予算委員会

2006-02-06 衆議院 全234発言

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会議録情報#0
平成十八年二月六日(月曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 大島 理森君
   理事 金子 一義君 理事 田中 和徳君
   理事 玉沢徳一郎君 理事 松岡 利勝君
   理事 茂木 敏充君 理事 森  英介君
   理事 細川 律夫君 理事 松野 頼久君
   理事 上田  勇君
      あかま二郎君    甘利  明君
      井上 喜一君    伊吹 文明君
      臼井日出男君    尾身 幸次君
      大野 功統君    奥野 信亮君
      河井 克行君    河村 建夫君
      斉藤斗志二君    清水鴻一郎君
      実川 幸夫君    篠田 陽介君
      園田 博之君    田中 良生君
      平  将明君    高市 早苗君
      中川 秀直君    中山 成彬君
      丹羽 秀樹君    西本 勝子君
      根本  匠君    萩原 誠司君
      広津 素子君    二田 孝治君
      町村 信孝君    三原 朝彦君
      御法川信英君    盛山 正仁君
      山本 公一君    山本 幸三君
      山本 有二君    石関 貴史君
      小川 淳也君    大串 博志君
      岡田 克也君    加藤 公一君
      近藤 洋介君    笹木 竜三君
      神風 英男君    高山 智司君
      永田 寿康君    原口 一博君
      伴野  豊君    古川 元久君
      前原 誠司君    井上 義久君
      伊藤  渉君    斉藤 鉄夫君
      坂口  力君    桝屋 敬悟君
      佐々木憲昭君    塩川 鉄也君
      高橋千鶴子君    阿部 知子君
      糸川 正晃君    徳田  毅君
    …………………………………
   内閣総理大臣       小泉純一郎君
   総務大臣         竹中 平蔵君
   法務大臣         杉浦 正健君
   外務大臣         麻生 太郎君
   財務大臣         谷垣 禎一君
   文部科学大臣       小坂 憲次君
   厚生労働大臣       川崎 二郎君
   農林水産大臣       中川 昭一君
   経済産業大臣       二階 俊博君
   国土交通大臣       北側 一雄君
   環境大臣
   国務大臣
   (沖縄及び北方対策担当) 小池百合子君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     安倍 晋三君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長)
   (防災担当)       沓掛 哲男君
   国務大臣
   (防衛庁長官)      額賀福志郎君
   国務大臣
   (金融担当)
   (経済財政政策担当)   与謝野 馨君
   国務大臣
   (規制改革担当)
   (行政改革担当)     中馬 弘毅君
   国務大臣
   (科学技術政策担当)
   (食品安全担当)
   (情報通信技術(IT)担当)           松田 岩夫君
   国務大臣
   (少子化・男女共同参画担当)           猪口 邦子君
   内閣官房副長官      長勢 甚遠君
   内閣府副大臣       嘉数 知賢君
   内閣府副大臣       山口 泰明君
   防衛庁副長官       木村 太郎君
   総務副大臣        菅  義偉君
   総務副大臣        山崎  力君
   法務副大臣        河野 太郎君
   外務副大臣        塩崎 恭久君
   外務副大臣        金田 勝年君
   財務副大臣        竹本 直一君
   文部科学副大臣      河本 三郎君
   文部科学副大臣      馳   浩君
   厚生労働副大臣      赤松 正雄君
   厚生労働副大臣      中野  清君
   農林水産副大臣      宮腰 光寛君
   経済産業副大臣      西野あきら君
   国土交通副大臣      江崎 鐵磨君
   内閣府大臣政務官     後藤田正純君
   内閣府大臣政務官     平井たくや君
   内閣府大臣政務官     山谷えり子君
   防衛庁長官政務官     高木  毅君
   総務大臣政務官      桜井 郁三君
   法務大臣政務官      三ッ林隆志君
   財務大臣政務官      西田  猛君
   文部科学大臣政務官    吉野 正芳君
   農林水産大臣政務官    金子 恭之君
   経済産業大臣政務官    片山さつき君
   国土交通大臣政務官    後藤 茂之君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    阪田 雅裕君
   政府参考人
   (内閣府規制改革・民間開放推進室長)       田中 孝文君
   政府参考人
   (金融庁証券取引等監視委員会事務局長)      長尾 和彦君
   政府参考人
   (国土交通省住宅局長)  山本繁太郎君
   参考人
   (日本銀行総裁)     福井 俊彦君
   予算委員会専門員     清土 恒雄君
    —————————————
委員の異動
二月二日
 辞任         補欠選任
  北神 圭朗君     高山 智司君
同月三日
 辞任         補欠選任
  津島 雄二君     笹川  堯君
同月六日
 辞任         補欠選任
  亀井 善之君     盛山 正仁君
  河井 克行君     甘利  明君
  笹川  堯君     丹羽 秀樹君
  渡海紀三朗君     田中 良生君
  野田  毅君     中川 秀直君
  二田 孝治君     御法川信英君
  山本 公一君     萩原 誠司君
  山本 有二君     西本 勝子君
  小川 淳也君     前原 誠司君
  馬淵 澄夫君     永田 寿康君
  坂口  力君     伊藤  渉君
  桝屋 敬悟君     斉藤 鉄夫君
  佐々木憲昭君     高橋千鶴子君
同日
 辞任         補欠選任
  甘利  明君     河井 克行君
  田中 良生君     清水鴻一郎君
  中川 秀直君     平  将明君
  丹羽 秀樹君     笹川  堯君
  西本 勝子君     山本 有二君
  萩原 誠司君     山本 公一君
  御法川信英君     二田 孝治君
  盛山 正仁君     あかま二郎君
  永田 寿康君     近藤 洋介君
  前原 誠司君     小川 淳也君
  伊藤  渉君     井上 義久君
  斉藤 鉄夫君     桝屋 敬悟君
  高橋千鶴子君     塩川 鉄也君
同日
 辞任         補欠選任
  あかま二郎君     亀井 善之君
