中川秀直の発言 (予算委員会)
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○中川(秀)委員 私は、右肩上がりの時代は終わったとか、人口が減少するから、確かに財政は深刻ではございますけれども、もう経済成長は無理だとか、そういう悲観論が、まさに夢も希望もない格差固定社会をもたらしてしまうのではないかと思います。
経済が成熟化していく中で、海外の資産収益を反映するGNP、これで経済活性化を考えるべきだという議論もございましょう。人口減少社会は、一人当たりの国内総生産、GDPがふえれば豊かな社会だということを忘れてはいけません。しかし、最も大切なことは、先ほどから申し上げている成長を重視することで私の言う名目成長率四%台ということが実現できれば、二十年弱、十八、九年で名目の国民所得は倍増するわけです。二倍になるわけです。かつて所得倍増というのがございましたが、あれは十年でしたけれども、二十年弱で、四%で倍増するわけです。年金や税負担での負担と給付の世代間対立も緩和する、そういうことのためにも必要でございます。
先ほど申しました我々のシンクタンクで、アメリカのノーベル経済学者も加えて、今この路線について本格的に研究しています。ここで、私自身の個人の案ですが、ちょっとパネルを用意いたしましたが、日本経済を上げ潮に乗せるための成長計画、経済計画というのはどういうものがあるんだろうかと、お手元に資料も用意しました。
経済成長、潜在成長力を上げていくというのは、労働力の要因と資本の要因と技術革新の要因と三つございます。何といいましても、これによって成り立つ成長を上昇させる各政策が必要だということと、金利を急上昇させないという政策の二つを両立させて、日本経済を全体として上げ潮に乗せる成長計画を推進していかなければ、これは実現できないわけであります。
その計画のまず第一の柱となるべきことは、やはりこれだけグローバルな社会になりましたので、新しい日本経済の国境概念というものを広げていくべきではないかと私は考えます。人口減少社会の日本にとって、BRICs諸国、ブラジル、ロシア、インド、中国等々、この市場はこれから本格的な市場になってくるわけですが、三十数億人です。インド、中国を含むアジア市場だけでも八・二兆ドルと申しますから、円換算で約一千兆円の市場というものになってまいります。
こういうマーケットを日本経済の発展にプラスしていくことが重要となりますが、そのための重要な手段が、今言われている自由貿易協定であり、あるいは経済連携協定でございます。
実は、韓国では最近、政府内にFTA推進委員会を立ち上げました。何と二〇〇七年、つまり来年までに三十—五十カ国とこの協定の締結を目指す。三十—五十カ国ですよ。十五カ国と同年中に協定を発効させるということを決めました。中国は、二〇一〇年にASEAN諸国とのFTAスタートで合意しまして、もう既に昨年から一部関税削減を始めております。また、インドと共同研究会設立で合意。豪州、オーストラリアと正式交渉を昨年開始しているのでございます。
官房長官、伺いますが、各省、FTAについてはいろいろな立場がありますけれども、この経済連携協定、自由貿易協定推進のために政府一体となった取り組みを進めなければ、もう日本は間に合いません。日本がやっているのは、シンガポールとメキシコのたった二カ国です。あと交渉中が数カ国あるだけです。こんなことでいいんでしょうか。
国益に沿った対応ができる万全の体制を総理のもとでつくっていくことが不可欠だと私は思います。そういう強力な官邸主導のリーダーシップ体制の確立、これについてどうお考えでありましょうか。
また、アジア共同体構想におきますリーダーシップの発揮のためにも、ASEAN諸国や豪州、さらには隣国の中国や韓国との自由貿易協定を加速すべきであると考えますが、いかがですか。