松原聡の発言 (総務委員会)

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○松原参考人 おはようございます。松原でございます。きょう、三時間、よろしくお願いいたします。
 考えてみると、「朝まで生テレビ!」が大体三時間でして、大分長丁場だなという気がしています。「朝まで生テレビ!」はCMがあって休憩があるんですけれども、これはどうもなさそうなので、お手やわらかにお願いいたします。
 きょうは、六月六日に、総務大臣の私的諮問機関、通信・放送の在り方に関する懇談会、半年、十四回の議論を重ねてまいりまして、報告書がまとまりましたので、この報告書の概要を十分間で私の方から説明させていただきたいと思います。
 最初の三ページぐらいまでが私たちの問題意識等々を述べたところでございまして、一ページ目のところに、私たちの問題意識と、それから期間の問題について触れておりますので、その点から御説明させていただきたいと思います。
 私どもは、通信と放送の融合に関して議論をしていこうということにいたしましたが、その中で、改革の工程といいましょうか、いつごろまでにどういうことを提言しようかということを最初に議論いたしまして、その中で、政府の方針、既定方針等を踏まえて、二〇一一年という時期を、ここの中では完全デジタル元年という言葉を使いましたけれども、その時期を目標にしよう、こういうことにいたしました。
 それは一つは、ITの新改革戦略で、二〇一〇年度までにブロードバンド・ゼロ地域を解消する、要するに、日本じゅうにブロードバンドを張りめぐらせるという政府の方針ができました。それが一つであります。それからもう一つは、二〇一一年七月のテレビ地上波の完全デジタル移行でありまして、その二つを念頭に置くと、やはり二〇一一年という時期が非常に大事であろう、この時期に向けていろいろな措置を完成させておかなければいけないというのが私どもの問題意識でありました。
 その点につきましては、三ページの最後から四ページの冒頭にかけて書いておりまして、私たちがその後に述べるいろいろな提起に関しては、二〇一一年に実施できるような、したがいまして二〇一〇年あたりにしっかりとした結論を得ているような形で処理をお願いしたい。具体的には、その方向性あるいは工程に関しましては、総務省が責任を持ってスケジューリングその他をやっていただきたい、こういうことでございます。これが私どもの大きな時期的な点と問題意識についてでございます。
 それで、具体的な私どもの提言について御説明させていただきます。それは四ページ以降になります。
 大きく分けまして、「融合を進めるための環境整備」といいます、いわば総論的な、法律的な部分を最初に持ってまいりました。
 その中では、当面非常に大きな問題となっているIPマルチキャストの著作権法上の扱いについて提言いたしました。これは、IPマルチキャストによる放送が事実上大きく進んでいるのに、その権利処理に関しましては、その部分が通信扱いになるために非常に大きな障害となっている、やはりこれは一日も早く放送扱いにしていただきたい、すべきだ、こういうことでございます。これは著作権法上の処理、こういうことになります。
 それから、次のページに参りまして、4のところで法体系の問題について提言いたしました。このあたりがまさに通信と放送の融合の私どもの一番大きな問題意識でございまして、現実に通信と放送が融合しつつあるのに、法律の体系を見ると、それが縦割りのままになっている、法律が九本ある、こういうことでございまして、そのことが融合によって新しいビジネスが登場したりサービスが広がることの障害になっている、こういう認識でございます。その九本の法律を、縦割りの法律を、できればレイヤーごとの、伝送路、伝送サービス、プラットフォーム、それからコンテンツ、そういったレイヤーごとのいわば横割りの法律に変えていくべきではないか、こういうことでございます。
 以上が、大きな法律的な枠組み、環境についての私どもの提言でございます。
 次が、通信・放送の通信の部分に対する提言でございます。
 まず、五ページの通信の1のところにございます「事業規制の在り方の見直し」というのは、やはり通信という産業のマーケットが多くの事業者が対等に競争するようなマーケットには現在なっていないわけでありまして、そこでの競争のルールというものに関しましては、単に公正取引、独占禁止法の枠組みではなくて、それなりの事業規制が必要だ、こういう認識でありまして、そこで、有効でかつ公正な競争ができるような規制をしっかりしていただきたいとまず総論的なところで述べました。