  清水鴻一郎君     渡海紀三朗君
  平  将明君     篠田 陽介君
  近藤 洋介君     石関 貴史君
  井上 義久君     坂口  力君
  塩川 鉄也君     佐々木憲昭君
同日
 辞任         補欠選任
  篠田 陽介君     広津 素子君
  石関 貴史君     神風 英男君
同日
 辞任         補欠選任
  広津 素子君     野田  毅君
  神風 英男君     馬淵 澄夫君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 平成十八年度一般会計予算
 平成十八年度特別会計予算
 平成十八年度政府関係機関予算
     ————◇—————
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大島理森#1
○大島委員長 これより会議を開きます。
 平成十八年度一般会計予算、平成十八年度特別会計予算、平成十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、基本的質疑に入ります。
 この際、お諮りいたします。
 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣府規制改革・民間開放推進室長田中孝文君、金融庁証券取引等監視委員会事務局長長尾和彦君、国土交通省住宅局長山本繁太郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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大島理森#2
○大島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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大島理森#3
○大島委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中川秀直君。
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中川秀直#4
○中川(秀)委員 いよいよ本予算審議が始まりました。自由民主党の中川秀直でございます。
 私は、この我々の国が今直面する最重要の課題というものは、国内では人口減少社会が始まった、また隣国では中国が大変な経済的な発展、台頭している、十年後には日本並みの経済規模になるかもしれない、こういう状況下において、いかにこの日本全体を勝ち組にしていくかということにあるのではないか、こう考えております。
 二〇三〇年まで中国は年率六・八%の成長力を持つ、これは内閣府の二十一世紀ビジョンでございます。そういう中で、十年後に日本がアジアの一周辺国に甘んじてしまうのか、まさに重要な岐路に立っている、こう考えるのでございます。
 やるべきことは、まず経済力の再生ではないかと考えます。だからこそ、我々は、日本より豊かな米国の潜在成長率が二〇三〇年まで三%台、こういうふうに見込まれておるのに、なぜ日本は、二〇三〇年まで二十五年間一%台半ば、その半分なのか、これも内閣府の二十一世紀ビジョンで示されておるところであります、そういう問いかけを始めなきゃいけないと思うのであります。
 今、専門家が指摘する日本の二十五年間の成長率一・五%台、これで行くのか、あるいは、日本よりも豊かな米国のように三%台まで持っていくのか。これだけで、税制も年金も全く制度設計が変わってまいります。格差社会がどうなるかということも変わっていくわけでございます。
 自由民主党は、さきの党大会の新しい綱領で小さな政府の旗を掲げたわけでございます。潜在成長率が小さいということは、民間活力が足りないということであります。だから小さな政府にする必要があるわけであります。
 規制の多さ、国家金融の大きさ、あるいは政府保有資産の大きさ等々、世界的に見ても日本は大きな政府であります。規制ゆえに、いろいろな民間経済活動に手かせ足かせがはめられている。情報化もまだ始まったばかりだ。官から民へで潜在成長力を上げることは十分に可能だと私は確信します。役所がやっているうちは何ら富を生まない、ただの制度であります。また、ただの国有財産であります。しかし、それが民間に移り、産業になることで、富を生み、生産性を上げていく、こういうことではないかと思います。
 総理も御存じのように、戦後、ドッジという人が日本の経済再生のためのアドバイスをしにやってまいりました。彼が、一九四九年、昭和二十四年に出した声明は、いわく、富は、まずこれを創造してからでなければ分配できない、こういうことでありました。
 郵政民営化によってやっと小さな政府への突破口ができたわけであります。この小さな政府を目指してもう一度成長国家をつくる、それが我々の使命ではないか、こう考えるわけであります。
 まず、きょうはそういったことを考えながら、総理に、また関係閣僚にお尋ねしたいと思いますが、そのためにも、この国会、我々は行革国会、改革国会と位置づけまして、昨年の総選挙で国民の皆さんが選択した小さな政府路線を形あるものにして次の時代に正しく継承しなければならない、そういう国会にしなきゃいけないと思っております。
 しかし、どうも国会冒頭から、安全国会の名のもとに改革を失速させようとする、まあ、野党の諸君が皆そうだとは申しませんが、隠れ大きな政府を主張するような意見が息を吹き返しまして、ようやく、改革の結果、光が差し始めた日本経済を再び暗やみに引きずり戻し、世界の負け組に転落させられる、そういう危険性が出てきたのではないか、こんなふうに考えます。
 先ほど申し上げましたとおり、私は、改革の加速化こそが諸問題の唯一の解決方法である、こう考えるわけであります。今申し上げた基本認識について、総理の御所見を簡単にお伺いします。
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小泉純一郎#5
○小泉内閣総理大臣 極めて広い観点から日本の今後目指す方向をお話しされましたけれども、私が総理大臣に就任してから、目指す大きな目標の一つとして、日本の持っている力というもの、これを大いに発揮させていかなきゃならない。今あるような低成長よりも、もっと日本には眠っている力、潜在力があるんじゃないか、この潜在力をいかに目に見える形で発揮させていくか。
 そのためには、政府の役割、民間の役割、これをもう一度よく点検していこう。民間の企業あるいは民間人、さらに地方あるいは公務員、それぞれ役割があるし力も持っている、それをどう今後、各人、各企業の創意工夫を発揮しやすいような社会をつくって、そしてしかるべき適切な経済成長力が期待できるような社会にして、そして将来、簡素で効率的な政府を目指して、日本国民全体の力を発揮させ、成果を上げて国民生活を豊かにしていこうというのが大きな目的であります。
 そういう中で、今まで、改革なくして成長なし、あるいは、逆だ、まずこういう不景気のときには財政出動して成長させてから改革を考えればいいという論争がしばらく行われましたけれども、ようやく今は、このような財政状況では財政出動には限りがある、四割も国債、借金に依存しているような財政では必然的に大きな政府というのはもう無理だ、政府の役割というものをできるだけ限定して民間の力を発揮させようという方向、これがいわゆる改革なくして成長なし路線、大体その方向は大方の賛同を得る状況になってきたと思います。
