保険の査定をされない施設でないと、抗がん剤の臨床研究に参加できないということを著名ながん研究者の方が論文の中で訴えられております。その論文は、昨日お見せをいたしました。これにつきまして、大臣の御感想を伺いたいと思います。