 その後、2のところでございまして、「通信関係法制の抜本的な見直し」、こういうタイトルになっておりますが、やはり日本の通信のマーケットを見たときに、NTTグループの存在というものが大変大きい。このNTTグループのあり方について述べましたのが2のところになるわけでございまして、その中で私どもは二つのことを申し上げました。
 一つは、やはり現在の状況は、技術を含めて見ましたときに、アクセス部門、一軒一軒の家に入る回線の部門につきまして、NTTの東西日本会社のドミナンス性が高い、こういう認識を持ちまして、そこを多くの事業者が自由に使えるような形にすべきだ、こういう認識でございまして、そのことは、NTT東西のボトルネック設備の機能分離、こういう言葉を使いました。現状は会計上の分離だけでありますけれども、それではまだ十分なオープンなアクセスを実現するには不十分だ、こういう認識でありまして、それを拡張すべきだ、もう少し広くオープン性を確保すべきだ、こういう問題提起でございます。
 それからもう一点は、NTTの今の組織のあり方が、やはり九六年ごろ議論されたものでありまして、分野規制等を含めて現状に合わないのではないか、それを変えるべきだ、こういうことでございます。
 次が、放送関係でございまして、マスメディア集中排除原則は、今の多局化が進んだような状況の中で、緩めてよろしいのではないか、こういう提言をいたしました。
 同時に、地デジ、テレビがデジタル化する二〇一一年の段階では、アナログに比べて、デジタル化することによって資源を有効に使えるはずであって、それが十分有効に活用できるような制度を整えるべきだ、こういう提言をいたしました。
 そして最後で、今の点は放送全般にかかわる提言でございますけれども、私どもの最後の提言はNHKでございまして、これは通信におけるNTTと同様に、放送事業の中で大変大きな地位を占めているということと、不祥事が続発したということを受けまして、NHKの組織の問題について最後に提言いたしました。
 まず、経営委員会については、ガバナンスを徹底的に強化すべきだ、こういう提言をいたしました。
 そして、具体的なNHKの組織の見直しに関しましては、まず、チャンネルの削減について、今八つあるチャンネルについて、テレビにつきましては、BS三波のうち二波は公共放送としてやる必要はないだろう、こういう判断でございます。それから、ラジオのAM二波とFMにつきましては、FMについて公共放送としてやる必要はないだろう、こういう判断をいたしましたので、八つのチャンネルを五つに減らしていいのではないか、こういう提言をいたしました。
 それから次は、NHKの組織の問題でございまして、NHKの組織に関しましては四点、ここの中で述べられております。
 まず第一は、NHKの中で不祥事が続発し、それから事業の中身を見たときに、公共性、公共放送の内部でやる必要性があるのかどうかという視点のもとで、スポーツ・娯楽部門に関しましては、NHKの本体から外部化して子会社にした方がいいのではないか、これが一点目であります。
 それから二点目は、NHKの伝送部門、放送を出す部門に関しまして、デジタル化を前提に考えると、そのNHKに与えられたチャンネル、帯域というものはさまざまな形で活用できるはずだ、それを活用できるような仕組みにするためには伝送部門も本体から切り離した方がいいのではないか、こういう提言をいたしました。
 それから三つ目でございますけれども、五十万と言われるNHKのアーカイブ、これをインターネットプロトコルを通して配信できるようにすべきだ。そのことに関しましては、やはりこの事業は収益性等も考えられるので、本体ではなくて子会社でやった方がいいのではないか、こういう提言でございます。
 そして最後に、NHKの国際放送に関しまして、これは、日本からの情報発信という面から見まして非常に重要な業務であろう、その業務を本体の中でやるよりは子会社でやって、民間からの出資等を受けて、民間のいろいろなアイデアを取り入れた方が魅力ある放送ができるだろう、こういう判断をいたしました。
 したがいまして、NHKの組織に関しましては、以上述べました四つの部分について本体から切り離した方がいいだろう、あるいは切り離せない場合には、しっかりとした会計分離をして、自律性を高めた事業として展開した方がいいのではないか、こういう提言でございます。
 最後に、受信料についてでございますけれども、これは当面、受信料支払いを義務として明確に法律上位置づけた方がいいのではないか。その後に、国民の納得が得られるというハードルを設けましたけれども、その後に罰則化についても検討すべきだ、こういう結論に達しました。
 以上が、六月六日にまとまった懇談会の報告についてでございます。(拍手)

発言情報

speech_id: 116404601X02820060609_002

発言者: 松原聡

speaker_id: 26718

日付: 2006-06-09

院: 衆議院

会議名: 総務委員会