 そういう中で、これからさまざまな分野におきまして、私は、国民の持てる力を発揮させていくようなそういう改革が必要である。同時に、今、勝ち組とか負け組とか言われますけれども、これは、人生というのは二者択一じゃない。マルかバツかどっち決めろ、そういうものでもない。勝ち組の人はまたいずれ負け組になるかもしれない、負け組の人たちもまたチャンスがあれば勝ち組になるかもしれない。
 あるいは、いろいろなチャンスが提供されても、それをつかむかどうか。待っている人もいる。待ってつかむ人もいれば、逃す人もいる。つまり、いろいろあると思います。さばさばして、まあいずれまた勝ち組になればいい、意欲を持って希望に燃えている人もいるでしょうし、勝ち組の中にも、何かむなしい気持ちがあるという気持ちもいるはずであります。そう二者択一で、世の中、はかり切れるものじゃありません。
 私は、そういう大きな観点から、それぞれの持ち味を個人においても企業においても地域においても発揮できるような社会にしていくことが大事ではないかと思っております。
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中川秀直#6
○中川(秀)委員 総理から御答弁いただきましたので、ちょっと質問の順番を変えまして、ただいまの勝ち組、負け組論といいましょうか、格差社会のことについて先にお尋ねしたいと思います。
 格差社会になりつつあるのではないかという点につきまして、統計にあらわれた数字と国民の実感というものの間に乖離、ギャップがあるのではないかという指摘がございます。確かに、政治として国民の実感というのをどう受けとめるか、これは非常に大事なことだと私は考えております。
 そこで、ちょっとパネルを用意させていただきました。お手元の資料にも一枚目にあると思いますが、これは読売新聞の、二十五年間同じ基準でずっと定点的にやっている調査なんです。いろいろな調査はございますが、いわゆる五層分析というものでございます。豊かさに関する世論調査、現在の日本人の生活水準を次の五層に分けるとするとどの層に入るかという問いに答えたものでございます。
 第一に、中の中という中流層は、小泉政権発足の二〇〇一年四月、ちょうど総理が就任したとき、このときに五割を切ったことがございますが、その一時期、就任当初を除きまして、バブルの以前、八六年の十二月以前ということですが、またバブルの最中、九一年二月までですけれども、それから、小泉総理が就任したまでのいわゆる失われた十年と言われる期間、いずれもこれは五割を超えて中の中という、そういう厚みを持った答えになっているわけであります。
 二番目に、小泉政権発足の二〇〇一年四月から昨年十二月までの間に注目しますと、上というのが〇・二ポイント減っておりますが、中の上が〇・二ポイントふえております。また、中の中は二・七ポイントふえているわけであります。中の下が二・一ポイント減、下が〇・三ポイント減、こうなっているのでございます。
 この世論調査は、小泉政権下において、国民の実感としてむしろ格差は縮小しているということを示していると言えなくはございません。まさに、今総理がおっしゃった、能力を生かせる機会をたくさん提供する改革の正しさというものと成果を示している、こう思うのでございます。
 世論調査でもう一つ注目されるのは、お手元の資料にはございませんが、一月二十八日、共同通信が調査をしております。能力や仕事による収入の格差につきまして、大いに格差をつけるべきだという人が九・三%ございます。また、ある程度は格差をつけるべきだという人が七〇・二%、合計で八割近い人が収入の格差を是認しているわけであります。
 国民の皆さんは決して悪平等を望んでいるわけではない。流した汗は報われる、努力した者は報われるということを望んでいると言えるのではないでしょうか。
 そうであるとするならば、私は、今後我々がとるべき道は、勝ち組と負け組の固定でもない、また、努力する人もしない人も同じでもない、そのいずれでもない中間の道じゃないか。つまり、簡単に言えば、性別や出身などにかかわらずすべての人に均等に機会が開かれている、それから、一時敗者になってもまた勝者になり得る再挑戦の機会が与えられていること、運悪くみずからの努力で立ち行かない人が出ましても、その人たちには温かい支援の手、セーフティーネットが用意されていること、この三点なのではないか、それこそがまさに小泉改革の目指している方向性と考えます。これについては、先ほど総理から包括的に御答弁いただきましたので、あえてお尋ねをいたしません。
 やや各論に入らせていただきますけれども、格差社会論の観点からは、東京などの都市と地方、この地域間の格差、将来の格差拡大につながりかねないフリーターやニートなど若年層の問題が挙げられております。
 そこで、まず川崎厚生労働大臣に、地域格差の関連で若干御意見を伺いたいと思います。
 一月三十一日に政府が発表しました労働力調査、昨年度の完全失業率は四・四%、前年に比べて〇・三%低下した、就業者数は前年に比べて二十七万人増加した、そして、求職者一人当たりの求人数を示します有効求人倍率は、バブル崩壊直後の九二年九月以来、十三年三カ月ぶりに一倍台に回復した、こう発表されました。景気回復の、これによる雇用情勢の改善がうかがえる結果となっております。
 しかし、都道府県別で最も高い愛知県の一・六一倍に対して、最も低い沖縄県は〇・四一倍となっており、地域差が大きく出ております。
 今、川崎大臣のところでは、都道府県別有効求人倍率の低いところ、〇・五を割っている北海道、長崎、鹿児島、秋田、高知、沖縄、青森県……。北海道は〇・五は超えている。こういうところについて、いわゆる雇用関連施策の重点実施をお決めになったということでございますが、これについて簡単に御確認を願いたいと思います。
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川崎二郎#7
○川崎国務大臣 中川政調会長にお答え申し上げます。
 今お話しいただきましたように、全体的な数字が改善をいたしてきております。先ほど触れなかったもので一つだけ申し上げますと、雇用保険、失業保険を受給しておる人数が、十四年が百四万、十七年が六十四万、三七%も減っておるというのが現状の数字でございます。
 そうした中において、地域間格差というものについてどう改善を図っていくか。今お話ございましたように、やはり地域の自主的、自発的な雇用創造の取り組みを支援する、こういう考え方でいきたいと思っております。
 地域雇用創造支援事業と打ちまして、第一番目に、その地域に対してノウハウ、人材の支援、これをまず第一に行いたい。第二番目に、そうした物の考え方に沿って市町村が計画を組みましたときに、二億円を上限といたしまして市町村に対する支援を実施してまいりたい。三番目に、今度はその中で企業が新しい創業を行っていく、そういうことに対しまして助成金という制度を持ち、今までは三分の一が上限でございましたが、二分の一まで高めるということで、いずれにせよ、地域が物を考え、そして新しいものを生み出していく、それを厚生労働省としては支援していく、こうしたスキームを、まずこの七道県を中心にしながらやってまいりたいと考えております。
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中川秀直#8
○中川(秀)委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 さらに地域間格差のことについてお伺いしますが、私は、地域間格差について、昔のように公共事業依存で解決がつくかといえば、今までやってきても格差がついているわけですから、それだけでは問題は解決しない。まさに、地方にできることは地方へという改革をさらに加速させることによって、地域の自主的な新たな努力によって新たな成長戦略をそれぞれがしっかり取り組めるようにしていく、そういうことによって本格的な解決を目指すべきだと思います。
 これに先駆けて、私は、今国会に政府が北海道道州制特区法というものを提出する、そういうことを決めたということを伺っておりますが、まさに道州制というものは、こういう観点からも、本格的に解決するために導入を目指していくべきではないか、その本格的な検討をすべきだ、こう考えております。
 公共事業依存の地域経済をどう変えていくかという問題は、地域の特色を生かした知恵と工夫、これで新しい成長をつかむということで解決しなければなりません。
 先般、一月ですが、ここにございます国土計画研究会、伊藤滋教授のやっているところですが、ワーキンググループで、「州制度の創設と実現へのプロセス」という報告書がまとめられました。いわく、道州制は、東京一極集中と地方の衰退から日本を救うと。
 明治以来、戦後六十年、毎年毎年、中学、高校、地元の大学を出た、そういう卒業者が出るたびに、相当量の人口が地方から東京へ流出し続けた。三十年たち五十年たつと、地方は、当然、人口、人材の流出による砂漠化が進む。衰退は目を覆うものがある。
 道州制の創立によって、新しい州は情報や産業を引き寄せる。州の都となるところは、国政を分担するその高度な政策形成に期待を寄せて、学界、経済団体、産業、労働団体、市民団体、ジャーナリズム、芸術・スポーツ団体、外国機関等々が集まり、一大情報拠点となる。州都はまさに日本の複数の中央をつくることになる。気鋭の士を引きつけるであろう。
 それによって、中央集権体制のもとで、全国画一体制のもとで力を発揮できなかった人たちのエネルギーが、九州は九州で、近畿は近畿で、東北は東北でと、それぞれの地域の人々が自分の能力を存分に発揮して産業を興し、教育を見直し、そして豊かな地域をつくる。また、そういう地域がつくれるような身近な政府をみずからの選挙で選んでいく。
 州は、地域の条件に根差した強い産業、農業の復活、そういった社会も育てる。
 国、県、市町村の重層的な関係の今の肥大化した行政の仕組みも簡素化できる。
 これを四、五年かけて都道府県ブロックという形で準備して、さらに十年—十五年かけて、その間は県も存続しますが、市町村の基礎的自治体の自立、それに向けた権限移譲も進めながら、十五年—二十年かけて道州制に移っていくべきだ、こういう提言であります。
 私は、日本が幾つかの道州制に分かれますと、実は、経済が活発な欧州やアジアの経済規模とほぼ同じになるわけであります。道州ごとに制度や政策を工夫して成長競争を行う、州都を中心とした多極的な経済構造をつくる、行政もスリム化していく、まさに適切な提言だ、このように思います。
 さてそこで、竹中大臣にお伺いいたしますが、我々自民党の政権公約二〇〇五によっても、これについて、道州制の導入を検討ということをうたいました。政府の地方制度調査会も、間もなく道州制について答申をまとめると伺っております。
 今後の省庁再々編においては、道州制の導入によってさらに小さな中央政府を目指せるでしょう。その小さな中央政府と地方分権、地域経済の活性化、この三点セットを実現すべきだと思いますが、お考えを伺います。
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竹中平蔵#9
○竹中国務大臣 中川委員から、道州制を中心に、小さな中央政府、そして地方分権、地域経済活性化、三点セットについてお尋ねがございました。
 道州制の問題でございますが、地方でできることは地方にやっていただく、これはもう改革の大原則であって、国民が広く求めていることでもあろうかと思います。
 その場合の考え方としましては、地方でできることは地方で、その場合、やはり地方の受け皿といいますか、一つの地方団体が基礎的な財政基盤を有していなければいけないというのが大前提になろうかと思います。
 どのぐらいの財政基盤、人口でいうとどのぐらいの基盤を有していればいいかということに関しては、これは専門家の間でも意見が分かれるようでございます。最低十万人必要だという方もおられれば、いや、最低三十万人必要だというような方もおられる。いずれにしましても、つい数年前までは三千二百の市町村があったわけでございますから、これを合併してその基盤を強くするということが必要である、その方向で我々も検討を進めてまいりました。この三月には、市町村の数、約千八百程度になるということが予定されております。
 そうしますと、人口、今後、十万なのか三十万なのかわかりませんが、地方自治体の数も、究極的には千とか三百とか、そのような形を目指さなければいけないという姿が出てくるのだと思います。そうしますと、一つの県という単位が行政単位としてはいかにも中途半端なのではないか、より広域の行政単位が必要だという道州制の考えというのは、方向としては、まさに出てくる問題であると思っております。
 現実に、総理が諮問しております地方制度調査会におきましても道州制のあり方を今調査審議しておりまして、国、地方を通じた効率的な行政システムを構築する、地方分権の推進と地方自治の充実強化を図る、そして自立的で活力ある圏域を実現する、そういう方向で検討が進んでいるというふうに承知をしております。
 今後、国の政治・行政制度のあり方との関連など、広い範囲での検討課題を踏まえていただきまして、いずれにしましても、今月末に答申が予定されておりますので、そうした答申を踏まえましてしっかりと対応していきたいというふうに思っております。
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中川秀直#10
○中川(秀)委員 格差社会論で重要なもう一つの視点は、正社員の雇用とパート雇用の格差問題ということであります。
 ちょっとパネルを用意しましたが、お手元の資料にもございます。厚生労働省が二月一日発表した昨年の毎月勤労統計調査、速報値でございますが、正社員を中心とする一般労働者数を小泉政権発足の平成十三年以降で見ますと、対前年比で平成十三年は一・三%減少でございましたが、十四年は二・五まで減少、正社員の減るのがピークになりましたが、その後は徐々に減りまして、平成十七年には〇・五%増と、ついに八年ぶりに正社員は増加をしたわけであります。
 一方、それと逆に、パートの労働者は、平成十三年三・五、平成十四年は同じくピークで六・六まで増加しましたが、その後ずっと下がりまして、平成十七年は〇・六%増加と、いっときの十分の一の増加率に下がってまいりました。
 企業は明らかに、景気回復を背景に、パート確保から正社員確保に動き始めております。ようやくこの改革によって正規雇用拡大の光が見えてきたわけで、格差是正の観点からも、ここで改革をとめて時代を逆戻りさせるなどということは愚の骨頂だと私は思います。
 二十代、茶髪、フリーターと言われる若者たちは、格差固定社会の閉塞状況打破を期待してこの前の総選挙では小泉改革を支持した。今でも旧体制の復活を望んでなんかはいない。改革を加速化しようという私ども自民党を支持してくれているんじゃないかと確信します。いまだに、ネット世代の若者を取り込む票寄せパンダを主張する向きがありますが、だから自民党が勝った、こういうふうに総括をしている御意見もありますけれども、そのようなことでは若者の気持ちはつかむことはできないと私は思います。
 かつてイギリスのチャーチル首相は、社会主義は富める者を引きずりおろすが、自由主義は貧しき者を引き上げる。社会主義は企業を殺すが、自由主義は企業を特権や保護の足かせから救う。社会主義は資本を攻撃するが、自由主義は独占を攻撃するのであると述べております。国民の皆さんも、富める者を引きずりおろす社会主義を望んでいるのではなくて、貧しき者を引き上げる自由主義、独占や閉塞感を打破する自由主義、これを望んでいると言えるのではないでしょうか。
 今まさに日本国内において、成長力のある企業や人が機関車となって日本経済全体を引っ張る、それが多くの人々の機会を生かすチャンスを生み、弱者をも救い、引き上げていくというプロセスにある、こう考えるのでございます。
 財務大臣にお伺いしますが、さきの財政演説で、構造改革の先にある社会は弱肉強食の社会ではないと述べられました。また、一月下旬のテレビ番組で、高額所得者からたくさん取ってバランスをという議論は出てくる、消費税だけで議論するとおかしくなると述べられたと記憶いたします。この御発言の真意は、所得税の累進性を強めて高額所得者への課税を強化すべきだということをおっしゃっておられるのでしょうか。
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谷垣禎一#11
○谷垣国務大臣 NHKのテレビでの発言を今、政調会長、おっしゃっていたかと思うんですが、あそこで私申し上げましたことは、税はそれぞれ特質がございますから、一般論として申し上げますと、消費課税だけではなくて、所得課税あるいは法人課税、資産課税、そういうものの全体のバランスの中で考えなければいけないということを申し上げたつもりでございます。
 それで、所得課税につきましては、ことしから定率減税をもとに戻していただく法案を出させていただいているわけでございますが、どちらかというと、やや基幹税としての機能が弱くなっている面がございます。
 したがいまして、所得課税をどういうふうに持っていくか。それにもいろいろな考え方があろうかと思いますが、一つの考え方としては、政調会長おっしゃっていましたように、累進性をもっと強くしていくという考え方もあるかもしれません。しかし、それと同時に、いろいろな控除のあり方を見直す中で所得再分配機能をどう発揮させていくかという考え方も私はあるんだろうと思います。その辺を十分これから議論していって、消費税との補完をどういうふうにしていくか、こういう議論がこれから必要ではないかということを申し上げたわけであります。
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中川秀直#12
○中川(秀)委員 先進国で経済発展に成功したところは、税制、税率というものはなるべくフラットにしていく、単一のものに近づけていくというのが主流であります。私は、それが正しいのではないかなと基本的には思います。
 ただ、人的控除、その中には、長く申し上げる時間はございませんが、日本でも、二十三歳から六十四歳まで働いていない方々、障害を持ってもいない、健常者であって働いていない、この親に対して扶養控除をつけている、こういうものは見直すべきじゃないかな。あるいは老親、親御さんと同居をしていないが同居控除がついている、こういう人たちはそういう控除はもうやめるべきじゃないかな、私はそんなことは感じます。そこは見直していいと思いますけれども、税制はなるべくフラットにというのが正しいのではないかと考えております。
 私は、先ほど申し上げました、貧しい者を引き上げる自由主義、独占や閉塞感を打破する自由主義、こういう政策とは、今、先進国で常識的な財政金融政策をやることだと思っています。その結果、名目成長率四、五%を達成することは、常識的な政策でもできると考えます。
 そこで、経済成長率についてお尋ねするわけですが、正規雇用の拡大の動きが出てきているように、経済成長こそが格差是正の良薬、一番の改善策になるということは確かであります。多くの人たちの夢や希望をかなえる条件を整えるのが経済成長であります。
 パネルをちょっと用意しましたが、お手元の資料にもございますけれども、これはOECDのエコノミックアウトルックから取り出したものです。過去三年間、このちょうど真ん中の赤い字のところですが、日本は名目成長率は〇・九%だったのに対しまして、サミット諸国、G7諸国の平均の名目成長率は三・六%です。また、OECD諸国の平均の名目成長率は四・九%です。一番下の実質GDP成長率で見ますと日本は遜色ないんですが、何と申しましても、デフレ、真ん中の欄、マイナス一・二が足を引っ張って、日本はこのように低いわけでございます。
 これに対して、内閣府が一月十八日に「改革と展望」の参考として財政諮問会議に提出した試算では、年平均で二・六%、最終年でも三・二%と、極めて低い数字になっています。
 私の言う最低四%成長との差は〇・八%ございますが、かつて、一九一〇年代、二〇年代にアルゼンチンという国がございました。一九一〇年代ぐらいは、アルゼンチンという国は西欧諸国のどの国よりも一人当たりの国民所得が高かったんです。しかし、二〇〇〇年を迎えまして、八十年で、今や西欧諸国の一人当たりの国民所得の半分以下になっております。その約七、八十年の成長率の差は、たった〇・九%です。これだけの差でそんなふうになってしまうのでございます。名目成長率が内閣府の試算よりもう一%高ければ、十年後の名目GDPは、一〇%、約五十兆円大きくなります。その結果、税収は八兆円、消費税に直せば四%分ふえる計算になります。
 与謝野大臣は、この前の経済演説を聞かせていただきましたが、成長力と競争力の強化の項を設けまして、悲観論や縮み思考では将来は開けないと、私は正しい御指摘をなさったと思っております。そして、今後、成長力と競争力の強化に向けたグローバル戦略、人材、産業、地域、対外政策、各分野でそういうものを盛り込む、こう経済演説でおっしゃいました。
 この骨太の方針に盛り込まれるグローバル戦略の結果、当然ながら、経済成長率は「改革と展望」の試算よりは高くなり、私の唱える名目成長率四%に近づくものではないかと考えますが、いかがでしょうか。
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与謝野馨#13
○与謝野国務大臣 日本の成長力が高ければいいという点では、中川議員と私は全く意見は異ならないと思っております。高い成長力をもたらすためには、相当汗もかかなければなりませんし、また知恵も出さなければなりません。要するに、努力なしでは高い成長力は達成できないということも全く同じ考え方であろうと私は思っております。
 成長力を考えますときに、やはり日本が持っております潜在成長力を高めていくということがオーソドックスな真正面な取り組みであろうと思っていまして、潜在成長力を高めるためには生産性を高める、このためにはいろいろな要素を強化していく必要があると思っております。教育も一つですし、いろいろな国際的な戦略もそうです。私は、小泉内閣が続けてまいりました構造改革は、効率のいい社会、生産性の高い社会をつくる、そのことによって日本の潜在成長力に寄与しよう、そういう考え方に基づいていると思っております。
 先般出しました私どもの試算、若干低目に出ております。これは別のモデルを使ったとかそういうことではなくて、比較的真っ正直なやり方であのような数字が出ておりますけれども、これは固定的なものではなくて、今後の国民の努力、政府の努力によって高い成長力を達成できる、またはそのための努力、これもまた必要になってくると私は思っております。
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中川秀直#14
○中川(秀)委員 ありがとうございました。ぜひその方向で政策運営をお願いしたいと思います。
 二階大臣にもお伺いします。
 経済産業省の産業構造審議会新成長政策部会というのがあるんですね。そこで新経済成長戦略を取りまとめられると伺っていますが、二階大臣は、中長期的に日本経済の経済成長率をどの程度展望しておられますでしょうか。また、どうすべきだとお考えでしょうか。
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二階俊博#15
○二階国務大臣 中川政調会長が日ごろの持論として、経済成長の展望に明るいものを見出そうという御努力をされていることに、私はかねがね敬意を払っておりました。
 私ども経済産業省におきましても、今日の人口減少社会においても、新しい成長戦略というものは、考えようによっては、また努力のしようによっては達成することが不可能ではない、そういう基本的な認識に立って改革の先に明るい展望を見出す、これが今国民の皆さんが期待していることではないかと思っております。
 改革、なるほど、すばらしい響きの言葉でありますが、その改革の最中にも、先ほど中川議員からお示しになりましたとおり地域格差というものは歴然としておるわけでありまして、これらの問題にどう対応するか。中小企業の皆さんが今日大変な頑張りを見せておりますが、それでもやはりこの面におきましては、政府のもっともっと支援が必要ではないかという声もよく聞かされます。
 そうした意味で、私たちは新経済成長戦略を検討しようということになりまして、先ほど議員からも御指摘のとおり、産業構造審議会新成長政策部会におきまして、まず、地域活性化の議論を今スタートさせたところであります。今後、国際産業戦略または人材、教育、あるいは資本、金融、技術などの議論を積み重ねて三月の下旬にはマクロ経済の将来の見通しを発表し、議論のたたき台として国民の皆さんからの御意見もちょうだいし、また各方面の御意見もいただきながら検討をさらに加えていこうと思っております。
 日本経済の明るい展望を示すことこそ、私たち経済産業省に課せられた今重要な問題だと認識いたしております。
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中川秀直#16
○中川(秀)委員 ちょっと、先ほどの国際比較を出しながらお願いします。
 経済には、潮の満ち引きに当たります景気循環というものと、それから、もともとの水位の高さ、こういうものを示します潜在成長率、成長力というものがあるわけであります。私は、過去十年とか過去五年とか、こういう各国の比較を見ましても、どんなに景気循環があっても再びマイナス成長に陥ることのない高い水位の潜在成長率、これを目指すのが日本の国運を左右する、こう考えるわけでございまして、それは、人口減少社会における増税の幅を縮小するためにも、さらには中国が台頭する中で日本の地位を保つためにも不可欠である、こう考えるわけです。
 安倍官房長官にお尋ねします。
 安倍官房長官は、一月十五日のテレビ番組で、一・五%から二%程度の日本の潜在成長率をさらに上げて、力強い経済をつくるべきだという趣旨の発言をされています。我々自民党としても、あなたが党改革委員長の時代に創設をして取り組まれたシンクタンクで、経済成長、さらに高目の三%以上の政策はどういうものがあるかというパイロット研究を既に始めましたが、今後の経済成長のあり方について官房長官のお考えを聞きます。
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安倍晋三#17
○安倍国務大臣 私は、よく年の初めに、ことしをどういう年にしたいんですかと聞かれたときに、ことしの年末に、ことし一年間一生懸命頑張った結果、去年よりもいい年になったね、こうみんなで言い合える年にしたい。そして、恐らく来年はもっといい年になる、そういう夢や希望を持てる年にしていきたいとか、こういうふうに話をするわけなんですが、恐らく多くの国民もそうなんだろうというふうに思います。
 そのためには、力強く経済が成長していく、生活の質が向上していく必要があるんだろう、こう思っています。経済が成長していくためには、労働力が伸びていく、あるいは生産性が伸びていかなければならないわけでありますが、残念ながら、労働力人口が減少していくことが見込まれる中であっては、生産性をしっかりと向上させていかなければならないわけであります。そして、生産性を上げていくためには、規制、金融、歳出、税制といった改革をしっかりと進めていくことによって潜在成長率、潜在成長力を上げていかなければいけない。
 「改革と展望」において、実質成長率一・五あるいはそれ以上が見込まれる、こう書いてあるわけでありますが、しかし、私たちはしっかりともっと努力して、この潜在成長率をできれば二以上にしていくという目標をみんなで持って努力していかなければいけない。
 実際、例えば金型の分野においては、IT革命において工程の大変な改革が行われた結果、生産性が飛躍的に伸びています。これはもう実質的に産業革命と言われることが起こっているんですね。それも、しかも日本が主導している。十分に私たちはそういう目標に到達できることは可能ではないだろうか、このように思っています。
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中川秀直#18
○中川(秀)委員 私は、右肩上がりの時代は終わったとか、人口が減少するから、確かに財政は深刻ではございますけれども、もう経済成長は無理だとか、そういう悲観論が、まさに夢も希望もない格差固定社会をもたらしてしまうのではないかと思います。
 経済が成熟化していく中で、海外の資産収益を反映するGNP、これで経済活性化を考えるべきだという議論もございましょう。人口減少社会は、一人当たりの国内総生産、GDPがふえれば豊かな社会だということを忘れてはいけません。しかし、最も大切なことは、先ほどから申し上げている成長を重視することで私の言う名目成長率四%台ということが実現できれば、二十年弱、十八、九年で名目の国民所得は倍増するわけです。二倍になるわけです。かつて所得倍増というのがございましたが、あれは十年でしたけれども、二十年弱で、四%で倍増するわけです。年金や税負担での負担と給付の世代間対立も緩和する、そういうことのためにも必要でございます。
 先ほど申しました我々のシンクタンクで、アメリカのノーベル経済学者も加えて、今この路線について本格的に研究しています。ここで、私自身の個人の案ですが、ちょっとパネルを用意いたしましたが、日本経済を上げ潮に乗せるための成長計画、経済計画というのはどういうものがあるんだろうかと、お手元に資料も用意しました。
 経済成長、潜在成長力を上げていくというのは、労働力の要因と資本の要因と技術革新の要因と三つございます。何といいましても、これによって成り立つ成長を上昇させる各政策が必要だということと、金利を急上昇させないという政策の二つを両立させて、日本経済を全体として上げ潮に乗せる成長計画を推進していかなければ、これは実現できないわけであります。
 その計画のまず第一の柱となるべきことは、やはりこれだけグローバルな社会になりましたので、新しい日本経済の国境概念というものを広げていくべきではないかと私は考えます。人口減少社会の日本にとって、BRICs諸国、ブラジル、ロシア、インド、中国等々、この市場はこれから本格的な市場になってくるわけですが、三十数億人です。インド、中国を含むアジア市場だけでも八・二兆ドルと申しますから、円換算で約一千兆円の市場というものになってまいります。
 こういうマーケットを日本経済の発展にプラスしていくことが重要となりますが、そのための重要な手段が、今言われている自由貿易協定であり、あるいは経済連携協定でございます。
 実は、韓国では最近、政府内にFTA推進委員会を立ち上げました。何と二〇〇七年、つまり来年までに三十—五十カ国とこの協定の締結を目指す。三十—五十カ国ですよ。十五カ国と同年中に協定を発効させるということを決めました。中国は、二〇一〇年にASEAN諸国とのFTAスタートで合意しまして、もう既に昨年から一部関税削減を始めております。また、インドと共同研究会設立で合意。豪州、オーストラリアと正式交渉を昨年開始しているのでございます。
 官房長官、伺いますが、各省、FTAについてはいろいろな立場がありますけれども、この経済連携協定、自由貿易協定推進のために政府一体となった取り組みを進めなければ、もう日本は間に合いません。日本がやっているのは、シンガポールとメキシコのたった二カ国です。あと交渉中が数カ国あるだけです。こんなことでいいんでしょうか。
 国益に沿った対応ができる万全の体制を総理のもとでつくっていくことが不可欠だと私は思います。そういう強力な官邸主導のリーダーシップ体制の確立、これについてどうお考えでありましょうか。
 また、アジア共同体構想におきますリーダーシップの発揮のためにも、ASEAN諸国や豪州、さらには隣国の中国や韓国との自由貿易協定を加速すべきであると考えますが、いかがですか。
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安倍晋三#19
○安倍国務大臣 ただいま委員が御指摘になったように、シンガポールそしてメキシコとの間におきましてはEPAが発効したわけでありますが、さらに昨年の十二月に、マレーシアとの間のEPAについて、総理は既に署名をしておられます。そしてタイとの間のEPAについても、だんだんこれは署名に向けて条件が整いつつある、こう思っています。しっかりとした日本の世界戦略を持った上で、このEPA構想、FTA構想を進めていく必要がある、こう思っているわけであります。
 もちろん、国内的にはいろいろな問題があるわけでありますが、各省庁のセクショナリズムによってそうした協定が停滞することがあってはならない、こう思っております。私も、総理の御指示のもとにしっかりと各省庁との調整を図りながら、しっかりと日本の未来のために、こうしたFTAそしてまたEPAを進めていきたい、こう思っているところでございます。
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中川秀直#20
○中川(秀)委員 いずれにしても、スピード感が違うんですよね。先ほど言ったように、韓国は三十—五十カ国と来年までに交渉を締結する、十五カ国と発効させる、そんな目標です。
 我が国は、例えば、合意して交渉に入った、共同研究会の立ち上げだ、この期間が物すごく長い。こんなことでは日本の将来にゆゆしき事態を招いてしまうと思いますよ。これは本当に総理主導、官邸主導で、国益を考えて、もっとスピードを上げて、外務省の経済局中心だけの交渉じゃ、スタッフも足りないし間に合いません。官邸主導で行かなければ、これは前に進まないと私は思いますね。我々も党にFTAの特命委員会がございまして、先般もかんかんがくがくの議論をしました。これからもやってまいります。
 東アジア・サミットで具体的な取り組みが開始されることになった東アジア共同体、これは日本の国家戦略上も極めて重要な意味を持ちますが、この共同体構想で、日本が、自由経済、市場経済という共通の価値観を軸に、開放的な市場を目指してリーダーシップを発揮する、これが一番大事ですね。
 このリーダーシップの問題、手段なんですが、深刻な財政の中で、もはやODA、政府開発援助だけに依存すべきではないと私は思います。むしろそうではなくて、日本のリーダーシップの源泉は、日本がアジア経済の需要者、買い手になってあげる、輸入の拡大を行うということが極めて重要だと思うんです。
 竹中大臣、あなたは経済学者として、こういう経済の安全保障、そういう意味で、輸入拡大は国際経済における、まあ政治もそうかもしれませんが、日本の発言力の強化につながるという点についてどう考えているか、簡単に答えてください。
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竹中平蔵#21
○竹中国務大臣 久しぶりに経済学者として質問をいただきまして、ありがとうございます。
 一九八〇年代、貿易摩擦の時代に、アメリカの力の源泉は何かという議論をする際に、それは実は、マーケット、市場の脅威ではないかという議論がございました。アメリカはたくさんのものを世界じゅうから輸入します。その国がマーケットを閉ざすぞというような姿勢になると、やはり各国大変大きな影響を受ける、それがアメリカの最も大きな経済的な力の源泉ではないかという議論がございました。
 中川委員御指摘の、まさに輸入を拡大することによって、それで一種の個々経済的な安全保障が確保できるという議論は、私はまことにごもっともな御意見であろうかと思っております。
 いわゆる経済というのは、お互い相互依存を高めて、いわば抜き差しならない関係に入ることによって、より発言権が増される。日本のように軍事力を持たない国は、その意味では、こうした経済力、シビリアンパワーというようなものを高めることこそがその貢献であると思いますし、それを通して、まさに議員御指摘のように自由貿易等々の共通の価値観を広めていく。これは世界的にも重要なことであるし、また日本の経済安全保障にとっても極めて重要な方向であるというふうに思っております。
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中川秀直#22
○中川(秀)委員 麻生外務大臣、輸入拡大は国際政治の面においても我が国の発言力強化につながる、こういうことについて、あなた自身はどう考えていますか。
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麻生太郎#23
○麻生国務大臣 輸入拡大イコール貿易量の増加ということになろうと存じますけれども、特定の国とだけということになりますと、同じ輸入拡大でも、石油の輸入拡大だけが続いて輸出がとか、前提条件がいろいろあると思いますけれども、基本的には、輸入が拡大され、輸出が拡大され、貿易の絶対量がふえるということは、経済を刺激し、経済を成長させるというのは基本だと考えております。
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中川秀直#24
○中川(秀)委員 若干、関連で農業問題についても質問いたしますが、総理は、施政方針演説で攻めの農政というのを宣言されました。食べ物を外国から輸入するだけの守りの農業から、攻めの農業に転じて日本の食文化を世界に広げていく必要がある、ニッポン食育フェアで、そんなごあいさつもされております。
 まさに今議論してまいりました、これから日本の経済を上げ潮にしていくためにも、私は、日本の国境概念を広げていくアジア共同体構想、自由貿易協定、こういうものをもっと力強く進めていく、そういう中で攻めの農政をしていくべきだと思いますが、総理、簡単に御決意をお聞かせください。
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小泉純一郎#25
○小泉内閣総理大臣 攻めの農業という言葉を使っておりますが、今までは、各国とFTA、貿易交渉しても、日本は農業を守るばかり。輸入すると日本の農業は壊滅的打撃を受ける、いかに外国の農産物が日本に入ってくるのを防ぐかという守りの農業の方が重視されていた。しかし、これからは、守るばかりでなく、交渉するためには攻めも必要だ。日本には農水産物もいいのがあるということで、守るばかりじゃなくて日本の農業も輸出できると。かつては工業製品だって、日本の品物、各国と競争して輸出できたんです。
 典型的な例が、自動車の本場アメリカで日本の車が、アメリカ国民も、日本の車はいい、高くても買いたいということを想像した人は四、五十年前はいなかったと思うんですね。それが、今や自動車の本場アメリカでも、日本の車は高くても買いたいということで頑張っていることから考えれば、今、つい数年前までは、中国からの農産物の輸入をいかに阻止するか、ちょっとふえると、もう農業団体初め自民党の議員の皆さんも、いかに阻止するかと、陳情ばかりですよ。何とか阻止してくれ、阻止してくれ、これじゃだめだと。
 貿易というのは、日本も工業製品を輸出しているんだから、農産物、ある程度輸入、もうこれは防ぐことはできない、農業の農産物も入れると同時に農業も輸出することを考えていけばいいじゃないかと言った途端に、中国の高官が日本に見えまして、私が、上海では日本のイチゴが一粒三百円で売れているそうですねと言ったら、いや、イチゴだけじゃありませんと。北京では、大島委員長の青森かな、青森のリンゴが……
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大島理森#26
○大島委員長 津軽の方ね。
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小泉純一郎#27
○小泉内閣総理大臣 日本円で二千円で売れていますよと言ってびっくりしたんです、私。これは本当かどうかちょっと信じられなかったから調べてみたら、本当なんですよ。
 そうしたら、今、イチゴとかリンゴだけじゃない。何と、お米までがアジアに輸出されている。コシヒカリというのは新潟が有名ですけれども、島根県産のコシヒカリが台湾で、台湾のお米よりも二倍、三倍高いんだけれども、おいしいから売れている。中川政調会長地元のカキ。カキは外国から輸入していると思ったら、何と、広島産のカキは、高いけれども品質がよくておいしいから、今アジアに輸出している。北海道でも長芋が外国で売れて、むしろ本州の注文に間に合わないぐらい北海道の長芋も売れている。
 だから、今後は、輸入阻止というよりも、日本も輸出できるんだという意欲を持って私は頑張ってもらいたい。
 安売り競争だったら勝てません、発展途上国に。だから、高くてもおいしいというのが中国でもふえているんですから、外国でもやはり高くてもおいしいものは売れるという意欲を持って、これから農産物、水産物、日本の、品質がよくておいしいものをどんどん輸出していこうという意欲を持って頑張ってもらいたい、これが攻めの農政だと考えております。
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中川秀直#28
○中川(秀)委員 WTOの農業交渉等々もあり、我が国の農政改革の方向とも一致するような結論を得るように農水大臣は今苦労しているところだとは思いますが、今の総理の御決意を踏まえ、それから、日本のこれから、私は経済の話をしているんですが、全体をさらに上げ潮にしていく、国民生活をそういうことによって豊かで安心できるものにしていく、そういう観点から、今の自由貿易協定と農業という問題について、大臣の御決意を聞かせてください。
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中川昭一#29
○中川国務大臣 日本の農業というのは、全国津々浦々で、農業生産だけではなくて、いろいろな多面的な機能を果たしているわけでございます。水管理でありますとか、また教育への貢献でありますとか。
 そういう中で、日本の農業、今総理からも答弁ございましたように、強い農業を目指していく。これは経営体一つ一つが強くなっていくと同時に、世界の競争の中でも何としても頑張っていかなければいけないということで、WTO、そしてまた、それと関連いたしますFTA、EPA、RTAといったいろいろな交渉が今行われているわけでございます。
 具体的には、農政の新しい政策をこれから導入する予定でございますけれども、やはりWTOにおきましても、また二国間の交渉におきましても、譲るところは譲る、しかし、守るところはきちっと守っていくという基本方針で、貿易立国としても日本は農業面でも貢献をしていきたい。しかし、農村にとって、あるいはまた日本の産業等の面から見ましても譲れないところは、これは何としても交渉で闘っていくという視点でございます。
 そして、輸出に関しましては、今総理からも御答弁ありました。日本の農業生産約九兆円でございますけれども、六兆円以上が輸入ということでございます。カロリーベースではもう四〇%を切っているということでございます。他方、輸出につきましても、約三千億円、金額ベースで農林水産物を輸出しておりますけれども、昨年から、総理の強い指示で、これを五年間で倍増しよう、六千億を目指そうということで、去年は一二%の伸びでございました。
 いいものをつくって、そしてきちっと宣伝すれば、あるいはまた日本の食文化の健康面、品質面のよさというものを十分理解してもらうような努力をすればこの目標を何としても実現できると思いますので、さらに強い日本の農業、農産物、水産物、林産物を目指して、経営体それぞれが頑張っていることを政府としても全力を挙げて後押ししたいというふうに思っております。
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